「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる - スマホで「できる」基礎からはじめる映える写真の撮り方と仕上げ方 第16回
「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

都会の歩道って水はけがすごくいいみたい

 

「次は水たまりとか反射とかどうですか?」と提案されたのが梅雨入り前のこと。

雨が降れば簡単に撮れるだろうとたかを括っていたのですが、難しいかも……。

 

イメージしたのは、水たまりに反射した都会の街並みと雑踏と青空のシーン。でも、ないんです。水たまりが。

 

東京都内の歩道って水はけがよい舗装になっているみたいで、撮影したくなる手ごろな水たまりが見つからず。

なので、都内だけでなく、公園とか、動物園とか、郊外の街とか、そんなところを散策しつつ、水たまりや反射の写真を撮ってきました。

 

写真はすべて、スマホ+Lightroomのカメラ機能で写しています。コンパクトなシステムでありながら、撮影の現場で写真の色が調整できる点が超便利です。

色調整した結果、気に入らなかったら再撮影すればよいのですから。失敗写真が激減します。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

イメージが崩れるのでお見せしたくはないのですが、上の写真のネタばらしをすると、下のような水たまりで写したものになります。

画になりそうな木の葉を浮かべて、周囲がきれいに反射する角度を探して撮影しました。トップに掲載している写真も似たり寄ったりの状況です。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

特別な被写体やシーンじゃなくても写真は写せます。何を撮ればよいのか分からないという方は、文字どおりに視点を変えてみるとよいかもしれません。

反射の撮影で意識したい2つのパターン

反射を幻想的に写してみよう

水たまりなど、水面に反射した光景を撮るときに考えたいこと、それが「ピントの位置」です。

反射した景色にピントを合わせたくなりますが、それで印象的な写真になるかというと、ちょっと難しいかも。

水面は微妙に揺らいでいるため、肉眼では幻想的に見えるのですが、写真に写すと単なるかすんだ景色になってしまいます。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

必要なのは、「反射」という非現実的な世界を演出するファンタジックな要素。

それを得るには、反射している景色が揺れているようにあいまいにすればよいのです。

簡単な方法は、水面の浮遊物に「近づいてピントを合わせる」こと。木の葉でも水泡でも波紋でもなんでもよいのですが、僕は木の葉を置いて撮影するのが好きです。

水面にピントが合うと、反射している遠方の景色がぼやけるので、幻想的な描写にできます。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

もちろん、反射自体をクッキリと見せる撮り方もあります。

それに関しては、次の章で紹介します。

錯覚させるトリッキーな写し方をしてみよう

反射を活用するもうひとつのパターンが、シーンを錯覚させる写し方です。

鏡面反射している水面やショーウィンドウなどが、この撮り方に向いています。

 

といっても、考え方は水たまりの反射と同じ。反射している景色にはピントを合わせない点がポイントとなります。

鏡面反射の水面なら「実体」のほうにピントを合わせて、反射している景色が広く写る構図にすることで、上下が分かりにくい不思議な写真になります。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

ショーウィンドウの反射は、ディスプレイされている素材にピントを合わせて、反射している景色を合成する感覚で写し込みましょう。

要するに、素材の邪魔をしないように反射を入れればOKということです。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

反射を幻想的に写すなら水面の浮遊物にピント、合成画像のようなトリッキーな写真にしたいなら実体にピント。

この2つのパターンを覚えておけば、反射しているシーンが写しやすくなるはずです。

Lightroomの編集機能で雰囲気を高めよう

雨降りのシーンは冷たい色彩が似合います

僕はシーンを作り込んで撮影するのが好きなので、直感的にシャッターを切ることはあまりありません。トップに掲載している写真も、作ったシーンです。

 

散策中にいい感じの水たまりを見つけたので、木の葉を置いて、傘を持った同行者を水面のバランスのよい位置に反射して、頭上の樹木から水滴が落ちたタイミングで撮影しました。

ピントは、反射を幻想的に写すパターンどおり、浮遊物の木の葉に合わせています。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

