新緑をさわやかな色に仕上げる

東京カメラ部10選によるLightroom、Photoshopを使った画像編集の方法とは。未公開のBefore写真から完成写真までのステップ解説でポイントを紹介します。

フォトグラファーは、どのようにフォトプランを活用しているのか?写真投稿サイト『東京カメラ部』で注目を集めるフォトグラファー・八木千賀子さんのLightroom+Photoshopの活用術を特別公開。練習用サンプル素材として、Before画像をダウンロードして、あなたもトライしてみましょう。
フォトプランを使い始めたきっかけや、撮影機材についても合わせて紹介します。
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ダウンロード練習用のサンプルファイル(ZIP、22.8 MB)

手順1/5

色収差を取り除き、かすみを減らす

Lightroomでウインドウ右上の「現像」を選択します。レンズ補正パネルの「色収差を除去」のチェックボックスにチェックを入れ、レンズ特有の色収差を取り除きます。

効果パネルで「かすみの除去」スライダーを操作し、かすみの量を減らします。

色収差を取り除き、かすみを減らす

手順2/5

露光量を補正し、ハイライト、シャドウを調整

ヒストグラムを見ながら白飛び、黒つぶれしないように注意しつつ、基本補正パネルの「露光量」のスライダーで明るさを調整します。

陰影を付けるよりも全体をはっきり見せたかったため、ハイライトを落としてシャドウを持ち上げました。

露光量を補正し、ハイライト、シャドウを調整

手順3/5

シャープ、ノイズを調整

蜘蛛の巣の線をはっきり見せたかったため、ディテールパネルの「シャープ」の「適用量」のスライダーを上げました。

シャープをかけたことでノイズが目立ってしまったため、「ノイズ軽減」の「輝度」のスライダーを上げ、ノイズを除去しました。

シャープ、ノイズを調整

手順4/5

グリーンの輝度・彩度と、明瞭度を調整

撮影時、PLフィルターを使用したために、緑の発色が鈍くなっています。新緑のさわやかさを再現するために、HSL パネルの「彩度」タブ/「グリーン」スライダーと「輝度」タブ/「グリーン」スライダーを上げ、すっきりとした緑色にしました。

また、光芒をクッキリと際立たせるために基本補正パネルの「明瞭度」を上げました。

次の工程でPhotoshopで最後の仕上げをするために、アプリケーションバーの写真/他のツールで編集/ Adobe Photoshop CCで編集を選択しておきます。

グリーンの輝度・彩度と、明瞭度を調整

手順5/5

Photoshopで細部を追い込む

逆光での撮影のため画像にゴーストが出現していたため、「スポット修復ブラシ」でゴーストを消しました。

また細かいレベル補正を使い、作品をさらにさわやかにしていきます。編集のやり直しなどを考慮して「調整レイヤー」を使用。レベル補正でシャドウ部を適度に明るめに調整しました。

Photoshopで細部を追い込む
Before

Before                                                            

After

After                                                            



— インタビュー —

Photographer's Voice

以前からPhotoshopでRAW現像を行っていた八木氏が、Lightroomを導入したのは約2年前。Lightroom導入後はPhotoshopは最終仕上げのために活用し、効率とクオリティーの向上を両立。それまでにも増して完成度の高い作品が作れるようになったと言います。彼女の写真との向き合い方から、Lightroomモバイルアプリの活用方法まで聞いてみました。

— Lightroom、Photoshopを使い始めたきっかけを教えてください。

Photoshop 5.5の頃から画像編集のために使用しており、フィルムカメラからデジタルカメラに機材を変えた2005年頃よりRAW現像をPhotoshopで行っていました。
アドビさんのHPを拝見して、Lightroomを導入したのは約2年前。東京カメラ部へ投稿するようになったのもその時期で、 投稿するからにはクオリティーをあげたいと思ったんです。
Lightroom導入後、完成度が上がったという感想をいただき、とてもうれしかったですね。

フォトグラファー・八木千賀子さん

— RAW現像の際、なぜカメラの付属ソフトではなくLightroomを使用しているのですか?

一番は設定が細かくできることです。また、Photoshopを使ってきたので操作に戸惑うことがなく、Photoshopとの連携も取れている点がとても気に入っています。機能も進化し続けているところもいいですよね。昨年追加された「かすみの除去」は本当に良く使います。とにかく作業自体が楽しいです。撮影をしたときの感動が現像をすると甦ってきますね。

— Lightroomでの現像を想定した撮影をしていますか?

