この技術的実装ガイドでは、実装担当者が Adobe Audience Manager と Adobe Target の統合時に従う必要のある、参照アーキテクチャ、ガイドライン、設定手順、テストについての情報を提供します。

この技術的実装ガイドは、アドビコンサルタント、アドビパートナー、その他の経験を積んだ実装担当者向けの資料です。この統合を構成するには、このガイドで説明されている各ソリューションの実装プロセスを十分に理解する必要があります。

アドビのお客様は、アドビプロフェッショナルサービスまたはアドビパートナーに連絡し、この統合についての詳細情報を入手することができます。

統合オプション

Target と AAM の統合を実行する方法は 2 つあります。

  1. Marketing Cloud 共有オーディエンスまたは People コアサービスを用いる(推奨)。
  2. Cookie ベースの統合:従来の方法。

お客様に Marketing Cloud ID が既にプロビジョニングされている場合は、Marketing Cloud 共有オーディエンス統合を使用する方法、つまり Marketing Cloud ID を導入してこの統合を実行することをお勧めします。Marketing Cloud ID を導入できない場合は、従来の Cookie ベースの統合手順を進める必要があります。

方法

利点

制限

Marketing Cloud 共有
オーディエンスをベースとする統合

  • 自動的にすべての AAM セグメントを Target で利用できるようになる。
  • MID を使用でき、他のマーケティングクラウド製品から取得したデータを組み合わせることが可能。
  • AAM でセグメントが作成されてから Target で使用できるようになるまでに、30 分程度の遅れがある。
従来の Cookie ベースの統合
  • Adobe Marketing Cloud が不要。
  • 次のページターゲティングに使用できる。
  • Cookie はブラウザーで設定されるので、デバッグしやすい。
  • テストに時間がかかる。AAM でセグメントを作成し出力先にマッピングした後、数時間経たなければアクティブにならない。

  • この方法は既に廃止されており、at.js バージョンではサポートされていない。

ソリューションの計画と統合アーキテクチャ

前提条件(ライセンス、接続、初期化)

Marketing Cloud 共有オーディエンスをベースとする統合

  • Adobe Audience Manager アカウントがプロビジョニングされていること
  • Audience Manager で特性とセグメントを作成済みであること
  • Adobe Target Standard/Premium アカウントがプロビジョニング済みであること
  • Adobe Target で各セグメントにパーソナライゼーションが定義されていること
  • Marketing Cloud 訪問者 ID サービスが導入されていて、ファイルのバージョンは 1.5 以降であること

従来の Cookie ベースの統合

  • Adobe Audience Manager アカウントがプロビジョニングされていること
  • Audience Manager で特性とセグメントを作成済みであること
  • Adobe Target アカウントがプロビジョニング済みであること
  • Adobe Target で各セグメントにパーソナライゼーションが定義されていること
  • グローバル mbox または複数の mbox が使用されていること

実装アーキテクチャ

Marketing Cloud ID がプロビジョニングされているお客様の場合、アーキテクチャの概要は下図のようになります。

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Marketing Cloud がプロビジョニングされていないお客様の場合は、従来の統合方法を使用して Target と AAM を統合する必要があります。

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インストール、プロビジョニング、設定

セットアップとプロビジョニング

Marketing Cloud 共有オーディエンスをベースとする統合

http://adobe.com/go/audiences から、以下のようにリクエストします。

  • 「どの機能のプロビジョニングをリクエストしますか」の下で、「共有オーディエンス」を選択します。
  • 「どのソリューションを使用していますか」の下で、少なくとも Adobe Target Standard または Premium と Adobe Audience Manager を選択します。
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従来の Cookie ベースの統合

アドビの担当者に必要なアカウントのプロビジョニングを依頼してください。

実装

Marketing Cloud 共有オーディエンスをベースとする統合

  1. AAM でセグメントを作成します。

    • AAM でセグメントを作成する前に、特性を作成する必要があります。
    • 通常の手順に従って AAM でセグメントを作成します。
    • データソースが「オーディエンス」であることを確認します。
    at-aam4

    注意:

    Adobe Target 向けのセグメントは、AAM の「Adobe Target - <internal name>」の出力先に手動で割り当てないでください。すべてのセグメントが自動で Adobe Target に表示されます。

