この情報は、米国アドビシステムズ社が提供している情報をもとにローカライズし、作成したものです。

 

日本語環境での動作保証はしておりませんのでご了承ください。

 

内容 (What's Covered) 

 

A. Photoshop オプションとプラグイン

A-1. 仮想記憶ディスクの設定

A-2. キャッシュレベルの調整

A-3. [PSD および PSB ファイルの互換性を優先] オプション

A-4. 画像ウインドウ

A-5. GPU の使用

A-6. パネルのサムネールサイズ

A-7. メモリ不足エラー

A-8. 16 ビットおよび 32 ビット機能

A-9. [クリップボードへ転送] オプション

A-10. フォントプレビューの無効化

A-11. 大きいタイルプラグイン

B. 画像ファイル

B-1. 解像度の最小化

B-2. [メモリをクリア] コマンド

B-3. ヒストリー数

B-4. 不要なプリセットを削除

B-5. 不要なレイヤーの削除または統合

B-6. TIFF ファイルの統合

B-7. 画像の圧縮

B-8. チャンネルを個別に編集

B-9. フィルタギャラリーの使用

B-10. ファイル間でのドラッグ&ドロップ

C. オペレーティングシステム

C-1. Apple の定期メンテナンススクリプトの実行

C-2. 破損したフォントの確認

C-3. Photoshop へのメモリ割り当て

D. ハードウェア

D-1. プロセッサ(CPU)の速度

D-2. 内蔵メモリ

D-3. ハードディスク

E. 参考情報

 

この文書は、Macintosh 版 Adobe Photoshop CS4 および Photoshop CS4 Extended のパフォーマンスを最適化するためのさまざまな方法を紹介します。

 

Photoshop CS4 のパフォーマンスは、コンピュータに搭載されている利用可能なメモリ(RAM)と、プロセッサの速度に影響を受けます。その他にもオプションの設定やワークフロー、システム構成、Photoshop 自体の制限などによって動作が左右されます。Photoshop CS4 でサポートするファイル容量、ファイルサイズ共に上限が拡張されましたが、扱うファイルのサイズが大きくなれば、その分システムへの負荷も大きくなります。Photoshop がサポートするファイルのピクセルサイズの上限は、300,000 x 300,000 ピクセルです。例外として、PDF ファイルは 30,000 x 30,000 ピクセルが上限となります。

 

Photoshop CS4 におけるファイルサイズの制限は以下のとおりです。

- PSD : 2 GB

- TIFF : 4 GB

 

 注意 : Photoshop CS4 以外のアプリケーションの多くは 2 GB 以上の TIFF ファイルをサポートしていません。

 

- PSB : 4 EB(エキサバイト)

- PDF : 10 GB(ページの最大サイズは 200 インチに制限されています)

 

 注意 : ビックドキュメント形式(*.psb)ファイルは、Photoshop 7.0.x 以前のバージョンでは読み込むことができません。

 

 A. Photoshop オプションとプラグイン

 

Photoshop の動作はオプションの設定と使用するプラグインによって左右されます。このセクションでは、特に影響を及ぼすオプション設定とプラグインについて説明します。

 

 A-1. 仮想記憶ディスクの設定

 

Photoshop の仮想記憶ディスクは、仮想メモリと同様の働きをします。最適なパフォーマンスを得るためには、オペレーティングシステムがインストールされておらず、未使用領域が多い、読み書きのスピードが(ネットワークドライブや Zip ドライブなどよりも)速い、デフラグされたハードディスクを 1 番目の仮想記憶ディスクとして設定することを推奨します。Photoshop は最低でも 2 GB のハードディスク空き容量を必要としますが、より多くの空き容量を確保しておくことを推奨します。オペレーティングシステムがインストールされているボリュームでは、仮想メモリシステムがより多くの容量を仮想メモリとして使用できるように、少なくとも 20 GB の空き容量を確保しておくことを推奨します。複数のハードディスクがある場合は、追加の仮想記憶ディスクを指定することを推奨します。仮想記憶ディスクとして RAID 0 パーティションを指定することによって、Photoshop をより効率的に動作させることができます。Photoshop CS4 では最大 4 つのボリューム、64 EB(エキサバイト)までの仮想記憶ディスクボリュームおよびサイズをサポートしています。(1 エキサバイトは 1 GB の 10 億倍です。)

