世の中の話題になるストーリーを、電子書籍やデジタルマガジンで共有
紙に印刷される従来型の書籍・雑誌を、モバイルデバイスで読めるデジタルコンテンツに変換し、リーチを大きく広げましょう。InDesignなら、新規のコンテンツも既存の素材も、次のような形式のデジタル版にして提供できます。
固定レイアウトのEPUB :EPUBは電子書籍フォーマットの一種です。固定レイアウトのEPUBでは、元のデザインを忠実に再現しながら、ライブテキスト、複雑なレイアウト、リッチメディア、インタラクティブ機能をそのまま盛り込むことができます。児童書、料理の本、教科書、コミックスなど、豊富なグラフィックやオーディオ、ビデオが含まれるドキュメントに最適です。
可変フローのEPUB :使用デバイスに合わせて読者がコンテンツの表示を最適化できる形式です。様々な環境に対する柔軟な適応力があり、特に、インタラクティブ機能の制限が多い電子ペーパーデバイスに適しています。
デジタルマガジン(E-Zine) :普通、これはデバイス画面での利用に最適化された雑誌を指します。
こうした種類のドキュメント作成に欠かせない機能や一般的なワークフローについて説明しましょう。
最初の一歩では、実際のプロジェクトに最適な設定を選ぶことが大切です。
ドキュメントを提供する目的は何なのかを考えましょう。デザイン作業は、Adobe Stockテンプレートを利用して迅速に進めることも、多彩な選択肢から1つのサイズを選んでまったく新規に始めることもできます。
新規ドキュメント ダイアログボックスで、デジタルマガジンなら「印刷 」カテゴリ、EPUBなら「web 」カテゴリを選択します。できれば、想定される対象デバイス向けの適切なドキュメントサイズを選択します。ただし、これは後からいつでも変更できます。
長いドキュメントの扱いに適した機能を活用する
InDesignには、電子書籍やデジタルマガジンのプロジェクトを想定した強力な機能が用意されています。
個々の章やセクションを別のInDesignファイルに保存する機能は、共同での編集作業をやりやすくし、ワークフローを迅速化するのに役立ちます。また、ブックファイルを使用するとドキュメントの管理が簡単になります。ブックファイルを作成するには、ファイル /新規 /ブック を選択します。
固定レイアウトのEPUBやデジタルマガジンでは、ページ パネルで、自動生成されるページ番号やセクション見出しなど、各ページに一貫して表示されるコンテンツをマスターページに配置できます。
様々なデバイスごとにコンテンツを最適化する
利用環境を問わず常に最良の表示品質で読める電子書籍やデジタルマガジンを提供して、「良いデザイン」を超えた「秀逸なデザイン」を実現しましょう。
テキストの書式を段落スタイルや文字スタイルとして保存すると、一貫性が保たれ、適用しやすく、後からの編集も楽に実行できます。
可変フローのEPUBでは、読み進む順番のとおりに正しい流れで一連の画像を表示することが大切です。メニューバーでオブジェクト /アンカー付きオブジェクト を選択するか、インラインでオブジェクトを貼り付けましょう。
webリンクやビデオなどのインタラクティブ要素は必ずテストしましょう。提供形式やデバイスによっては、一部のインタラクティブ機能が動作しないことがあります。
オートメーションを有効活用
内蔵されている標準機能を活用すると、作業時間の節約になり、提供するユーザーエクスペリエンスの質も向上できることがあります。
作成した段落スタイルを基にして目次を生成するには、レイアウト /目次 を選択します。
印刷版とデジタル版で異なるページサイズを使い分けたい場合や、タブレットデバイスの縦置き、横置きでレイアウトを切り替えたい場合は、「代替レイアウトを作成 」を使いましょう。
世界に向けて作品を公開する
苦労してドキュメントを作り込んだ後は、正しい形式で書き出しましょう。
Adobe PDF(プリント) 、Adobe PDF(インタラクティブ) : 「プリント」を選ぶと、インタラクティブ機能を含まないファイルが書き出されます。「インタラクティブ」の場合は、InDesignで作成したインタラクティブ機能の大半を含んだファイルが書き出されます。
Publish Online :あらゆる種類のInDesignドキュメントをwebに公開し、ソーシャルネットワークまたは電子メールで共有することや、独立したURLとして共有することができます。
EPUB(固定レイアウト) 、EPUB(リフロー可能) :「固定レイアウト」は、様々な書式指定を維持する必要があるドキュメントに適しています。「リフロー可能」は、表示オプションが読者によって変更されてもデザインが損なわれないようなドキュメントに適しています。
このワークフローに従えば、素材が既存のものであれ新しいものであれ、今までリーチできていなかった対象者にコンテンツを届けるための正しいコースに沿って作業を進めることができます。