基本が学べる!InDesign CCのすぐに役立つデザイン活用術

InDesignは、ページレイアウトソフトです。Illustratorと共通の機能も多いですが、ページを扱ううえで欠かせない機能がたくさん搭載されています。また、テキストや画像を扱ううえでの基本的な考え方にも若干違いがあります。まずは、InDesignがどのようなアプリケーションなのかを理解しましょう。

Illustratorとの違い

Illustratorとの違い

IllustratorとInDesignのどちらのアプリケーションを使用しても、印刷用のドキュメントを制作することは可能です。しかし、大きく異なるのは、InDesignがページレイアウトを行うアプリケーションであるということです。

Illustratorには、ノンブルや柱といったページ物に欠かせないアイテムを作成する機能はありません。また、ページをまたいでテキストが流れるようなドキュメントは基本的に作成することができません(Illustratorのマルチプルアートボード機能を使用すれば可能ですが、すべて手動で設定等を行うため、統一したレイアウトを作成するのには非効率となります)。

他にも、表組みや特色の掛け合わせ、目次や索引等、Illustratorには搭載されていない機能も多く、操作性や機能性を考えた場合、やはりページ物制作にはInDesignを使用した方が効率的に作業できるのは間違いありません。

Illustratorを使用しているユーザーであれば、同じアドビ製品であるInDesignは違和感なく操作できるはずです。これまで、ページ物にIllustratorを使用していたユーザーの方も、これを機会にInDesignを使ってみてはいかがでしょうか。

InDesignの基本的操作でIllustratorと異なるのは、テキストや画像には必ずフレームが必要だという点です。例えば、Illustratorでは文字ツールでドキュメント上をクリックすればそのままテキストを入力できますが、InDesignでは文字ツールでドラッグしてテキストフレームを作成してからでないとテキストを入力できません。同様に、画像にも必ずグラフィックフレームが必要となります(グラフィックフレームは画像配置時に自動的に作成することもできます)。テキストや画像といったオブジェクトには、必ず入れ物であるフレームが必要だということをまず覚えておいてください。

InDesignのフレーム

InDesignには、「フレームツールで作成するグラフィックフレーム」「文字ツールで作成するプレーンテキストフレーム」「グリッドツールで作成するフレーグリッド」「長方形ツールや楕円形ツール等で作成する図形としてフレーム」の4種類のフレームがあります。用途に応じたさまざまなフレームが用意されているわけですが、これらのフレームはすべてパスでできており、ダイレクト選択ツールやペンツールを使って自由に変形することが可能です。

また、フレームの自由度は非常に高く、フレームの属性を変更することも可能です。例えば、テキストフレームに画像を配置することもでき、その場合、フレームは自動的にグラフィックフレームに変換されます。さらに、文字ツールでグラフィックフレーム上をクリックすれば、テキストフレームに変換され、そのままテキスト入力が可能となります。

フレームの属性や種類は[オブジェクト]メニューの[オブジェクトの属性]や[フレームの種類]から変更することもできます


プレーンテキストフレームとフレームグリッドの違い

InDesignの大きな特徴として、2つのテキストフレームがあることが挙げられます。グリッドと呼ばれる升目のあるフレームグリッドと、グリッドのないプレーンテキストフレームです。どちらを使用しても文字をレイアウトする事は可能ですが、その性質は異なります。

書式を設定してあるテキストをコピーし、それぞれのテキストフレームにペーストしてみてください。プレーンテキストフレームにペーストした場合にはコピー時の書式のままペーストされるのに対し、フレームグリッドにペーストした場合にはテキストの書式が変わってしまうのが分かるはずです。

プレーンテキストフレームは単なるテキストの入れ物ですが、フレームグリッドはフレーム自体が書式属性を持っており、テキストを入力、およびペーストした場合には、そのフレームグリッドの持つ書式属性でテキストが入力・ペーストされるのです。


逆の言い方をすれば、あらかじめ決められたフォントや文字サイズ等を設定したフレームグリッドを作成しておけば、その書式でテキストを流し込めるというわけです。

[フレームグリッド設定]ダイアログ。フレームグリッドの場合、このダイアログの設定内容でテキストが入力・ペーストされます


一般的には、本文のように決まった書式でテキストが流れる場合にはフレームグリッド、異なる書式のテキストが混在するようなケースではプレーンテキストフレームを使用すると便利です。

