ここでは、ドメイン名の設定とデリゲーションに関するビジネスおよび技術要件について説明します。顧客は、Adobe Campaign プラットフォーム用の Web コンポーネント(ランディングページ、オプトアウトページ)をホストするために、電子メール送信サブドメイン、およびオプションで外部向けサブドメインを選択する必要があります。

サブドメイン

はじめに

Adobe Campaign を使用すると、デジタルマーケティングは真にブランドの顧客エンゲージメントマーケティングプログラムを推進するコンテキストエンジンになります。  電子メールはデジタルマーケティングプログラムの基盤であり続けています。ただし、インボックスへのアクセスは今まで以上に困難になります。

電子メールキャンペーン用のサブドメインを作成することで、ブランドはさまざまな種類のトラフィック(マーケティング対企業など)を特定の IP プールおよび特定のドメインに分離できるため、IP のウォーミングプロセスが高速化され、全体的な配信品質が向上します。  ドメインを共有している場合、そのドメインがブロックまたはブラックリストに登録されると、企業のメール配信に影響を与える可能性があります。ただし、電子メールマーケティング通信に固有のドメインでの評判の問題やブロックは、その電子メールのフローだけに影響を与えます。  メインドメインを複数のメールストリームの送信者や「差出人」アドレスとして使用すると、電子メール認証が無効になり、メッセージがブロックされたり、スパムフォルダーに移動される可能性があります。

 

デリゲーション

ドメイン名のデリゲーションとは、ドメイン名の所有者(技術的には DNS ゾーン)がその下位区分(技術的には、サブゾーンと呼ばれる、その下の DNS ゾーン)を別のエンティティにデリゲートできるようにする方法です。基本的に、顧客がゾーン「example.com」を処理している場合、サブゾーン「marketing.example.com」を Adobe Campaign にデリゲートできます。

つまり、Adobe Campaign の DNS サーバーは、最上位ドメインではなく、そのゾーンに対してのみ完全な権限を持ちます。Adobe Campaign の DNS サーバーは、「t.marketing.example.com」自体など、そのゾーン内のドメイン名に対するクエリに対する正式な回答を提供しますが、「www.example.com」は提供しません

Adobe Campaign で使用するサブドメインをデリゲートすることで、クライアントはアドビに依存して、社内の電子メールドメインの DNS を引き続き維持管理しながら、自社の電子メールマーケティング送信ドメインの業界標準の配信品質要件を満たすために必要な DNS インフラストラクチャを維持できます。  サブドメインのデリゲーションでは次のことが可能です。

  • クライアントは、ドメイン名に DNS エイリアスを設定することでブランドイメージ低下を避けることができます
  • アドビは、電子メールの配信品質を最適化するためのあらゆる技術的なベストプラクティスを自主的に実装します

 

DNS 設定オプション

クラウドベースの管理対象サービスを提供するために、アドビでは、Adobe Campaign をデプロイするときにクライアントにサブドメインのデリゲーションを使用することを強く推奨します。  ただし、アドビは、DNS を設定するための代替オプション(CNAME 設定)をクライアントに提供します。

 

オプション

説明

アドビの責任

クライアントの責任

Adobe Campaign へのサブドメインのデリゲーション

クライアントはサブドメイン(email.example.com)をアドビにデリゲートします。  このシナリオでは、アドビは、電子メールキャンペーンの配信、レンダリング、およびトラッキングに必要な DNS のあらゆる側面を制御し管理することで、Campaign をサービス提供できます。

 

Adobe Campaign に必要なサブドメインとすべての DNS レコードの完全な管理。

 

アドビへのサブドメインの適切なデリゲーション

 

CNAME の使用

クライアントはサブドメインを作成し、CNAME を使用してアドビ固有のレコードを指定します。  この設定を使用して、アドビと顧客の両方が DNS を維持する責任を共有します。

Adobe Campaign に必要な DNS レコードの管理。

Adobe Campaign に必要なサブドメインの作成と制御、および CNAME レコードの作成/管理。

必須 DNS レコード

レコードタイプ

用途

レコード/コンテンツの例

MX

着信メッセージのメールサーバーを指定する

email.example.com

10 inbound.email.example.com

SPF(TXT)

送信者ポリシーフレームワーク

email.example.com

"v=spf1 redirect=__spf.campaign.adobe.com"

DKIM(TXT)

DomainKeys 識別メール

client._domainkey.email.example.com

"v=DKIM1; k=rsa;" "DKIMPUBLICKEY HERE"

DMARC(TXT)

ドメインベースのメッセージ認証のレポートと準拠

_dmarc.email.example.com

“v=DMARC1; p=none; rua=mailto:mailauth-reports@myemail.com”

ホストレコード(A)

ミラーページ、画像ホスティングおよびトラッキングリンク、すべての送信ドメイン

m.email.example.com IN A 123.111.100.99

t.email.example.com IN A 123.111.100.98

email.example.com IN A 123.111.100.97

リバース DNS(PTR)

