概要

Adobe Experience Manager (AEM) Desktop App は、デジタルアセット管理(DAM)ソリューションとデスクトップをつなぎ、AEM の Web UI にあるファイルを直接デスクトップで開けるようにします。デスクトップからアセットを保存するとAEM の適切な場所にアップロードされます。

AEM Desktop App は誤ったローカルコピーや AEM 内の誤ったアセットを更新してしまう可能性をなくします。 Desktop App の使いやすいワークフローは、デスクトップのオペレーティングシステムによって提供されるネットワーク共有テクノロジにより有効化されます。 

Desktop App は AEM Assets リポジトリをデスクトップのネットワーク共有としてマウントします。このため、フォルダーとファイルはローカルのフォルダーとファイルのように表示されます。しかし、Finder やエクスプローラーを使用し、デスクトップ上にマウントされたネットワーク共有で直接デジタルアセット管理の作業をおこなうことは推奨されていません。代わりに、多数のアセットのコピーや移動には AEM Assets の Web UI を利用して作業することを推奨します。

注意:

このドキュメントを読む前に、AEM と Creative Cloud の統合のベストプラクティス全体をよく読むと、このトピックについて概要を把握することができます。

AEM Desktop App アーキテクチャ

AEM Desktop App は WebDAV(Windows)あるいは SMB(Mac)ネットワーク共有を利用してネットワーク共有をマウントします。マウントするネットワーク共有はローカルのみです。AEM Desktop App は、コール(open、read、write)を受け取り、追加のローカルキャッシングを提供します。AEM Assets サーバーへのリモートコールを最適化された AEM HTTP 要求に変換します。次のダイアグラムは、AEM Desktop App のアーキテクチャを示しています。

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ファイルを保存する際の write における追加のキャッシングでは、(ネットワーク通信でユーザーを待たせないよう)ファイルは先にローカルに保存されます。その後、事前定義された時間(30 秒)の経過後、バックグラウンドでファイルが AEM にアップロードされ、アセットが AEM にアップロードされます。AEM Desktop App は、バックグラウンドのファイルアップロードのステータスを監視する UI を提供します。

AEM Desktop App の推奨使用例

AEM Desktop App の主要機能には以下が含まれます。

  • デスクトップの AEM Assets Web UI からファイルを開く。Web UI から、デスクトップ(Finder またはエクスプローラーにて)でアセットを表示できます。あるいはデスクトップアプリケーションでアセットを開くことができます。
  • チェックアウトおよびチェックイン。アセットはチェックアウトして編集することが可能で、AEM Assets のユーザーにはロック済みとして表示されます。編集後に、アセットをチェックインすればロックが解除されます。
  • ファイルへの変更を保存する。ネットワーク共有内でファイルに保存した変更内容は、AEM へ自動的にアップロードされ、新たなバージョンが作成されます。 
  • リンクされたアセットを他のドキュメントに配置。Creative Cloud(PS、ID、AI など)のアプリケーションでは、外部ファイルをリンクとして配置することができます(例えば、InDesign のドキュメントに画像を配置することができます)。この場合、ネットワーク共有マウントにより AEM のアセットをブラウズし、ドキュメントに配置するアセットを選択できます。MS Office など、アドビ以外のアプリでもリンクしたファイルを配置することができるものがあります。
  • AEM の参照の解決。配置されたファイルと、リンクのあるメインのファイルの双方が AEM に保存されている場合、アセットの参照に関するサーバー側の情報を自動的に提供できます。
  • デスクトップからアセットにアクセス。マウントされたネットワーク共有では、コンテキストメニューから詳細情報ダイアログ(大きなプレビュー、主要メタデータ)を開いたり、AEM の UI でアセットを開くこともできます。
  • 大きな階層化されたフォルダーを一括アップロード。AEM UI で作成/フォルダーアップロードのオプションを使用してアセットをアップロードした場合、AEM Desktop App は選択されたフォルダーの階層をバックグラウンドで AEM にアップロードします。デスクトップアプリの専用 UI でアップロードの進捗を監視することができます。

AEM Desktop App の不適切な使用方法

  • デスクトップでアセットを管理するために AEM Desktop App を使用しないでください。 AEM Desktop App はネットワークドライブの代替物ではありません。代わりに次の機能を使用してください。
    • デジタルアセットの管理(アセット、メタデータの発見/共有、コピー/移動など)には AEM Assets の Web UI
    • 大きな階層化されたフォルダーのアップロードには AEM Desktop App フォルダーアップロード
  • AEM Desktop App を AEM Assets の「デスクトップ同期」用のクライアントとして扱わないでください。AEM Desktop App の主なメリットはリポジトリ全体への「仮想的」アクセスを提供することで、デスクトップ同期アプリケーションは通常 1 人のユーザーに帰属するアセットのみを同期します。AEM Desktop App はある程度のキャッシングとバックグラウンドでのアップロードをおこないますが、Adobe CC Desktop App や Microsoft OneDrive など典型的な「同期」アプリケーションとは非常に異なる動作をします。
  • アセットを頻繁に保存するために AEM Desktop App を使用しないでください。AEM Assets にはすべての保存作業が送信されます。このため、マウントされた AEM Assets リポジトリで集中的な編集作業を直接おこなうのは実用的ではありません。マウントされたリポジトリで直接アセットを編集すると、アセットのタイムラインに不要なバージョンを詰め込み、サーバーに余分なオーバーヘッドを課すことになります。
  • 移行タスクのために AEM Desktop App を使用しないでください。アセット移行の計画と実行には移行ガイドを参照してください。

