青空があるだけで桜の写真は映えます - スマホで「できる」基礎からはじめる映える写真の撮り方と仕上げ方 第22回
青空があるだけで桜の写真は映えます

今年こそはなんとしても

テーマを「桜と青空」に決め、南伊豆で河津桜の撮影に臨んだのですが。4日連続で青空は見られず。

実はこのテーマ、昨年もトライして断念しています。だからこそ実現したい。

 

撮影初日は満開に近かった桜も、曇天、雨天、薄曇り、暴風雨と日を経るごとに状態が悪くなってしまい。今年もダメなのかと本当に焦りました。

曇りや雨でも桜は映えます。でも、華やかさという点では、背景に青空がほしい。

季節ものの撮り下ろしは思いどおりにいかず、本当に難しいです。

 

今回の写真もいつもどおり、iPhone 8 PlusにインストールしているLightroomモバイル版のカメラ機能で撮影しています。

青空があるだけで桜の写真は映えます

太陽の位置を確認して撮影しよう

桜と青空は相性がいい

桜の撮り方はたくさんあります。全景や接写、風景写真風やスナップ的な写し方など。曇りや雨の桜の写真も少なくないはずですが、思い浮かべるのはやはり、青空を背景にしたビビッドな桜ではないでしょうか。


そのくらい、「桜」と「青空」は相性のよい間柄です。

その理由のひとつが、「補色」と呼ばれる色の関係にあります。

補色とは反対の色のこと。何が反対なのかというと、「赤→黄→緑→水色→青→紫→赤」というように、類似した色を並べて輪(=色相環)にしたとき、反対側にある色ということです。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

色相環を見て分かるとおり、赤系の桜の花は、空の色(水色)と相性がよいというわけです。補色の関係は厳密に考えなくても大丈夫。ザックリとでかまいません。

下の色相環で示したように、赤系の色なら青から緑あたりの色と相性がよいと考えてください。ちなみに、右の色相環は、桜の色と対比しやすいように明るく調整したものです。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

補色の関係を覚えておくと、映える写真が撮りやすくなります。画面内に補色関係の色を配置するだけで華やかになりますから。

たとえば被写体を目立たせたいなら、背景は補色に近い色を探せばよいということです。

青い青空と白い青空があります

まずは、下の2枚の写真を比べください。どちらも同じ時間、同じ場所で撮影した桜の写真です。

左は青い空が写っていますが、右の空は白い写りです。ちなみに、撮影したときの空は一面が青空でした。

青空があるだけで桜の写真は映えます

2枚の違いは、写した方向です。左の青空が写っている写真は、太陽を背にした「順光」の向きで写しています。

対して右の写真は、太陽のある方向(=逆光)にカメラを向けて写したものです。ただし、太陽は画面に入らないように、少し右のほうに外しています。

このように、肉眼では青空に見えていても、撮影する向きによっては濃い青に写ったり白くなったりしてしまいます。桜の色も、順光で写した写真のほうがきれいに見えますよね。

 

つまり、鮮やかな桜と青空を一緒に写すなら、「順光の向きが最適」ということです。

 

この考え方は、桜の写真だけでなくスナップでも風景でもポートレートでも、ジャンルを問わずに役立ちます。もし空の色が薄いと感じたら、撮影する方向をチェックしてみるとよいかもしれません。

手前に大きな桜を入れてみよう

空が青く写る向きを覚えたら、次は構図の作り方です。

ポイントは、メリハリをつけること。つまり、画面内で桜の大きさに違いを作るということです。これは、下の例を見ると分かりやすいかもしれません。

 

左は、桜並木を見渡しよく写したものです。撮影地の全体像は分かるのですが、インパクトという点では少しもの足りなく感じてしまいます。

右の写真は、手前に桜の木が大きく写るように撮影しました。大きな桜の奥に小さく桜の木を写すことで画面内にメリハリができて、遠近感のある描写になっています。“桜感”もより一層アップです。

青空があるだけで桜の写真は映えます
 

この「手前に大きな桜を入れる」という写し方は、桜並木以外にも役立ちます。たとえば花だけを写したい場合、手前に大きく桜の花を配置すればOK。これで、平凡な写真から脱却できます。