 

仮想記憶ディスクを設定するには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [パフォーマンス] を選択します。
  3. [仮想記憶ディスク] セクションで仮想記憶ディスクとして指定するドライブの [有効] にチェックを入れます。



     注意 : 1 つ以上のドライブが使用可能な環境で、定期的にデフラグが実行され十分に空き容量のあるハードディスクが選択できない場合は、複数のドライブを仮想記憶ディスクとして指定することを推奨します。
  4. [OK] をクリックします。
  5. Photoshop を再起動します。

    ※ 上記の設定は、Photoshop を再起動後に有効になります。

 

 A-2. キャッシュレベルの調整

 

Photoshop は、高解像度画像のスクリーン上での再描画を高速にするために、画像キャッシュを使用します。画像キャッシュを利用すると、Photoshop が低解像度バージョンの画像を使用して、スクリーン上の画像をその場で更新します。

画像キャッシュはキャッシュレベル 1 ~ 8 までの間で設定することが可能です。キャッシュレベルの値が大きくなるほど、画像ファイルを開く際、処理に要する時間が長くなります。Photoshop CS4 の初期設定では画像キャッシュレベルが「4」に設定されています。この値を「1」に設定すると画像キャッシュが無効となり、スクリーン上の画像だけがキャッシュされます。ファイルサイズの大きい画像で作業を行う場合には、キャッシュレベルを「4」以上に設定すると再描画処理の速度が向上します。

 

ピクセル寸法が小さく、多数のレイヤー(50 以上)で構成されているファイルを使用する場合、キャッシュレベルを「1」または「2」に指定することでパフォーマンスが向上する可能性があります。ピクセル寸法の大きい画像を使用する場合、キャッシュレベルを高くします。

 

 注意 : 画像のキャッシュは、プレビュー表示の正確さに影響する場合があります。正確なプレビューを確認するためには、表示倍率を 100 %に変更します。

 

画像キャッシュの設定を行うには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [パフォーマンス] を選択します。
  3. [ヒストリー&キャッシュ] セクションの [キャッシュレベル] テキストボックスに 1 ~ 8 までのいずれかの値を入力します。



  4. [OK] をクリックします。
  5. Photoshop を再起動します。

 

 A-3. [PSD および PSB ファイルの互換性を優先] オプション

 

PSD および PSB ファイルの互換性を優先してファイルを保存すると、統合された画像のコピーがファイルに添付されるため、ファイルサイズが大きくなります。以前のバージョンの Photoshop では、この設定を必ずしも有効にする必要はありませんでしたが、Photoshop CS4 でこのオプションを有効にしてファイルを保存することで、以前のバージョンの Photoshop との互換性を保持することができます。また、Photoshop CS4 で保存したファイルに以前のバージョンではサポートされていない機能が含まれている場合、以前のバージョンの Photoshop で開く際に警告メッセージが表示されます。

以前のバージョンの Photoshop で使用可能なファイルを Photoshop CS4 で保存する場合、[PSD および PSB ファイルの互換性を優先] オプションで [保存時に確認]、または [常にオン] に設定します。

 

[PSD および PSB ファイルの互換性を優先] オプションの設定を変更するには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [ファイル管理] を選択します。
  3. [ファイルの互換性] セクションで、[PSD および PSB ファイルの互換性を優先] ポップアップメニューから以下のいずれかを選択します。

    - [保存時に確認] : ファイルを保存する際、互換性を優先させるか確認するメッセージが表示されます。

    - [常にオン] : 毎回必ず、互換性を優先してファイルを保存します。

    - [常にオフ] : 毎回必ず、互換性を優先せずにファイルを保存します。
  4. [OK] をクリックします。

 

 A-4. 画像ウインドウ

 

Photoshop CS4 における画像ウインドウでは、以前のバージョンと比較して、特にアプリケーションフレームが有効の場合、より多くのメモリが要求されます。アプリケーションフレームでは、タブ化された画像をモニタ全体のサイズで表示します。複数の画像を開くと、メモリ不足のエラーが表示されたり、処理速度が低下することがあります。このような現象が発生した場合は、画像ウインドウを閉じ、アプリケーションフレームを無効にします。