一部の使用例に関するレコメンデーション

クリエイティブユーザーのアセットへのアクセス

AEM Desktop App は DAM リポジトリ全体への仮想アクセスを提供します。デスクトップを使用するクリエイティブユーザーにとっては、デスクトップで正しいアセットを見つけてアクセスするのは困難かもしれません。次のベストプラクティスを使用し、クリエイティブユーザーの作業を簡易化できます。

  • AEM Assets Web UI の共同作業機能を使用して、クリエイティブユーザーがより直接的に適当なアセットにアクセスできるようにします。フォルダーやコレクションの共有、スマートコレクション(保存済み検索結果)の提供あるいは適切なアセットを示唆する通知の送信などの機能が利用できます。クリエイティブユーザーは、Web UI でデスクトップアクションを利用すると、デスクトップからアセットに簡単にアクセスすることができます。
  • DAM リポジトリを表示するビューを簡易化するため、クリエイティブユーザーのアセットへの適切な権限(アクセス制御)を考慮し、基本的には、ユーザーが必要とするまたは興味を持つアセットのみにアクセスできるよう制限します。
    • クリエイティブユーザーに無関係の領域については、ユーザーグループに制限をかけ、ユーザーのビューまたはデスクトップから削除します。
    • DAM 内のアセットの多くは確定していて変更されるべきではないので、クリエイティブユーザーには読み取り専用にします。
    • 変更あるいは修正が必要なアセットのみクリエイティブユーザーの書き込みを有効にします。作成した AEM プロジェクトとフォルダーを利用して、まだ変更される可能性のあるアセットを保存する組織もあります。

アセットの検索

デスクトップ上で開きたいファイルを検索するには

  • AEM Assets の Web UI を利用してアセットを見つけます。AEM Assets の検索(検索ファセット、保存済み検索結果)は強力なだけでなく、正しいアセットを見つけるための特別な機能も提供します。これには、ステータス(承認、有効期限満了)、コレクション、タスク、通知、他のユーザー/グループとのフォルダー/コレクションの共有に基づいてアセットを検索する機能など追加のフィルターなどが含まれます。
  • アセットを見つけたら、AEM UI のデスクトップアクションを使用してデスクトップでアセットにアクセスします

AEM Desktop App を利用して開いたアセットの更新

AEM Assets からローカルネットワーク共有にマップされた場所でアセットを直接編集すると、デスクトップで保存するたびにアセットが AEM にアップロードされます。さらに、AEM はバージョンとレンディションを生成します。

AEM に保存されたアセットを更新する必要がある場合:

  • 承認プロセス上のマイナーな修正要求など、マイナーな更新の場合:
    • ファイルをチェックアウトし、デスクトップで開きます。
    • ファイルを更新します。
    • 更新したバージョンを保存します。アセットは更新され、タイムラインには比較のため元のバージョンも表示されます。
  • 小規模なクリエイティブ WIP サイクルが必要な更新要求などメジャーなアップデートの場合:
    • 表示オプションを利用し、デスクトップで適切なフォルダーを開きます。
    • マップされた AEM Assets 共有のにある WIP フォルダーにファイルをコピーします(例えば、CC Desktop App と同期されているフォルダーにファイルをコピーします)。
    • ファイルで作業し、随時保存します。変更内容は AEM Assets には保存されません。
    • 編集が完了したら、AEM からマップされたファイルを移動、コピーあるいは保存し、新規バージョンとしてアップロードします。

ネットワークパフォーマンス

AEM Desktop App を使用する上でのユーザーエクスペリエンスは、デスクトップと AEM サーバー間の優良で安定したネットワーク接続と、特にアセットのアップロードと更新パフォーマンス改善のためのサーバー調整に強い影響を受けます。下記のレコメンデーションは、組織のネットワーク/IT チーム向けです。

ネットワークに関する考慮事項

AEM Assets のネットワーク設定に関するベストプラクティスについて理解するには、AEM Assets ネットワークに関する考慮事項ドキュメントを参照してください。AEM Desktop App のユーザーエクスペリエンスの最適化に重要な事項としては、以下が挙げられます。

  • 適切に設定された Dispatcher を使用する。セキュリティを強化するために AEM Dispatcher を使用し、ディスパッチャーの背後で AEM Desktop App と AEM の接続のための設定がされていることを確認します。
  • バンド幅を節約する。Mac では Finder を使用してマウントされたリポジトリを参照する際、アイコンのプレビューを無効にすることを考慮してください。Finder は各ファイルにプレビューを作成するように要求するので、デスクトップアプリがアセットをローカルにダウンロードしてアセットをキャッシュする原因になります。ただし、これはバンド幅を節約する一方でデスクトップを使用するユーザーのエクスペリエンスを悪化させるので、大きなアセットのあるリポジトリで作業したり、バンド幅に制限がある場合に実行します。

注意:アイコンのプレビューを無効にするには、Finder で表示に移動して表示オプションを選択し、「アイコンプレビューを表示」オプションのチェックを外します。これは、現在のフォルダーのみで有効です。デフォルト設定にするには、同じウィンドウ内の「デフォルトとして使用」ボタンをクリックしてください。

サーバーパフォーマンスの最適化

AEM Assets サーバーのパフォーマンスを最適化する方法については、AEM Assets パフォーマンス調整ガイドを参照してください。AEM Desktop App のサーバーパフォーマンスにおける重要な側面には、アセットのアップロードで良いパフォーマンスをするようワークフロー設定を最適化することが挙げられます。

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