撮影したままでは、何というか、リアリティのある色彩で味気ないので、Lightroomを使って「雨の冷たさ」が感じられる色にしてみました。

ファンタジックな雰囲気を出すために、少し強めの発色に仕上げています。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

ちなみに、撮影の現場は閉園直前の動物園の隅。

雨天で人気がなかったので撮影に臨んだのですが、それがかえって目立ったようで。

遠巻きに好奇のまなざしを向けられて、ちょっと恥ずかしかったです。

もっとも、動物園の片隅でしゃがんで地面を撮っているのですから、気になるのも当然かも……。

反射は暗く補正するとよく見えるようになる

反射したシーンを補正するポイントが、露出(明るさ)です。

多くの場合、反射している景色は見た目よりも明るく写るため、暗く補正してコントラストをアップするとよく見えるようになります。

 

今回は写真全体に対して補正を施していますが、反射している範囲だけ補正する場合も考え方は同じです。「部分補正」機能を使って、露出やコントラストを補正してイメージする色調に仕上げていきます。

 

では、以上の点を踏まえて編集をはじめましょう。

作業はモバイル版のLightroomで行ないますが、パソコン版でも同様です。

サムネール一覧で写真をタップして大きく表示したら、①左上の文字の部分をタップ。表示された一覧から、②「編集」を選ぶと編集画面で表示できます。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

最初に調整するのは露出です。

①「ライト」ボタンをタップして、②「露光量」スライダーを左に移動して暗く補正。

反射している景色を濃くしつつ、さらに冷たい雨の雰囲気を出したいので、実際よりも暗い露出にしました。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

反射した景色は、コントラストを強くすると光と陰が強調され、はっきりと見えるようになります。

そこで、①「コントラスト」スライダーを右方向に移動して、少しだけメリハリを出しました。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

明暗を決めたら、「色温度」スライダーで冷たい雰囲気を作ります。

①「カラー」ボタンをタップしたら、②「色温度」スライダーを左に移動して青っぽい色調に補正。

ちょっと暗くて、そして青っぽくしたので、寒々しい雰囲気が出てきました。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

濡れそぼる冷たさは、ほんの少しグリーンを入れると雰囲気が出るので、①「色かぶり補正」スライダーを左に移動してグリーンの要素を足します。

「隠し味」的な色の調合なので、気づかない程度の補正量でOKです。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

色の濃さや深みを調整します。

使う機能は、「色温度」と同じ「カラー」パレットにある「彩度」と「自然な彩度」スライダーです。

先に調整するのは、①「彩度」スライダーです。右に移動してすべての色を鮮やかに補正します。

補正が足りなくてもよいので、不自然な色や画質の劣化が生じない範囲で調整しましょう。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

鮮やかさや色の濃さが足りないときは、①「自然な彩度」スライダーも右に移動して、不足している鮮やかさを補います。

濡れたような質感を出すときは、「彩度」と「自然な彩度」で少し強めの補正を施して、色の濃い濃密な色彩に仕上げるのがコツです。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

最後に、木の葉の模様をクッキリとさせれば完成です。

使う機能は、①「効果」ボタンをタップすると表示される、②「テクスチャ」スライダーです。木の葉の模様の鮮明さを確認しながら、右方向に移動しました。

「反射」の撮り方を知ると水たまりが楽しくなる

 

「テクスチャ」は新しい機能なんです。

「明瞭度」と似ていますが、細かな部分のエッジを際立てる「明瞭度」、模様をはっきりとさせる「テクスチャ」、という感じで僕は使い分けています。

使い勝手がすごくよくて、「かすみの除去」ともども、「何かがもの足りない」なんてときの打開策に最適です。

 

今回は自然風景の中の反射のシーンでしたが、家でボールに水を張って花を反射させたりとか、ベランダでバケツの水に木の葉を浮かべて空を反射させたりとか、自分でシーンを作って撮影するのも楽しいのでおススメです。

 

執筆者:桐生彩希

 



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