露出をアンダー気味に撮るということは心掛けています。使い慣れてきているので、自分の中では現像のパターンが構築されていて、1枚あたり10分程度で現像作業は終わります。気に入った作品はひと通り現像していますね。そしてしばらく寝かせて、時間が経ってから見直して、いいなというものをSNSに投稿しています。

— LightroomとPhotoshopはどのように使い分けていますか?

現像の大部分はLightroomで作業するのですが、その後連携でPhotoshopに送り最終仕上げをします。
Photoshopで見直すと、まだ追い込みきれていない箇所が目に付きやすいんです。「調整レイヤー」で最終の追い込みをすることは多いですね。また、作品はSNSで公開をするので、必ずSNSの画像表示環境に合わせたウェブ用データサイズに書き出します。だいたい、横幅を1500ピクセルにしています。

— 撮影した写真はどのようにアウトプットしていますか?

SNSへの投稿、写真コンテストへの応募が主です。現像方法はそれぞれ変えるようにしていて、コンテスト系のものは往年のフィルム作品に近い、ナチュラルな仕上げをするようにしています。ホワイトバランスとコントラストの調整程度。パッと見の印象がものを言うSNS向けの作品とは大きく異なります。コンテストへの応募はプリントなので、出力時の結果にもこだわるようにしています。

— アドビのモバイルアプリはどのように使っていますか?

Lightroomのモバイルアプリを使っています。iPhoneで撮影をしたものや、Wi-Fiでカメラから飛ばしたデータを編集しています。撮ってすぐに作品を作り上げ、SNSに共有したいときは便利ですね。iPhoneで撮影をするときもありますが、Lightroomモバイルアプリで作業をするのは、iPhoneであっても作品として発表したいときです。

— 実際の写真を例に、仕上げ方をお教えいただけますか?

光のグラデーションを演出した絵画のようなポートレート

女性の肌の透明度を出すことが最終的な目標。Lightroomの基本補正パネルの「露光量」のスライダーで明るくし、ホワイトバランスを調整して色温度を下げました。「カメラキャリブレーション」で「ポートレート」を選択し、プロファイルを適用。「かすみの除去」のスライダーをマイナス方向に調整し、写真全体にかすみを追加して、幻想的な雰囲気にしています。顔の明るさに脚の明るさを合わせるため、「補正ブラシツール」でシャドウ部を明るくしていきます。Photoshopで読み込み、「スポット修正ツール」でさらに脚の肌を滑らかにし、「覆い焼きツール」と「調整レイヤー」で、右側から差す光のグラデーションを微調整していきました。

Before

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After

After                                                            

クリアな星空にかかる神秘的な天の川

木の上に天の川が流れているように見える写真を目指しました。Lightroomで色収差を除去した後、「かすみの除去」を使い星空をクリアに際立たせます。「色温度スライダー」で色温度を上げ、天の川の色合いを強調します。これにより空の色が崩れるので、「補正ブラシツール」の「カラー」で空を青に補正し、同時に黄色く目立っていた街灯りを抑えていきます。「シャープ」を強め「ノイズ軽減」をした後にPhotoshopへ。余計な街灯りを「スポット修正ツール」で消去。「調整レイヤー」でトーンカーブの微調整を行い、わずかな傾きを「切り抜き」ツールで補正しました。

Before

Before                                                            

After

After                                                            

 

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第1回目 夜桜を幻想的に仕上げるステップ解説はこちら ›

第3回目 ポートレート写真を幻想的に仕上げるステップ解説はこちら ›

第4回目 細部まで鮮やかに表現した花火写真に仕上げるステップ解説はこちら ›

八木千賀子

八木千賀子

1997年頃からフィルム一眼レフカメラから写真を始め、2002年頃にデジタル一眼レフカメラに移行。自然奏フォト名古屋に所属。辰野清氏、栄馬智太郎氏に師事。風景写真をメインとしながらもいろいろな写真を幅広く撮影しています。信州・長野をはじめ東海地方、伊豆諸島などのさまざまな美しい自然風景の一瞬の出会いを心残る一枚に心がけて撮影しています。

▼ Lightroom使用環境
使用歴(年):約2年、初めて使ったバージョン:Ver5、OS:Mac OS X El Yosemite バージョン10.10.5、ディスプレイ:iMac (27-inch, Mid 2011),27インチ(対角)LEDバックライトクリアワイドスクリーンTFTディスプレイ、数百万色対応、解像度:2,560×1,440ピクセル、モニタキャリブレーション:ColorMunki Photo、Lightroom用プラグイン:Google Nik Collection、併用しているソフト:Photoshop CC

▼ 撮影環境
メインカメラ:Canon 5D Mark III、よく使用しているレンズ:Canon EF24-105mm F4L IS USM、撮影対象:自然風景