 

 A-5. GPU の使用

 

Photoshop CS4 では、画面描画の速度を向上するために、コンピュータの CPU の代わりにディスプレイカードの GPU を使用します。Photoshop で GPU の機能を活用するには、OpenGL をサポートする GPU と十分なメモリが搭載されたディスプレイカードが必要です。(128 MB 以上で、OpenGL 2.0 または Shader Model 3.0 をサポートするディスプレイドライバ)Photoshop で GPU にアクセスする際のパフォーマンスを向上させるには、ディスプレイドライバのアップデートを行ってください。GPU と OpenGL の詳細については、以下の弊社技術文書を参照してください。

文書番号 234358 GPU と OpenGL の機能と制限(Photoshop CS4/Photoshop CS4 Extended)

 

 A-6. パネルのサムネールサイズ

 

Photoshop のレイヤーやチャンネル、またはパスパネルでは、画像に変更が加えられるたびにプレビュー画像が更新されるため、より多くのメモリを必要とします。パネルのプレビュー画像の表示を小さくするか、または無効にすることによって、消費されるメモリ容量を抑えることができます。

 

レイヤー、チャンネル、またはパスパネルのプレビューを無効、あるいは最小化するには、以下の操作を行います。

  1. 各パネルのオプションメニューから [パネルオプション] を選択します。
  2. [サムネールサイズ] セクションで [なし] または最小サイズを選択し、[OK] をクリックします。

 

 A-7. メモリ不足エラー

 

32 ビット版 Windows がインストールされているコンピュータ上で、多くのメモリが要求される 3D 関連コマンド、[コンテンツに応じて拡大・縮小]、[ゆがみ] フィルタなどの機能を使用する際、メモリやハードディスクの空き容量が不足していると、Photoshop の処理速度が低下します。これらの機能では、Photoshop の最低要件以上のメモリとハードディスク容量が必要です。これらの機能を使用すると処理速度が低下する場合は、Photoshop から使用できるメモリ容量を増やすか、またはハードディスクの空き容量を確保してください。

 

Photoshop のメモリ割り当てを変更する方法については、C-3. Photoshop へのメモリ割り当てを参照してください。

 

 A-8. 16 ビットおよび 32 ビット機能

 

Photoshop CS4 では、16 ビット画像に対して操作を行うことのできる機能の数が大幅に拡大され、32 ビット画像に対してもより多くの操作を行うことができますが、リソースが不足している場合は、画像を 8 ビットに変更することでパフォーマンスが改善される可能性があります。ただし、8 ビットに変更することによって、画像からそれ以上のビットのデータが完全に消去されるため注意が必要です。

 

 A-9. [クリップボードへ転送] オプション

 

[クリップボードへ転送] オプションを有効にすることで、Photoshop から他のアプリケーションへ画像のコピー&ペーストが可能になります。このオプションは Photoshop の初期設定で有効に設定されていますが、Photoshop 終了時やほかのアプリケーションに操作を切り替える際に処理が行われるため、コピーしたデータのサイズによっては処理に時間がかかる場合があります。これらの操作を行った際に Photoshop のパフォーマンスが低下する場合は、[クリップボードへ転送] オプションを無効にします。

 

[クリップボードへ転送] オプションの設定を変更するには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [一般] を選択します。
  3. [オプション] セクションで [クリップボードへ転送] のチェックをはずします。



  4. [OK] をクリックします。

 

 A-10. フォントプレビューの無効化

 

コンピュータにインストールされているアクティブなフォント数が非常に多い場合、コンピュータおよび Photoshop のパフォーマンスが低下することがあります。Mac OS X 付属の Font Book や、サードパーティ製フォント管理ユーティリティで使用しないフォントを無効にし、コンピュータの処理速度を向上します。また、フォントプレビューを無効にすることによって、フォントの処理速度を向上させることができます。フォントプレビューの設定を変更するには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [テキスト] を選択します。
  3. [フォントプレビューのサイズ] のチェックをはずします。



  4. [OK] をクリックします。

 

 A-11. 大きいタイルプラグイン

 