2つの作業モード

InDesignでは、新規でドキュメントを作成する場合に、[レイアウトグリッド]と[マージン・段組]のいずれかのモードを選択して作業を進めることになります。InDesignに慣れていないと、どちらを選択すればよいのか迷う方もいらっしゃるかと思います。結論から言えば、どちらを選択しても最終的に目的とするドキュメントを作成することは可能なのですが、制作物の内容によってモードを切り替えて使用した方が効率良く作業できます。

新規でドキュメントを作成する場合には、[レイアウトグリッド]と[マージン・段組]のいずれかを選択して作業を進めます


例えば、書籍や雑誌のように決められた本文等のフォーマットがある場合には[レイアウトグリッド]、ポスター等のようにとくに決まったフォーマットがなく、デザインの自由度の高い制作物には[マージン・段組]を選択した方が良いと言われています。

[マージン・段組]を選択した場合には、最初にマージンと段組のみを決めて作業を進めるのに対し、[レイアウトグリッド]を選択した場合には、フォントやサイズ、字間、行間をはじめ、行数や行文字数、段数、段間等を指定して作業を進めます。[レイアウトグリッド]では、最初にきっちりとドキュメント設計をしてから作業を開始するため、決まったフォーマットがある制作物では後々の作業をスムーズに進めることができるわけです。慣れるまでは、2つのモードを色々と試してみてください。制作物によって、どちらのモードの方が作業しやすいかが、だんだんと分かってくるでしょう。

プライマリテキストフレームを使用した作業

[新規ドキュメント]ダイアログには[プライマリテキストフレーム]という項目があり、デフォルトではオフになっています。この項目はCS5.5までは[マスターにテキストフレーム]という名称でしたが、CS6から[プライマリテキストフレーム]という名称に変更され、その機能も大きく進化しました。

[プライマリテキストフレーム]をオンにして新規ドキュメントを作成すると、マスターページ上に自動的にテキストフレームが作成されます。当然、ドキュメントページ上にもマスターページ上のテキストフレームが反映されるのですが、CS5.5までとは異なり、ドキュメントページ上でテキストフレームを選択することが可能になっています(CS5.5までは、オーバーライドしないと選択できませんでした)。

また、マスターページ上に作成されたテキストフレームを選択すると、テキストフレーム左上の所にプライマリテキストフローのオン/オフを切り替えるアイコンが表示されるようになっています。このアイコンをクリックして、プライマリテキストフローを無効にしておくと、新規でこのマスターページをベースとしたドキュメントページを追加しても、追加したページにはテキストフレームは作成されません。

InDesign CCの[新規ドキュメント]ダイアログ。[マスターにテキストフレーム]が、CS6から[プライマリテキストフレーム]に変更されています


マスターページ上に作成したテキストフレームを選択すると、左上にプライマリテキストフローのオン/オフを切り替えるアイコンが表示されます。図は、プライマリテキストフローが無効な時(上)と有効な時(下)

 

このように、CS5.5までとは動作が変わっていますが、この機能は後からレイアウトが変更になった時に威力を発揮します。例えば、「A-マスター」を適用したドキュメントページに、すでにテキストを配置してレイアウトを完了しているとします。

このレイアウトが変更になったため、新たに「B-マスター」を作成し、ドキュメントページに適用すると、CS5.5までであればテキストフレームが二重に重なってしまうため、新たにドキュメントを作り直していた方も多かったでしょう。しかし、CS6以降であれば、マスターページ上に作成したテキストフレームに対し、プライマリテキストフローを有効にしてからドキュメントページに適用すれば、テキストフレームが二重になることもなく、「B-マスター」のレイアウトに即座に変更してくれます。このように、後からレイアウトが変更になった場合にプライマリテキストフレームの機能を使用することで、レイアウト変更の手間を減らすことができます。

1段組の「A-マスター」が適用されていたページに、プライマリテキストフローを有効にした2段組みのマスターページ「B-マスター」を適用すると、即座にレイアウトに反映されます



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