ソースモニターでオーディオ波形を開くには、プロジェクトパネルまたはタイムラインパネルでオーディオクリップをダブルクリックします。
Premiere Pro ではクリップを簡単に編集できます。インポイントとアウトポイントの設定方法、タイムラインでのクリップのトリミング方法、オーディオ波形の操作方法について学習します。
インポイントとアウトポイントは、クリップまたはシーケンスの特定の部分を定義します。マーキングはクリップのインポイントとアウトポイントを設定するプロセスです。インポイントは、シーケンスに含める最初のフレームです。アウトポイントは、シーケンスに含める最後のフレームです。通常のワークフローでは、クリップのインポイントとアウトポイントはソースモニターでマークされます。
クリップのインポイントとアウトポイントを、シーケンスで編集した後に調整することをトリミングと呼びます。通常、クリップをトリミングすると、シーケンスでのクリップの再生方法が変更されます。例えば、編集内容の確認中に、クリップをマークしたときに想定していたよりも少し早く後続クリップを表示したい場合には、その問題を解決するために、Premiere Pro のトリミングツールを使用してクリップをトリミングします。
クリップは、ソースモニター、プログラムモニター、タイムラインのいずれかで編集できます。クリップのトリミングは、クリップの端をドラッグしておこなうことができます。クリップの「端」とは、クリップのインポイントまたはアウトポイントのことであり、これらは「編集ポイント」と呼びます。複数のクリップを同時に編集することができます。専用のツールを使用すれば、ポイントを簡単かつ正確にトリミングおよび編集することができます。この機能を使用すれば、シーケンスの一貫性を保ちながら、効率的にクリップの調整をおこなうことができます。
トリミングタスクには多くのキーボードショートカットを利用できますが、その一部はデフォルトでは設定されていません。ショートカットのトリミングを設定するには、編集/キーボードショートカット(Windows)またはPremiere Pro/ショートカット(Mac OS)を選択してください。
ソースモニターでのオーディオクリップの操作
ソースモニターを使用して、オーディオクリップやオーディオおよびビデオクリップからのオーディオを操作できます。オーディオ波形を表示したり、オーディオ波形をスクラブしたり、オーディオ波形をズームインおよびズームアウトしたりすることができます。
オーディオ波形の表示
ソースモニターでオーディオクリップを開くと、オーディオ波形が自動的に表示されます。複数のオーディオチャンネルが含まれるクリップをソースモニターで開くと、それらのオーディオ波形を表示できます。
オーディオトラックのスタイルをカスタマイズするには、タイムラインパネルでレンチアイコンのツール「タイムライン表示設定」をクリックします。タイムラインでオーディオを波形として表示するには、「オーディオ波形を表示」を選択します。
オーディオ波形のスクラブ
スクラブは、オーディオ波形のセグメント間で再生ヘッドをドラッグしたときに発生します。オーディオクリップ内を効率的に移動する手段です。
クリップをソースモニターで開くには、タイムラインパネルでクリップをダブルクリックします。再生ヘッドは、オーディオクリップをクリックすると表示されます。クリップ上を前後にクリックして、移動またはクリップをスクラブします。
スクラブを削除するには、編集/環境設定/オーディオを選択し、「スクラブ中にオーディオを再生」オプションの選択を解除します。
ソースモニターでのオーディオ波形のズームインまたはズームアウト
ソースモニターでオーディオ波形をズームインすると、マーカー、インポイントまたはアウトポイントの場所を正確に特定できます。
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水平方向にズームするには、ソースモニターのタイムバーの下にある水平ズームバーの一端をドラッグします。
すべてのチャンネルの波形およびタイムバーが、水平方向に拡大または縮小されます。
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垂直方向にズームするには、次のいずれかの操作をおこないます。
- 単一のチャンネルでズームインするには、垂直ズームバーの一端をドラッグします。これは、ソースモニターの右側のデシベルルーラーの横にあります。
- すべてのチャンネルで同時にズームインするには、Shift キーを押しながら垂直ズームバーの一端をドラッグします。
1 つまたはすべてのチャンネルの波形およびデシベルルーラーが、垂直方向に拡大または縮小されます。
初期設定の垂直ズームレベルへの復帰
初期設定の垂直ズームレベルに戻すには、垂直ズームバーをダブルクリックします。
以前の垂直ズームレベルへの復帰
初期設定のズームレベルに戻してから、垂直ズームバーをダブルクリックします。これで、以前のズームレベルに戻すことができます。
Apple MacBook Pro コンピューターでは、トラックパッドを使用して 2 本の指をズームスクロールバー上で垂直方向または水平方向に動かすと、オーディオ波形をズームインまたはズームアウトできます。オーディオをスクラブするには、ソースモニターのズームスクロールバー以外の場所で 2 本の指を垂直方向または水平方向に動かします。
