QuickTime ムービーが暗すぎる、輝度が高い | After Effects CS3
問題点
解決策
以下の解決策のいずれかを実行します。
解決策 1:After Effects CS 8.0.2 アップデートをインストールする。
Adobe Web サイト(www.adobe.com)からアップデートをダウンロードします。
解決策 2:プロジェクト設定で「以前のバージョンの After Effects QuickTime ガンマ調整に合わせる」オプションを有効にする。
Apple QuickTime Player、Apple Final Cut Pro などのアドビ製品で After Effects からエクスポートした QuickTime ムービーをワークフローで使用する場合、プロジェクト設定の「以前のバージョンの After Effects QuickTime ガンマ調整に合わせる」オプションを選択すると、After Effects におけるエクスポートした QuickTime ムービーとコンポジションとの一致が改善されます。また、この解決策では、エクスポートした QuickTime ムービーを直接配布する(Web ページを介するなど)場合も一致が改善されます。
注意:このオプションでは、After Effects の QuickTime インポート/エクスポート動作が変更されて After Effects 7.0 以前における動作と同じになります。このオプションを有効にすると、After Effects CS3 の一部の詳細設定機能が無効になります。詳細については、「追加情報」セクションをご覧ください。
「以前のバージョンの After Effects QuickTime ガンマ調整に合わせる」オプションを有効にするには、以下の手順を実行します。
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ファイル/プロジェクト設定を選択します。
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カラー設定ボックスで「以前のバージョンの After Effects QuickTime ガンマ調整に合わせる」オプションを有効にします。
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「OK」をクリックします。
解決策 3: After Effects でカラーマネジメントを有効にし、カラーマネージドワークフローを使用する。
カラーマネジメントを行うことで、アプリケーションとデバイス間においてムービーのカラーとトーンの一貫性と予測可能性を保持できます。カラーマネジメントはあらゆるビデオワークフローにおいて役立ちます。特に、YUV コーデック(DV または v210 コーデックなど)を使用して After Effects からエクスポートした QuickTime ムービーを他のビデオ編集アプリケーション(Apple Final Cut Pro など)で使用する場合に、ムービーのカラーとトーンが改善されます。
After Effects でカラーマネジメントを有効にする方法およびカラーマネジメントワークフローについては、Adobe Design Center にある Adobe After Effects CS3 におけるカラーマネジメントワークフローガイドを参照してください。
追加情報
一般にビデオコーデックでは、コンピューターモニターで正しく表示されるようにガンマ調整が必要です。これはカラーマネジメントの一形態です。ビデオファイルを正しく表示するために必要な具体的ガンマ調整値は、指定のコーデック、オペレーティングシステム(Mac OS と Windows では想定するデフォルトのガンマ値が異なる)、システムのカラーマネジメント設定で行う調整内容(Apple Mac OS における ColorSync など)によって異なります。
QuickTime Player ではムービーファイルを表示する際に、イメージが正しく表示されるようにガンマ調整を行います。QuickTime Player では、使用するコーデックのガンマ調整値に基づきます(ファイルに特定のガンマ値がタグ付けされていない場合)。ただし、QuickTime Player で行われるガンマ調整は、Mac OS 環境と Windows 環境間で一貫しません。つまり、同じファイルでも Mac OS 環境と Windows 環境の QuickTime Player で同じに表示されないことがあります。
注意: Windows において、QuickTime Player が DirectX モードまたはセーフモード(GDI)で表示するように設定されているかどうかによって結果が異なる場合があります。QuickTime 設定の詳細については、QuickTime のマニュアルを参照してください。
プラットフォーム間で一貫性を持たせるために、After Effects CS3 では、使用するガンマ調整値を指定するエクスポートした QuickTime ムービーファイルにメタデータタグを追加します。このタグが存在するとき、QuickTime Player は、そのコーデックで通常使用する値ではなく、その値を使用します。その結果、調整は Mac OS 環境と Windows 環境間で一貫します。
このタグに対して After Effects CS3 で使用する値は常に 2.2 です。この値は、DV、v210 など、大半の YUV コーデックで適正値です。ただし、RGB コーデックの場合、2.2 は適正値でない場合がよくあります。これは、RGB コーデックを使用するファイル(Animation、None など)が過剰補正されるため、色が薄すぎたり輝度が高すぎることを意味します。
After Effects CS3 8.0.2 のアップデートによって動作が変更され、After Effects は特定の YUV コーデックのみでガンマタグを読み書きします。ほとんどの場合、このアップデートによってこの文書で説明するガンマ問題は解決されます。After Effects でガンマタグを併用するコーデックは、MediaCoreQTGammaRules.xml ファイルに定義されます。MediaCoreQTGammaRules.xml ファイルに記述されていないコーデックを使用し、After Effects でこのコーデックを使用するファイルにガンマタグの読み書きを行う場合は、ファイルを編集して使用するコーデックを組み込むことができます。このファイルは以下のフォルダーにあります。
- Mac OS: Users/<ユーザー名>/Library/Application Support/Adobe/Common
- Windows XP: Documents and Settings\<ユーザー名>\Application Data\Adobe\Common
- Windows Vista: Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Adobe\Common
After Effects CS3 において、プロジェクト設定で「以前のバージョンの After Effects QuickTime ガンマ調整に合わせる」オプションを有効にすると、レンダリング時に QuickTime ファイルはメタデータタグでタグ付けされません。また、このオプションでは、32 bpc プロジェクトの QuickTime ファイルに輝度が高すぎるピクセル値を保持する機能など、After Effects CS3 の新機能である QuickTime の他の処理動作も無効にできます。詳細については、After Effects ヘルプの「ガンマとトーンの応答について」を参照してください。
QuickTime Player でムービーファイルが表示される仕組みは、ご使用のワークフローと無関係である場合があります。他のビデオ編集アプリケーションおよびモーショングラフィックスアプリケーションでは、一般に、独自の方法を使用してファイルのガンマ値を決定したり、値を調整したりすることができます。たとえば、Adobe Premiere Pro CS3 では、After Effects CS3 と同じ方法で QuickTime ファイルを解釈します。QuickTime ファイルの画質はアプリケーション間で一貫しています。他のアプリケーションでは、QuickTime ファイルのインポート時に設定を変更したり、解釈オプションを選択したりする必要があります。詳細については、ご使用のアプリケーションのマニュアルを参照してください。
どのビデオ編集アプリケーションやモーショングラフィックスアプリケーションを使用する場合でも、一貫したトーン応答(ガンマ)とカラー結果を確保する最良の方法は、カラーマネージドワークフローを使用することです。カラーマネージドワークフローを使用することで、コンピューター画面に表示されるカラーがアプリケーション間で一貫し、出力デバイスおよび異なるデバイスの間でも一貫することを確認できます。カラーマネジメントの利点とカラーマネージドワークフローの設定方法の詳細については、Adobe Design Center の Adobe After Effects CS3 におけるカラーマネジメントワークフローガイドを参照してください。