大きいタイルプラグインは、アプリケーション DVD-ROM の「プラグイン(オプション)」フォルダに保存されており、初期設定では無効になっています。大きいタイルプラグインを有効にするには、「プラグイン(オプション)」フォルダの「Bigger Tiles.8BX」プラグインファイルを以下の場所にコピーし、Photoshop を再起動します。このプラグインは、1 GB 以上の RAM が搭載されている場合にのみ有効です。

 

Macintosh HD/アプリケーション/Adobe Photoshop CS4/Plug-ins/Extensions

 

プラグインを有効にすると、一度に描画されるタイルが大きくなるため、結果的に描画速度が向上します。Photoshop では、少数の大きいタイルを描画するほうが、多数の小さいタイルに比べて処理に要する時間が短縮されます。Photoshop では一度により多くのデータが再描画されるため、大きいタイルは再描画に時間がかかる場合もあります。例えば、プレビューしながらフィルタやパネルのスライダで繰り返し細かい調整を行うと、タイル全体が計測・描画されるため、処理に時間がかかります。最終的な画像の処理に要する総時間は短縮されますが、大きいタイルプラグインがインストールされている場合、ペイント時の表示更新は遅くなります。

 

大きいタイルプラグインは、ペイントや細かいフィルタ調整などを頻繁に行い、そのつどプレビューを確認するような作業には適していませんが、処理中のプログレスバーが頻繁に表示されるような場合、大きいタイルプラグインによって時間が短縮される可能性があります。

 

 B. 画像ファイル

 

ファイルサイズの最小化や、各チャンネルの編集、画像の圧縮を行うことによって、作業効率を向上するための最適化を行うことができます。さらに、レイヤーやチャンネルは多くのファイルサイズを必要とするため、不要なレイヤーの統合やチャンネルの削除によってファイルサイズを軽減することができます。また、カラー分解する画像を準備している場合でも、プリントの準備が完了するまでは RGB モードで作業し、プリントする段階で CMYK モードに変更することもできます。CMYK から RGB へ変換すると、ファイルサイズが約 25 %減少します。

 

 B-1. 解像度の最小化

 

解像度(1 インチ当たりのピクセル数 : ppi)を下げることによって、ファイルサイズを縮小することができます。画像解像度が高いほど、処理に必要なメモリやディスクの空き容量が必要となるため、 Photoshop でのファイル表示、処理、プリントにかかる時間が長くなります。また、解像度を上げることが常に画質の向上につながるとは限りません。画像の解像度は、使用するプリンタの最大の値以内で指定することを推奨します。それ以上の解像度を指定した場合、プリンタが使用不可能な情報を加え、処理に負担がかかるため、印刷にかかる時間が増えてしまいます。

 

最適な解像度の値は、使用しているプリンタの種類によってそれぞれ異なります。推奨される解像度は、以下のとおりです。

 

イメージセッターやレーザープリンタなどの固定スクリーンプリンタ

写真のような連続階調の画像をプリントする際は、作業開始時に使用しているスクリーン周波数の 1.5 倍から 2 倍の解像度(スクリーン線数 : lpi)を設定します。イラストのようなラインアート画像をプリントする場合には、プリンタと同様の解像度(1 インチ当たりのドット数 : dpi)を設定します。例えば、プリンタの解像度が 600 dpi で、プリンタのデフォルトのスクリーン線数 85 lpi を使用して画像をプリントしようとしている場合は、連続階調の画像は 127(85 lpi x 1.5)ppi ~ 170(85 lpi x 2)ppi、ラインアート画像は 600 ppi で保存します。