クライアントの IP アドレスをクライアントのブランドのホスト名にマッピングする

18.101.100.192.in-addr.arpa ドメイン名ポインター r18.email.example.com

CNAME

エイリアスを別のドメイン名に提供する

t1.email.example.com

t1.email.example.campaign.adobe.com のエイリアスです

設定要件

サブドメインのデリゲーション

このためには、クライアントが自社の DNS サーバーにサブドメインを作成し、このサブドメインのネームサーバーをアドビが管理しているものに変更する必要があります。  例えば、メインドメイン名が「example.com」で、電子メールの配信のために「marketing.example.com」の管理を Adobe に委任したいと考えているクライアントは、このデリゲーションを具体化して、次のタイプレコードを DNS に追加する必要があります。

marketing.example.com. NS a.ns.campaign.adobe.com.
marketing.example.com. NS b.ns.campaign.adobe.com.
marketing.example.com. NS c.ns.campaign.adobe.com.
marketing.example.com. NS d.ns.campaign.adobe.com.

ドメイン名のデリゲーションは、このドメインが Adobe Campaign プラットフォームを介した電子メール配信専用であることを意味しているため、他の手段(他の電子メールインフラストラクチャからの電子メール送信など)には使用できません。

設定プロセス中、アドビはこれらのドメインに戻ってくるリバウンド電子メールを管理および処理するために、ドメインがアドビの受信電子メールインフラストラクチャに接続されていることを確認します(MX タイプ DNS レコード設定)。

CNAME の使用

クライアントがアドビにサブドメインをデリゲートするのではなく CNAME を使用することを選択した場合、設定段階でアドビはレコードをクライアントの DNS サーバーに配置し、対応する値を Adobe Campaign の DNS サーバーに設定します。

デプロイメントの一般要件

新しいエンタープライズマーケティングソリューションを実装する際には、外部に面するコンポーネントに対する要件があります。  これらには、ランディングページと Web フォームのホスティング、追跡するリンクと Web ページの設定、ミラーページの表示、オプトアウトページの設定が含まれます。

これらの要件は、アドビと顧客の両方によってホストされているコンポーネントを通じて管理されていますが、電子メールの受信者が見ることができる URL が含まれています。  根本的な技術的解決策またはホスティングプロバイダーを示す URL を持つことを避けるために、これを電子メールの受信者に対して透過的にするようにサブドメインを設定することができます。  例えば、http://www.customer.com/ などの URL を調べると、ドメインは「www.customer.com」となります。  このサブドメインは「www」です。

サブドメインの要件

Adobe Campaign アプリケーションから、ブランド URL(ミラーページとトラッキング URL)に使用するサブドメインを決定します。  また、電子メール配信の各サブドメインの「差出人アドレス」、「差出人名」、および「返信先アドレス」を決定します。

次の表を完成させてください。最初の行は一例です。

 

サブドメイン

差出人アドレス

差出人名

返信先アドレス

emails.customer.com

news@emails.customer.com

顧客

customercare@customer.com

 

 

 

 

注意:

  • 「返信先アドレス」フィールドの目的は、受信者に「差出人アドレス」とは異なるアドレスに返信させたい場合です。  必須フィールドではありませんが、アドビでは「返信先アドレス」を有効にし、監視対象メールボックスにリンクすることを強くお勧めします。このメールボックスは顧客によってホストされている必要があります。  それは、customercare@customer.com などのサポートメールボックスである可能性があります。ここで電子メールが読まれ、返信されます。
  • 顧顧客が「返信先アドレス」を選択していない場合、デフォルトのアドレスは常に <tenant>-<type>-<env>@<subdomain> になります。
  • 「返信先アドレス」をこのように設定すると、返信は監視されていないメールボックス(ブラックホール)に送信されます。
  • Adobe Campaign から電子メールを送信するとき、「差出人アドレス」メールボックス は監視されず、マーケティングユーザーはこのメールボックスにアクセスできません。Adobe Campaign には、このメールボックスに受信した電子メールを自動返信または自動転送する機能がありません。
  • Campaign の差出人アドレスとエラーアドレスを「不正」または「ポストマスター」にすることはできません。

サブドメインのデリゲート

Adobe Campaign プラットフォーム用に選択されたサブドメインは、5 つのネームサーバー(NS)レコードを作成してデリゲートする必要があります。  これにより、サブドメインはアドビに正しくデリゲートされます。  以下に、サブドメインのデリゲーションとそれぞれの DNS 命令の例を示します。  「emails.customer.com」を、デリゲートするサブドメインに置き換えてください。  サブドメインは一意である必要があり、別の当事者(例えば、既存の ESP や MSP)によってすでに使用されていることはあり得ないことに注意してください。    

デリゲートされたサブドメイン

DNS 命令

<subdomain>

 <subdomain> NS a.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS b.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS c.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS d.ns.campaign.adobe.com.

