ドリンクの冷たさが伝わる撮り方を考えよう - スマホで「できる」基礎からはじめる映える写真の撮り方と仕上げ方 第26回

青空が出なくて……

 

今回は、冷たいドリンクを撮るときに意識しておきたいポイントを考えてみます。

本当は「空と水」をテーマに撮影方法や仕上げ方を紹介しようと思ったのですが、ロケハン中に買い物の記録として写した水の写真を見て、そういえば冷たさを出す話しはしていなかったな、と。

曇天続きで太陽が出ないし、どうせならと思いテーマを変えた次第です。

 

今思えば、貴重な晴天のひとときをロケハンだけで終わらせてしまうなんて、もったいないことを……。

ちなみに、下がそのときに撮ったペットボトルの水と空の写真です。

「冷たい」は作ることができます

冷たいものが冷たく見える理由

ドリンクの冷たさを感じるように撮るには、キンキンに冷えた状態で真夏の炎天下にもち出せばOKです。これで、「冷たそう」と感じる写真が撮れます。

でも、同じ飲み物でもエアコンの効いた涼しい屋内では、冷たさが伝わる写真にはならないかもしれません。

 

両者の違いは、ドリンクの容器に付着した“汗”です。要するに、水滴や薄っすらと曇った状態のことです。これがあるだけで、写真を見たひとは先入観で「冷たいもの」と認識するわけです。

 

これに関しては、下の2点の写真を比べると分かりやすいと思います。

汗をかいたボトルには冷たいものが入っているように思えて、汗のないほうはぬるい水に感じるはずです。

 

ちなみに、青空を背景にドリンクを撮ることもあると思いますが、これは暗い写真(下)になりやすいシーンのひとつといえます。明るい空が背景になるので、いわゆる逆光の状態になってしまうためです。

 

この場合、撮影のときに露出をプラスに補正して明るく写せばOK(Lightroomのカメラ機能では、画面で指を上、または右にスライドする)。または、撮影後にLightroomの編集機能で明るく仕上げましょう。

おススメは、編集機能を使う方法です。試行錯誤で好みの明るさに仕上げられますから。

冷たく見えないときはどうするか

ドリンクの写真を撮るとき、汗のない状態で写すこともあります。メニューとか、カタログとか、商品の写真として見せたい場合です。

この場合、水滴があることでパッケージの文字やドリンクの色、内容物などが不明瞭になるため、常温の状態で写したり、汗を拭きとって写したりします。

いい換えるなら、メニューに掲載するようなきれいな写し方をしたければ汗のない状態、冷たさを感じるリアルな表現なら汗のある状態、となります。

個人的には、臨場感という意味でも、冷たいものは表面に水滴や曇りが出ている状態が好みです。

 

問題は、汗をかいていないときはどうするのか、という点です。

解決策は霧吹きです。前回の花の撮影のときも使いましたが、みずみずしさやシズル感などを出したいときに、シュッと吹きかけるだけ。僕は、100円ショップで購入した50mlの小さなものに水を入れて使ってます。

 

霧吹きでドリンクの容器を湿らせれば冷たい飲み物が入っているように見えますが、容器全体に水滴を作ってはダメです。

「液面」の位置を意識して、そのラインを見せるように濡らすこと。全体に水滴を作った状態は不自然に感じますが、「液面」が分かることで、たとえ不透明の容器でも冷たい飲み物が入っているように錯覚します。

ちなみに「液面」のラインは、全体を湿らせてからふき取るだけで作れるので簡単です。

 

こんな感じで、写真を撮るときに工夫したり、演出することで、見るひとの想像力を掻き立てて、表現したいものが伝えやすくなります。

このような工夫もまた、写真の面白さのひとつだと思います。

Lightroomの編集機能で明暗と色を仕上げよう

透明感を引き出そうとしたけれど

カラフルなドリンクを撮影するときは、手前に影ができる光の向きで写すと透明感が出しやすくなります。つまり、ドリンクの向こうが明るくなっている逆光の状態ということです。

トップに掲載している写真も、明るい背景で透明感を引き出すように写したのですが、撮影時に露出補正をしていないため暗い写りになってしまいました。というよりも、Lightroomの編集機能で仕上げるつもりで撮影したので、暗くても問題はないのですが。

 