ソースモニターでのクリップの操作
ソースモニターパネルには、クリップを操作するためのツールや手法が用意されています。これらのツールや手法を使用して、インポイントとアウトポイントを設定、移動または消去したり、再生ヘッドを任意のポイントに移動したり、フレームをその位置でプレビューしたりすることができます。
ソースモニターでのクリップの表示
クリップをソースモニターで開くには、プロジェクトパネルまたはタイムラインパネルでクリップをダブルクリックします。
ソースモニターに最近読み込んだクリップを開いて表示
ソースモニターでは、複数のクリップを同時に読み込むことができます。ただし、表示できるクリップは一度に 1 つだけです。最近読み込んだクリップは、ソースモニター上部のメニューから利用できます。シーケンス名の横にある 3 本の重なった線 をクリックし、ドロップダウンリストからクリップを選択します。または、Shift + 2 キーを使用して、ソースモニター内でクリップを順に切り替えることもできます。
ソースモニターでインポイントとアウトポイントを設定
インポイントをマークするには:再生ヘッドを目的のフレームにドラッグします。その後、インをマークボタン をクリックするか、I キーを押します。
アウトポイントをマークするには:再生ヘッドを目的のフレームにドラッグします。その後、アウトをマークボタン をクリックするか、O キーを押します。
インポイントとアウトポイントをマークした後でも、クリップをシーケンスで編集する前であればいつでも設定を変更できます。タイムルーラーでインポイントおよびアウトポイントを新しい位置にドラッグします。再生ヘッドを新しいフレームにドラッグし、インをマークボタンまたはアウトをマークボタンを使用して、新しいインポイントまたはアウトポイントを設定することもできます。
イン/アウトグリップは、インポイントとアウトポイントの間にあるテクスチャ領域(縦線が数本表示されている部分)の中央にあるアイコンです。インポイントとアウトポイントを同時に移動するには、イン/アウトグリップをクリックしたまま、ソースモニタータイムルーラー上の別の位置までドラッグします。イン/アウトグリップをクリックすると、ハンドカーソルに変わります。必ずアイコンをクリックしてドラッグしてください。アイコン以外をクリックしてドラッグすると、再生ヘッドが移動します。
インポイントとアウトポイントが同時に移動し、その間のデュレーションが一定に保たれます。
プログラムモニターまたはタイムラインパネルでも、この方法でシーケンスのインポイントとアウトポイントを移動できます。
ソースモニターでの編集ポイントの調整
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ソースモニターでインポイントとアウトポイントを設定します。
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クリップをタイムラインで編集します。
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クリップをダブルクリックして、ソースモニターに読み込みます。
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イン/アウトグリップをクリックしたまま、ソースモニタータイムルーラー上の別の位置までドラッグします。インポイントとアウトポイントの同時移動と同様です。
この方法でのインフレームとアウトフレームの表示は、 ソースモニターでシーケンスからクリップを開いている場合にのみ機能します。
インポイントまたはアウトポイントへの移動
クリップのインポイントまたはアウトポイントに移動するにはソースモニターを使用し、シーケンスのインポイントまたはアウトポイントに移動するにはプログラムモニターを使用します。
次のいずれかの操作をおこないます。
- 現在の時間をインポイントに移動するには、インポイントへ移動ボタン をクリックします。
- 現在の時間をアウトポイントに移動するには、アウトポイントへ移動ボタン をクリックします。
前の編集ポイントまたは次の編集ポイントへの移動
「次の編集ポイントへ移動」コマンドに対しては Shift + 下向き矢印キーを、「前の編集ポイントへ移動」コマンドに対しては Shift + 上向き矢印キーを使用できます。このコマンドは、トラックを選択しているかどうかにかかわらず、すべてのトラックに作用します。
タイムライン内で任意のターゲットトラックの次の編集ポイントに移動するには、次の編集ポイントへ移動ボタン をクリックします。任意のターゲットトラックの前の編集ポイントに移動するには、前の編集ポイントへ移動ボタン をクリックします。
次の編集ポイントへ移動ボタンと前の編集ポイントへ移動ボタンはデフォルトでは表示されません。これらのボタンはボタンエディターにあります。ボタンエディターはソースモニターの右下隅にあります。
ソースクリップのインポイントまたは アウトポイントの削除
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クリップをソースモニターに表示するには、プロジェクトパネルでクリップをダブルクリックします。
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次の 3 つのコマンドのいずれかを使用します。
