Adobe Acrobat Sign の認証方法:Government ID

概要

Adobe Acrobat Sign の Government ID プロセスは、高度な機械学習アルゴリズムを使用して、世界中の企業がその受信者の ID を高品質に認証できるように支援します。

Government ID は、政府発行の ID 文書(運転免許証、国民 ID、パスポート)の画像をアップロードするように受信者に指示し、信頼性についてその文書を評価するプレミアム ID 認証方法です。

サポートされる文書は次のとおりです

  • グローバルパスポート
    • すべての ICAO 準拠パスポート
  • 運転免許書/ナショナル ID/在留資格
運転免許証 ID カード 居住許可証
オーストラリア サポート対象    
オーストリア サポート対象 サポート対象  
ベルギー サポート対象 サポート対象 サポート対象
ブルガリア   サポート対象  
カナダ サポート対象 サポート対象  
クロアチア   サポート対象  
チェコ共和国   サポート対象  
フランス サポート対象 サポート対象 サポート対象
ドイツ サポート対象 サポート対象 サポート対象
ハンガリー   サポート対象  
アイルランド サポート対象    
イタリア サポート対象 サポート対象  
ラトビア   サポート対象  
リトアニア   サポート対象  
マルタ   サポート対象  
メキシコ   サポート対象  
オランダ サポート対象 サポート対象 サポート対象
ニュージーランド サポート対象    
ポーランド サポート対象 サポート対象  
ポルトガル サポート対象 サポート対象  
ルーマニア サポート対象 サポート対象  
スロバキア   サポート対象  
スペイン サポート対象 サポート対象 サポート対象
スウェーデン語 サポート対象    
スイス サポート対象 サポート対象  
英国 サポート対象   サポート対象
米国 サポート対象 サポート対象  

 

このサービスでは、文書内の次のような多数の要素を検証することで、信頼性について文書の画像を評価します。

  • 文書構造
  • 生体情報データ
  • PDF417 バーコード(該当する場合)
  • 機械可読領域(該当する場合)
  • セキュリティ機能
  • 写真領域
  • 署名

生体比較:文書検証に加えて、必要に応じてオプションの生体比較を有効にすることができます。生体比較では、リアルタイム画像(自分の顔写真)を撮影するように受信者をガイドして、その画像とアップロードされた文書の画像を比較して評価します。生体比較では、受信者は画面上の指示に応答して「ライブネス(現存性)」を示す必要があります。これにより、前もって撮影された静止画像が使用されることを防止します。

  1. 受信者は、最初に電子メール通知によって契約書を認識します。この通知には、契約書の内容にアクセスするための「確認して署名」ボタンが含まれています。

    確認して署名電子メール

    確認して署名」ボタンをクリックすると、認証チャレンジがトリガーされます。

  2. 受信者は、テキストメッセージを受信できるスマートフォンの電話番号を指定するように求められます。

    この手順は、ID 文書と政府データベースを比較する画像キャプチャアプリケーションに必要です。

    • 電子メールのリンクをクリックした時点から認証プロセスを完了するまで 15 分以内という時間制限があります。
    • テキストメッセージが送信されると、メッセージが送信されたことを示す青いメッセージが表示されます。メッセージ内のリンクの有効期限は 5 分間です。
    Government ID 認証チャレンジ

    注意:

    スマートフォンで署名プロセスを開始した場合、この電話番号手順はスキップされます。

  3. ID サービスへのリンクを含むテキストメッセージが、指定された電話番号に配信されます。

    リンクをクリックすると、運転免許証/ID カードまたはパスポートで認証するオプションが表示されます。

    Government ID の最初の手順

    注意:

    文書コンテンツの収集および検証プロセスの間、元の通知ページには、詳細が検証されていることを示すステータスメッセージが表示されます。

    gov_id_verificationinprocess

  4. 運転免許書または ID カードを使用する場合は、次の写真を撮影するよう求められます。

    • カードの表面
    • カードの裏面
    • 顔写真(オプション。アカウント設定に基づきます。)

    パスポートを使用する場合は、パスワードの顔写真入りのページのみが必要となります。

    Government ID(表面および裏面)

