
必要な情報

Illustratorには多種多様なアイコンやロゴを簡単にデザインするためのツールや機能が詰まっています。ひとつのアイコンを作成すれば、形や模様を変えることでさまざまなバリエーションに展開することができます。ここでは、その中でも汎用性の高いハートのアイコンと、クロスハッチ(キラキラ装飾)の作り方を紹介します。

オーソドックスなハートのシェイプを作成します。後の工程では、この基本形ハートをもとに形や模様を変化させてバリエーションを増やします。ハートはその形によって様々な作り方がありますが、ここではその中でもシンプルで効率のいい作り方を紹介します。
2-1
ハートのもとなる3つの円を描きます。
「楕円ツール」(1)を選択し、画面上部のコントロールパネルで「線:黒」、「線幅:0.8pt」に設定します(2)。カンバス上をクリックし、開いたダイアログで、幅・高さ37mmに設定し、「OK」ボタンで正円を描きます(3)。

描いた正円を右クリックし、変形/拡大・縮小を選択します。開いたダイアログで、縦横比を55%に設定して「コピー」ボタンを押します。
次に、複製した正円をもとの大きな円の内側の端へ「選択ツール」で移動させ、Shift+Option(Alt)+ドラッグでもうひとつ複製しながら反対側に配置します。

2-2
直線や曲線の始点と終点には、「アンカーポイント」と呼ばれる白い点が付いています。 この「アンカーポイント」を移動したり削除したりすることで、図形を自由自在に変形させることができます。ここでは、その「アンカーポイント」を編集して描いた正円をハート型に変形させます。
「アンカーポイントの削除ツール」(1)で大きな正円の上部のアンカーポイントを削除します。次に、「アンカーポイントツール」(2)で、不要なハンドルを削除します。これでハート型のアウトラインができました。

2-3
3つの正円をハート形に結合させます。
「選択ツール」(あるいは「ダイレクト選択ツール」)で作成したハートを選択します。続いて、「シェイプ形成ツール」で、ハートの内側をドラッグでなぞり正円同士を結合させます。「塗り:赤」、「線:なし」に変更しておきましょう。


基本形ハートアイコンの塗りに「パターン」を適用・編集して、ドット柄、ボーダー柄、ストライプ柄のハートに仕上げます。
Illustratorの最新版には、数多くの「パターン」があらかじめプリインストールされていますので、それを利用してお好みのアイコンやロゴを作成しましょう。
3-1:ドット柄バリエーション作成
「選択ツール」(あるいは「ダイレクト選択ツール」)で基本形ハートアイコンをクリックします。
続いて、「ベーシック_点パネル」で「6 dpi 60%」のパターンスウォッチをクリックしてハートの塗りに「パターン」を適用させます。(「ベーシック_点パネル」は、アプリケーションメニューの「ウィンドウ/スウォッチライブラリ/パターン/ベーシック/ベーシック_点」で表示させることができます。)


適用したドットパターンの色を編集します。
アプリケーションメニュー「オブジェクト/パターン/パターンを編集」からパターン編集画面を開き、ドットの「塗り」をひとつひとつ別の色に指定してカラフルなパステルカラーにします。すべてのドットの色を変更できたら、「◯完了」ボタンでパターンの編集の完了です。



3-2:ボーダー柄バリエーション作成
3-1 と同じ要領で、「選択ツール」(あるいは「ダイレクト選択ツール」)(1)が選ばれた状態で、基本形ハートアイコンをクリックします(2)。
続いて、「ベーシック_ラインパネル」で「6 lpi 50%」(3)のパターンスウォッチを適用させます。(「ベーシック_ラインパネル」は、アプリケーションメニューの「ウィンドウ/スウォッチライブラリ/パターン/ベーシック/ベーシック_ライン」で表示させることができます。)

適用したボーダーパターンの色を編集します。
アプリケーションメニュー「オブジェクト/パターン/パターンを編集」からパターン編集画面を開き、編集可能な黒い罫線をすべて選択し、コントロールパネルで「線の塗り」を「水色」に指定します。
続いて、Command(Ctrl)+Shift+Aキーで選択状態を解除してから、「塗り:青」、「線:なし」に指定した「長方形ツール」でガイドに沿って正方形を描き、右クリックメニューから重ね順/最背面へ で罫線の下に重ね順を変更します。「◯完了」ボタンでパターンの編集の完了です。


3-3:ストライプ柄バリエーション作成
3-1、3-2と同じ要領で、「選択ツール」(あるいは「ダイレクト選択ツール」)(1)が選ばれた状態で、基本形ハートアイコンをクリックします(2)。
続いて、「ベーシック_テクスチャパネル」で「斜線」(3)のパターンスウォッチを適用させます。(「ベーシック_テクスチャパネル」は、アプリケーションメニュー「ウィンドウ/スウォッチライブラリ/パターン/ベーシック/ベーシック_テクスチャ」で表示させることができます。)

適用したストライプパターンの色を編集します。
アプリケーションメニュー「オブジェクト/パターン/パターンを編集」からパターン編集画面を開き、編集可能な黒い罫線をすべて選択し、コントロールパネルで「線の塗り:白」、「線幅:1 pt」に指定します。続いて、Command(Ctrl)+Shift+Aキーで選択状態を解除してから、「塗り:パステルピンク」、「線:なし」に指定した「長方形ツール」でガイドに沿って正方形を描き、右クリックメニューから重ね順/最背面へ で罫線の下に重ね順を変更します。「◯完了」ボタンでパターンの編集の完了です。


その他、パターンを活用したバリエーション例
これらの他にも、動物柄や植物柄、伝統的な模様など、一から作るのが難しいパターンがIllustratorには多数用意されています。それらすべてカスタマイズ可能ですので、うまく活用して自分だけのオリジナルのパターンを作成しましょう。


4-2
次に、登録したハートパターンを編集しましょう。このままでは、ひとつひとつのハートが大きすぎるため縮小させます。
先ほど「スウォッチパネル」へ追加したパターンスウォッチをダブルクリックして、編集画面を開きます。


「パターンオプションパネル」で、「名前:ハートパターン」(1) 、「タイルの種類:六角形(縦)」( 2) 、「縦横比を維持」がオン(3)になった状態で「幅:9mm」(4)に設定して、画面上部の「◯完了」ボタン(5)を押します。これでパータンの編集が完了です。

4-3
編集したハートパターンを、基本形ハートアイコンの塗りに適用させてみましょう。
基本形ハートアイコンを「選択ツール」(1) でクリックし、「アピアランスパネル」の「塗り」を先ほど登録したハートパターンに指定します(2)。「線の塗り」は「赤」に指定しましょう(3)。

ハートアイコンの位置はそのままにパターンの位置のみを移動させるには、右クリックメニューの変形/移動 で「移動ダイアログ」を開き、「オプション」の「オブジェクトの変形」のチェックをはずし、「パターンの変形」にチェックを入れた状態で移動させます。


正方形を変形させて、クロスハッチ(キラキラ装飾)を作成します。
「長方形ツール」を使ってShift+ドラッグで正方形を描き、45°回転させて菱形にします。
続いて、アプリケーションメニューの「効果/パスの変形/パンク・膨張」をクリックし、開いたダイアログで、「縮小膨張:-60%」に設定します。


