これからIllustratorを使う方は、このチュートリアルから作業を始めましょう。作品を作りながら、基本操作について学ぶことができます。
Illustrator は、ロゴやイラストの作成から、チラシ・パッケージのデザインまで、幅広い用途で使えるアプリケーションです。テキストと画像を組み合わせてレイアウトやデザインを作成したり、線や図形を組み合わせてイラストを描いたり、さまざまな制作シーンで利用できます。STEP1では長方形と円形のオブジェクトを組み合わせ、マグカップやフォーク・スプーンをモチーフにしたかんたんなイラストを作ります。
サンプルファイルをダウンロードして、一緒に手を動かしながらIllustratorの基本操作を学びましょう。
チュートリアルで学べる主な機能
選択ツール、プロパティパネル、長方形ツール、楕円形ツール、ダイレクト選択ツール、グリッドに分割
作業用のドキュメントを開く
長方形と楕円形でマグカップを作る
ドキュメントを保存する
フォークとスプーンの基本パーツを作る
フォークを作る
スプーンを作る
フォークとスプーンを仕上げる
ケーキのイラストはサンプルファイルを参照しよう
まずはダウンロードしたサンプルファイルを開きましょう。Illustratorを起動すると、ホーム画面が表示されます。「開く」ボタンをクリックし、表示されたダイアログでダウンロードしたサンプルファイルを選択して開きましょう。
画面をズームイン・ズームアウトしたいときに使うツールです。クリックでズームイン、Alt / option+クリックでズームアウトできます。また、ズームツールではドラッグでもズームイン・ズームアウトが可能です。作業しやすい方で操作しましょう。
手のひらツールでドラッグすると、画面で見えている作業エリアを動かすことができます。編集箇所を見やすい位置へ移動したいときに使いましょう。
サンプルファイルの「作業用アートボード」というアートボードを使ってグラフィックを作成しましょう。
ツールバーで長方形ツールに切り替え、画面上をドラッグして好きな大きさで長方形を描きます。描いた長方形を選択したまま、プロパティパネルの「アピアランス」のセクションで塗りと線のカラーを設定しましょう。塗りのカラーに「M80 Y80」、線のカラーに「なし」を設定します。
ツールバーで楕円形ツールに切り替え、マグカップの取っ手のパーツを描画しましょう。楕円形ツールでshift+ドラッグすると、縦と横の比率を揃えた正円を描けます。
このとき、円形には先に描いた長方形と同じ塗りのカラーが引き継がれています。ツールバーの下側に表示されている「塗りと線を入れ替え」をクリックして、塗りと線のカラーをそれぞれ入れ替えましょう。
ツールバーで選択ツールに切り替え、円形のオブジェクトをドラッグで移動して、長方形に組み合わせます。円形の中心が長方形の右側の辺に重なるよう配置します。大きさを調整したい場合は、選択ツールでオブジェクトの選択中に表示されるバウンディングボックスを使って大きさを調整できます。
円形のオブジェクトを選択したまま、プロパティパネルの「アピアランス」のセクションで「線」の項目から線の太さを設定します。長方形のパーツとバランスを見ながら、マグカップの取っ手に見えるよう「線幅」に適当な数値を設定しましょう。
続いて、最初に描いた長方形をさらに編集します。選択ツールで長方形を選択し、プロパティパネルの「変形」セクションの右下にあるボタンをクリックします。詳細オプションパネルが表示されたら「角丸の半径値をリンク」をオフにして以下のように設定しましょう。
左上・右上の「角丸の半径値」:0
左下・右下の「角丸の半径値」:好きな値で角丸にする
長方形の下側の角だけに角丸(外側)がかかり、よりマグカップらしく仕上がります。
選択ツールで長方形・円形の2つのパーツを同時に選択して、オブジェクトメニュー>グループ を実行したらマグカップのイラストの完成です。複数のパーツでできているものは、あらかじめグループにしておくと、移動や変形の際に扱いやすくなります。
ドキュメントを保存する時は、ファイルメニュー>保存 をクリックしましょう。今回のサンプルファイルのように既存のドキュメントを開いているときは、現在の状態で上書き保存されます。
保存はCtrl(Win) / command(mac)+Sのショートカットでも実行できます。作業中はキリの良いタイミングでこまめな保存を心がけましょう。
長方形ツールと楕円形ツールで長方形と正円を描き、塗りのカラーに「C40 M60 Y90 K30」を設定しましょう。線のカラーは「なし」で進めます。
選択ツールで2つとも選択し、プロパティパネルの「整列」セクションで「水平方向中央に整列」を実行します。オブジェクト同士を中心で揃えたら、円形のパーツを選択ツールでshift+ドラッグして垂直方向・上に移動しましょう。
選択ツールで組み合わせたパーツ全体を選択し、Alt(Win)/option(mac)+shift+ドラッグして、隣に同じパーツを複製します。この2組のパーツがそれぞれフォークとスプーンの基本パーツになります。
基本パーツからフォークを作成します。選択ツールで円形を選択し、プロパティパネルの「変形」セクションから「詳細オプション」パネルを表示します。「扇形の開始角度」に「180°」を設定し、正円から半円に変換しましょう。
長方形ツールに切り替え、半円と同じ幅で長方形を描きます。スマートガイドも活用して、隙間なく描画しましょう。塗りと線のカラーの設定は基本パーツと同じです。
描いた長方形を選択したまま、オブジェクトメニュー>パス>グリッドに分割 を実行します。表示されたダイアログの「列」で「段数:5」、「間隔:0」を設定して「OK」をクリックしましょう。これで、選択していた長方形が縦に5等分されます。
選択ツールで左から2番目の長方形を選択し、Backspace(Win)またはdeleteキー(mac)で消去しましょう。右から2番目の長方形も同様に消去します。これでフォークの大まかなシルエットが出来上がります。
基本パーツのスプーンの円を選択ツールで選択し、バウンディングボックスの上下のハンドルをドラッグして、高さを調整しましょう。この時、スマートガイドを使ってフォークのパーツと高さが揃うようにするときれいに仕上がります。
選択ツールでフォークのパーツ全体を選択し、プロパティパネルの「パスファインダー」セクションから「合体」を実行しましょう。スプーンのパーツも同様に処理します。合体では、選択したオブジェクト同士がひとつにまとめられて単一のパスになります。
ツールバーからダイレクト選択ツールに切り替え、スプーンとフォークのオブジェクト全体を選択すると、角の部分に2重丸のウィジェットが表示されます。ウィジェットを外側にドラッグし、全体に角丸が効いた状態にしましょう。これで、フォークとスプーンの完成です。
サンプルファイルにはマグカップとスプーン・フォークの他に、ケーキのイラストを追加したアートボードがあります。
ケーキのイラストは、今回の内容を復習しながら作成できるシンプルな作例です。サンプルファイルには作り方をテキストで掲載しています。余裕のある方はテキストを参照しながら自分で作ってみても良いでしょう。
次のSTEP2・3では、今回作成したイラストも活用してチラシを作成します。テキストオブジェクトの扱いや、図形の位置の整え方などを学びましょう。
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