    下図は Adobe Audience Manager のセグメントを示しています。

    at-aam5
  2. Target でセグメントを確認します。

    Adobe Target のオーディエンスリストは下図のようになります。

    at-aam6

    図に示すように、作成以外に特定の操作をおこなわなくても、すべての AAM セグメントが表示されます。Target に含まれるすべての AAM セグメントのソースは「Marketing Cloud」です。Marketing Cloud UI を介して取得される他のセグメントと混同しないように、命名規則を定めておくことをお勧めします。

    注意:

    AAM でセグメントを作成してから Target に表示されるまで、しばらく(約 1 時間)かかります。

  3. Target で新しいアクティビティを作成します。

    これで Target での操作を開始できるようになります。

    at-aam7

    AAM セグメントを使用してパーソナライゼーションをおこなう場合、用いられるアクティビティは「エクスペリエンスターゲット設定」です。ただし、AAM セグメントを使用できるアクティビティのタイプに制限はありません。

    「Visual Experience Composer」または「フォームベースの Experience Composer」という 2 つのオプションを利用できます。これらのオプションについて詳しくは、次のリンク先を参照してください:https://marketing.adobe.com/resources/help/ja_JP/target/target/t_xt_create.html

  4. 作成したアクティビティのエクスペリエンスを作成します。

    アクティビティに必要な数だけ、それぞれ内容が異なるエクスペリエンスを作成します。

    エクスペリエンスごとに、デフォルトのオーディエンスを手順 1 で作成した該当する AAM セグメントに置き換えます。

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    手順 1 と同じセグメントが表示されます。このエクスペリエンスに対して、AAM からの該当するセグメントを選択します。

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    「複数のオーディエンスを結合」をクリックします。

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    これらのオーディエンスは、様々な論理演算子を使用して結合することができます。適切なものを選択します。

    「保存」をクリックします。

    セグメントが正しく設定されたエクスペリエンスが表示されます。

    at-aam12
  5. アクティビティを作成します。以下の説明は、フォームベースのアクティビティに基づいています。

    ·         アクティビティに名前を付けます。

    ·         場所を選択します。

    場所の選択ボックスをクリックすると、使用できる場所のリストが表示されます。いずれかの場所を選択します。target.js によって提供されるグローバルな場所を選択するには、「target-global-mbox」を選択します。

     ここに表示されていない場所を入力することもできます。この方法は、mbox がまだ作成されていない場合やページに表示されていない場合に便利です。場所の名前を入力します。まだ存在していない場所を入力する場合は、注意が必要です。mbox の呼び出し時に、スペルや大文字/小文字が一致していないと、アクティビティが配信されません。 

    手動で入力した場所がリストに保存されます。

    ·         その場所に表示するコンテンツのタイプを選択します。

    ·         「次へ」をクリックします。

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    次に、オーディエンスのエクスペリエンスを追加します。

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    「次へ」をクリックします。

    アクティビティ設定とレポート設定で、必要な変更をおこないます。

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    「保存」をクリックします。

従来の Cookie ベースの統合

  1. 通常の方法で特性とセグメントを作成します。

  2. AAM で新しい出力先を作成します。

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     Destination Builder で、「基本情報」を入力します。

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    • 「名前」:わかりやすい名前を記入します。
    • 「説明」:適切な説明を追加します。
    • 「プラットフォーム」:Adobe Target を実行するプラットフォーム(ブラウザー、Android、iOS、または以前のすべてのオプション)を選択します。
    • 「種類」:「cookie」(モバイルデバイス用の場合でも)。
      「次へ」をクリックします。
  3.  「設定」セクションで情報を入力します。

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    • 「cookie 名」:「aam_tnt」(理論的には任意の値を使用できますが、一貫性を確保するために、この名前を使用します)。
    • 「cookie ドメイン」:Cookie のドメイン。Web サイトの完全ドメインの場合は、空欄のままにしておきます。
    • 「有効期限」:Cookie の有効期限。
    • 「データの発行先」:Cookie を作成する必要のあるドメイン。理解したうえで実施する場合を除き、「すべての自ドメイン」に設定します。
    • 「データ形式」:「マルチキー」。
    • 「キーと値の区切り文字」:「=」。
    • 「キーと値のペアの区切り文字」:「,」(コンマ)。
    • 「シリアライズ」:無効
  4. この Cookie の出力先にセグメントを割り当てます。手順については、https://marketing.adobe.com/resources/help/en_US/aam/create-cookie-destination.htmlhttps://marketing.adobe.com/resources/help/en_US/aam/r_segment_destinations_map.html を参照してください。