出力 - 固定スクリーンプリンタ

推奨される解像度

300 dpi レーザープリンタ

100 ppi

600 dpi レーザープリンタ

150 ppi

120 dpi またはより高いイメージセッター

1.5 ~ 2 倍の画面周波数



インクジェットプリンタ

描画が単純な画像の場合、120 dpi でも印刷することはできますが、プリンタの解像度にかかわらず、180 dpi が最適な結果が得られる大まかな最低ラインです。細かい部分まで鮮明に印刷する場合は、300 dpi 程度が必要です。300 dpi より大きい解像度で連続階調を印刷しても、その向上結果は判別できない場合があります。また、プリンタの解像度に合わせて画像のサイズ変更を行ったり、複数ページに分割した場合も同様です。一般的な方法は、プリンタの解像度に合わせて、再サンプルせずに画像サイズを変更し、180 ~ 400 dpi の範囲に収まるようにプリンタに制御させます。さらに厳密な印刷結果が必要な場合は、プリンタの解像度の割合に合わせることも可能です。(例 :: 360 dpi の印刷用線画を 720 x 1440 dpi プリンタで印刷)300 dpi よりも高い解像度で、かつ画像解像度をプリンタの解像度と等しくすることで、連続階調の画像の場合よりも線画やテキストがより鮮明に表示される可能性があります。

 

昇華型プリンタやフィルムレコーダなどのピクセル固定印刷デバイス(Durst Lambda、Lightjet)

画像の解像度がプリンタや撮像機の解像度と一致している場合(通常 300~400 dpi)、これらの印刷デバイスでは極めて高い品質を得ることができます。解像度を微調整するだけで印刷結果に大きく影響するため、Photoshop で一定の解像度にサイズ変更する方法が有効です。

 

Photoshop で画像の解像度を下げるには、以下の操作を行います。

  1. 画像を開き、[イメージ] メニューから [画像解像度] を選択します。
  2. [ドキュメントのサイズ] セクションの [解像度] テキストボックスに数値を入力し、 [OK] をクリックします。



     注意 : [解像度] テキストボックスに数値を入力する前に、[画像の再サンプル] にチェックが入っていることを確認してください。

 

最良の結果を得るために、最後に [画像解像度] コマンドを使用した後に、出力デバイスに適したシャープ処理を実行します。

 

 B-2. [メモリをクリア] コマンド

 

[取り消し] コマンドやヒストリー、およびクリップボードには画像データが保持されており、メモリを消費します。[編集] メニューから [メモリをクリア] を選択し、[取り消し]、[クリップボード]、[ヒストリー] または [すべて] を選択して、メモリまたは仮想記憶ディスクの空き容量を確保することができます。

 

 B-3. ヒストリー数

 

ガウスやアンシャープマスクの適用など、画像全体に影響を与える操作を行った場合、Photoshop は各ヒストリーにこれらの操作を含む画像の完全なコピーをオリジナルサイズで作成します。元の画像サイズが 500 KB の場合、ガウスを全体に適用すると 1 MB の仮想記憶ディスク容量が必要となります。線の描画など、画像の一部にのみ影響する操作を行った場合は、線に隣接するタイルのサイズ分が画像サイズに追加されます。

画像全体に影響を与えるヒストリーの合計数を元の画像サイズに乗算することによって、画像が必要とするおおよその仮想記憶ディスク容量を確認することができます。5 MB の画像全体に、ノイズの軽減およびアンシャープマスクフィルタを適用する場合は 20 MB の仮想記憶ディスク容量が必要です。使用可能なヒストリー数を減少させることで画像のコピー数を減らし、ヒストリーによって消費される仮想記憶ディスク容量を最低限に抑えることができます。

 

[ヒストリー] パネルに保持されるヒストリー数を変更するには、以下の操作を行います。

  1. Photoshop CS4 を起動します。
  2. [Photoshop] メニューから [環境設定] - [パフォーマンス] を選択します。
  3. [ヒストリー&キャッシュ] セクションの [ヒストリー数] テキストボックスに任意の値を入力します。
  4. [OK] をクリックします。

 

 B-4. 不要なプリセットの削除

 

レイヤースタイルやブラシツールのプリセットを減らすことで、メモリの消費を軽減することができます。

 

不要なプリセットを削除するには、以下の操作を行います。

  1. [編集] メニューから [プリセットマネージャ] を選択します。
  2. [プリセットの種類] ポップアップメニューから、削除するプリセットの種類を選択します。

    ※ レイヤースタイルのプリセットを削除する場合は [スタイル]、ブラシプリセットを削除する場合は [ブラシ] を選択します。
  3. プリセットの一覧が表示されたら、削除するプリセットを選択し [削除] をクリックします。
  4. [OK] をクリックします。

 

 B-5. 不要なレイヤーの削除または統合

 

