問題点:
Adobe InDesign から印刷するとき、次のエラーが表示されます。
「このドキュメントには、バイナリの EPS ファイルが含まれています。印刷に失敗するかもしれません。バイナリデータが印刷に影響しない場合、プリンタは出力を行います。このドキュメントの印刷を続行しますか?」


理由:
PostScript 印刷設定によっては、バイナリ形式の文字の組み合わせをコマンドとして解釈することがあるモジュールが組み込まれています。そのため、コマンドとして解釈されると、ジョブが失敗したり、プリンターがバイナリテキスト文字列の単一行の出力ページを多数生成するように、バイナリデータを直接印刷し始めることがあります。予防策として、InDesign ではこの可能性があるときに上記の警告を表示します。警告の表示には、以下のケースがあります。
- ジョブに、バイナリであることを記述する %%DocumentData コメントのある配置済みの EPS がある
- ジョブに、値のない %%DocumentData コメントのある配置済みの EPS がある
- ジョブに、%%DocumentData コメントのない配置済みの EPS がある
- ジョブに、データ形式が特定できないプリンター構成に配置済みの EPS がある。これは、Mac OS X システムから印刷するときによく見られます。下流のデータパイプを十分に評価できないからです。
解決策
以下の解決策のいずれかを実行します。
解決策 1:「OK」をクリックして、ドキュメントのテスト印刷を行う
「OK」をクリックして印刷ジョブをプリンター/デバイスに送り、正常に印刷された場合は、ご使用の印刷設定でバイナリデータがサポートされているため、警告を無視しても構いません。一方、「OK」をクリックして印刷ジョブをデバイスに送り、各ページにバイナリデータのような内容のページが 1 行で印刷された場合、印刷ストリームはバイナリ印刷をサポートしていません。その場合は、以下のいずれかの解決策を使用してください。
解決策 2: EPS 以外のファイル形式でグラフィックを保存し直す
この問題について、PSD、TIFF、PDF などの形式は問題ありません。
解決策 2:バイナリデータのない EPS を使用する
これは、異なる設定でソースアプリケーションから EPS を保存し直すことで可能になることがあります。ただし、問題のファイルでデータ形式が変更されないようにデータがカプセル化されていることもあります。
解決策 3: Photoshop から EPS を使用する
InDesign では、Photoshop EPS ファイルは一般に、InDesign の印刷ダイアログで設定された ASCII/バイナリスイッチと一致するようにデータを再フォーマットできるように処理されます。EPS を Photoshop で開き、「別名で保存」を選択して別の名前または同じ名前を選択し、「はい」をクリックして置き換えます。
解決策 4:ご使用のプリンターの設定をバイナリ印刷プロトコルをサポートするように変更する
この設定は通常、プリンター前面のコントロールパネルから行います。この設定の方法については、プリンターのユーザーマニュアルを参照してください。
補足情報
バイナリデータを含む EPS ファイルを Indesign ドキュメントに入れ、出力データフォーマットを ASCII に設定してパブリケーションを印刷すると、EPS データはコード内の PostScript パススルーを経由して送られ、バイナリデータが生成されます。これが、印刷ジョブの失敗で考えられる原因の 1 つです。
現在、InDesignでは、%%DocumentData コメントの有無を確認して EPS にバイナリデータが含まれているかどうかを判別します。存在する場合、InDesign はこの DSC コメントの 3 つの有効なパラメータである Clean7Bit、Clean8Bit または Binary を検索します。
このパラメータが Binary に設定されている場合、または %%DocumentData コメントが EPS にない場合、InDesign は警告メッセージを表示し、印刷ジョブをキャンセルできます。
InDesign は、印刷と出力データフォーマットが ASCII に設定されているときは、この条件のみをチェックします。
EPS への書き出し時には、このエラーメッセージは印刷向けであるため、InDesign ではチェックされません。
InDesign で Photoshop EPS ファイルはチェックされません。