コミュニティコンテンツは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)とも呼ばれ、メンバー(サインインした訪問者)がパブリッシュ環境で以下のいずれかのコミュニティコンポーネントを操作してコンテンツを投稿したときに作成されます。
UGC のモデレートは、肯定的な投稿を見分けるだけでなく、否定的な投稿(スパムや暴言など)を制限するためにも役立ちます。UGC は、以下に示す複数の環境からモデレートできます。
- 一括モデレートコンソール
管理者とコミュニティモデレーターは、パブリッシュ環境からモデレートコンソールにアクセスできます。また、管理者はオーサー環境からもアクセスできます。これはコミュニティコンテンツが共通ストアに格納されている場合に可能です。 - コンテキスト内モデレート
管理者とコミュニティモデレーターは、パブリッシュ環境のコンテンツが投稿されたページ上で直接モデレートを実行できます。
投稿コンテンツ(UGC)に対して実行できるアクションは、ユーザーの種類と環境によって異なります。以下の表では、次の用語を使用して、ユーザーの種類ごとの役割を説明しています。
- 管理者
コミュニティ管理者グループのメンバーであるユーザー - モデレーター
コミュニティモデレーターグループの(モデレーター権限を持つ)メンバー - 作成者
コンテンツを投稿したユーザー - メンバー
特別な権限を持たないサインインしたユーザー - 訪問者
匿名ユーザー
管理者 | モデレーター | 作成者 | メンバー | 訪問者 | 発生する イベント | 事前モデレート | |
編集/ 削除 | X | X | X | ||||
切り取り | X | X | |||||
拒否 | X | X | X | ||||
閉じる/ 再度開く | X | X | X | X | |||
フラグ/ フラグ解除 | X | X | X | X | |||
許可 | X | X | X | X |
管理者またはコミュニティモデレーターは、1 つ以上のフォーラムトピックまたは Q&A の質問を、ある場所から別の場所に移動できます。これには、あるコミュニティサイトから別のコミュニティサイトへの移動も含まれます。その場合、同じメンバーが両方のサイトでモデレート権限を持っている必要があります。
切り取りのアクションを選択すると、コンテンツはクリップボードにコピーされます。複数の投稿をコピーし、まとめて新しい場所に移動できます。
別の場所で、クリップボードにコンテンツが存在するときには、新しい投稿の横に「貼り付け」ボタンと貼り付けられる投稿数が表示されます。「貼り付け」ボタンには、貼り付ける代わりにクリップボードを消去するオプションも含まれています。


閉じるのアクションは、会話(フォーラムトピックまたは最初のコメント)のスレッド全体に作用し、後続のすべての投稿または返信も含まれます。
閉じるを実行すると、返信がそれ以上できなくなり、さらにモデレートアクションもできなくなります。
何か操作を実行するには、トピックまたはコメントを再度開く必要があります。
閉じる/再度開くのアクションは、管理者またはコミュニティモデレーターが実行できます。
フラグ設定は、サインインしたメンバー(コンテンツの作成者を除く)が投稿のコンテンツに問題があることを示す手段です。フラグを付けると、フラグ解除アイコンが表示されます。フラグを付けたメンバーは、このアイコンを使用してコンテンツのフラグを解除できます。
コンテキスト内モデレートは、設定によりメンバーが投稿にフラグを付けた理由を選択可能にできます。カスタムの理由を入力できるかどうかを含め、選択可能なフラグの理由のリストを設定可能です。フラグの理由は UGC と共に保存されますが、その理由によって特定のアクションが呼び出されることはありません。通知が送出されるのは、フラグが一定数に達した場合のみです。フラグが設定されたコンテンツには注釈が付くので、モデレーターが適宜対処できます。
すべてのフラグと、フラグを付けた人、フラグの理由はシステムで追跡され、しきい値に達するとイベントが送信されます。コミュニティモデレーターが UGC を許可した場合は、フラグがアーカイブされます。許可およびアーカイブの後にフラグが設定された場合は、以前のフラグ設定はなかったものとして、後のフラグがアーカイブされます。
許可のアクションは、フラグが設定された UGC や、拒否された UGC、事前モデレートシステムで承認されなかった UGC に対するオプションです。許可のアクションを適用すると、フラグや拒否/スパムのステータスが消去されます。許可のアクションが実行されると、システムによりイベントが送信されます。
好感度は、投稿(UGC)内に存在する肯定的および否定的なキーワード(ウォッチワード)の数に基づいて計算されます。
好感度分析では、あらかじめ設定した一連のルールが使用され、UGC の好感度が計算されます。デフォルトのルールは次の場所にあります。/libs/cq/workflow/components/workflow/social/sentiments/rules
ルールにより生成される値は、1(すべて否定的、肯定的な言葉なし)~ 10(すべて肯定的、否定的な言葉なし)です。値 5 は中立の好感度を表し、これがデフォルトになります。
/libs コンポーネントで定義されているルールを以下に示します。
- ルール 1:肯定的な言葉が 1 つもなく、否定的な言葉が少なくとも 1 つある場合は、値を 1 に設定
- ルール 2:否定的な言葉が 1 つもなく、肯定的な言葉が少なくとも 1 つある場合は、値を 10 に設定
- ルール 3:肯定的な言葉よりも否定的な言葉が多い場合は、値を 3 に設定
- ルール 4:否定的な言葉よりも肯定的な言葉が多い場合は、値を 8 に設定
ルールを上書きまたは追加するには、デフォルトのルールの構造に従って、/apps ディレクトリに一連のルールを作成します。好感度設定を編集してルールの場所を指定します。
分析が完了すると、好感度が UGC と共に保存されます。
一括モデレートコンソールでは、肯定的、否定的または中立のいずれかの好感度で UGC をフィルタリングして表示できます。
AEM Communities では、好感度の評価プロセスの一部として、ウォッチワード分析を使用できます。ウォッチワードによる好感度値は、投稿されたコンテンツに使用されている否定的なウォッチワード、肯定的なウォッチワード、禁止語句の比較結果に基づいています。
好感度のルールと同様に、肯定的および否定的なウォッチワードのリストをカスタマイズできます。
ウォッチワードのデフォルトのリストは、リポジトリ内のノードのプロパティとして、デフォルトと同じように入力できます。または、OSGi サービス sentimentprocess.name を単語のリストを使用して設定し、デフォルトを上書きすることにより入力できます。
また、sentimentprocess.name を変更して、カスタムの好感度ルールのセットの場所を参照させることもできます。
好感度とウォッチワードを設定するには:
- オーサーインスタンスに移動します。
- 管理者としてサインインします。
- Web コンソールを開きます。
- sentimentprocess.name を見つけます。
- 設定を選択して編集モードを開きます。

- watchwords.positive.name
デフォルトを上書きするための、肯定的な好感度に影響を与える単語のコンマ区切りリストです。初期設定は空のリストです。 - watchwords.negative.name
デフォルトを上書きするための、否定的な好感度に影響を与える単語のコンマ区切りリストです。初期設定は空のリストです。 - watchwords.path.name
デフォルトのウォッチワードを指定するデフォルトの肯定的および否定的なプロパティを含んでいるノードのリポジトリの場所です。初期設定は /etc/watchwords/default です。 - sentiment.path.name
肯定的および否定的ウォッチワードに基づいて好感度を計算するルールのリポジトリの場所です。初期設定は /libs/cq/workflow/components/workflow/social/sentiments/rules です(ただし、ワークフローとは関係ありません)。