レイヤーは Photoshop の基本的な機能ですが、画像に含まれるレイヤーが多くなるほどファイルサイズも大きくなり、再描画による負荷が高くなります。必要な変更が完了したレイヤーを 1 つのレイヤーに統合したり、未使用のレイヤーを削除することで、ファイルサイズを抑えることができます。

 

 注意 : 統合したレイヤーを元の状態に分割する機能はありませんが、[取り消し] コマンドや [ヒストリー] パネルの操作で、統合を取り消すことは可能です。

 

レイヤーの結合/統合を行うには、[レイヤー] メニューまたは [レイヤー] パネルのパネルメニューから、以下のいずれかを選択します。

- [下のレイヤーと結合] : 選択されているレイヤーと、その下のレイヤーを結合します。

- [表示レイヤーを結合] : 非表示になっているレイヤー以外のすべてのレイヤーを結合します。

- [画像を統合] : すべてのレイヤーを統合します。

 

 B-6. TIFF ファイルの統合

 

Photoshop では、TIFF 形式のファイルにレイヤー情報を保存することができます。すべてのレイヤーが保存された TIFF ファイルは、レイヤーが統合された TIFF ファイルよりもファイルサイズが大きく、処理やプリントにあたってより多くのリソースを必要とします。レイヤーのある TIFF ファイルで作業する際には、元のファイルを Photoshop 形式(*.psd)で保存し、その後、レイヤーを統合して TIFF 形式で保存することを推奨します。

 

 B-7. 画像の圧縮

 

一般的に圧縮されたファイルのサイズは小さいですが、Photoshop でファイルを開く、または保存する際に時間がかかることがあります。これは、Photoshop 形式(*.psd)のファイルを除く圧縮されたファイルは、開く際に解凍され、保存時に再度圧縮を行うためです。BMP、CompuServe GIF、JPEG、Photoshop、Photoshop EPS、Photoshop PDF、TIFF 形式はすべて圧縮して保存することができます。また、Photoshop では [TIFF オプション] ウインドウから TIFF レイヤーの圧縮方法を指定することができます。Photoshop のパフォーマンスを最適化するには、圧縮された Photoshop ファイル形式(データ損失がない圧縮形式)で編集し、画像が完成した段階で任意のファイル形式に圧縮保存する方法を推奨します。

 

Photoshop から圧縮なしで画像を保存するには、以下の操作を行います。

  1. [ファイル] メニューから [別名で保存] を選択します。
  2. [フォーマット] ポップアップメニューから任意のファイル形式を選択します。
  3. [保存] をクリックした後に表示される、各形式のオプションダイアログボックスで 「圧縮なし」オプションを選択します。



    例 : TIFF ファイル形式の場合

    [TIFF オプション] ダイアログボックスで、[画像圧縮] セクションの [なし] を選択します。



 

 B-8. チャンネルを個別に編集

 

1 つのチャンネルに対してフィルタを適用した場合、複数のチャンネル、または画像全体にフィルタを適用するよりも少ないメモリで動作します。統合された画像では、RGB の各チャンネルはファイルサイズの約 3 分の 1、CMYK では約 4 分の 1 となります。1 つのチャンネルを編集するには、[チャンネル] パネルで編集するチャンネルを選択します。

 

 B-9. フィルタギャラリーの使用

 

Photoshop のフィルタギャラリーを使用すると、複数のフィルタの適用結果を瞬時に確認することができるため、効率的に作業を行うことができます。フィルタギャラリーを使用するには、[フィルタ] メニューから [フィルタギャラリー] を選択します。

 

 B-10. ファイル間でのドラッグ&ドロップ

 

ファイル間では、レイヤーをコピー&ペーストするよりも、ドラッグ&ドロップするほうがより効率的です。ドラッグすることで、クリップボードを経由することなくデータを直接移動することができます。コピー&ペーストはメモリをより多く使用するため、ドラッグ&ドロップのほうが効率的に作業を進めることができます。

 

 C. オペレーティングシステム

 

オペレーティングシステムをカスタマイズすることでオペレーティングシステムの動作が効率化され、アプリケーションが利用できるシステムリソースを増やすだけでなく、アプリケーションの動作も効率的になります。ハードディスクおよび仮想メモリの最適化や、テンポラリファイルの再構成もしくは削除、またバックグラウンドで実行される未使用のアプリケーションを無効にすることなどによって、Photoshop のパフォーマンスは改善されます。

