このチュートリアルでは、Adobe Photoshop CC で紙を切り込んだようなカットアウト効果を作る⽅法を説明します。塗りつぶしのシェイプを複数重ね、それぞれにドロップシャドウをかけることで、簡単に紙で切り込んだような効果を得ることができます。最後に、「ノイズを加える」フィルターを追加することで、より紙らしい質感が得られます。まずは、下の1 分動画で制作⼯程を確認してください。

難易度3/5

 

本チュートリアル内で使⽤する主な機能
レイヤー効果:ドロップシャドウ、描画モード:ソフトライト、フィルター:ノイズを加える

 

ドロップシャドウによる⽴体感の演出

⼿順1/9

Photoshopでファイルを開く

Photoshopを起動し、「ファイル」-「開く」から練習⽤サンプルファイル「papercutout_start.psd」を選択し、「開く」をクリックします。

ベタ塗りの⿂のアートワークがあります。

⿂とそれを囲むように、波形に切り抜かれた塗りつぶしのレイヤーが3枚あります。これらにドロップシャドウを適⽤すると、⽴体感を演出できます。では、実際に作業を進めていきましょう。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

⼿順2/9

レイヤーにドロップシャドウを追加

「front fin」レイヤーを選択します。これは⿂の前⾯にある胸ビレの部分です。まずはここにドロップシャドウを適⽤します。

レイヤーパネル下部の「レイヤースタイルを追加」をクリックし、「ドロップシャドウ」を選択します。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

⼿順3/9

ドロップシャドウを設定し適⽤

「レイヤースタイル」ダイアログボックスが開きます。「ドロップシャドウ」がすでに選択されており、ここで詳細に設定がおこなえます。以下のように値を設定し、「OK」をクリックします。

包括光源を使⽤:オン
⾓度:135 度
距離:35px

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

胸ビレに影がつきました。

 

ヒント:包括光源とは

ドロップシャドウには「包括光源」という機能があります。これは光源を統⼀して影の落ちる向きを同⼀⽅向に設定する機能です。

現実の世界では太陽は⼀つですので、私たちは複数の物体があっても影が同⼀⽅向に落ちることを無意識的に理解しています。物体によって影の向きが異なってしまうと、違和感を感じることになります。今回の作例では、複数のレイヤーにドロップシャドウをかけていきます。そのためレイヤーごとに影の⽅向が変わってしまうと、⾒る⼈に違和感を感じさせることとなります。そこで、「包括光源」を利⽤して違和感なく影の演出をおこなっているのです。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

⼿順4/9

胸ビレのドロップシャドウを他のレイヤーにコピー

ここから、他の塗りつぶしのシェイプに同様のドロップシャドウを適⽤していきます。ただし、⼀つずつ設定してくのは⼤変です。そこで、ドロップシャドウの効果だけをコピーして適⽤します。レイヤーパネルで、Alt キー (Windows) / Option キー(macOS) を押しながら「front fin」レイヤーに適⽤された「ドロップシャドウ」をドラッグし、「body」レイヤーにドロップします。同様に、「wave 1」レイヤーにもAlt キー (Windows) / Option キー(macOS)+ ドラッグでレイヤー効果をコピーします。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

ドロップシャドウだけをコピーすることができました。

⼿順5/9

波のドロップシャドウに奥⾏きをつける

波を表現している「wave 1」のドロップシャドウの設定を変更して、奥⾏きを表現します。「wave 1」の「ドロップシャドウ」をダブルクリックすると「レイヤースタイル」ダイアログボックスを開くことができます。ここで以下のように値を設定して、「OK」をクリックします。

不透明度:60%
距離:40px
スプレッド:15%
サイズ:90px

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅
 
ドロップシャドウがボケた状態で広がったことで、外側の波に奥⾏きがつきました。
紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

⼿順6/9

波のドロップシャドウを他のレイヤーにもコピー

波を表現するレイヤーが他に2枚あります。それらに同じドロップシャドウを適⽤します。⽅法は、⼿順4 と同じです。「wave 1」レイヤーのドロップシャドウを、Alt キー (Windows)/ Option キー(macOS) + ドラッグで「wave 2」と「wave 3」レイヤーにコピーします。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

アートワークに⽴体感が出るようになりました。

紙のテクスチャ(質感)を表現

紙のような質感を演出して仕上げをおこないます。

⼿順7/9

新しいベタ塗りレイヤーを作成

「fish」レイヤーグループを選択し、「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」をクリックし、「べた塗り」を選択します。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅
 
カラーピッカーで、ミディアムグレーを選択して、「OK」をクリックします。
紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

グレーに塗りつぶされたレイヤーができあがりました。

⼿順8/9

「ノイズを加える」フィルターを適⽤して軽くざらつかせる

紙のような質感を演出するために、ノイズを適⽤します。

「フィルター」メニューから、「ノイズ」、「ノイズを加える」を選択します。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

ラスタライズかスマートオブジェクトに変換することを伝える画⾯が開きます。今回は「スマートオブジェクト」を選択します。

レイヤーをスマートオブジェクトに変換することで、適⽤後もフィルターの設定を変更できるようになります。

 

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

「ノイズを加える」ダイアログボックスが表⽰されます。細かな粒⼦のノイズがプレビューで表⽰されます。量を「20%」に設定し、「OK」をクリックします。

⼿順9/9

描画モードをソフトライトに設定してうっすらとノイズをかぶせる

このままでは、ノイズだけのベタ塗り作品になってしまっています。そこで、描画モードを「ソフトライト」に変更します。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

 

ソフトライトにすることで、やや弱めのコントラストでノイズの効果をブレンドすることができます。折り紙の質感のようなやさしいざらつきを表現できました。

紙を切り込んだようなカットアウト効果の作り⽅

以上で、紙で切り込んだようなカットアウト効果の⼿順は終了です。ここでは主に2 つのテクニックを学びました。⼀つはドロップシャドウによる⽴体感の演出です。複数のレイヤーに適⽤する際は、「包括光源」を利⽤して違和感をなくし、Alt(Windows) / Option(macOS)+ ドラッグ でレイヤー効果だけをコピーして効率的に作業をおこないましょう。もう⼀つは紙のテクスチャ(質感)の演出⽅法です。ここでは、「ノイズを加える」と「ソフトライト」を組み合わせ、折り紙のようなやさしい質感を演出しました。

いずれも簡単におこなえる操作の組み合わせですので、ぜひご⾃⾝の作品づくりにもいかしてみてください。

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