動いているものをブラして撮ると面白い写りになる - スマホで「できる」基礎からはじめる映える写真の撮り方と仕上げ方 第23回

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

今回はスローシャッターの話しなのですが…

すみません。やらかしていました。

第2回第21回で同じ写真を使ってしまって。

 

この記事は、基本的にテーマに沿って写真を撮りに行ってます。でも、第21回は諸事情で撮影に行けず、既存の写真を使ったのですが。

まさか、2年のときを経て同じ写真を選んでしまうとは。写真の好みは変わらないということでしょうか。

いいわけではないのですが、同じ写真でも異なる仕上げ方をしているので、興味のある方はご一読ください。

 

今回は大丈夫。すべての写真を撮り下ろしてきました。

テーマは、「スローシャッター」です。撮影した機材はもちろん、スマホ+Lightroomのカメラ機能です。

スマホでスローシャッターの写真が上手く撮れるか半信半疑でしたが、かなりイケます。

コツさえ掴めば面白い写真が撮れるので、「普通の写真」に満足できなくなったら、ぜひ撮り方を習得してください。

(掲載している写真は、一部顔をぼかしています)

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

被写体はブレても手ブレはさせない

スローシャッターに必要なものとは?

「スローシャッター」は、カメラのシャッター速度を遅くして、意図的にブレのある写真を撮るテクニックです。「長時間露光」や「低速シャッター」などとも呼ばれ、幻想的な写真が撮れる面白い撮り方のひとつといえます。

 

大切なのは、カメラ(スマホ)の構え方。

シャッター速度が遅いと、手ブレが生じやすくなります。それを防ぐためにも、「カメラが動かない持ち方」と「ブレないシャッターの切り方」を覚えなければなりません。

おススメは、自撮り棒を使う撮り方です。リモコンがあればいうことなし。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

手で直にスマホを持つ構え方は意外と不安定で、さらに画面のタッチでシャッターを切ると、タッチした瞬間にカメラが動いて手ブレが生じてしまいます。

そこで、片手で自撮り棒を短く持ち、もう一方での手でスマホをホールドしてしっかりと構え、リモコンでシャッターを切る。リモコンがなければ、2秒のセルフタイマー(後述参照)を使う。

この撮り方で、シャッター速度が1/10秒くらいまでは何とかなるはずです。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

自撮り棒とリモコンが分かれているときは、両手でスマホをホールドしつつ、工夫してリモコンを持ちましょう。

それと、シャッターを切るときは息を止めたり、壁などに寄りかかって身体を固定するのも効果的です。

 

リモコンが使えない場合、2秒のセルフタイマーが手ブレ対策にかなり有効です。

Lightroomのカメラの画面で、①「…」をタップしたら、②「タイマー」アイコンをタップして、③「2」をタップします。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

この設定でシャッターを押すと、2秒後に写真が撮れます。つまり、シャッターを押した瞬間はカメラがブレやすいのですが、その後しっかりとホールドし直せばよいというわけです。

 

また、撮影のツールとしてスローシャッターがより撮りやすくなるものが、サングラスのような濃い色をした「NDフィルター」です。

スローシャッターは、「シャッター速度が遅い=明るく写る」撮り方のため、日中の明るい中で写すと真っ白になってしまいます。そこで、サングラス(NDフィルター)の出番です。スマホに装着すると景色が暗く見えるので、スローシャッターが撮りやすくなります。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

NDフィルターがなくてもスローシャッターの写真は撮れるので、面白さが分かってから購入しても大丈夫。トップに掲載している写真も、NDフィルターは使っていませんし。

カメラの設定方法を覚えよう

次はカメラ機能の設定です。

スマホでLightroomのカメラ画面を表示したら、①撮影のモードをタップして、②「AUTO」から「プロフェッショナル」に変更します。

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「プロフェッショナル」モードにしたら、①「Sec」の文字をタップして、②表示されたバーの〇印をスライドし、③分母の数字が小さいほうに移動します。

まずは、①の「Sec」の値を「1/10」(シャッター速度が1/10秒)にセットしましょう。この状態で撮りたい方向にカメラを向けて、④画面が真っ白になっていたら、スローシャッターを撮るには明る過ぎるシーンということです。