  5. オプションのリアルタイム本人画像により、文書の画像との生体比較が可能になります。

    アカウントでリアルタイムの「自分の顔写真撮影」オプションが有効になっている場合、受信者はいくつかのライブアクションを実行して、受信者が実在しており、画像キャプチャアプリケーションの要求に応答していることを示すように指示されます。

    この「ライブネス」テストに合格すると、アプリケーションは画像をキャプチャし、ID 文書の画像との生体比較を実行します。

  6. ID が正常に検証されると、受信者は契約書へのアクセス権を付与され、電子メールを開いた元のデバイスでアクションを完了できます。

    • ID に示された受信者の名前が署名フィールドに読み込まれます。この名前を変更することはできません
    Government ID 成功

    受信者には、ID が正常に確認されるまで 5 回の試行回数が与えられます。5 回すべての試行に失敗すると契約書はキャンセルされ、送信者に通知が届きます。

    失敗した認証

レイヤー 1 - 文書の検証:

最初のテクノロジーレイヤーでは、デジタルトランザクションで提示された ID 文書を検証して、文書が本物で改変されていないことを確認するシームレスで安全な方法を提供します。

業界最高レベルのキャプチャエクスペリエンスと、実績のある ID 文書検証エンジンを組み合わせることで、信頼性の高いデジタル ID 確認とシームレスなユーザーエクスペリエンスを実現します。

Government ID 認証は、すべてのラテン語系言語で利用でき、以下を含む数千もの国際/国内 ID 文書をサポートします。

  • パスポート
  • ID カード
  • 運転免許証

結果の信頼性を高めるために、サービスでは以下を提供します。

  • ガイド付き文書キャプチャ - 処理を最適化するため、高品質写真の撮影方法をユーザーに説明します。
  • 文書の分類 – 「コンピュータービジョン」のアルゴリズムで数千件の政府発行文書を認識および分類して、信頼性の高いデータ抽出および文書検証を可能にします。
  • データ抽出 - このサービスでは、単純な光学式文字認識にとどまらず、文書を分解し、各フィールドのコンテンツを分析します。
  • 真正性要素の検証 - 人工知能技術を組み合わせることで、ID 文書内の以下を含む数十もの要素を検証します。
    • 文書構造 - 正しいサイズ、マテリアル、シェイプ、色、レイアウトなど、ID 文書の物理的な属性が評価されます。
    • 生体情報データ - フォントの使用状況、色、許容される値など、個人を識別する印刷されたデータが評価されます。
    • PDF417 バーコード(該当する場合)- 先頭からのバイオデータの OCR 結果が 後方の PDF417 バーコードから抽出されたデータと比較されます。
    • 機械可読領域(該当する場合)- フォントの使用状況、存在、チェックディジットなど、機械可読領域(MRZ)印刷エリアがチェックされます。
    • セキュリティ機能 - 存在、位置、コンテンツなど、ID の可視および不可視のセキュリティ機能がチェックされます。
    • 写真領域- 人間の顔があるか、向き、色など、ポートレイト(メイン画像)が評価されます。
    • 署名 - 存在、フォントの種類、既知のサンプルとの照合など、署名セクションがチェックされます。

 

レイヤー 2 - 生体比較

2 番目の認証レイヤーでは、ID 文書から抽出された顔写真と、ユーザーが撮影した自分の顔写真とを生体認証による顔比較によって照合し、ID 文書を送信したユーザーが正当な所有者であることを確認します。

偽装防止技術

  • ビデオフレーム分析を使用することで、ユーザーが最適なキャプチャ条件で質の高い顔写真を撮影できるようにします。
  • 自身の顔写真の撮影中に、受信者はアクション(「スマイル」など)を実行して「ライブネス」を示す必要があります。
  • 照明、焦点、および整列などの条件を評価します。

受信者の ID が確認されると、契約書が開いて確認が可能になり、受信者に割り当てられたアクション(フォームの記入、署名など)が可能になります。

注意:

Government ID 認証方法は、エンタープライズサービスプランでのみで利用できます。VIP プログラムで購入したアカウントでは使用できません

新しい契約書の作成時の Government ID 認証方法の設定

Government ID が有効になっている場合、送信者は受信者の電子メールアドレスの右側にある「認証」ドロップダウンから Government ID を選択できます。