- マーカー/インを消去
- マーカー/アウトを消去
- マーカー/インとアウトを消去
タイムラインクリップインスタンスはソースクリップではありません。ソースモニターに読み込まれているタイムラインクリップからインポイントやアウトポイントを削除することはできません。
タイムラインのトリミング
トリミングツールとキーボードショートカットを併用して編集ポイントを選択および調整して、タイムラインでクリップを簡単にトリミングできます。
タイムラインのトリミング方法を使用する前に、まずタイムラインでクリップの編集ポイントを選択することが重要です。編集ポイントは、マウスでクリックするか、キーボードショートカットを使用して選択できます。
マウスでの編集ポイントの選択
タイムライン上で編集ポイントを選択するには、マウスでクリックして再生ヘッドの位置を設定します。
選択ツールはタイムラインのデフォルトツールです。選択ツールで編集ポイントをクリックすると、どちら側の編集ポイントを選択したのかに応じて、編集ポイントがトリミングインまたはトリミングアウトとして選択されます。トリミングインポイントまたはトリミングアウトポイントを移動することは、通常編集と呼ばれます。
リップル編集ツールでは、編集によって生じたスペースが削除され、トリミングしたクリップの左または右で加えたすべての編集が保持されます。リップル編集ツールで編集ポイントをクリックすると、クリックした編集ポイントの側に応じて、リップルインまたはリップルアウトの編集ポイントが選択されます。リップルツールで Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押しながら編集ポイントをクリックすると、カーソルにローリングツールが表示されます。
ローリング編集ツールは、2 つのクリップの合計デュレーションを維持したまま、一方のクリップのインポイントともう一方のクリップのアウトポイントを同時にトリミングします。ローリングツールで編集ポイントをクリックすると、編集ポイントの両方の側が選択されます。
マウスを使用する場合は、トラックのターゲット設定が編集ポイントの選択に影響を及ぼすことはありません。マウスで編集ポイントをクリックしてその後離すと編集ポイントが選択されます。それに対して、マウスでドラッグすると、編集ポイントの選択とトリミングが同時に実行されます。
トリミングツールでの修飾キーの使用
- Alt 修飾キー(Windows)または Option 修飾キー(Mac OS)を使用すると、通常のリンククリップ選択を上書きできます。リンククリップ選択では 1 つのクリップのみ選択されます。この方法は、スプリット編集(L カットまたは J カット)の設定に便利です。
- Shift 修飾キーは、現在の選択項目に他の編集ポイントを追加するか、現在の選択項目から他の編集ポイントを削除するために使用します。
Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)と Shift キーを組み合わせて、リンククリップの選択を無視し、現在の選択項目に他の編集ポイントを追加したり、現在の選択項目から他の編集ポイントを削除したりすることができます。 - 編集/環境設定/トリミング(Windows)またはPremiere Pro/環境設定/トリミング(Mac OS)を選択し、「選択ツールで修飾キーを使用せずにロールおよびリップルツールを使用可能にする」を設定します。この設定によって、選択ツールで Ctrl キーを押しながらクリック(Windows)または Command キーを押しながらクリック(Mac OS)するときの修飾キーの動作が変更されます。この環境設定をオンすると、修飾キーの効果が逆になります。
タイムラインのギャップのトリミング
クリップ間にある空のギャップの編集ポイントを選択し、タイムラインのトリミングをおこなう各種コマンドを実行できます。
- 通常のトリミング:編集ポイントのクリップ側を逆方向に選択する場合と同じ動作となります。例えば、空のギャップの右側で「トリミングアウトとして選択」を選択する操作と、隣接するクリップの「トリミングインとして選択」を選択する操作の結果は同じです。
- ローリングトリミング:編集ポイントの一方が空のギャップの場合、通常のトリミングと同じ動作となります。
- リップルトリミング:ギャップをトリミングすると、編集ポイントが移動し、後続のすべてのクリップがその分だけ移動します。ギャップのトリミングには、別の位置にある隣接するクリップも含まれますが、そのクリップのインポイントは同じ位置に残ります。
環境設定ダイアログボックス(編集/環境設定/トリミング)の「トリムポイントをオーバーラップしているクリップをリップルトリミング中にシフト」チェックボックスをオンにすると、リップル削除中に重複するトラック項目が移動されます。
トリミングタイプに関するコンテキストメニュー
編集ポイントを右クリックして、編集ポイントを選択(または既存の編集ポイントのトリミングタイプを変更)することができます。コンテキストメニューから次のいずれかの項目を選択します。
1 トラックに 2 つ以上の編集ポイントを含むように、編集ポイントを複数選択することができます。トリミングツールで Shift キーを使用すると、追加する編集ポイントを選択できます。ドラッグして複数の編集ポイントを選択することもできます。複数の編集ポイントを選択するには、リップルツールで複数のクリップのグループをドラッグします。
