Illustratorの様々な機能を使用して企画書を作成する方法を学習します。インパクトのある表現方法や、他の一般的なツールでは手を加えられない細かな部分へのこだわりを実現できるのが、Illustratorで作成するメリットです。ひと手間加えるだけで格段に見栄えがアップするパーツ作りのコツなどもご紹介します。
インパクトのある企画書を作成

難易度3/5

本チュートリアル内で使用する主な機能

文字ツール、文字タッチツール、アピアランス、シンボルツール、Typekit、Creative Cloudライブラリ

 

本チュートリアルの概要

  1. 表紙のタイトル文字を作成する
  2. 桜のイラストを作成する
  3. 全ページで共通となる要素を配置する
  4. グラフを作成する
  5. 集中線を作成する
  6. Adobe Stockから画像を追加する

 

では、サンプルファイルをダウンロードし、さっそく実践してみましょう。

手順 1/6

表紙のタイトル文字を作成する

まず初めに、企画書の表紙のタイトル文字を作成してみましょう。単純にテキストを入力しただけではインパクトに欠けるので、ちょっとした編集を加えてみます。

 

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「文字ツール」を選択し、アートボード上をクリックしてタイトルのテキストを入力します。

 

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次にフォントを選びます。Illustrator CCでは、コンピューターにインストールされたフォント以外にも、Creative CloudのフォントサービスであるTypekitから、様々な種類のフォントを検索して使用できます。「文字パネル」の検索ボックスの右にある「∨」をクリックしてメニューを表示し、右上の「Typekitフォントを追加」をクリックします。Typekitのフォントライブラリがブラウザーで開くので、ここでは「漢字タイポス 415 std」を検索してコンピューターに同期します。同期が完了すると、Illustratorのフォントメニューに「漢字タイポス 415 std」が追加されます。

※Typekitからフォントをコンピューターに同期する方法はこちら ›

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続いて、「文字パネル」の「文字タッチツール」ボタンをクリックします。文字タッチツールは、テキスト上の文字を1つずつ個別に選択して編集できるツールです。テキスト上の任意の文字をクリックすると、バウンディングボックスが表示されます。それぞれのハンドルをドラッグすることで、文字の大きさや角度、位置などを変更することができます。ここではいくつかの文字を選択し、右上のハンドルをドラッグして文字のサイズを小さくします。必要に応じて、左下のハンドルをドラッグして文字のベースラインを調整します。

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手順 2/6

桜のイラストを作成する

タイトル文字が完成したら、その周りにイラストを配置してみましょう。ここでは桜の花びらをモチーフにしたシェイプを作成し、配置していきます。

 

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「楕円形ツール」を選択し、正円を2つ描いて重なるように並べます。次に「多角形ツール」で三角形を描き、2つの正円の上に配置します。これらのシェイプを全て選択した状態で、今度は「シェイプ形成ツール」を選択します。Altキー(Windows)またはOptionキー(Mac)を押しながら、周りの余分な領域を順番にクリックして削除していきます。これで、花びらのシェイプができました。ツールバーで「塗り」をピンク色に、「線」をなしに設定します。

※シェイプ形成ツールを使用すると、簡単なクリックおよびドラッグ操作で、重なった複数のシェイプを結合、分割、削除することができます。アイコンやパターンなど、様々なオブジェクトの作り方はこちら ›

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作成した花びらのシェイプを選択した状態で、「回転ツール」を選択し、花びらの少し下のところ(ここが回転の軸になります)をAltキー(Windows)またはOptionキー(Mac)を押しながらクリックします。「回転」ダイアログボックスが表示されるので、「角度:」を72度に設定し、「コピー」をクリックします。花びらが左72度の角度で複製されます。続けてCtrl + D(Windows)またはCommand + Dキー(Mac)を押すと、もう一枚複製され、同様の操作を3回繰り返すと、5枚の花びらが完成します。

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桜のシェイプを配置するには、「シンボル」を使用するのが効率的です。「ウィンドウ」メニューから「シンボル」を選択し、「シンボル」パネルを表示します。花びらを全て選択し、「シンボル」パネルにドラッグ&ドロップします。「シンボルオプション」ダイアログボックスが表示されるので、名前に「sakura」と入力して「OK」をクリックします。これで、桜のシェイプがシンボルとして登録されました。

 

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では桜を配置していきましょう。「シンボル」パネルで「sakura」を選択し、アートボード上にドラッグ&ドロップして複数配置します。配置したオブジェクト(シンボルインスタンス)は、個別に移動、拡大・縮小、回転などが行えます。もしオブジェクトに変更を加えたい場合は、「シンボル」パネル内のオブジェクト(マスターシンボル)をダブルクリックで開いて編集します。変更した内容は、すべてのシンボルインスタンスに反映されます。

