代替レイアウトとリキッドレイアウトページルールを使用すると、複数のページサイズ、ページ方向、縦横比を柔軟に効率良くデザインできます。
複数の形式やサイズでパブリッシュするための、プロジェクトに最適なデザイン戦略として手作業、半自動、全自動を選択することができます。自動ワークフローへの依存度が高くなるほど、デザインに対するコントロールの範囲が狭まります。InDesign では、コストとコントロールのバランスをとれるよう、採用した戦略に対する機能拡張がいくつか用意されています。
自動リキッドレイアウトベースのパブリッシングは、準拠するビューアテクノロジーがないため、まだ行えません。
推奨ワークフロー
A. 代替レイアウトワークフロー B. 代替レイアウトおよびリキッドページのルール
手順 1:ターゲットデバイスと、それに対応するサイズおよび方向を選択します。次に、すべてのページのプライマリレイアウトを作成します。
手順 2:オプションで、アドビのリキッドレイアウトのページルールを追加して、コンテンツを異なる縦横比とサイズに適応させます。リキッドページルールは、複数のデバイスをターゲットにしている場合に便利です。リキッドページルールを使用しない場合、考えられるサイズと方向の組み合わせごとに一意のレイアウトを手動で作成する必要があります。詳しくは、リキッドレイアウトを参照してください。
手順 3:「代替レイアウトを作成」機能を使用して、同じドキュメントに新しいページを作成します。プライマリレイアウトおよびリキッドページルールに応じて、手動でレイアウトを調整することが必要になる場合があります。新しいサイズと方向ごとにこの手順を繰り返します。詳しくは、代替レイアウトを参照してください。
リキッドレイアウト
リキッドレイアウトを使用すると、複数のページサイズ、方向およびデバイス用のコンテンツのデザインが簡単になります。リキッドページルールを適用すると、代替レイアウトを作成して、サイズ、方向、縦横比を変更したときにページのオブジェクトがどのように調整されるかを指定できます。
レイアウトや目標に応じて、異なるルールを異なるページに適用できます。一度にページに適用できるリキッドページルールは 1 つだけです。リキッドレイアウトは、特定のリキッドページルールのセット(拡大・縮小、中央揃え、ガイドごと、オブジェクトごとのページルール)の総称です。
リキッドページルールを使用して、出力サイズのコンテンツを調整します。
- 代替レイアウトを使用して、同じドキュメントに新しいページを作成する場合に、レイアウトを調整します。
- 既存のページサイズを変更するときに、レイアウトを調整します。これはこれまでのレイアウト調整機能よりも効率的です。
リキッドページルールを適用するには、ページツール を選択してページをクリックします。次に、コントロールバーでリキッドページルールを選択します。また、レイアウト/リキッドレイアウトを使用することもできます。
適用ルールの効果をプレビューするには、ページツールを使用し、ページハンドルをドラッグしてページのサイズを変更します。マウスを放すと、ページは元のサイズに戻ります。
ページのサイズを変更するには、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。ただしマウスを使用してページのサイズを変更すると、目的のサイズからややずれたページになる場合があります。コントロールバーの高さおよび幅ウィジェットを使用した方が、正確にページのサイズを変更できます。
A. ページツール B. コントロールバーのリキッドページルール C. ページハンドル D. オブジェクトベースルールのピン E. リキッドレイアウトパネル
リキッドページルール
異なるルールを異なるページに適用できます。一度にページに適用できるリキッドページルールは 1 つだけです。
拡大・縮小
ページ上のすべてのコンテンツはグループのように処理され、ページのサイズを変更すると、すべての要素が比例して拡大・縮小されます。結果は、ハイビジョンテレビの画面のレターボックス処理やピラーボックス処理に似ています。
中央揃え
ページ上のすべてのコンテンツは、幅や高さに関係なく自動的に中央に揃えられます。「拡大・縮小」とは異なり、コンテンツは元のサイズに留まります。計画とレイアウトを慎重に行って中央揃えルールを使用すれば、ビデオ制作のセーフゾーンでも同様の結果が得られます。
ガイドごと
ガイドでは、ページ全体でコンテンツが調整される基準を示す直線が定義されます。
- スペースを追加できます。
- テキストフレームのサイズが変更されると、テキストが再フローされます(ただし拡大・縮小はされません)。
- 配置された画像でサイズが変更されると、画像を含むフレームのトリミング境界のサイズが変更されます。
リキッドガイドを追加するには、最初にページツールを選択し、次にガイドを定規から目的の位置までドラッグします。
ガイドごとのルールは、Illustrator、Fireworks および Flash の 3 スライスおよび 9 スライスの拡大・縮小と似ています。
定規ガイドをリキッドガイドに変換するには、選択ツールを選択し、ガイドのリキッドガイドに切り替えアイコンをクリックします。リキッドガイドが破線として表示され、定規ガイドは実線として表示されます。
オブジェクトごと
各オブジェクトのページ枠に対するリキッドのビヘイビアーのサイズと相対位置を、固定的または相対的に指定することができます。
- オブジェクトのバウンディングボックスまたはフレームの各辺は、対応するページ枠に対して固定するか、または可変に指定することができます。例えば、フレームの左側で左のページ枠との関係を保持することができます。
- 高さと幅は、固定するか、ページに合わせてサイズ変更することができます。
代替レイアウト
同じドキュメント内でプリントまたはデジタルパブリッシング用に異なるページサイズが必要な場合は、代替レイアウトを使用します。この機能を使用すると、各種サイズの印刷物を作成できます。また、Apple iPad や Android タブレットなどのデバイス向けに縦置きと横置きをデザインするためにも使用できます。
リキッドレイアウトと組み合わせて使用すると、新しいページサイズや方向ごとにコンテンツを再レイアウトする手間が大幅に省けます。
代替レイアウトの作成
代替レイアウトを作成するには、次のいずれかの操作を行います。
- レイアウト/代替レイアウトを作成を選択します。
- ページパネルメニューで「代替レイアウトを作成」を選択します。
代替レイアウトを作成ダイアログボックスで、次のオプションを指定します。
名前
代替レイアウトの名前を入力します。
元のソースページ
コンテンツが配置されているソースのレイアウトを選択します。
ページサイズ
代替レイアウトのページサイズを選択するか、カスタムサイズを入力します。
幅、高さ
これらのフィールドには、代替レイアウトのサイズが表示されます。自分で値を入力することもできますが、そうするとページサイズがカスタムに変更されます。
方向
代替レイアウトの方向を選択します。縦置きと横置きを切り替えると、高さと幅が更新されます。
リキッドページルール
代替レイアウトに適用するリキッドページルールを選択します。ソースページのリキッドページ適用ルールを継承する場合は、既存の設定を選択します。新しいリキッドページルールを適用するには、別のルールを選択します。
ストーリーをリンク
オブジェクトを配置し、ソースレイアウトの元のオブジェクトにリンクする場合は、このオプションを有効にします。元のオブジェクトを更新する場合は、リンクされているオブジェクトの更新を管理した方が簡単です。リンクコンテンツを参照してください。
テキストスタイルを新規スタイルグループにコピー
すべてのテキストスタイルをコピーし、新しいグループに配置する場合にこのオプションを有効にします。このオプションは、様々なレイアウト間でテキストスタイルを変更しなければならない場合に便利です。
スマートテキストのリフロー処理
このオプションを有効にすると、強制改行、その他のテキストスタイルのオーバーライドが削除されます。