AAM での初回検証

Adobe Target で使用される出力先の場合、その出力先にマッピングされているすべてのセグメントが下部に表示されます。すべてのマッピングと日付が正しいことを確認します。マッピングごとにキーと値のペアは異なります。

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クライアント側統合の実装

  1. Adobe Target で mbox.js をカスタマイズします。

    Target で、設定/mbox.js/編集に移動します。「追加の Javascript」セクションで、実装タイプに応じて以下のコードを追加します。

    グローバル mbox を使用する場合の追加の JavaScript mbox.js

    var globalMboxParams = [];
    function aam_tnt_cb() {
         if (typeof arguments[0].stuff != "undefined" && arguments[0].stuff != "") {
            for (var e = 0; e < arguments[0].stuff.length; e++) {
                if (arguments[0].stuff[e].cn == "aam_tnt") {
                    if (arguments[0].stuff[0].cv.split(",")) {
                        demdex_raw = arguments[0].stuff[e].cv.split(',');
                        var t = mboxFactoryDefault.getUrlBuilder();
                        t.addParameters(demdex_raw);
                        globalMboxParams = globalMboxParams.concat(demdex_raw);
                    }
                }
            }
        }
        TNT.createGlobalMbox();
    }
    function targetPageParams() {
        return globalMboxParams;
    };
    document.write('<script src="' + document.location.protocol + '//<partner>.demdex.net/event?d_stuff=1&d_dst=1&d_rtbd=json&d_cts=1&d_cb=aam_tnt_cb"></script>');

    複数の mbox を使用する場合の追加の JavaScript mbox.js

    /*Defines the function that adds parameters to a mbox call*/
    function aam_tnt_cb() {
        if (typeof (arguments[0].stuff) != "undefined" && arguments[0].stuff != "") {
            for (var i = 0; i < arguments[0].stuff.length; i++) {
                if (arguments[0].stuff[i].cn == "aam_tnt") {
                    if (arguments[0].stuff[0].cv.split(",")) {
                        var demdex_raw = arguments[0].stuff[i].cv.split(",");
                        var tapMboxBuilder = mboxFactoryDefault.getUrlBuilder();
                        tapMboxBuilder.addParameters(demdex_raw);
                     }
                 }
             }
         }
     };
     document.write('<script src="' + document.location.protocol + '//<partner>.demdex.net/event?d_stuff=1&d_dst=1&d_rtbd=json&d_cb=aam_tnt_cb"></script>');

    <partner> は必ず実装のサブドメインに置き換えてください。また、Cookie 名を「aam_tnt」から別の名前に変更した場合は、上記のコードに正確な Cookie 名を反映させてください。

  2. mbox.js を導入します。

    ダウンロードした mbox.js ファイルを Web サイト(ヘッダーセクション)に含めます。

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動作検証

Marketing Cloud 共有オーディエンスをベースとする統合

簡単に実行できる最初のチェックは、Target の出力先に対するセグメントのマッピングです。AAM で「Adobe Target - <internal name>」という出力先に移動し、マッピングに Target で使用しているセグメントが含まれているかどうかを確認します。

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注意:

他の出力先とは異なり、これらのマッピングは自動でおこなわれるので、手動でマッピングする必要はありません。

また、これらのセグメントの条件に適合しているかどうかを確認する方法もあります。このチェックをおこなうには、特定の HTTP デバッガーを使用して、Analytics の呼び出しに対する応答を分析する必要があります。その際は、JSON コードの「stuff」セクションに移動し、Target の出力先の Cookie 名を探します(下の例では 7~10 行目)。

if(s_c_il[1].AudienceManagement.passData)s_c_il[1].AudienceManagement.passData(
{
 "dcs_region" : 6,
 "stuff" : 
 [
 {
 "cn" : "at_adobeintkeerthivenug",
 "cv" : "segments=4934606",
 "dmn" : "api-adobe.com",
 "ttl" : 1
 },
 {
 "cn" : "aam_test",
 "cv" : "seg=contact_no_testim",
 "dmn" : "",
 "ttl" : 30
 }
 ],
 "uuid" : "55302966185082243435775101343602590438"
}
); 

従来の Cookie ベースの統合

  1. いずれかのセグメントと mbox をトリガーします。

    ·         セグメントの条件に適合するように、Web サイト内を移動します。

    ·         セグメントがトリガーされた後、次のページで HTTP パケットアナライザー(HttpFox、Charles、Fiddler など)を使用して、コード最下部で demdex.net への追加リクエストを確認します。応答に含まれる Cookie 名とセグメントを確認します。

