プロフォトグラファーの藤原嘉騎さんによる、こだわりの写真補正テクニック。今回は、新緑の 写真を細部までくっきりと鮮やかに表現する方法をご紹介します。

必要な情報
本チュートリアル内で使用する主な機能
基本補正ツール、HLSパネル、ハイパスフィルター

手順
- Lightroomで写真を読み込む
- 基本補正パネルで明るさや鮮やかさを調整する
- HSLパネルで緑の色味を調整する
- Photoshopでよりシャープに仕上げる
手順1/4
Lightroomで写真を読み込む
Lightroomを起動して、「ライブラリ」モジュールを選択して、左パネルの下にある「読み込み」ボタンをクリックします。ダウンロードしたサンプルファイル(lr-summer-photos-greenery-scenes.dng)を選択し、画面右下の「読み込み」ボタンをクリックして写真を読み込みます。

手順2/4
基本補正パネルで明るさや鮮やかさを調整する
「現像」モジュールを選択して、読み込んだ写真を表示します。「基本補正」パネルでホワイトバランスや明るさ、コントランストなどの調整を行います。
緑の葉の輪郭をくっきりさせるため「明瞭度」を上げます。明瞭度は、画像全体ではなく中間調の輪郭部分のコントラストのみを調整できる機能で、白とびや黒つぶれを起こすことなく、被写体をくっきりさせることができます。
【基本補正パネルから以下のようにパラメーターを調整】
- 色かぶり補正:+20
- コントラスト:+10
- ハイライト:-40
- シャドウ:+40
- 白レベル:+75
- 黒レベル:-25
- 明瞭度:+30
- 自然な彩度:+25

手順3/4
HSLパネルで緑の色味を調整する
「HLS」パネルは、特定の色範囲の色相、彩度、輝度を調整することができます。ここでは、葉の色を鮮やかにするため、「彩度」タブのグリーンとイエローのスライダーをプラスに動かします。
さらにグリーンとイエローの輝度を少し上げて、緑に輝きをもたせます。
【HSLパネルの「すべて」から以下パラメーターを調整】
色相
- グリーン:+25
- アクア:+30
彩度
- レッド:-80
- イエロー:+15
- グリーン:+15

手順4/4
Photoshopでよりシャープに仕上げる
ここでPhotoshopに移動し、画像をさらに追い込みます。画像の上で右クリック(Windows)またはControlキーを押しながらクリック(Mac)し、コンテキストメニューから「他のツールで編集」→「Adobe Photoshopで編集」をクリックすると、自動的にPhotoshopが起動します。
レイヤーパネルを開いて、背景レイヤーをパネル下部の「新規レイヤーを作成」アイコンにドラッグ&ドロップします。背景のコピーが作成されました。
*レイヤーパネルが表示されない場合は、画面上部の「ウィンドウ」メニューから「レイヤー」を選択しましょう。
背景のコピーを選択した状態で、画面上部の「フィルター」メニューから「その他」→「ハイパス」を選択します。「ハイパス」ダイアログボックスで、「半径」の値を入力します。ここでは「3.0pixel」に設定し、「OK」をクリックします。被写体のエッジ部分だけを残したグレートーンの画像が表示されます。
続いて、レイヤーパネルの描画モードのメニューから「オーバーレイ」を選択します。エッジ部分の明るいところはより明るく、暗いところはより暗くなり、葉の輪郭がさらに強調されたシャープな画像に仕上がりました。


藤原嘉騎
元プロスノーボーダー。引退後フォトグラファーに転身。自然光を活かした透明感のある写真を主に、独学で経験を重ね自身でしか伝えられない瞬間を求めて撮影を続ける。国内だけでなく海外の雑誌やWebでも活動を行う。
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