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花びら、葉っぱ、蝶、星などのオブジェクトを飛び散らせるように配置するのに便利なのが、「シンボルツール」です。アートボード上でドラッグした軌跡に沿ってシンボルインスタンスを一度に配置することができます。8種類のツールを切り替えて、個別にサイズを拡大・縮小したり、回転したり、密度や透明度を調整することも可能です。

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手順 3/6

全ページで共通となる要素を配置する

通常、企画書は複数のページから構成されます。Illustratorでは、必要なページの数だけ、アートボードを追加することができます。ここでは、アートボードを追加し、各ページで共通となるオブジェクトを配置する方法を説明します。

 

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まず、アートボードを追加してみましょう。「ウィンドウ」メニューから「アートボード」を選択し、「アートボード」パネルを表示します。パネル下部にある「新規アートボード」ボタンをクリックすると、新しいアートボードが作成されます。ここでは5つのアートボードを追加し、合計6ページの企画書を作成します。

 

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全ページで一貫して使用する要素、ここではページタイトルとページ番号を、各ページの同じ位置に配置してみます。2つ目のアートボードで、ページタイトルのテキストとオブジェクトを作成します。続いて、ページの中央下部にページ数を配置します。

 

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作成したページタイトルとページ数をまとめて選択し、Ctrl + Xキー(Windows)またはCommand + Xキー(Mac)を押してカットします。次に、「編集」メニューから「すべてのアートボードにペースト」を選択します。全てのアートボードの同じ位置に、ページタイトルとページ数が配置されます。表紙(1つ目のアートボード)にはこれらの要素が必要ないので削除しておきましょう。各ページのタイトルとページ数のテキストを打ち換えます。

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手順 4/6

人目をひくスタイリッシュなグラフを作成する

企画書にグラフは欠かせないアイテムです。Illustratorでは、グラフを簡単に作成できるだけでなく、グラフを編集してより見栄えをアップすることができます。

 

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初めに棒グラフを作成してみましょう。まず、「長方形ツール」でグラフのバーを描きます。ここでは比較する項目が3つあるので、バーの複製を2つ作成し、「ダイレクト選択ツール」で長さを調整します。

 

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次に、縦軸の目盛線を作成します。「直線ツール」でバーの左端に合わせて垂直に直線を引きます。次に、「楕円形ツール」で小さな正円を描き、直線の先端にくるように配置します。正円と直線をまとめて選択し、右方向に適当な間隔で6本の複製を作成していきます。これら全ての目盛線を選択した状態で、「ウィンドウ」メニューの「整列」を選択し、「整列」パネルの最下部にある「水平方向等間隔に分布」ボタンをクリックします。これで、両端の目盛線を基準に、6本の目盛線が均等の間隔で配置されます。

※「整列」パネルに「水平方向等間隔に分布」ボタンが表示されていなければ、整列パネルメニューから「オプションを表示」を選択します。

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今度は、円グラフを作成してみましょう。「グラフツール」の中から「円グラフツール」を選択し、アートボード上で任意の大きさにドラッグします。数値入力のダイアログボックスが表示されるので、数値を横並びに入力していきます。全て入力したら、右上の「適用」ボタンをクリックすると、円グラフが自動的に生成されます。

※グラフデータは「保存」しないとデータが失われ、後から数値を変更できなくなります。必ず保存しましょう。

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円グラフのカラーを項目ごとに変更します。「ダイレクト選択ツール」で円グラフの項目の一つを選択し、「スウォッチ」パネルから任意のカラーを適用します。他の項目にも同様にカラーを適用していきますが、「カラーガイド」を使用すると適切な配色を選択することができます。ここでは、線のカラーを「なし」に指定します。

「ウィンドウ」メニューから「カラーガイド」を選択します。「カラーガイド」パネルには、現在選択しているカラーを基準に、調和のとれたカラーの組み合わせ(カラーグループ)が表示されます。右のハーモニールールメニューをクリックし、その中から「モノクロマティック2」を選択すると、同じ色相で彩度レベルが異なるカラーグループが作成されます。それらのカラーを各項目に適用していきます。

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続いて、目立たせたい項目を拡大してみましょう。任意の項目を「ダイレクト選択ツール」で選択し、その状態で「拡大・縮小ツール」に切り替えます。項目の中央に拡大・縮小の基準点が表示されるので、それをドラッグして円グラフの中心に移動します。そのまま項目の中心あたりをクリックし、Shiftキーを押しながら外側に向けてドラッグすると、その項目だけが拡大します。

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仕上げに、もうひと手間加えてみましょう。「楕円ツール」で円グラフの中心から外側に向けて、Alt + Shiftキー(Windows)またはOption + Shftキー(Mac)を押しながらドラッグし、小さな円を描きます。

