このチュートリアルでは、店頭のディスプレイやバナー広告で用いられる、タイポグラフィーがループして表示されるグラフィックを作成します。このテクニックを応用すると、TVCMなどで見られるような、ロゴなどのベクターデータを背景画像としてループして表示させるムービーにも利用できます。



1.Illustratorでベースのデザインを作成する

 

Illustratorで基本のデザインを作成します。新規アートボードを「フィルムとビデオ」プリセットを利用して作成します。ループしたときに自然に見えるよう、“MAX50%OFF”のテキストがひとつの塊に見えるように文字の大きさや位置を詳細に調整します。作成したデザインのレイヤーは文字と背景4つに分割して名前をつけておきます。

 

アートボード:フィルムとビデオ / 700px × 700px

使用フォント:DIN2014(Adobe Fonts)

 

“MAX50%OFF”の背景にはIllustratorの「フリーグラデーション」を使用しています。フリーグラデーションについてはこちらのチュートリアルを参照してください「美しいグラデーションの作成方法」

 

データが作成できたら.ai形式で保存します。

2.After EffectsへIllustratorのデータを取り込む

 

After Effectsを立ち上げて「新規プロジェクトの作成」ボタンを選択してプロジェクト(.aepファイル)を作成します。次に、作成したIllustratorのデータをAfter Effectsで読み込みます。

 [ファイル]メニュー→[読み込み]→[ファイルから]を選択し、Illustratorのデータを選択します。このとき、「読み込みの種類」では「コンポジション-レイヤーサイズを維持」を選択し、「開く」をクリックします。

 

次に、作成されたコンポジションのサイズや時間を確認・設定します。コンポジションパネルのコンポジション名を右クリックするか、選択して[コンポジション]メニュー→[コンポジション設定]を選択します。

幅:700px  / 高さ:700px と入力します。フレームレートは30にして、デュレーションは5秒程度(0;00;05;00)に設定します。このコンポジションは「banner」と命名しておきます。

3.背景を作る

 

作成したコンポジションへ写真を配置します。はじめにプロジェクトパネルへ写真(photo.jpg)をドラッグ操作などで読み込みます。写真(フッテージ)を右クリックして[プロキシ作成]→[静止画…]を選択します。

 

ファイルの保存先を登録して、レンダーキューに写真が設定されたことを確認したら、右端に表示される[レンダリング]ボタンを選択してコンポジション(photo)を作成します。

レンダリングが終了すると、変換したコンポジションの左側に四角いアイコンが表示されます。この画像を格納した「プロキシ」のコンポジション(photo)をレイヤーとして利用することで、素材の差し替えや確認のための再生がラクになります。

 

プロジェクトパネルで作業中のコンポジション(banner)を開き、作成したコンポジション(photo)を作業中のコンポジション(banner)へドラッグして配置し、コンポジションパネル上で[Shiftキー]を押しながらプロキシのコンポジション(photo)レイヤーの比率を一定に保ちながら、ドラッグ操作で拡大/縮小して配置します。

4. ベクトルレイヤーをシェイプレイヤーに変換する

 

バナー下部の背景に使用しているフリーグラデーション以外の要素は「シェイプレイヤー」に変換することができます。レイヤーを選択して右クリックし、[作成]メニュー→[ベクトルレイヤーからシェイプを作成]を選択します。

 

シンプルなタイポグラフィや図形はAfter Effectsで描くことも可能です。たとえばバナー上部にある「Autumn SALE」の文字や背景などはAfter Effectsのテキストツール、長方形ツールを利用して同じものを描画できます(本チュートリアルではIllustratorで作成したオブジェクトをシェイプへ変換しています)。

 

 

ここでは、上段の「Autumn SALE」というテキストと背景部分のシェイプレイヤーに対して、それぞれ以下の処理を加えています。

 

(1)背景のシェイプに描画モードを設定する

上部の黄色の四角形を「乗算」にして、下の写真と色が重なりあうように加工します。

四角形のレイヤーを選択して、レイヤーパネルの「モード」欄から描画モードを選ぶことで、PhotoshopやIllustratorと同じように乗算などの処理を加えることができます。

 

※「モード」が表示されていない場合は、「レイヤー名」などと表示されている項目名の上で右クリックして[列を表示]→[モード]を選択します。

 

(2)Autumn SALEに影のエフェクト(ドロップシャドウ)を設定する

文字(Autumn SALE)のレイヤーを選択して、[エフェクト]メニュー→[遠近]→[ドロップシャドウ]を選択します。

エフェクトコントロールパネルか、レイヤーパネルの「エフェクト」に表示されている「ドロップシャドウ」の欄を展開してドロップシャドウを設定します。

5.タイポグラフィに「リピーター」を設定する

 

デザインされたタイポグラフィ「MAX 50%OFF-」のシェイプレイヤーを選択して、プロパティを展開し、「コンテンツ」の右側に表示されている [追加]→[リピーター]を選択します。

 

リピーターを追加すると、「リピーター1」という表示と、「トランスフォーム:リピーター1」が追加されます。それぞれ以下のように設定します。

 

●「リピーター1」のコピー数:3.0(デフォルトのままにしておきます)

●「トランスフォーム:リピーター1」の「位置」の数値を調整(数値の上でマウスを左右にドラッグすると数値の上下を直感的に行なえます)

 

「リピーター1」だけでは下のように、複製されたインスタンスが元のシェイプと被ってしまいます。

 

そこで、「トランスフォーム:リピーター1」の「位置」を調整することでこれを解消します。

このとき元々シェイプレイヤー側に設定されている方の「トランスフォーム」プロパティと混同しないように注意しましょう。こちらの「トランスフォーム」は、次のステップで利用します。

6.タイポグラフィに動きをつける

 

リピーターを設定したタイポグラフィが左へ流れていくモーションを付けます。タイムラインの時間インジケーターを0(一番左)にして、元々のシェイプレイヤーに設定されている方の「トランスフォーム」プロパティを展開し、「位置」のストップウォッチをクリックします。

 

次に、時間インジケーターを一番右までドラッグしたあとで、位置の数値を変更するか、コンポジションパネル上でシェイプをドラッグして左に移動します。するとキーフレームがもうひとつ打たれます。

 

最後にスペースバーを押して再生して確認すると、タイポグラフィがループしていることが確認できます。

 

作成したバナーは[コンポジション]メニュー→[Adobe Media Encoder キューに追加] を選択して書き出し形式をmp4形式(H.264)やアニメーションgifなどに設定して、書き出して利用します。

アドビのロゴ

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