トラッキング、ミラーページ、リソース

電子メール送信サブドメインが適切に Adobe Campaign にデリゲートされたら、Adobe TechOps チームはトラッキングとミラーリングページを個別に管理するために 2 つ以上の下位ドメインを作成します。

種類

ドメイン

ミラーページ

 m.<subdomain>

トラッキング

t.<subdomain>

リソース

res.<subdomain>

クラウドのデプロイメント(オプション)

これは、Adobe Campaign Classic がアドビによってクラウドに完全にホストされている場合にのみ適用されます。  これはオプションの設定です。

開発される調査、Web フォーム、およびランディングページはすべて、クラウドで完全にホストされている Adobe Campaign によって管理されます。  必要に応じて、ツール内の任意の Web コンポーネントに使用するために、追加のサブドメイン(例えば、web.customer.com)をアドビにデリゲートすることができます。  サブドメインは一意である必要があり、別の当事者(例えば、既存のESPやMSP)では使用できません。

デリゲートされたサブドメイン

DNS 命令

<subdomain>

 <subdomain> NS a.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS b.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS c.ns.campaign.adobe.com.

<subdomain> NS d.ns.campaign.adobe.com.

注意:

デフォルトでは、ツール内の Web コンポーネントはすべて、電子メールに使用されるようにデリゲートされた最初のサブドメインを使用します。

クラウドメッセージングのデプロイメント(オプション)

Adobe Campaign Classic のマーケティングインスタンスが顧客のネットワーク内でオンプレミスでホストされている場合は、顧客が追加の技術設定を行う必要があります。

開発される調査、Web フォームおよびランディングページはすべて、受信者レコードが存在する Adobe Campaign マーケティングインスタンスを通じて管理されます。

Adobe Campaign マーケティングインスタンスによってホストされている外部向け Web コンポーネントをデプロイするには、追加の CNAME DNS 設定が必要です。  これにより、Web コンポーネント(web.customer.com など)をインターネットで公開し、顧客の自社ドメインでブランディングすることができます。

これらの Web コンポーネントをホストする Adobe Campaign マーケティングインスタンス(ポート 80 または 443 )へのアクセスを許可するようにファイアウォールも設定する必要があります。

ベストプラクティス推奨事項:

  • Web コンポーネントをホストするサブドメインは顧客から見えるようになり、手動で入力する必要がある場合があるため、正しくブランディングし、覚えやすいようにしてください(例えば、https://web.customer.com)。
  • セキュリティで保護されたページ(HTTPS)でフォームをホストする必要がある場合は、以下で説明するように追加の技術設定が必要になります。

デリゲートされたサブドメイン

DNS 命令

<subdomain>

<subdomain> CNAME <internal customer server>

レンダリングされるサービス

これらのデリゲーション後、アドビによって配置されるインフラストラクチャは次のサービスがデリゲートされた送信ドメインごとまたは CNAME エイリアスの送信ドメインごとに実行されます。

  • postmaster@ と abuse@ インボックスの作成
  • デリゲートされたドメインに対するフィードバックループの設定
  • 基本的な DMARC レコードの設定(配信品質コンサルタントは、送信ドメインの長期的な DMARC ポリシーと計画の設計を支援できます)

アドビによって確立されたパラメーターは、そのデリゲーションが完了して、アドビによって検証され、機能が維持された時点からのみ有効です。  すべての Adobe Campaign Cloud のオファーには、ドメイン名デリゲーションが標準として含まれています。

請求および導入条件

  • 最初の契約と選択されたパッケージのタイプに従い、この最初のデリゲーションを超えて標準として含まれるものに加えて他のデリゲーションも含まれる場合があります。
  • 含まれるこれらのデリゲーション以外のデリゲーションは、追加費用が発生します。
  • これら追加のデリゲーションの請求方法は、最初の契約で指定されたように、特別な月額料金になります。

これらのデリゲーションは、クライアントが Adobe Campaign ツールからの配信専用のドメイン名を選択し、関連するドキュメントで詳細に述べられているデリゲーションの前提条件が正しく実装されている場合に、承諾されます。

 

サービスの中止

いつでも、クライアントは、デリゲーションサービスからメリットを受けないようにするために書面による要求を行い、必要な DNS 設定そのものを引き受けることができます。

これが発生する場合、アドビでは、非ドメインデリゲーションモードに戻すために必要なサービス日数の詳細な見積もりをクライアントに提供しています。

お客様が上記で設定されたコミットメントへに応じれない場合、上述のデリベラビリティレートのエンゲージメントのいずれかの責任が軽減化されます。

Experience Cloud サービスを終了すると、これらのドメインのデリゲーションやアドビによる DNS メンテナンスが自動的に終わりになります。

本作品は Creative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported License によってライセンス許可を受けています。  Twitter™ および Facebook の投稿には、Creative Commons の規約内容は適用されません。

法律上の注意   |   プライバシーポリシー