 

 C-1. Apple の定期メンテナンススクリプトの実行

 

Mac OS X のシステムによって定期的に実行されるメンテナンススクリプトを利用して、不要になったログファイルや一時ファイルなどをクリーンアップすることができます。このメンテナンススクリプトは、毎日 03:15、毎週土曜日の 04:30、毎月 1 日の 05:30 に自動的に実行されますが、コンピュータがシャットダウンまたはスリープしている場合には実行されません。

Mac OS X 付属の「ターミナル」ユーティリティを起動してコマンド入力を行うか、サードパーティ製ユーティリティを使用して手動でメンテナンスを実行することも可能です。

 

定期メンテナンススクリプトの詳細については、以下の Apple 社 Web サイトを参照してください。

URL : http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=107388

 

 C-2. 破損したフォントの確認

 

フォントプレビューを有効にしている場合、システム上のフォントが破損していると処理速度が低下することがあります。フォントプレビューを無効にすることでパフォーマンスが向上する場合は、システム上のフォントが破損していないか確認します。フォントのトラブルシューティングについては以下の弊社技術文書を参照してください。

文書番号 223072 Mac OS X におけるフォントの問題のトラブルシューティング

 

 C-3. Photoshop へのメモリ割り当て

 

Photoshop では、画像データ処理のためにメモリを消費していますが、その他の起動しているアプリケーションや、起動項目によって Photoshop が潜在的に使用できるメモリの容量が減少することがあります。Photoshop にメモリを多く割り当てることによって、パフォーマンスを向上させることができます。また、使用していないアプリケーションを終了したり、必要のないスタートアップ項目を無効にすることによって、より多くのメモリを Photoshop が使用できるようになります。

Photoshop CS4 を Mac OS X 10.4.x などの 64 ビット OS で動作させる場合、最大 8 GB の RAM にアクセスすることができます。実際に使用可能なメモリ容量を確認するには、[Photoshop] メニューから [環境設定] - [パフォーマンス] を選択し、[使用可能な RAM 容量] に表示される値を参照します。Photoshop へのメモリ割り当てを 100 %に設定した場合、Photoshop で使用されるメモリは最大で 3 ~ 3.7 GB 程度にもなります。これらを直接 Photoshop プラグイン(いくつかのプラグインでは、大容量の連続したメモリ領域を必要とする場合があります)、フィルタおよびアクションなどの処理に利用することができます。

 

4 GB 以上のメモリ(8 GB まで)が使用できる環境では、この 4 GB 以上のメモリがオペレーティングシステムによって使用され、Photoshop の仮想記憶ディスクデータがキャッシュされます。これまで Photoshop によって直接ハードディスクに書き込まれていたデータが、オペレーティングシステムによってハードディスクに書き込まれるよりも先にメモリ内にキャッシュされるようになるため、2 GB のメモリを必要とする大容量のデータを Photoshop で制作するような場合には、メモリキャッシュによって Photoshop のパフォーマンスを向上させることができます。

 

Photoshop CS4 のメモリ割り当ては、初期設定で 70 %に設定されています。この設定は、ほとんどのユーザにとって最適であると考えられます。

メモリの割り当てについてより理想的な設定を行うには、アクティビティモニタを使用して Photoshop のパフォーマンスを確認しながら Photoshop へのメモリ割り当てを 5 %ずつ変更します。設定後に Photoshop を再起動して変更する前と変更した後で、Photoshop のパフォーマンスに変化が現れるかどうかを確認します。

 

 Photoshop での作業中に、画像が必要とするメモリ容量を [効率] インジケータで確認することができます。[効率] として表示されている値が 90 % を大きく下回る場合は、仮想記憶ディスクを使用して処理を行っている状態となります。多くの場面で 60 %前後またはそれ以下になってしまっている場合、メモリの割り当て量を追加するか、またはメモリの増設や RAID の導入により、パフォーマンスを向上できる可能性があります。