「塗り」を白と黒のグラデーションに設定したら、「アピアランス」パネルの「不透明度:」をクリックして、描画モードを「乗算」に指定します。今度はその上に、「楕円ツール」でさらに小さな円を描き、「スポイトツール」に切り替えて背景をクリックします。小さな円に背景の水色が適用され、穴があいたようになります。

最後に、円グラフ全体を選択して、「アピアランス」パネルの下部にある「新規効果(fxのアイコン)」をクリックし、目メニューから「ドロップシャドウ」を選択します。設定を調整し、「OK」をクリックして完成です。

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手順 5/6

集中線を作成する

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「長方形ツール」で、アートボードと同じサイズの長方形を作成します。「アピアランスパネル」で「塗り」を設定し、さらにパネル下部の「新規効果を追加」から「パス」>「パスのオフセット」を選択します。「オフセット」を「50px」に設定し、サイズを伸ばします。

次に、「新規効果を追加」から「パスの変形」>「ラフ」を選択し、「サイズ」を11%に設定します。今度は「新規効果を追加」から「パスの変形」>「パンク・膨張」を選択し、膨張率を「60%」に設定します。「不透明度:」を70%に設定して、集中線がほぼ完成します。

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アートボードからはみ出した部分をカットしましょう。集中線を選択した状態で、「アピアランスパネル」の「新規効果を追加」から「パスファインダー」>「切り抜き」を選択します。続いて、新たに追加された「切り抜き」の項目をドラッグし、リストの一番下(ここでは「不透明度:70%」の下)に移動すると、アートボードのサイズに切り抜かれます。

この方法で切り抜くと、わざわざ選択範囲を作成する手間が省け、長方形を変形したりしても集中線は追従するので汎用性が高くなります。

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集中線が完成したら、画像を配置してみます。まず、集中線のオブジェクトを一番下に移動して、タイトルやページ番号などの要素を表示します。続いて「ライブラリ」パネルに登録されている画像をアートボード上にドラッグ&ドロップし、位置とサイズを調整します。

※画像やベクターグラフィック、ブラシ、カラーテーマなど、よく使用する素材をCreative Cloudライブラリに保存しておくことで、PhotoshopやIllustratorなどの「ライブラリ」パルからいつでも簡単に取り出して使用することができます。

 

「リンクパネル」を見ると、いま配置した画像が表示されています。ドキュメントと画像は別々のファイルとなっているため、リンク切れなどのトラブルが発生することがあります。そのため、画像を埋め込みにしておくことをお勧めします。画像を選択した状態で、「リンク」パネルのオプションメニューから「画像を埋め込み」を選択します。

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手順 6/6

Adobe Stockから画像を追加する

写真やベクターグラフィックなど、企画書の装飾として使いたい素材をアドビのストックサービス、Adobe Stockで簡単に見つけて使用することができます。IllustratorやPhotoshopなどから直接Adobe Stockにアクセスし、素材の検索、試用、購入が行えます。

 

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「ライブラリ」パネルの検索ボックスの右にある「∨」をクリックして、メニューから「Adobe Stock」を選択し、検索ボックスにキーワードを入力します。ここでは「japan icon」と入力します。パネル内に候補が表示され、気に入った素材の上にポインターを乗せると、左上にアイコンが2つ表示されます。右側のアイコンをクリックすると、現在指定されているライブラリのフォルダーに、透かし入りのプレビュー版がダウンロードされます。

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ダウンロードした画像はライブラリパネルの任意のフォルダーに表示され、アートボード上にドラッグ&ドロップで配置することができます。 

※ベクター形式の素材の場合、プレビュー版ではビットマップ形式でのみ使用可能なため、ベクター形式で使用するにはライセンスの取得が必要です。ライセンスの取得もIllustrator内で簡単に行えます。

 

では画像のライセンスを取得してみましょう。「ライブラリ」パネルで画像を選択し、右クリック(Windows)またはControl + クリック(Mac)してメニューを表示し、「画像のライセンスを取得」を選択します。ダイアログボックスで「OK」をクリックすると、透かしのないベクター形式の画像に自動的に差し替ります。

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「ライブラリ」パネルでライセンス取得済みの画像をダブルクリックすると、Illustratorの新規ドキュメントとしてアートワークが開きます。すべて選択した状態でコピーし、企画書のファイルに戻ってアートボードの横などにペーストします。それぞれのパーツをアートボード上に配置していきます。もちろん自由自在に編集が可能です。

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今回の企画書作りで使用したAdobe Stock画像

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企画書作りのポイント

タイトル、見出し、本文などで、全ページにわたる共通のルールを作ることで、バラつきのない、統一感のある表現を作っていくことができます。文字以外でも、全体的な印象をまとめるために、統一感のある色彩設計を考える必要があります。それには、手順4-4でも説明した「カラーガイド」などが役に立ちます。その他、今回紹介したテクニックを応用して、表現力のある魅力的な企画書を作り出してみてください。

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