要するに、「手前と奥」を意識して、立体感や遠近感を作り出せばよいのです。

青空があるだけで桜の写真は映えます
 

それと、通行人や建物などに関しては、個人的には無理に避けなくてもよいかなと思ってます。

多くの桜はひとの手が加わっていて、人里に近い場所に植えられた生活感のある樹木です。だからこそ人工物を避けた構図は作りにくく、撮り方に制限が出てしまいます。

それなら、ひとや建物があることを前提に構図を整えたほうが写しやすいというわけです。

そうはいっても、やはり避けたいときもあります。それが下の例。

画面の左上に「不明もの」が写っています。実は建物の屋根なのですが、ひと目で正体の分からないものは、とても気になります。

青空があるだけで桜の写真は映えます
 

この場合、桜で隠してしまえばいいんです。手前に配置した大きな桜の花で、背後のぼけた屋根を隠したものが下の写真になります。

すべてが隠れなくても、気にならなければそれで大丈夫です。

青空があるだけで桜の写真は映えます
 

通行人や人工物が上手く隠せないときは、それが何なのか分かるように画面内に配置すれば「写真を見たときのモヤモヤ感」がなくなります。

下は通行人の絶えないシーンだったのですが、無人になるのを待つのではなくて、散歩中の犬を入れて「人の気配」も一緒に写してみました。

「邪魔に感じるものを画面に入れる」という考え方を意識すると、桜のシーンは格段に撮りやすくなりますよ!

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Lightroomの編集機能で爽快な桜に仕上げよう

撮影ではやることを減らしたい

青空が背景の桜は、普通に写すと暗くなりやすいシーンです。そのため、撮影のときに明るく写る「プラスの露出補正」(カメラの画面で指を上、または右にスワイプ)をするとよいのですが、調整に手間取ったり、撮影後に設定を戻し忘れたりと、失敗の要因が増えてしまいます。

 

そのような理由から、今回の写真(トップに掲載した写真)も、撮影の段階では露出の補正は行っていません。構図を決めてシャッターボタンを押しただけなので、下のように暗い写りです。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

撮影のときに思い描いている“理想”は、下(トップに掲載)のような色彩です。

暗い写りになることは経験上分かっているし、太陽が出ていると陰が濃くなり色が濁るので、「シャドウを明るくしてローコントラストに調整すればいいかな」などと考えて撮影しました。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

このように、素材(構図やタイミング)がよければ、明るさや色はLightroomが引き出してくれます。まずは撮影に集中し、よい素材を得ることが大切です。

ただし、真っ黒や真っ白の写真はさすがにLightroomでもきれいに仕上がりません。そんなときは面倒がらず、「露出補正」を施して撮影に臨みましょう。

明るくて優しいコントラストを目指そう

Lightroomで編集をはじめます。

モバイル版の画面で説明しますが、タブレット版やパソコン版も同様に調整できます。また、スマホ(モバイル版)で編集した続きをタブレットやパソコンで行なえるのも、Lightroomの便利さのひとつです。

 

Lightroomを起動したら、サムネール一覧で写真をタップして大きく表示し、①左上の文字の部分をタップします。表示された一覧から、②「編集」を選ぶと編集機能が表示されます。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

これからやるべき主な作業は、明るくする、陰を薄くする、鮮やかにする、色味を整える、やわらかな印象にする、となります。最初にイメージに近い明るさにしたら、それ以降は順不同でかまわないし、すべての工程を行う必要もありません。気になる部分だけ調整して大丈夫です。

 

では、明るさの補正から。

①「ライト」ボタンをタップして、②「露光量」スライダーを右方向に移動します。

細かなことは考えず、全体を見て「気持ちよく見える明るさ」を目指しましょう。明るくするだけでも、だいぶ印象がよくなるはずです。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

花の陰が濃いため、色彩に濁りが感じられます。

そこで、①「シャドウ」スライダーを使いこれを改善。右方向に移動すると、陰の暗い色が明るく調整され、軽やかな色彩に近づきます。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