というわけで、Lightroomを使って明るく透明感のあるドリンクの写真に仕上げていこうと思います。

ちなみに、紹介するテクニックは、あらゆる写真の色調整に使える万能の補正方法です。基本といえる補正方法なので、ぜひ覚えてください。

基本的な補正でイメージどおりにする

それでは、Lightroomで編集をはじめます。スマホを使ってモバイル版のLightroomで編集しますが、パソコン版やタブレット版でも、ほぼ同様の操作で編集が行えます。

 

サムネール一覧の画面で写真をタップして大きく表示したら、①左上の文字の部分をタップします。表示された一覧から、②「編集」を選ぶと編集機能が表示されます。

 

基本的な補正の順序(機能)は、明るさ(露光量、コントラスト)、鮮やかさ(彩度、自然な彩度)、色(色温度、色かぶり補正)になります。この順番にスライダーを左右に動かしながら写真の変化を確認し、好みの色になるようにスライダーの動きを狭め、徐々に追い込んでいけばOKです。

 

まずは、明るさを調整します。使う機能は、①「ライト」ボタンにある、②「露光量」と、③「コントラスト」スライダーです。

「露光量」スライダーを先に使い、左右に移動しながら写真の明るさをチェックし、きれいに見える設定を探し出します。続けて、「コントラスト」も同様に調整します。

 

これで、明るさの調整が終わりました。次は鮮やかさの調整です。

①「カラー」ボタンをタップしたら、明るさの調整のときと同様に、②「彩度」スライダーを左右に移動して好みの色を探ります。「彩度」が設定出来たら、③「自然な彩度」スライダーも同様に移動し、好みの鮮やかさに仕上げます。

 

明るさ、鮮やかさを整えると、微妙な色の偏りが分かりやすくなります。

そこで、①「色温度」スライダーを左右に移動して色を探り、きれいに見える色の位置で調整を確定します。②「色かぶり補正」スライダーも同様です。

 

ここまでが、写真の色を調整する基本的で分かりやすい順序と方法になります。

大切なことなので繰り返しておくと、最初に調整するのは「明るさ」(露光量、コントラスト)、次が「鮮やかさ」(彩度、自然な彩度)、最後に色(色温度、色かぶり補正)です。

調整方法は、スライダーを適当に左右に動かしながら色の変化を確認して好みの色を探すこと。写真の補正に行き詰まったら試してください。

もの足りない色調を補っていく

基本的な補正が澄んだら、ドリンクの透明感を出していきます。

使用する機能は、①「ライト」ボタンにある、②「シャドウ」スライダーです。

スライダーを右方向に移動すると暗い色が明るくなり、色の濃いドリンク部分に透明な雰囲気が出てきます。

 

さらなる透明感が必要なときは、ドリンクの部分だけを明るくするような補正を施すと効果的です。

ここでは「円形選択ツール」を使い、指定した円の内部に対して明るくなるような補正をしていきます。

 

まずは、①「部分補正」ボタンをタップして、②「+」ボタンをタップ。③「円形選択ツール」ボタンをタップしたら、④ドリンク部分を指でスライドして円の範囲を作ります。円の内部が薄い赤で表示されたら準備は完了です。そうでないときは、⑤「反転」ボタンをタップして、円の内部が赤く表示されるようにしておきます。

 

ドリンクに透明感を出す補正を施します。

①「ライト」ボタンをタップしたら、②「露光量」スライダーを右に移動します。これで、ドリンクの内部が明るく調整され、透明感が出てきました。

調整ができたら、③のボタンをタップして部分補正を確定します。

 

全体の色を確認した結果、少しだけ色の濃さを出したかったので、①「効果」ボタンをタップして、②「かすみの除去」スライダーを右に移動し、色に深みを出しました。

これで作業は完了です。

 

今回はシーンの作り方というか、演出に着目してみたので、写真がちょっとシンプル過ぎたかなと思いますが、伝えたいのは「汗」と「基本の補正の手順」です。

とくに、汗が作り出せる霧吹きは、冷たいドリンクに用いるだけでなく、植物の写真に水滴を作ったり、皮膚に吹きかけて文字どおりの汗を演出したり、火照った体を冷やしたりと、いろいろと役立ちます。

ひとつバッグに忍ばせておくと、超便利ですよ!

 

執筆者:桐生彩希

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