この文書では、ネイティブの Illustrator (AI) ファイルまたは PDF ファイルとして保存する Adobe Illustrator ドキュメントのファイルサイズを最適化する方法について説明します。選択するオプションによって、ドキュメントのファイルサイズが著しく変わります。これらのオプションでファイルサイズとパフォーマンスを最適化する場合は、特に注意が必要です。

Illustrator ドキュメントを Illustrator ネイティブのファイルとして保存する

Illustrator ドキュメントを AI ファイルとして保存するときに、Illustrator の次のオプションを使用してファイルサイズを最適化します。

「フォント」オプション

「フォント」オプションでは、ドキュメントで使用されているフォントの文字数に応じて、使用中の文字だけでなく、フォント全体を埋め込むかどうかを指定します。フォントを埋め込むと、ドキュメント内で使用していないフォントの情報もファイルに含まれるため、ファイルサイズが大きくなります。例えば、10 文字しか使用していないドキュメントに 1,000 文字の情報が含まれているフォントを埋め込むと、ファイルサイズが著しく増加します。Illustrator 初期設定では、使用している文字の割合が 100% より少ないフォントをサブセットにします。ファイルサイズを削減するには、初期設定をおすすめします。すべてのフォントを埋め込む場合は、サブセットの割合を 0% に設定します。

「PDF 互換ファイルを作成」オプション

AI ファイルでは、PDF と PGF の両方の形式が使用されます。「PDF 互換ファイルを作成」オプションを選択すると、PDF ファイルを認識できるアプリケーションと互換性のある PDF 構文を含むファイルが作成されます。このオプションを選択すると、Illustrator ファイル内に 2 つの形式が保存されるため、ファイルのサイズが増加します。

「配置した画像を含む」オプション

「配置した画像を含む」オプションは、ファイル内の PGF 情報のみに関連しています。「PDF 互換ファイルを作成」を選択すると、「配置した画像を含む」オプションの状態に関係なく、配置した画像ファイルが自動的に埋め込まれます。PDF 互換ファイルを作成しない場合は、「PDF 互換ファイルを作成」オプションの選択を解除して、ファイルサイズを小さくします。

注意:Illustrator CS の初期設定では、配置された画像がすべて埋め込まれるため、配置された画像のサイズに応じてファイルサイズが増加します。アートワークが小さくても、サイズの大きな画像が配置されたファイルの場合、ファイルサイズは著しく大きくなります。

「圧縮を使用」オプション

「圧縮を使用」オプションを選択すると、ファイルサイズを小さくすることができます。

(CS5 以降)各アートボードを個別のファイルに保存

Illustrator ドキュメントを PDF ファイルとして保存する

Illustrator ドキュメントを PDF ファイルとして保存するときに、Illustrator の次のオプションを使用してファイルサイズを最適化します。

「Illustrator の編集機能を保持」オプション

「Illustrator の編集機能を保持」オプションを使用すると、PDF ファイルに PGF データが追加されます。PDF ファイルを保存するときに「Illustrator の編集機能を保持」オプションを選択しないと、保存した PDF ファイルを Illustrator で再度開いたときに、ファイルに含まれる透明性が失われます。このオプションは、Illustrator で PDF を再度開いて編集する機能を保持したい場合に選択します。ただし、このオプションを選択すると、大幅な圧縮とダウンサンプルが行われないため、ファイルサイズが増加します。

「Web 表示用に最適化」オプション

「Web 表示用に最適化」オプションを選択すると、ファイルサイズを最小にできます。ページごとのダウンロードが容易になり、繰り返し使用される画像は最初の画像へのポインタで置き換えられます。Web 上で閲覧しない PDF ファイルであっても、ファイルサイズを最小限にするため、「Web 表示用に最適化」オプションの使用をおすすめします。

「上位レベルのレイヤーから Acrobat レイヤーを作成」オプション

このオプションを選択すると、PDF ファイルで Illustrator の上位レベルレイヤーが Acrobat レイヤーとして保存されます。この機能を利用すると、Adobe Acrobat 6.x とそれ以降のユーザーは 1 つのファイルから複数のバージョンのドキュメントを生成できます。例えば、ドキュメントを複数の言語で公開する予定であれば、レイヤーごとに異なる言語のテキストを配置できます。印刷または製版業者は、Acrobat 6.x とそれ以降でレイヤーの表示/非表示を切り替え、異なるバージョンのドキュメントを生成できます。

注意:「互換性のある形式」が Acrobat 6.0 (1.5)、Acrobat 7.0 (1.6)、Acrobat 8.0 (1.7)または Acrobat 9.0 (1.7)に設定されている場合にのみ、このオプションを利用できます。

「圧縮」オプション

Illustrator ファイルを PDF ファイルとして保存するときに、テキストとラインアートを圧縮し、ビットマップ画像の圧縮とダウンサンプルを行うことができます。選択した設定によっては、圧縮とダウンサンプル機能は、PDF ファイルの細部と精度をほとんど損なうことなく、ファイルサイズを大幅に減らすことができます。

Adobe PDF オプションダイアログボックスの「圧縮」セクションは、3 つのセクションに分かれています。各セクションには、カラー画像、グレースケール画像またはモノクロ画像の圧縮や再サンプルを行う次のオプションが用意されています。