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画面が真っ白になる場合、NDフィルターを装着することで写真が暗くなり、普通に写せるようになります。NDフィルターがないときは、夕方や早朝などの薄暗い時間帯を選んで写せば大丈夫です。

 

また、全体的に明る過ぎても景色が見えているのなら、Lightroomの編集機能で仕上げられます(「露光量」で暗く調整する)。とりあえずその状態で写してみて、スローシャッターとはどのような写真のなのか体験してください。

ブレるところとブレないところを作る

スマホの構え方、カメラの設定を覚えたら、あとは実践あるのみ。

シャッター速度の目安は1/10秒です。この速度なら、ギリギリ手ブレを防いで、なおかつ動いている被写体をブラして写すことができます。

行き交う車や通行人などをこの設定で撮ると、ブレのある幻想的な写りになります。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

思うようにブレないときはより遅いシャッター速度(1/6秒や1/4秒など)にするのですが、その場合は要注意。壁などで身体を固定して「よりしっかり」と構えるか、三脚を使うようにしたいところです。

僕はというと、小さな三脚を持ち歩いています。片手で持てる大きさですが、脚を延ばせば1m以上の高さになります。スマホは軽いので、これくらいのものでも十分です。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

基本の写し方は、「ぶれのない部分」を必ず作るという点です。

画面全体がぶれていると、失敗写真にしか見えません。でも、静止しているところがあれば、画面が安定して“動”と“静”の対比が明確になります。その結果、スローシャッターの効果が活きてくるのです。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

どこをどう撮れば面白くなるのか、ハッキリいって分かりません。出たとこ勝負です。

とにかく、動いているものと止まっているもの。その両方を一枚に収めるように写せば、スローシャッターで撮る意味が出てきます。

 

あとはもう、偶然に頼る。これに尽きます。

ユニークな通行人だったり、面白い瞬間だったり。こればかりは狙って撮れるものではないので、みなさんも頑張ってください。

ちなみに僕は、2日をかけて9.5GBくらいの写真を撮ってきました。枚数でいうと777枚。タイミングが難しいので、どうしてもカット数が多くなってしまうんです。

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今回はスナップ写真を前提に紹介していますが、風景写真も考え方は同じです。

風になびく草木とか、波や水の流れとか、スローシャッターで捉えると面白いですよ。

どんな雰囲気に仕上げるかは自由です

モノクロにしても面白いかも

写真を撮ったら、Lightroomの編集機能で仕上げます。でもその前に、編集に関する蘊蓄を少し。

写真の仕上げ方は好みでよいのですが、どうすればよいのか分からないときは、見た目以上に派手にするか、モノトーンにするか、超極端のどちらかから選ぶとよいかもしれません。

スローシャッターの写真はそれだけで個性的ですが、色彩でさらに個性を出すという考え方です。

 

下の写真を例に考えてみます。

1/10秒のスローシャッターで写しているため、電車に乗り込む乗客がブレていて勢いのある写真です。でも、それだけで目を惹くかというと、ちょっと難しいかも。色が地味で、たくさんの写真の中に埋もれてしまう可能性が大きいです。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

そこで、「色」で印象をアップしてみます。要するに、髪の毛を染めて個性を出す、みたいな感じです。

奇抜な色にするほど目立ちますが、そうなると写真から逸脱して、前衛芸術になりかねません。写真が並んだとき目に留まればよいので、色が破綻しない範囲で「明るくハイコントラストで鮮やか」に仕上げていきます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

今度はモノクロです。Lightroomの編集画面で「カラー」ボタンをタップして、「B&W」ボタンをタップするとモノクロにすることができます。

 

世の中の多くの写真がカラーの状態なので、モノクロにするだけで印象に残りやすくなる可能性があります。それに、なんとなくリアリティが出るというか、緊迫感があるというか。ドキュメントタッチになるのもモノクロの効果なのかもしれません。

写真の中で背を向けるふたりも、なにやら意味深に見えてしまうから不思議です。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

