問題点 (Issue)
Autodesk AutoCAD以外のソフトウェアから書き出されたDXF ファイルをAdobe Illustrator CS以降で開く(または配置)とテキストデータとして変換されます。または、メモリ不足エラーで開くとことが出来ません。Illustrator 10 ではこのDXF ファイルを開くことが出来ました。
解決方法 (Solution)
読み込めないDXF ファイルのヘッダにAutoCAD のバージョン情報を追加します。以下の方法で行います。
1. DXF ファイルをテキストエディタで開きます。
2. 恐らく6 行目が[9] になっていると思いますので先頭からその上までを削除します。
3. 先頭へ以下のテキストを挿入します。
---- ここから
0
SECTION
2
HEADER
9
$ACADVER
1
AC1008
---- ここまで
*AC1008 では解決しない場合にはAC1015 またはAC1009 をお試しください。
追加情報 (Additional Information)
Illustrator 10 では開くことが出来たAlias のDXF ファイルがIllustrator CS 以降で期待通りに開くことが出来なくなったの理由は以下の通りです。
Illustrator 10 ではファイルの拡張子でファイルフォーマットを判定していました。Illustrator CS 以降ではファイルのヘッダ情報にAutoCAD のバージョン情報を発見した場合にDXF として認識するように仕様を変更したためです。これは主に2 つの理由があります。
1. Illustrator による厳密なファイルフォーマットの判定:ヘッダ情報によりファイルフォーマットを判断し、それに合ったプラグインを呼び出すことは拡張子で判断するよりも厳密であると言えます。
2. 品質を確保:Illustrator 10 ではどのようなDXF ファイルでも開くことが出来ましたがその結果が希望通りではないことが多かったと思います。これは対応外のDXF ファイルを変換しているので仕方がありませんでした。
Illustrator CS3 が対応しているCAD フォーマットはAutoCAD 2004、2005、2006 のDWG および DXF ファイルです。これはIllustrator CS4 でも同じです。これ以外のDXFファイルをこの解決方法で開いた場合でもサポート外であることに変わりはありません。
補足:Illustrator CS2 以降ではライブペイント機能が追加されております。ライブペイントは、カラーの描画を作成するための直感的な方法です。ライブペイントでは、Illustrator のすべてのベクトル描画ツールを使用できますが、描いたパスはすべて同じ平面上にあるものとして処理されます。つまり、描いた順序でパスが前後に配置されることはありません。その代わりに、パスにより描画面が領域に分割されます。そして、単一パスまたは複数パスセグメントのどちらで領域が区切られているかに関わらず、どの領域でも色を塗ることができます。これにより、ぬり絵や、鉛筆で描いたスケッチに水彩絵の具でペイントするのと同じ要領でオブジェクトをペイントできます。Illustrator とCAD ソフトウェアとでは塗りが可能なエリアのプログラム的な定義が異なりますが、ライブペイントはそのギャップを埋めています。