まず、切り抜きツールを使って、写真の構図を組み立てます。縦横比を2 x 3 / 4 x 6に設定し、空と浜辺の領域をトリミングして、シーンの重要な部分に目を向けさせます。次に、水平線がまっすぐになるよう、角度を少しだけ調整します。
ヒント:アプリの背景色と編集中の画像の色が紛らわしくならないように、編集ウィンドウの色を変えます。そのためには、編集/環境設定(Windows)またはLightroom/環境設定(macOS)の順に選択し、「インターフェイス」タブを選択して、「背景」セクションの「メインウィンドウ」ドロップダウンから好みのカラーを選択します。

カメラのレンズが原因で起こりがちな問題を修正するには、レンズ補正パネルを使用します。「色収差を除去」を有効にして、写真のオブジェクトのエッジ周辺に見られるカラーフリンジを取り除きます。また、「プロファイル補正を使用」を有効にして、写真のエッジ部分の歪みを補正します。

実際に目で見た景色により近づくように、基本補正パネルを使用して全体的な外観を調整します。RAW画像は露出オーバー気味に見えるため、露光量を下げます(この場合は-0.50)。
空と雲の区別がつきにくいため、ハイライトを下げて(-70)白とびを取り除くとともに空の青さを際立たせます。次に、シャドウを調整して(-100)前景の浜辺と背景の水や山との間にはっきりしたコントラストをつけます。
さらに、ホワイトバランスの色温度と色かぶり補正の値を増やして(色温度:+7、色かぶり補正:+8)、少し温かみを加えます。

カメラで設定されている色に対するLightroomの解釈を変えるには、カメラキャリブレーションパネルを使用します。設定を変えるたびに、画像全体のカラーミックスが変化します。この例では、シャドウの色かぶり補正スライダーを少し左に移動し、シャドウ部に生じたグリーンをやや強くしてマゼンダの色かぶりを軽減します。
また、グリーン色度座標値の色相と彩度、およびブルー色度座標値の色相と彩度を微調整して、写真全体のグリーンとブルーを調整します。

トーンカーブを使用して、基本補正パネルで写真に対しておこなった補正結果をさらに微調整できます。トーンカーブ上をクリックしてポイントを追加し、各ポイントを動かして全体的なシャドウ(暗い部分)、ハイライト(明るい部分)、およびその間の領域を制御することで、写真全体の明るさのレベルを調整します。個別のカラーチャンネル(レッド、グリーン、ブルー)に切り替えてポイントを追加し、再調整して画像全体のトーンを精密に表現します。この段階で、トーンカーブと基本パネルを行ったり来たりしながら、調整を続けます。

段階フィルターを使用して、山の部分の露光量を減らします。また、空をよりくっきり見せます。
ヒント:段階フィルターは、写真の特定の範囲を編集する際に使用します。編集ツールから段階フィルターを選択し、編集する部分をクリック&ドラッグします。

空の部分では、温度が下がっている様子を表すために、段階フィルターを使用してハイライトを減らし、雲を少し暗く見せます。
ヒント:中心にあるボタンをクリック&ドラッグし、フィルターの適用範囲を移動します。外側のラインの1つをクリックし、編集する領域を増減します。中央のラインにカーソルを合わせると二重矢印カーソルが表示され、それをドラッグして回転させます。編集は、外側のライン間に適用されます。上から下、または左から右に向かって段階的に調整され、中央のラインが調整の中間点にあたります。段階フィルターの外側のライン同士が離れれば離れるほど調整領域は広がり、近づけば近づくほど調整は局部的になります。
補正ブラシを使用すると、よりきめ細かな編集が可能になります。ここでは、補正ブラシを使って山の部分の明瞭度を上げ、ハイライトを下げています。
ヒント:補正ブラシは、写真の特定の部分を編集する際に使用します。編集ツールから補正ブラシを選択します。ブラシサイズを設定し、スライダーを動かして調整したら、編集したい部分をブラシでなぞります。

レンズについた埃や傷が原因で、写真に不要なオブジェクトや汚れが写り込むことがよくあります。それらはスポット修正ツールで修正します。スポット修正ブラシを選択し、パネルの「修復」をクリックします。対象の大きさに合わせてブラシサイズを調整し、必要に応じてぼかしや不透明度を設定したら、埃や傷、汚れなどの部分をクリックまたはブラシでなぞります。写真のどの領域で塗りつぶすかサンプルが表示されるので、ドラッグして適切な領域に移動します。

シャープを使用して、画像全体のディテールを調整します。ディテールパネルでそれぞれの設定の適用量を増やし、ノイズを増やさずに、シーンが鮮明に見えるようにします。この写真で使用した設定は、適用量:70、半径:1.2、ディテール:46、マスク:77です。

好みの調整を適用したら、現在の編集の状態をカスタムプリセットとして保存し、この写真と同じ編集を他の写真にも適用できるようにします。
ヒント:カスタムプリセットを保存するには、現像モジュールの左にあるプリセットパネルでプラス(+)アイコンをクリックし、プリセットに名前を付けて「保存」をクリックします。これで、他の写真に適用可能なプリセットとして新しくリストに加わりました。


編集プロセスのどの時点でも、変更前と変更後を見比べることができます。Lightroom Classicでは、画像のプレビューの下にあるY|Yアイコンをクリックすると、変更前と変更後の写真が切り替わります。Lightroomでは、元画像を表示アイコンをクリックする(または「/」を押す)と、元の写真と編集後の写真の表示が並べて表示されます。


Michael氏が美しいショットを撮る秘訣については、記事「静けさに耳を傾ける:Michael Schauerの写真術」(英語)をご覧ください。
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アーティストについて: バンドを解散してすぐに、Michael Schauer氏は次に打ち込むべき創作活動を見つけました。写真です。スマートフォンを携えて、ドイツのミュンヘン周辺にある建築物の写真を撮りながら独学に励みました。古い教会と近代的な建物が混在する環境で、多くの刺激を受けました。 その後ほどなくしてカメラを買い、街を飛び出して、遠く離れた山や湖、森や氷河の景色を探し求めました。また、Lightroom ClassicとPhotoshopを隅々までマスターし、今もその両方を愛用しています。技巧や理論から他のフォトグラファーのスタイルまで、写真についてのありとあらゆることを短期間で吸収しました。 同氏は、愛と寂しさ、切望をテーマとする村上春樹の小説や、新しい世界への扉を開くような作品を描くAlbert BierstadtやCaspar David Friedrichなどのアーティストに感銘を受けています。風景写真か広告写真かに関わらず、行く先々で構図を考えることを習慣とし、日常の中に美しさを見出す訓練を積んでいます。 |
プロダクションミュージック提供元:Epidemic Sound