鮮やかにすると陽気と熱気のポジティブ感、モノクロにするとシリアスで冷徹な印象の写真になりました。

どちらもよさがあるのですが、今回は色を乗せる方向にしてみます。つまり、実際の光景よりも明るくして、コントラストを強くし、より鮮やかにする仕上げ方です。

見た目以上の明るさと鮮やかさに仕上げよう

仕上げの作業をするのは、トップに掲載している写真です。まずは、元の色を見てみましょう。

この写真は、邪魔にならないようにホームの壁際から、壁に寄りかかって1/4秒のスローシャッターで写したものです。

動いている電車の窓を通して、静止している向こう側の景色が見えるようにタイミングを合わせるのが難しくて。でも、そのこだわった部分がよく見えていない……。

明るさは実際よりも少し暗い程度で、ある意味、現実味のある写真といえます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

上の写真を、明るくして、コントラストを強くし、鮮やかにしたものが、トップにも掲載している下の写真になります。

印象的にする上でも、光が溢れるくらいに明るくしてみました。

この仕上がりを目指して、作業をはじめます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

Lightroomを起動したら、サムネール一覧で写真をタップして大きく表示し、①左上の文字の部分をタップします。表示された一覧から、②「編集」を選ぶと編集機能が表示されます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

最初に、全体を明るく調整します。

使う機能は、①「ライト」ボタンをタップして表示される、②「露光量」スライダーです。右方向に移動して、見た目よりも明るい露出に調整します。

ちなみに、明る過ぎる写真の場合は、「露光量」スライダーを左に移動して暗く補正すると普通の写真に近づきます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

次は、メリハリを出すために、①「コントラスト」スライダーを右に移動してコントラストをアップします。

ブレている電車の車体の明るい部分に着目して、眩しさを感じるくらいに調整しました。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

濃い色(人物の服など)の濃淡が分かりにくいため、立体感が出ていない状態です。とくに、右の人物は濃淡がなく、ベッタリとした色になっているのが気になります。

そこで、①「シャドウ」スライダーを右に移動して、暗い色を重点的に明るく調整します。これにより、服の立体感が分かりやすくなりました。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

続けて、色に関する補正を行います。まずは、鮮やかさから。

①「カラー」ボタンをタップしたら、②「彩度」スライダーを右に移動して鮮やかな色彩にします。もっとも鮮やかな色がベタ塗り、または鮮やかになり過ぎない範囲で調整しましょう。

鮮やかさが足りないときは、③「自然な彩度」スライダーを右に移動して補います。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

色味に関しては迷いました。偏りのないニュートラルな色彩がよいのか、撮影した雰囲気のまま仕上げるか。

試しに、ニュートラルな色にした結果が下になります。①「色温度」と②「色かぶり補正」スライダーで補正しています。

ニュートラルな色にした写真はスッキリし過ぎている印象です。元の色が偏った状態のほうがまったりとして個性的に見えたので、この調整はナシ。元に戻しました。

スライダーの設定を初期値に戻すときは、①と②の「〇」をダブルタップすればOKです。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

ニュートラルな色が好みのひともいるかもしれませんが、それはそれでOKです。色の好みはひとそれぞれ。誰かの決めた色ではなく、「自分の好きな色彩」を目指して仕上げてください。

 

全体的に色が浅い感じなので、最後にこれを調整します。

使う機能は、①「効果」ボタンをタップすると表示される、②「かすみの除去」スライダーです。右に移動すると、色が濃くクッキリとした仕上がりにすることができます。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

これで完成です。

今回の写真は、撮影は大変だったのですが、編集は意外と手短に終わらせることができました。

写真の編集は、たくさんの機能を使ったからよい仕上がりになるとは限りません。シンプルに仕上がるのなら、それに越したことはないのです。

 

ちなみに、たくさん写したスローシャッターの写真の中で、個人的に好きだったのが下の写真です。知人にカメラの前を歩いてもらい、1/4秒のシャッター速度で足元を写したカットです。

動いているものをブラして撮ると面白い写りになる

 

どうも、僕の好きな写真は世間とズレることが多いらしく。これもまた、いろんなひとに「よく分からない」とダメ出しされました。なので、残念ながらこの記事ではボツです。

この記事のタイトルは「映える写真~」なのですから、映えのある写真でないといけないわけで。

 

でも、最近、映える写真を使っていないような。というか、冷静に考えると今まで映える写真があったのかどうか、不安になってきました。

 

執筆者:桐生彩希

 

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