写真・文 ● 清田大介
モデル ● 羽田彩音
撮影協力 ● DollyMonster, Tokiwa(HighLight Tokyo)

 

 

空がきれいだった8月の下旬、ビルの屋上で青空を背景にドレスポートレートを撮影した。夏の日差しによる白飛びを避けるためにアンダー目で撮影したので、現像時に明るく整えたい。背景となった空のディテールがはっきりと出て、メインの被写体であるモデルとドレスがきれいに見えることを両立させるように明るさのバランスを見つける。

現像前

キヤノン EOS 5D Mark Ⅳ/EF24-70mm F2.8L Ⅱ USM/24mm/マニュアル露出(F14、1/125秒)/ISO 100/WB:5,050K/フラッシュ発光

STEP1 基本補正のプロファイルをカメラ忠実設定にする

「レンズ補正」の色収差を除去とプロファイル補正を使用にチェックを付けて、データの下地を作る。コントラストが過度につかず、ハイライト部にも色彩が残るため「基本補正」のプロファイルをカメラ忠実設定にする。

STEP2 基本補正の色温度を上げてドレスから青みを抜く

空、肌、ドレスなどそれぞれの色をクリアに見せるために、モデルにはしっかりとストロボを当てたところ、ドレスが少し青みがかった。あくまで肉眼で見たとおりに再現したいので「基本補正」の色温度を5300に上げて暖色に調整する。

STEP3 基本補正の露光量で全体の明るさを整える

白飛びと黒つぶれ対策でアンダー目に撮っているため、露光量を+0.30にする。白レベルを+40に上げてハイライトを−21に下げて雲と空の明るさを調整する。最後にシャドウを+60、黒レベルを+32に上げてモデルの明るさを整える。

[ポイント]空とモデルの明暗を考えて基本補正の露光量をアップ

<明るさの調整>

晴天の日に日中シンクロで撮影すると、モデルと背景の輝度差が激しくなるので、多少眠いと感じてもカメラのダイナミックレンジ内に収まるような露出設定で撮影しておくことが重要だ。広角レンズを使い、背景を広めに入れつつアンダー目で撮影しているので空や雲の表情や色が飛んでしまわないように注意しながら「基本補正」の露光量をアップする。次に、肌の明るさを考えながらシャドウと黒レベルを上げる。このとき、肌とドレスの色の輝度差に留意する必要があるが、この画像では肌のトーンと極端な輝度差がなかったので一気に調整することができた。

STEP4 基本補正のテクスチャと明瞭度をアップする

ドラマチックな印象に仕上げるためにテクスチャを+45に、明瞭度を+28に調整する。モデルの顔や背景が不自然にならないように注意して、自然な彩度も+10に上げる。

[ポイント]肌の質感を荒らさずにテクスチャと明瞭度をアップする

<質感の調整>

肌にノイズが乗らないようにすることと、モデルと背景の境界線が強調され過ぎて不自然にならないように全体の質感をアップさせる。「基本補正」のテクスチャをアップすることで空と床のライン、ドレスの質感を強調させる。テクスチャは中間調のみに変化があるのでポートレートの場合は少し強めにしても違和感がない。ここでは+45にしている。明瞭度をアップして輪郭を強め、自然な彩度をアップして全体の色みのバランスを整えておく。

STEP5 HSL/カラーで肌と空の色を調整する

色相はアクア+58、彩度はオレンジ−15、イエロー−5、ブルー+49、パープル+3にする。輝度はレッド+12、オレンジ+68、イエロー+43、ブルー−5、パープル−2にする。

[ポイント]HSL/カラーを使って肌のトーンをアップして色白に

<色の調整>

黄色人種である日本人の肌の色を美しい白い色に補正するには「HSL/カラー」のレッド、オレンジとイエローの輝度を上げると良い。好みにもよるが、同時に彩度もほんのわずかに下げるとより色白に再現される。このとき、ドレスの輝度も少し一緒に上がってしまうが、クリアな印象と矛盾がないのを確認しつつ、ここでは許容した。加えて、空を鮮やかにするためにアクアの色相とブルーとパープルの彩度を上げている。肌の暖色と、背景となる空の寒色の2方向で調整することを考えると良い。

STEP6 効果を使って画像の周囲を暗く落とす

切り抜き後の周辺光量補正の適用量を−30に設定。中心点は30、ぼかしは76にして控えめな減光効果に調整する。

[ポイント]自然な印象で周辺を減光する

<質感の調整>

空が背景になったポートレート写真を鑑賞するとき、一番最初に目が行きやすいのは輝度が高い空だ。そこで、一番見せたいモデルに視線を誘導することを考慮し、「効果」の切り抜き後の周辺光量補正を調整した。適用量は大胆にマイナスにすることで、より強く、中心に向かって減光させることはできる。その結果、モデルが目立つようにはなるが四隅が暗くなり過ぎて不自然になってしまう。優しくグラデーションがかかる程度に減光すれば十分だ。

FINISH

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