夜桜を幻想的に仕上げる

東京カメラ部10選によるLightroom、Photoshopを使った画像編集の方法とは。未公開のBefore写真から完成写真までのステップ解説でポイントを紹介します。

フォトグラファーは、どのようにフォトプランを活用しているのか?写真投稿サイト『東京カメラ部』で注目を集めるフォトグラファー・藤原嘉騎さんのLightroom+Photoshopの活用術を特別公開。練習用サンプル素材として、Before画像をダウンロードして、あなたもトライしてみましょう。
フォトプランを使い始めたきっかけや、撮影機材についても合わせて紹介します。
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ダウンロード練習用のサンプルファイル(ZIP、23.7 MB)

手順1/5

Lightroomでカメラプロファイルを選択し、色温度を調整

この写真のテーマは「桃源郷のような幻想的な世界」。最初に思い描いているイメージに近いカメラプロファイル使用し、そこから各パラメーターの調整に入ります。

Lightroomでウィンドウ右上の「現像」を選択します。カメラキャリブレーションパネルプロファイルを「Camera Portrait」に設定し、基本補正パネルで「色温度」を下げて空の青を強調します。

Lightroomでカメラプロファイルを選択し、色温度を調整

手順2/5

色ごとに彩度、色相を調整

空の青、桜のピンク、苔の緑の三色をイメージに近づけるため、HSLパネルでレッド、ブルー、グリーンの「彩度」と「色相」を調整。特にグリーンの色相を思い切りプラスにして、生き生きとした緑を表現します。

色ごとに彩度、色相を調整

手順3/5

シャドウ、ハイライトを調整

基本補正パネルとトーンカーブパネルのパラメーターで全体の明るさを調整。桜に当たったライトの部分を「白レベル」をプラスすることで明るくしつつも、白飛びしないように「ハイライト」を下げます。

シャドウ、ハイライトを調整

手順4/5

明瞭度、コントラストを調整

幻想的な雰囲気に近づけるため、基本補正パネルの「コントラスト」と「明瞭度」を低めに設定します。コントラストと明瞭度を下げたことで眠い写真にならないように、色ごとに色相・彩度を細かく調整してメリハリをつけます。

次の工程でPhotoshopで最後の仕上げをするために、アプリケーションバーの写真他のツールで編集Adobe Photoshop CCで編集を選択しておきます。

明瞭度、コントラストを調整

手順5/5

Photoshopで細部を追い込む

覆い焼きツール焼き込みツールを使用して桜の花びらが明るく見えるよう追い込み、木の幹のディテールも出るように調整します。

覆い焼きツール、焼き込みツール

さらに同じ画像のレイヤーを作成し、半径4.5pixelぼかし(ガウス)フィルターをかけて不透明度を調整して、全体をふんわりとした雰囲気にします。

半径4.5pixelぼかし(ガウス)フィルターをかけて不透明度を調整

世界観を損なう看板は、修復ブラシツールを使用して画面から消します。

修復ブラシツールで看板を除去
Before

Before                                                            

After

After                                                            



— インタビュー —

Photographer's Voice

実際に目のあたりにするより、さらにその上の感動を憶える写真を目指す藤原氏は、作品づくりには撮影と現像がセットであることが不可欠と言います。彼がなぜ、写真現像にLightroom とPhotoshop を選んだのか?そして、現像を前提としたときの撮影のコツと、Lightroom とPhotoshop の使い分け方について聞いてみました。

— Lightroom、Photoshopを使い始めたきっかけを教えてください。

写真を始めた頃は撮って出しでも満足していたのですが、ある日知人から「写真は現像することで完成度を上げることができる。撮って出しよりも、自分の撮りたいイメージに近づけることができる」と言われたその一言がきっかけで、自分も画像編集をやってみようと思いました。また、「東京カメラ部10 選2012PHOTO ビフォーアフター」の記事を読んだことも後押しになりました。

— RAW現像の際、なぜカメラの付属ソフトではなくLightroomを使用しているのですか?

