この文書では、製品の調子が悪いときに最初に行っていただきたい簡単な対処方法をご紹介します。InDesignが遅くなったと感じたときにもお試し下さい。下記の対処方法で解決しない場合や、特定のエラーメッセージが表示される場合は別の解決方法の文書が用意されていることがあります。
A. 環境設定ファイルの再作成
B. フォントリストファイルの再作成
C. InDesign を単独で起動
D. 新規ユーザアカウントの作成
E. ユーザーアカウント制御(UAC)の無効化(Windows 7/Vista)
F. Windows Aero の無効化(Windows 7/Vista)
G. フォントのトラブルシューティング
H. Administrator アカウントでのログイン
I. 問題が解決しない場合
追加情報:
J. テキストがおかしい、文字組みがおかしいな思ったら
K. InDesign書類がおかしいなと思ったら
環境設定ファイルを再作成することによって、環境設定ファイルの破損による問題を解決することができます。
注意 : 環境設定ファイルを再作成すると、アプリケーションの設定が初期状態に戻ります。
以下の操作を行います。
-
以下の「Version 6.0-J」フォルダおよび「Caches」フォルダの名前を変更します。(例 : 「Version 7.0-J_old」、「Caches_old」)
Windows 7/Vista
- C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Adobe\InDesign\Version 7.0-J
- C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Adobe\InDesign\Version 7.0-J\ja_JP\Caches
Windows XP
- C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Application Data\Adobe\InDesign\Version 7.0-J
- C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data\Adobe\InDesign\Version 7.0-J\ja_JP\Caches
※ 上記のフォルダパスは、円記号「¥」 が バックスラッシュ「 \ 」で表示されます。
システムに多数のフォントがインストールされている場合、あるいはフォントに関する問題が発生している場合は、フォントユーティリティを使用するか、手動で使用しないフォントを無効にし、フォントリストファイル「AdobeFnt*.lst」を再作成します。「AdobeFnt*.lst」ファイルは、Adobe アプリケーションが利用可能なフォントのタイプや保存場所の情報を得るために使用するフォントキャッシュファイルです。
フォントリストファイルを再作成するには、以下の操作を行います。
Windows 7/Vista の場合 :
追加情報:
フォントリストの場所 C:\Users\<user name>\AppData\Local\AdobeTypeSupport\CS5
削除するファイル
- AdobeFnt_OSFonts.lstはOSにインストールされているフォントのリストです。
- AdobeFnt_CommonFonts.lstはcommonフォルダにインストールされているフォントのリストです。
- AdobeFnt_CMaps.lstはOSにCMapsファイルのリストです。
Windows XP の場合 :
追加情報:
フォントリストの場所 C:\Documents and Settings\<user name>\Local Settings\Application Data\Adobe\TypeSupport\CS5\
削除するファイル
- AdobeFnt_OSFonts.lstはOSにインストールされているフォントのリストです。
- AdobeFnt_CommonFonts.lstはcommonフォルダにインストールされているフォントのリストです。
- AdobeFnt_CMaps.lstはOSにCMapsファイルのリストです。
InDesign と同時に起動しているアプリケーションやサービスが、システムエラーまたはフリーズの原因となる場合があります。サービスとは、他のプログラムをサポートするための処理を行うことに特化したプログラムです。以下の弊社技術文書を参照し、Windows の起動時に自動的に読み込まれるスタートアップ項目を含め、他のアプリケーションをすべて無効にした状態で InDesign を起動し、問題が改善されるかどうか確認します。
文書番号 cpsid_83224 システム構成ユーティリティで不要なサービスを停止する(Windows)
ユーザアカウントの権限が不足している場合やアカウントの破損によって、必要なファイルおよびフォルダへのアクセスが妨げられることがあります。管理者権限のある新規ユーザアカウントを作成し、作成したアカウントでアプリケーションを実行します。ドメインネットワークなどで作業している場合はローカルに管理者アカウントを作成してコンピュータにログインし、問題を再現します。ローカルの新規ユーザアカウントを作成する方法については、以下の弊社技術文書を参照するか、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
文書番号 cpsid_83227 新規ユーザアカウントの作成方法
ユーザーアカウント制御(UAC)機能を無効にして問題が解決するか確認します。ユーザーアカウント制御機能に関する詳細については、Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
