概要
手書きの署名が必要になる場合もあります。法律やコンプライアンスの要件、政策方針がその理由になる場合もあれば、一方または両方の関係者が手書き署名の方が適切だと考える場合もあります。
Adobe Acrobat Sign の手書き署名ワークフローでは、適切なアクセス制御によって最終文書の品質と明瞭さを保ち、電子的な処理と監査のメリットを生かしながら、手書き署名を取得することができます。
手書き署名の契約書の送信
契約書を送信して物理的に手書された署名のみを収集するには、送信者は、オプションパネルの「署名タイプ」セクションで「手書き」オプションを選択する必要があります。
このオプションは、グループに対して「電子」と「手書き」の両方の署名タイプが有効になっている場合にのみ表示されることに注意してください。それ以外の場合は、有効な署名タイプが使用され、選択オプションは表示されません。
アカウントまたはグループの管理者は、主要な署名タイプが手書きであることが予想される場合、デフォルト値を「手書き」に設定できます(設定オプションを参照)。
「手書き」署名タイプで送信された契約書では、すべての受信者が手書き形式で署名する必要があります。
契約書の送信後に、送信者が契約書を電子サインワークフローに変換するオプションはありません。また、受信者が署名を電子サインタイプに変換するオプションもありません。
受信者の場合、手書き署名ワークフローは、文書を印刷して署名を書く必要がある点など、電子ワークフローとの類似性が高いと言えます。
- 受信者は、文書を「開いて印刷する」リンクが記載された電子メールで通知を受け取ります。
- 受信者がリンクを選択すると、最初に署名プロセスの 3 つの手順の要約が表示されます。
- 受信者は、電子的な環境の契約書で要求される/必須となるフォームフィールドに入力できます。
- 準備ができたら、ページの下部にある「次へ」ボタンをクリックして、ダウンロード、印刷、署名の手順に進みます。
- 受信者は「ダウンロード」ボタンをクリックし、フィールドの入力が電気的に完了している文書をダウンロードします。
- ダウンロードした PDF を開いて印刷します。
- 印刷された契約書に物理的に署名します。
- 署名された契約書をスキャンして、デジタル形式に直す必要があります。
- Acrobat Sign では、許可される通常の形式(PDF、JPG、GIF、TIF、BMP)であれば、どの形式のファイルでも利用できます。
- Acrobat Sign で受理できるファイルは 1 つだけです。複数の画像がある場合は、1 つのファイルに連結する必要があります。
- 署名された文書のアップロードを求める新しい電子メールが受信者に送信されます(電子メールの件名:{契約名} をアップロードしてください)。アップロードして送信インターフェイスを開くためのリンクが表示されます。
- また、元の「開いて印刷する」電子メールのリンクをクリックして、アップロードインターフェイスを開くこともできます。
- 「アップロードして送信」ボタンをクリックすると、受信者がローカルシステムで署名済みの契約書ファイルを検索して選択するための参照ウィンドウが開きます。
- ファイルを選択すると、ファイルは Acrobat Sign にアップロードされ、その受信者の作業は完了です。
- 後続の受信者がいる場合、契約書は次の宛先に進みます。それ以外の場合、契約書は完了です。
受信者が署名を電子サインから手書き署名タイプに変換できるようにする
顧客が電子サインタイプを必要とせず、電子形式に対する顧客の疑念に対処したい場合は、署名タイプを電子形式から手書き形式に変換することができます。
この変換が有効な場合は、電子サインページのオプションメニューには、「印刷、署名およびアップロード」のオプションが表示されます。
受信者が複数いる契約書では、受信者が署名タイプを手書きスタイルに変換すると、契約書のすべてのフォームフィールドが削除されることに注意してください。後続の署名者には、ページの下部に署名ブロックフィールドとして追加される署名フィールド以外は追加されません。
ベストプラクティスと考慮事項
ユーザーの複数グループ所属が有効なアカウントでは、手書き署名が必要なワークフローを特定して、独自のグループに分離することを強くお勧めします。これにより、送信ページでデフォルト値が多く適用され、設定可能なオプションの数を制限し、送信プロセスが合理化され、設定エラーを回避できます。
任意のオプションを使用して手書きのオプションを有効にする場合は、受信者が文書を返信する際に「署名済み文書をアップロード」を有効にすることを検討する必要があります。
手書き署名オプションは、アカウントレベルおよびグループレベルで利用できます。手書き署名オプションを設定する場合は、次の点に注意してください。
- すべてのグループ設定は、最初はアカウント設定から継承されます。
- 明示的に設定されたグループレベルの設定は、継承されたアカウントレベルの設定よりも優先されます。
- すべての契約書は、作成時の送信元のグループのプロパティを採用します。
手書き署名のオプションに関して、次の 4 つの設定を考慮する必要があります。
- 送信者に「手書き」署名タイプを許可します。
- プロセスで必要な場合は、デフォルトの署名タイプを「手書き」に設定します。
- 受信者が電子サインを「手書き」署名タイプに変換するオプションを有効にします。
- 「文書の表示制限」が有効になっている場合は、「手書き」署名を有効にします。
送信者に「手書き」署名タイプを許可する
送信者が契約書に手書き署名タイプを設定できるようにするには、次の手順を実行します。
- アカウント設定/送信設定に移動します。
- 「許可されている署名タイプ」までスクロールします。
- 「送信者が手書き署名用に文書を送信することを許可」オプションをオンにします。
- 「保存」をクリックして変更を確定します。
新しい契約書のデフォルトとして「手書き」署名タイプを定義する
デフォルトの署名タイプが「手書き」に定義されると、グループ内で作成されるすべての新しい契約書は、手書き署名に設定されます。
「電子」署名オプションも有効になっている場合、送信者は契約書の設定時に署名タイプを変更できます。
グループに対して有効になっている署名タイプが 1 つだけの場合は、送信ページで署名タイプを選択するオプションが非表示になります。このオプションを公開し、送信者が選択できるようにするには、両方のオプションを有効にする必要があります。
受信者が「手書き」署名に変換できるようにする
受信者が手書き署名に変換できるオプションは、署名者が電子サインプロセスに疑念を抱いた場合に便利です。
- アカウント設定/署名の環境設定に移動します。
- 「追加設定」までスクロールします。
- 「署名者が、電子サインの代わりに、契約書を印刷して手書きで署名し、Acrobat Sign にアップロードできるようにする」オプションをオンにします。
- 「保存」で変更を確定します。
受信者が手書き署名タイプに変換できるようにするオプションは、新しい契約書を送信するときに手書き署名を許可するオプションに依存しません。
「文書の表示制限」が有効になっている場合は、手書き署名を有効にします。
「文書の表示制限」(LDV)ワークフローを使用していて、手書き署名タイプのオプションに対応する必要がある場合は、LDV の範囲内で「手書き」署名を明示的に有効にする必要があります。
そうしないと、「手書き」署名タイプの契約書を送信するオプションが送信ページで非表示になり、送信者は設定することができません。
- アカウント設定/グローバル設定(グループレベルで設定されている場合はグループ設定)に移動します。
- 「文書の表示制限」までスクロールします。
- 「手書き署名用に送信することを許可します。手書き署名を使用する必要がある場合、受信者に対してすべてのページが表示されます」オプションをオンにします。
- 「保存」で変更を確定します。
設定が確定すると、「文書の表示制限」と「手書き」署名タイプの両方を使用して送信された契約書は、LDV ワークフローを無視し、受信者が確認できるように文書全体を表示します。