効率インジケータを表示するには、以下のいずれかの操作を行います。

- [情報] パネルのパネルメニューから [パネルオプション] を選択し、[ステータス情報] セクションで [効率] にチェックをいれます。

- ドキュメントウインドウ下部に表示されているステータスバーのポップアップメニューから [ステータス表示] - [効率] を選択します。



 

 D. ハードウェア

 

Photoshop のパフォーマンスは、使用しているハードウェアに依存します。高速なプロセッサ、またはハードディスクは Photoshop の画像データを高速に処理します。その他にも、RAM を追加して搭載したり、マルチプロセッサシステムの導入、ハードディスクのデフラグを行ったりすることでパフォーマンスを向上させることができます。

 

 D-1. プロセッサ(CPU)の速度

 

Photoshop では、大量のデータ処理と演算が必要なため、処理速度はプロセッサ速度に大きく依存しますが、Macintosh の CPU(Central Processing Unit)では、Photoshop の速度に制限があります。

 

Photoshop CS4 は PowerPC G5 または Intel ベースのプロセッサが搭載されたコンピュータで動作します。また、単一プロセッサよりも高速なマルチプロセッサの利点を活用することもできます。Photoshop のすべての機能はマルチプロセッサシステム上でより高速に動作し、一部の機能の速度は飛躍的に向上しますが、マルチプロセッサには報酬漸減の法則(law of diminishing returns)がある点に注意が必要です。プロセッサを多く使用するほど、追加プロセッサから得られる利点が減ります。そのため、5 つ以上のプロセッサを使用しても、それだけ速度の向上があるわけではありません。

 

 D-2. 内蔵メモリ

 

アプリケーションの使用方法によっても異なりますが、Photoshop では扱う画像のファイルサイズに対して数倍のメモリを必要とします。Photoshop に十分なメモリが割り当てられていない場合は、処理を行うためにハードディスクスペースを仮想記憶ディスクとして使用します。ハードディスクへのアクセスはメモリへのアクセスより低速です。仮想記憶ディスクを使用せず、メモリ上ですべてまたはほとんどの処理が行われている状態が、最も速い速度で Photoshop が処理を行っているといえます。パフォーマンス向上のためには、Photoshop が扱う画像ファイルの最大サイズに適したメモリ容量を配分する必要があります。

 

Photoshop が使用しているメモリは、[効率] インジケータで確認することができます。[効率] の値を確認するには、C-3. の手順を参照してください。

 

 D-3. ハードディスク

 

ハードディスク上でファイルの追加、削除、移動を行うことにより、断片化が発生します。断片化が発生することにより、ファイルの保存に時間がかかるようになります。ディスクユーティリティを使用して、ファイルの断片化を解消し、ハードドライブの最適化を行うことができます。

 

Photoshop の仮想記憶ディスク専用に RAID を使用している場合、断片化が起こることは稀です。断片化は、単一のディスクを使用している場合や、常用するファイルと Photoshop の仮想記憶ディスクがボリュームを共有している場合、とりわけ空き容量が不足している場合に発生します。このような場合、デフラグを行うことで顕著な効果が得られます。

 

Photoshop は、ファイルの作業と同時に読み取りおよび書き込みを行います。そのため、ファイルを保存しているディスクまたは Photoshop の仮想記憶ディスクへのアクセス速度が高速であれば、それだけ高速にファイル情報を処理できます。ファイルの保存場所はネットワークサーバ(ネットワークドライブ)やリムーバブルメディア(Zip、フロッピーディスクなど)のような低速なディスクは避け、内蔵ハードディスクドライブなどのアクセス速度が高速なディスクを選択します。また、リムーバブルメディアは、内蔵ハードディスクドライブと比べるとアクセス速度が遅く、ファイルが破損しやすい傾向があります。

 

 E. 参考情報

 

以下の Web サイトでは、Macintosh の一般情報やトラブルシューティングのヒントを参照することができます。

 

Apple 社サポート(日本語) : http://www.apple.com/jp/support/

Apple 社サポート(英語) : http://www.apple.com/support/

The Mac Resource Page(英語) : http://www.macresource.com/

MacFixIt Troubleshooting Solutions for the Macintosh(英語) : http://www.macfixit.com/

The X Lab(英語) : http://www.thexlab.com/

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