重要 : このセクションの手順を行うことによってユーザーアカウント制御(UAC)が無効になります。ユーザーアカウント制御は、システムに影響を及ぼす可能性のある予期しない動作が実行されるのを防ぐための機能です。ユーザーアカウント制御を無効にすることによって、これらの通知は無効にされます。ユーザーアカウント制御(UAC)に関する詳細については、Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
ユーザーアカウント制御を無効化するには、以下の操作を行います。
Windows 7 の場合 :
Windows Aero は Windows Vista から搭載されているハードウェアベースの新しいグラフィカルユーザインターフェースです。Aero を有効にすることにより、通常のインターフェースでは使用できない、透過やアニメーションなどの新機能を含む、より多くの機能が使用できるようになります。しかし、Aero は多くのハードウェアリソースを消費するため、パフォーマンス低下の原因となったり、集中的にグラフィック操作を行うアプリケーションで問題が発生する可能性があります。
Windows Aero を無効にするには、以下の操作を行います。
Windows 7 の場合 :
フォントが問題の原因となっているかどうかを特定するために、アクティブなフォントを別の場所へ移動して動作を確認します。
注意 : Windows によってインストールされたフォントは移動させないでください。Windows でインストールされるフォントについては、以下の弊社技術文書を参照してください。
文書番号 236469 Windows 7 によってインストールされるフォント
文書番号 233842 Windows Vista によってインストールされるフォント
文書番号 221220 Windows XP によってインストールされる TrueType フォント
以下の操作を行います。
問題が再現しない場合 :
手順 7. ~ 9. を別のフォントに対して繰り返し行います。
問題が再現する場合 :
手順 7. で「Fonts」フォルダに戻したフォントのいずれかが原因となっています。これらのフォントを「C:\Windows\Fonts」フォルダから移動し、手順 7. ~ 9. を繰り返します。ただしこの場合は、一度に 1 つずつフォントを移動させます。問題が再現された際には、以下のいずれか、もしくは複数の操作を行ってください。
- FontMaster などのサードパーティ製フォント管理ユーティリティを使用している場合は、ユーティリティを使用してフォントを削除します。操作方法についての詳細は、フォント管理ユーティリティに付属のマニュアルを参照してください。
- フォントを削除し、オリジナルのメディアからフォントを再インストールします。
- フォントのアップデートについて、フォントメーカーへお問い合わせください。
初期設定の管理者アカウントである「Administrator」アカウントは、一般的なローカルの管理者アカウントよりも高いアクセス権が設定されています。初期設定では、「Administrator」アカウントは無効にされています。「Administrator」アカウントを有効にしてログインする方法については、システム管理者に問い合わせるか、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
Windows 7 : http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc732112.aspx
Windows Vista : http://support.microsoft.com/kb/926183/ja
Windows XP : http://support.microsoft.com/kb/417868/ja
上記すべての操作を行っても問題が解決しない場合は、既知の問題として弊社サポートデータベースで文書が公開されていないか検索します。
サポートデータベース URL : http://www.adobe.com/go/support_faq_jp
また、以下の弊社ユーザーフォーラムにおいて、弊社製品を使用しているユーザーから同じような問題が報告されているかを参照することができます。別のコンピューターでも同じ問題が確認できた場合、弊社テクニカルサポートにおいても、問題を再現し検証を行える可能性があります。
日本情報 : http://www.adobe.com/jp/support/forums/
米国情報 : http://www.adobe.com/support/forums/
文字組みや段落スタイル、文字スタイルなどを適用しても期待通りに動作しない時には[全ストーリーの再計算]を行います。
OS やフォントが異なる環境で作成された書類、または 旧バージョンの文書を開いた場合は、はじめに [全ストーリーの再計算] コマンドを実行します。[全ストーリーの再計算] コマンドを実行すると、InDesign は書式情報を再読み込みし、画面を再描画します。
以下の操作を行います。
- 全ストーリーの再計算とは、現在の InDesign の文字や段落の設定をもとに書類上の全ストーリーを再計算する機能です。下記の場合には特に利用をお勧めします。
- 旧バージョンの InDesign 文書を開いた場合(バージョン間では問題の修正や品質の向上により文字組が異なっています。)
- PageMaker ファイルや QuarkXpress ファイルなど、他の書類を開いたとき(ファイルを変換中にもストーリーの再計算は行っていますが、設定の細部までを利用した再計算には [全ストーリーの再計算] が必要です。)
- 設定を変更しながら文章を作成した場合(文書中に複数の設定遍歴が存在する場合には [全ストーリーの再計算] コマンドで正しい文字組みを確認します。)
- 作成した環境とは別の環境で開いた場合
- テキストフレームをインライングラフィックとして使用するなど、ドキュメントが複雑な構造を持っている場合
- 印刷前の最終確認