この文書では、Mac OS X 10.7 Lion で製品の調子が悪いときに最初に行っていただきたい簡単な対処方法をご紹介します。InDesign が遅くなったと感じたときにもお試し下さい。下記の対処方法で解決しない場合や、特定のエラーメッセージが表示される場合は別の解決方法の文書が用意されていることがあります。
A. 環境設定ファイルの再作成
B. フォントリストファイルの再作成
C. フォントの破損を検証
D. 管理者権限でのログイン
E. ディスクのアクセス権を修復
F. セーフブートの実行
G. セーフブートでの問題の再現
H. 新規ユーザーアカウントでのログイン
I. 問題が解決しない場合
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Finder で以下のフォルダーを開き、Version 7.5-J フォルダーの名前を変更します。(例 : Version 7.5-J_old)
注意 : Mac OS X 10.7 では、ユーザーのライブラリフォルダーが初期設定で非表示になっています。以下の弊社技術文書を参照し、ライブラリフォルダーを表示します。
文書番号 cpsid_91195 非表示のユーザーライブラリフォルダーにアクセスする方法(Mac OS X 10.7 Lion)
- Macintosh HD/ユーザ/<ユーザー名>/ライブラリ/Preferences/Adobe InDesign
- Macintosh HD/ユーザ/<ユーザー名>/ライブラリ/Caches/Adobe InDesign
システムに多数のフォントがインストールされている場合、あるいはフォントに関する問題が発生している場合は、フォントユーティリティを使用するか、手動で使用しないフォントを無効にし、フォントリストファイル AdobeFnt*.lst を再作成します。AdobeFnt*.lst ファイルは、Adobe アプリケーションが利用可能なフォントのタイプや保存場所の情報を得るために使用するフォントキャッシュファイルです。
フォントリストファイルを再作成するには、以下の操作を行います。
破損しているフォントにアクセスすると、システムエラー、フリーズ、または表示に関する問題が発生する可能性があります。フォントのトラブルシューティングを行い、破損しているフォントを特定します。
以下の操作を行います。
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Adobe Type Manager や Extensis Suitcase などのフォント管理ユーティリティをすべて無効にします。ただしヒラギノフォントは有効のままにします。(理由はこちら)
問題が再現する場合 :
フォントの破損が問題の原因ではありません。上記手順で停止したフォントをすべて使用可能にします。
問題が再現しない場合 :
停止したフォントのいずれかが破損している可能性があります。停止したフォントを 1 つずつ使用可能にして、そのつど問題が再現するか確認し、破損しているフォントを特定します。問題の原因となるフォントファイルを特定したら、オリジナルメディアから問題のフォントを再インストールします。
停止したフォントを使用可能にするには、以下の操作を行います。
コンピューターにログインしているユーザーの権限が十分でない場合、アプリケーションが必要なファイルにアクセスできず問題が発生する可能性があります。アクセス権の制限が問題の原因となっているかどうかを確認するには、管理者権限のあるユーザーでログインして問題を再現します。問題が再現しない場合、以前に使用したアカウントのアクセス権が十分ではありません。システム管理者に連絡して、アクセス権を取得してください。
管理者権限のあるユーザーとしてログインするには、以下の操作を行います。
ディスクアクセス権が正しくない場合、あるいは破損している場合に問題が発生することがあります。「ディスクユーティリティ」を使用して、ディスクアクセス権の検証および修復を行います。
アクセス権を修復するには、ディスクユーティリティを使用します。以下の操作を行います。
セーフブートとは、Mac OS X をセーフモードで起動するための方法で、起動時やログイン時に読み込まれる項目をすべて無効にします。ユーザーアカウントのログイン項目に設定されている項目や、起動時に読み込まれるアプリケーションやサービスなど必ずしも必要ではない拡張機能を無効することで、問題が解決することがあります。セーフモードで問題が発生しない場合、起動項目のいずれかがシステムエラーまたはフリーズの原因となっていることが考えられます。
セーフブートを実行すると、以下の動作が実行されます。
- 起動ボリュームのディレクトリチェックが強制的に実行されます。
- 必須カーネル拡張機能のみを読み込みます。(項目のうちいくつかは「Macintosh HD/システム/ライブラリ/Extensions」フォルダーに格納されています。)
- 「Macintosh HD/システム/ライブラリ/Fonts」フォルダーに格納されているフォント以外を無効にします。
- 「Macintosh HD/ライブラリ/Caches/com.apple.ATS/<ユーザー ID 番号(501 など)>」フォルダーに格納されているフォントキャッシュをゴミ箱へ移動します。
- すべてのログイン項目を無効にします。
Mac OS X をセーフモードで起動するには、以下の操作を行います。
ユーザーアカウントのログイン項目に設定されている項目や、起動時に読み込まれるアプリケーションやサービスなど必ずしも必要ではない拡張機能を無効にした状態で問題を再現します。問題が発生しない場合、起動項目のいずれかがシステムエラーまたはフリーズの原因となっていることが考えられます。
以下の操作を行います。
ユーザーアカウントの破損によって、必要なファイルへのアクセスやファイルおよびフォルダーの作成が妨げられることがあります。管理者権限のある新規ユーザーアカウントを作成し、作成したアカウントでログインします。
新規ユーザーアカウントを作成するには、以下の操作を行います。
上記すべての操作を行っても問題が解決しない場合は、既知の問題として弊社サポートデータベースで文書が公開されていないか検索します。
サポートデータベース URL : http://www.adobe.com/go/support_faq_jp
また、以下の弊社ユーザーフォーラムにおいて、弊社製品を使用しているユーザーから同じような問題が報告されているかを参照することができます。別のコンピューターでも同じ問題が確認できた場合、弊社テクニカルサポートにおいても、問題を再現し検証を行える可能性があります。
日本情報 : http://www.adobe.com/jp/support/forums/
米国情報 : http://www.adobe.com/support/forums/
文字組みや段落スタイル、文字スタイルなどを適用しても期待通りに動作しない時には「全ストーリーの再計算」を行います。
OS やフォントが異なる環境で作成された書類、または 旧バージョンの文書を開いた場合は、はじめに「全ストーリーの再計算」コマンドを実行します。「全ストーリーの再計算」コマンドを実行すると、InDesign は書式情報を再読み込みし、画面を再描画します。
以下の操作を行います。
全ストーリーの再計算とは、現在の InDesign の文字や段落の設定をもとに書類上の全ストーリーを再計算する機能です。下記の場合には特に利用をお勧めします。
- 旧バージョンの InDesign 文書を開いた場合(バージョン間では問題の修正や品質の向上により文字組が異なっています。)
- PageMaker ファイルや QuarkXpress ファイルなど、他の書類を開いたとき(ファイルを変換中にもストーリーの再計算は行っていますが、設定の細部までを利用した再計算には [全ストーリーの再計算] が必要です。)
- 設定を変更しながら文章を作成した場合(文書中に複数の設定遍歴が存在する場合には [全ストーリーの再計算] コマンドで正しい文字組みを確認します。)
- 作成した環境とは別の環境で開いた場合
- テキストフレームをインライングラフィックとして使用するなど、ドキュメントが複雑な構造を持っている場合
- 印刷前の最終確認