    ·         メインドメインの下で aam_tnt という Cookie とその内容を確認します。先ほどのチェックと同じキーと値のペアが含まれている必要があります。この Cookie の値は URL エンコードされている必要があります。

    ·         グローバル mbox を使用する任意のページに移動します。DP Debugger に次のような内容が表示されます。

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  2. Adobe Target で mbox パラメーターを確認します。

    数分後に Target で新しいオーディエンスを作成し、カスタムオプションを選択します。上記の手順でパラメーターをキャプチャしている正しい mbox を選択します。パラメーターセクションに、先ほどの手順で確認したパラメーターのキーが表示されるようになります。下図のように表示されるはずです。

    at-aam26
  3. Adobe Target でセグメントを作成します。

    エクスポートされた情報を使用して、セグメントを再作成する必要があります。

    • 名前:推奨される名前は「AAM」+ AAM でのセグメント名です。
    • 「サイトページ」を選択します。
    • 「+ 条件を追加」をクリックします。
    • 「タイプを選択」:「mbox」を選択します。
    • 「選択」:パラメーターを選択するか、表示されていない場合は、「パラメーターを追加」でパラメーター名と「+」を入力します。
    • 「エバリュエーターを選択」:「等しい (大文字と小文字を区別しない)」を選択します。
    • 値を設定します。
    at-aam27

    「保存」をクリックします。

  4. Adobe Target でエクスペリエンスターゲット設定を作成します。

    キャンペーンを作成します。正しいキャンペーンタイプを選択することが重要です。各種のタイプについては、https://marketing.adobe.com/resources/help/ja_JP/tnt/help/r_Understanding_the_Types_of_Campaigns_and_Tests.html を参照してください。

    ここでは以下に注意します。A/B テストでは Target が訪問者にエクスペリエンスを割り当てますが、そのエクスペリエンスはユーザーがコンバージョンを発生させるまで継続されます。しかし「エクスペリエンスターゲット設定」では、ページの読み込みごとにエクスペリエンスが評価されます。一般に AAM では、AAM セグメントごとにエクスペリエンスを変更する必要があり、ページ単位で変更が必要になる場合もあるので、この統合ではおそらく「ランディングページキャンペーン」が最も便利なキャンペーンタイプになります。

  5. Adobe Target でエクスペリエンスにオーディエンスを割り当てます。

    それぞれのエクスペリエンスを作成し、適切なセグメントを割り当てます。Target は上から下にエクスペリエンスをスキャンし、最初にマッチしたエクスペリエンスを採用します。エクスペリエンスの作成時にはこの点を考慮してください。特に、デフォルトコンテンツは最後のエクスペリエンスにするようにしてください。

  6.  キャンペーンを開始します。

    以上で、AAM と Target の統合が完了し、単一のグローバル mbox を使用して運用する準備が整いました。

その他のリソース

AAM に関する FAQ

Target に関する FAQ

役立つリンク/ドキュメント

以下のリンクも参照してください。

1. Target 実装ガイド

2. Audience Manager 実装ガイド

ベストプラクティス

  • 必要な設定を用いてアカウントがプロビジョニングされていることを確認します。
  • すべての特性とセグメントを同じデータソースと出力先にマッピングします。
  • Target でセグメントを作成する際には、Cookie または Adobe Debugger で取得された情報と同じ情報を入力します。
  • Audience Manager で作成したセグメントと出力先へのマッピングは、アクティブになるまでに 1 時間ほどかかります。  

制限事項

統合はほとんどのケースですぐに機能します。しかし、統合には注意すべき既知の制限がいくつかあります。

  • セグメント化が機能しないケース:ユーザーが AAM のセグメントの条件に適合すると、Target によって正しいエクスペリエンスが表示されます。しかし、ユーザーがそのセグメントの条件に適合しなくなり、条件に適合する他のエクスペリエンスが同じアクティビティにない場合は、デフォルトのエクスペリエンスではなく、以前のエクスペリエンスが表示されます。
  • 地域でのデータ収集:Target アカウントがプロビジョニングされている場所とは異なる地域からブラウジングすると、タイムアウトが発生する場合があります。これは、Analytics に対する呼び出しが最寄りの RDC 収集サーバーにルーティングされる一方で、Target の呼び出しは常に同じデータセンターに対しておこなわれるからです。

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