圧縮(ダウンサンプル):PDF ファイルを Web で使用する場合は、ダウンサンプルを使用すると高い圧縮率が得られます。PDF ファイルを高解像度で印刷する場合は、ダウンサンプルを使用しないでください。オプションの選択を解除して、すべてのダウンサンプルオプションを無効にしてください。

ダウンサンプルとは、画像内のピクセル数を減らすことです。カラー画像、グレースケール画像またはモノクロ画像のダウンサンプルを行うには、補間方法を選択して、解像度を 1 インチあたりのピクセル数で入力します。次に、「次の解像度を超える場合」テキストボックスに解像度を入力します。このしきい値を超える解像度の画像がダウンサンプルされます。

選択する補間方法によって、ピクセルの削減方法が異なります。

  • ダウンサンプル(バイリニア法)サンプル領域のピクセルが平均化され、領域全体が指定解像度の平均ピクセルカラーに置き換えられます。
  • バイキュービック法では、加重平均を使用してピクセルカラーが決定されます。通常、この方式では「ダウンサンプル(バイリニア法)」よりもよい結果が得られます。バイキュービック法は最も時間がかかりますが、最も正確な方法で最も滑らかなグラデーションが得られます。
  • サブサンプルでは、サンプル領域の中心にあるピクセルが選択され、その領域全体が選択されたピクセルカラーに置き換えられます。サブサンプルの場合、ダウンサンプルに比べて変換時間が大幅に短縮されますが、生成される画像はより粗く断続したものになります。

圧縮(圧縮):使用する圧縮の種類を指定します。「自動」オプションを選択すると、ファイルに含まれるアートワークの最適な圧縮方式と画質が自動的に設定されます。ほとんどのファイルでは、このオプションを選択することで十分な結果が得られます。最大の互換性を得るには、「自動(JPEG)」を選択します。より高い圧縮率を得るには「自動(JPEG2000)」を選択します。

ZIP 圧縮は、単色の広い領域がある画像か、繰り返しのパターンが使われているモノクロ画像に効果が大きい圧縮方法です。ZIP 圧縮は「画質」の設定によって可逆圧縮(劣化なし)と非可逆圧縮(劣化あり)のどちらかの方法でおこなわれます。

JPEG 圧縮は、グレースケール画像やカラー画像に適しています。JPEG 圧縮は劣化ありで、画像データが削除されます。このため、画質が低下する可能性があります。ただし、情報の損失を最小限に抑えてファイルサイズを縮小します。JPEG 圧縮ではデータが削除されるので、ZIP 圧縮よりもファイルサイズを大幅に縮小することができます。

JPEG2000 は、画像データの圧縮とパッケージングのための新しい国際基準です。JPEG 圧縮と同様、JPEG2000 圧縮は、グレースケール画像やカラー画像に適しています。また、プログレッシブ表示などの利点もあります。

CCITT および Run Length 圧縮は、白黒のビットマップ画像にだけ利用できます。CCITT(Consultative Committee on International Telegraphy and Telephony)圧縮は、白黒画像や、1 ビットの色数でスキャンした画像に適しています。Group 4 は汎用の圧縮方式で、ほとんどの白黒画像を適切に圧縮することができます。「CCITT グループ 3」は、多くのファックス機器で利用されている圧縮方法で、モノクロ画像を 1 度に 1 行ずつ圧縮します。RLE(Run Length)圧縮では、塗りつぶしの黒または白が広いエリアを占める画像に適しています。

圧縮(画質):適用する圧縮の程度を指定します。選択できるオプションは圧縮方式によって異なります。JPEG 圧縮の場合は、「最低」、「低」、「中」、「高」、「最高」のオプションを選択できます。ZIP 圧縮の場合は、「4 ビット」または「8 ビット」のオプションを選択できます。4 ビット画像で 4 ビットの ZIP 圧縮を使用する場合、または 4 ビット画像や 8 ビット画像で 8 ビット ZIP 圧縮を使用する場合、ZIP 圧縮は可逆圧縮(劣化なし)で行われます。ファイルサイズを小さくしてもデータは削除されないので、画質は影響を受けません。8 ビット画像で 4 ビットの ZIP 圧縮を使用すると、データが失われるので画質が影響を受ける場合があります。

「タイルサイズ」オプション:「タイルサイズ」オプションは、圧縮設定で「JPEG2000」が選択されている場合にのみ設定できます。このオプションには、プログレッシブで表示するときのタイルサイズを指定します。

「テキストとラインアートの圧縮」オプション:「テキストとラインアートの圧縮」オプションを使用すると、ファイル内のすべてのテキストとラインアートに ZIP 圧縮が適用されます。このオプションでは、ディテールの損失と画質の低下はありません。

「フォント」オプション:「使用している文字の割合が次より少ない場合、サブセットフォントにする[x]」オプションでは、ドキュメントで使用されているフォントの文字数に応じて、使用中の文字だけでなく、フォント全体を埋め込むかどうかを指定します。例えば、1,000 文字あるフォントのうち、文書に 10 文字しか使用されていない場合、フォント全体ではなく、サブセットフォントを埋め込んでファイルサイズを小さくすることができます。

追加情報

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