選択範囲やマスクを作成して被写体を切り抜く方法は多岐に渡ります。その中でも、人物や商品写真の切り抜く際には、最新版Photoshopの[選択とマスク]ツールをぜひお試しください。選択の難しいふわっとした髪の毛やもこもこした素材なども、驚くほどすばやくキレイに切り抜けます。

必要な情報
<完成作品>

おおまかな流れ
切り抜き作業を「選択とマスク」ワークスペースを使って行うには、次のような手順で進めます。
1.「選択とマスク」ワークスペースに切り換える
2.「クイック選択ツール」でドラッグして、選択範囲を作成する
3.「境界線調整ブラシツール」でふさふさしている部分をドラッグする
4.「出力先」を選択し、「選択とマスク」ワークスペースを終了する
手順1/3
切り抜く部分をおおまかに選択する
まずは切り抜きたい画像をPhotoshopに読み込みます。
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アプリケーションメニュー「選択範囲/選択とマスク」(キーボードショートカットキー:command+option+R/Ctrl+Alt+R)を選択して、ワークスペースに切り替えます。

「選択とマスク」ワークスペースに切り替わり、画像が薄く表示されます。

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すでに選択されている「クイック選択ツール」を使って、切り抜き後に表示させたい部分をドラッグして、おおまかに選択していきます。(不要な部分までドラッグしてしまった場合は、「option/Alt+ドラッグ」で削除できます。)


選択範囲を確認したい場合は、「属性パネル」の「表示モード」、「表示」を「オーバーレイ」などに変えると確認しやすくなります。

表示モード
選択範囲を作成中に表示モードを切り替えて、作業を確認することができます。
- O: オニオンスキン(オニオンスキンスキームとして選択範囲を可視化)
- M: 点線(選択範囲の境界線を点線で可視化)
- V: オーバーレイ(透明なオーバーレイとして選択範囲を可視化)
- A: 黒地(選択範囲を黒の背景上に配置)
- T: 白地(選択範囲を白の背景上に配置)
- K: 白黒(選択範囲を白黒のマスクとして可視化)
- Y: レイヤー上(選択範囲を透明な領域で囲む)
手順2/3
境界線調整ブラシツールでより精密に切り抜く
「ツールバー」の「境界線ブラシツール」を選択し、ブラシサイズを調整して、境界線上の”ふさふさ”した部分をドラッグしていきます。
必要に応じて、拡大縮小、スクロールしながら調整してみてください。

細くて欠けてしまっている部分をドラッグして抽出します。

手順3/3
作成した選択範囲をレイヤーマスクとして追加する
「属性パネル」の「出力設定」、「出力先」を「レイヤーマスク」に設定し、「OK」ボタンをクリックします。

「レイヤーパネル」を開くと、レイヤーマスクが追加されていることが確認できます。

別の写真を下のレイヤーに追加すれば簡単に合成写真のできあがりです。

Tipsその1
切り抜きの精度を高めるために
あらかじめ切り抜きたいレイヤーの背面にべた塗りレイヤーを用意し、画像内で使われていないカラーを指定しておくと、切り抜きの精度を上げるのに役立ちます。
1. 「レイヤーパネル」で「背景」レイヤーのロックアイコンをクリックします。

2. 「背景」レイヤーが「レイヤー0」になります。

3. アプリケーションメニュー「レイヤー/新規塗りつぶしレイヤー/べた塗り…」をクリックします。

4. 追加された「べた塗り1」レイヤーを「レイヤー0」の背面に移動させます。

5.「選択とマスク」ワークスペースを起動させ、表示モード「表示」を「レイヤー上」に設定します。

6.「べた塗り1」レイヤーに設定したカラーが透けるようになり、切り抜きの結果を確認しやすくなります。

Tipsその2
レイヤーマスクの調整
「選択とマスク」ワークスペースを使って切り抜きを行った後、微調整を行うには、レイヤーマスクを調整しなければなりません。
レイヤーマスクのサムネイルをクリックして選択し、「ブラシツール」で調整します。
白で塗れば表示、黒で塗れば非表示になります。(「Xキー」で切り替えながら進めます。)
調整する際に、「回転ビューツール」で、カンバスを回転させると腕の動きに沿って描きやすくなります。
(「Rキー」で「回転ビューツール」に切り替えることができます。)

Tipsその3
「選択とマスク」ワークスペースの起動方法
「選択とマスク」ワークスペースを起動するには、次の2つの方法のほか、いくつかの方法があります。
- アプリケーションメニュー「選択範囲/選択とマスク」をクリックする。
- キーボードショートカット「command+option+R/Ctrl+Alt+R」
[選択系のツールを選んでいるとき]
「長方形選択ツール」、「なげなわツール」、「クイック選択ツール」などの選択系ツールを選んでいるときには、オプションバーに「選択とマスク」ボタンが表示されており、クリックすると「選択とマスク」ワークスペースが起動します。

[レイヤーマスクをダブルクリック]
レイヤーマスクを設定しているとき、「レイヤー」パネルでレイヤーマスクアイコンをダブルクリックすると、「選択とマスク」ワークスペースが起動します。

ただし、アプリケーションメニュー「Photoshop/環境設定/ツール...」内の「レイヤーマスクをダブルクリックしたときに選択とマスクワークスペースを起動」オプションがオンのときに限ります。

[属性パネルから]
レイヤーマスクを設定しているとき、「属性パネル」で「選択とマスク...」ボタンをクリックすると、「選択とマスク」ワークスペースが起動します。

どの状態でも可能なキーボードショートカット(command+option+R/Ctrl+Alt+R)がオススメです。
まとめ
- “ふわふわ/もこもこ”の切り抜きに「選択とマスク」が最適
- 出力先を「レイヤーマスク」にしておくと、後から調整しやすい
ぜひ、お手持ちの画像で試してみてください。
動画でしっかりと学びたい方には以下をおすすめします:
Creative Cloud 道場 #077 Photoshop Basic 「切り抜き方いろいろ」
Creative Cloud 道場 #075 Photoshop Basic 「レイヤーマスクについて」
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