明るくしたことで強くなった白い光の反射などを軽減します。作業としては、明るい部分を中心に暗く補正し、コントラストを下げればOKです。

①「ハイライト」スライダーを左に移動して、明るく薄い色に色を乗せます。さらに、②「白レベル」スライダーを左に移動して花びらに反射する光の強さ(白い色)を抑え、③「コントラスト」スライダーを左に移動してやわらかなトーンに調整します。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

色調が淡くて少し締まりがないので、①「黒レベル」スライダーを左に移動して黒に近い色を引き締めておきます。

同様の調整は、「効果」ボタンの「かすみの除去」スライダーでも施せます。この辺りは写真や好みで使い分けてみてください。

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空や桜の色を整えよう

次は、空と桜の色の調整です。鮮やかにして、色温度を整えて、色別に鮮やかさや濃さを調整していきます。

 

色に関して最初に行うのは、鮮やかさの調整です。

①「カラー」ボタンをタップして、②「彩度」と③「自然な彩度」スライダーを右方向に移動します。「自然な彩度」は主に色の薄い空に反応しますが、空がきれいに見える鮮やかさに仕上げると、桜やそのほかの色がベッタリと平面的になることがあります。

空の色はもの足りなくてもよいので、桜の色が破綻しないように2つのスライダーを調整しましょう。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

全体の色味を調整します。

①「色温度」スライダーを左右に移動して色を探り、全体を見渡したときに「気持ちよく見える色」に調整します。必要なら、②「色かぶり補正」スライダーも同様に調整して色を整えます。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

空の色をより鮮やかにしていきます。

まずは、①「ミキサー」ボタンをタップして、「カラーミキサー」機能を表示します。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

空の青い色を調整するので、①「ブルー」のボタンをタップして選択。続けて、②「彩度」スライダーを右方向に移動し、青い色を鮮やかに調整します。青に濃さを出すときは、③「輝度」スライダーを左に移動すればOKです。

場合によっては類似色の、④「アクア」も同様に調整し、⑤「完了」ボタンをタップして補正を確定します。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

ここでは作業していませんが、桜の色を調整するときは、「カラーミキサー」機能で「レッド」や「マゼンタ」のスライダーを移動します。

ただし、白に近い薄い色の桜は鮮やかにする効果が得にくい(白はそれ以上鮮やかにはならない)点も覚えておくと、無用な処理が省けて画質を落とさずに済みます。

やわらかな描写に仕上げよう

ここから先は補足的な作業です。必要と感じたら試してください。

やることは、紗のかかったようなソフトな描写にする処理です。

写したままの状態では、桜の花のしわや汚れが気になるとき、ここで紹介している方法を試すと効果的です。

 

細部を処理する微妙な作業になるので、調整前に2本の指で画面をピンチアウトして、桜の花の部分を拡大表示しておきます。

拡大したら、①「効果」ボタンをタップして機能を表示します。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

①「テクスチャ」スライダーを左に移動して、微細な部分の描写をあいまいにします。続けて、②「明瞭度」スライダーを左に移動して、エッジや全体のディテールをソフトにし、濁りや汚れなどが目立たない甘い描写に仕上げていきます。

この調整は、ぼかす処理とは異なりピントの芯が残ったままソフトな描写(=ソフトフォーカス)になるため、花の写真やポートレートなどで役立つテクニックのひとつでもあります。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

最後に全体を確認して、違和感がなければ作業は完了です。

青空と桜は、やはり絵になります。色の関係が絶妙なので、映える写真を撮るなら格好のシーンです。

 

でも、曇りや雨でもよい写真が撮れるのも桜の魅力。とくに、曇りの日は光がやわらかく回っているため、花びらに濃い陰が落ちずやさしい色彩で写せます。

 

今回は、青空と桜を撮るために5日間も費やしてしまいましたが、個人的には曇りの桜も大好きです。なので、晴れ待ちの間は下のような写真を撮って過ごしてました。

みなさんも天気が悪いからと諦めず、桜の撮影を楽しんでください。そして、「撮ったらLightroomで仕上げ」です。

青空があるだけで桜の写真は映えます

 

 

執筆者:桐生彩希

 

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