認証方法を選択

Government ID がリストにない場合、ユーザーが契約書を送信するグループで Government ID が有効になりません。管理者はこれを有効にする必要があります。

プレミアム認証トランザクションの消費

Government ID 認証は、受信者ごとに課金されるプレミアム認証方法です。

  • このオプションを使用するには、Government ID トランザクションを購入してインストールする必要があります。
  • Government ID トランザクションは、Government ID 認証方法で設定された受信者ごとに消費されます。
    • 1 つの契約書に 3 人の受信者が設定され、そのうち 2 人が Government ID で認証される場合は、2 つの認証トランザクションが消費されます。
  • 認証トランザクションは、契約書がオーサリングに送信される(下書きの契約書として)と、または最初の受信者に送信されると(進行中の契約書として)、アカウント合計から差し引かれます。
    • 下書きの契約書をキャンセルすると、認証トランザクションがアカウント合計に返されます。
    • 進行中の契約書をキャンセルしても、認証トランザクションは返されません
    • 既存の認証方法を Government ID に変更すると、1 つのライセンスが消費されます。
    • Government ID から認証方式を変更しても、認証トランザクションは返されません
      • Government ID との間で何度か認証を変更しても、(指定された各受信者に対して)1 つのトランザクションしか消費されません。
Government ID の使用状況を確認

>署名者の ID レポート(SIR)

Acrobat Sign では、Government ID 認証中に収集された ID 情報はデフォルトでは保持されません。ただし、アカウントレベルの管理者は、署名者の ID レポート(SIR)を使用して Acrobat Sign システム内に ID 情報を保存するように要求できます。

SIR には、Government ID の検証時に収集されたデータ(署名者の Government ID 画像、顔の画像、電話番号、Government ID から抽出されたデータなど)が含まれます。

SIR には次の特徴があります。

SIR について詳しくはこちら >

監査レポート

監査レポートには、受信者の ID が Government ID 認証を使用して確認されたことが明記されます。

 

Government ID 監査レポートイベント

受信者が認証に成功しなかったために契約書が取り消された場合、理由が明示的に示されます。

監査レポート内の失敗した認証

ベストプラクティスと考慮事項

  • 内部署名に 2 要素署名認証が必要でない場合は、Government ID の代わりに Acrobat Sign 認証方法を使用して、署名の手間を減らし、プレミアム認証トランザクションの消費を節約することをお勧めします。
  • Government ID:(i)規制対象の対応や、高価値の電子サインワークフローやユースケースを意図していない。(ii)すべての詐欺的または「偽」の身元確認文書を特定できるわけではない。(iii)人間による確認の必要性に置き換えられるものではない。

設定オプション

送信設定で認証方法を有効にする

Government ID 認証にアクセスするには、年間受信者数について契約を結ぶ必要があります。これがバックエンドで設定されるまで、管理者のインターフェイスにはこのオプションは表示されません。

ID トランザクションの購入がシステムに入力されると、管理者は、「送信設定」ページに他の ID 認証方法と共に Government ID 認証を表示させるためのコントロールを見つけることができます

Government ID 認証」ボックスをオンにして、この方法を有効にします。

  • この方法を有効にすると、管理者は Government ID 認証を新しい契約書のデフォルト値として設定できます。このオプションは、該当する方法を明示的に有効にするまで表示されません。
Government ID 認証のコントロール

オプションの「自分の顔写真撮影」による生体比較

ID 文書と受信者のリアルタイムの顔写真撮影の間の生体比較を含める場合は、サポートチームに連絡してこの機能を有効にすることができます。

受信者が認証に失敗した場合の契約書の自動キャンセル

Government ID サービスは、受信者の ID を認証するために連続して最大 4 回失敗できるように設定されています。5 回目の失敗の後、システム内で契約書が自動的にキャンセルされ、認証が失敗したために契約書がキャンセルされたことが契約書の所有者に通知されます。

この閾値を設定するオプションは、顧客側のインターフェイスにはありません。アカウント管理者は、サポートチームを通じてキャンセルの閾値を別の値に調整するように要求できます。

失敗した認証

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