写真を始めた頃は各メーカーごとの付属ソフトを使っていたのですが、カメラによってソフトを変えるのはやっぱり手間ですよね。LightroomはRAWの種類関係なく補正ができるので、使い勝手がいいと感じました。どのカメラで撮っても同一環境で作業ができるため、自分の作風に統一感も出せるようになったと思います。

フォトグラファー・藤原嘉騎さん

— Lightroomでの現像を想定した撮影をしていますか?

白飛びしてしまうとそこに情報がなくなりディテールの表現ができなくなってしまうため、撮影するときは露出をアンダー気味にしています。

— LightroomとPhotoshopはどのように使い分けていますか?

基本的な画像編集はLightroomを使用していて、細部の追い込みとサイズ変更、覆い焼きと焼き込みはPhotoshopが担当しています。覆い焼きと焼き込みは画像編集の際には必ず使うツールなのですが、Photoshopの方が感覚的にやりやすいですね。ただ、部分的な色味の調整もしたい場合はLightroomのブラシを使用しています。

— 撮影した写真はどのようにアウトプットしていますか?

ほとんどがSNSへの投稿です。東京カメラ部を始め、Facebook、InstagramやNational Geographicなど様々です。SNSによってはアップロードできる一枚の写真の最大容量が決まっていて、それを超えると自動圧縮されてしまうんです。それだと劣化が激しいため、PhotoshopでそれぞれのSNSの表示に合わせた適切なサイズにリサイズしてスマートシャープをかけています。簡単なステップでWebに最適なサイズにできるのは心強いですね。

— アドビのモバイルアプリはどのように使っていますか?

スマートフォンで気軽に撮影したあとの画像編集には「Adobe Photoshop Fix」を使用しています。操作も簡単で直感的な編集ができるので気に入っています。友人と出かけた時の写真を「Adobe Photoshop Fix」で編集してみんなで共有すると、「きれいな写真だね、何のカメラで撮ったの?」と驚かれることもあるんですよ。

— 実際の写真を例に、仕上げ方をお教えいただけますか?

金属感を生かしたダイナミックな階調

Lightroomの「トーンカーブパネル」のパラメーターを調整し、シャドウを持ち上げて機体を明るくしました。更に補正ブラシツールを使用して機体に緑色を加えて、飛行機の金属感を表現しました。撮影時はISO800に設定していましたが、空にノイズが乗っていたので、「ディテールパネル」のノイズ軽減の輝度をプラスに調整しました。

Before

Before                                                            

After

After                                                            

ゴシック建築の凄みを強調

Lightroomの「基本補正パネル」のパラメーターで彩度を下げて写真の色を抜き、明瞭度とコントラストの数値を上げてメリハリを付けました。更に作品の雰囲気を出すために円形フィルターで周辺を減光します。Photoshopでは雲を焼き込んで不気味な感じを表現して、建物はディテールを出すために覆い焼きをしました。

Before

Before                                                            

After

After                                                            

 

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藤原嘉騎

藤原嘉騎

2011年10月、屋久島への旅行をきっかけにカメラを購入。肉眼で見る以上の感動を表現できるカメラの魅力に引き込まれる。以降、独学で経験を重ね、自身でしか伝えられない瞬間を求めて撮影を続けている。
藤原さんの作品 ›

▼ Lightroom使用環境
使用歴(年):約2年、初めて使ったバージョン:Ver5、OS:Mac OS X El Capitain バージョン10.11.3、ディスプレイ:iMac (21.5-inch, Mid 2011),21.5インチ(対角)LEDバックライトクリアワイドスクリーンTFTディスプレイ, 数百万色対応、解像度:1,920x1,080 ピクセル、モニタキャリブレーション:なし、Lightroom用プラグイン:Dxo FilmPack5、Lightroom用プリセット:Camera Portrait、併用しているソフト:Photoshop CC

▼ 撮影環境
メインカメラ:Canon EOS 6D、よく使用しているレンズ:Canon EF16-35mm F4L IS USM、撮影対象:自然風景、海外風景