クリックした編集ポイントの他に選択中の編集ポイントがある場合、すべての編集ポイントのタイプが選択したタイプに変更されます。デフォルトのトランジションを適用メニュー項目では、現在のデフォルトのビデオおよびオーディオのトランジションが、選択中のそれぞれの編集ポイントの位置に適用されます。
編集ポイント選択のキーボードショートカット
再生ヘッドの位置とトラックターゲットを使用して編集ポイントを選択するためのキーボードショートカットがあります。詳しくは、Premiere Pro のキーボードショートカットを参照してください。
マウスで選択する場合とは異なり、リンククリップ上の編集ポイントは、リンククリップの配置先のトラックもターゲットとして選択されていない限り、自動的には選択されません。
キーボードショートカットダイアログボックスでは「最も近い編集ポイントを選択」ショートカットをトリムの種類ごとに 1 つずつ、全部で 5 つ選択できます。
- 最も近い編集ポイントをリップルインとして選択
- 最も近い編集ポイントをリップルアウトとして選択
- 最も近い編集ポイントをトリミングインとして選択
- 最も近い編集ポイントをトリミングアウトとして選択
- 最も近い編集ポイントをロールとして選択
再生ヘッドが編集ポイントの位置にない場合、前後の最も近い編集ポイントに移動します。次に、すべてのターゲットトラック上で再生ヘッドの位置にある編集ポイントが、現在の編集ポイントの選択項目に追加されます。その際に、それぞれのショートカットに対応するトリミングタイプが使用されます。ショートカットで新しい選択を始める前に、「すべてを選択解除」のメニュー項目(またはショートカット)を使用して、編集ポイントの選択を解除できます。
再生ヘッドをターゲットトラック上の最も近い編集ポイントに移動します。ターゲットトラック上の再生ヘッドの位置で編集ポイントが選択され、前の選択項目と同じトリミングタイプが使用されます。アクティブな編集ポイントが選択されていない場合、これらのショートカットでは再生ヘッドの移動のみが実行されます。
トリミングモードでは、トリミングモードを終了せず、編集ポイントを選択したままの状態で、同じショートカットを使用して次の編集ポイントと前の編集ポイントに移動することができます。
再生ヘッドを別の選択中の編集ポイントに移動します。ただし、ターゲットトラックだけではなく、すべてのトラックが対象となります。再生ヘッドが移動しますが、編集ポイントは移動しません。このショートカットを使用すると、トリミングモードが終了します。
現在選択中の編集ポイントで、トリミングタイプを切り替えます。トリミングタイプが、現在のタイプから次のタイプに変更されます。
タイムラインのトリミングの実行
タイムラインでのトリミングは、3 種類の方法で実行できます。
- 編集ポイントをマウスで選択して、新しい位置にドラッグすることができます。
- キーボードショートカットを使用して、選択中のすべての編集ポイントを、1 つまたは複数のフレーム分だけ右か左にトリミングできます。
- テンキーパッドの「+」、「-」、Enter キーを使用すると、選択したすべての編集ポイントを前後にトリミングできます。
テンキーパッドを使用してトリミングするフレーム数を入力する場合、正の数値を入力するときは「+」記号を入力する必要はありません。
キーボードショートカットと + キーまたは ‐ キーのテンキーパッド項目は、プログラムモニターのトリミングモードでも使用できます。さらに、プログラムモニターのビデオ表示など、トリミングモードでトリミングを実行するために使用できる様々なボタンやその他のユーザーインターフェイス項目もあります。トリミングモードでの操作を参照してください。
クリップをトリミングできる長さは、同じトラック内の別のクリップまでです。クリップ内のメディアのデュレーションよりも長いトリミングを実行することはできません。複数のトラックをトリミングする場合は、トリミングできる長さは同じトラック内の別のクリップまでか、グループ内で最も短いクリップのデュレーションの長さまでです。
リップルトリミングを実行すると、異なるトラック上のクリップの同期状態が解除される場合があります。リップルトリミング中にシフトするトラックを制限するには、トラック上で「同期ロックを切り替え」または「トラックのロック切り替え」を実行します。同期状態が失われたことは、クリップヘッダーだけではなく、タイムライン内のクリップの表示部分でも示されます。ズームインやスクロールによってヘッダーが非表示になっても、クリップでリンクされた部分との同期状態が失われたことを確認できます。
マウスでのドラッグによるトリミング
1 つまたは複数の編集ポイントを選択した後、タイムライン内で選択中の編集ポイントをドラッグするだけでトリミングを実行できます。ドラッグ中は、ドラッグを始める際にクリックした編集ポイントに基づいた、適切なトリミングタイプに合わせてカーソルが変化します。
スナップボタンがオンの場合にタイムライン内でマウスを使用して編集ポイントをドラッグすると、トリミングが別の編集ポイント、マーカーおよび再生ヘッドにスナップされます。スナップのオン/オフを切り替えるには、キーボードショートカット S キーを使用します。
キーボードショートカットを使用したトリミング
次のキーボードショートカットは、トリミングモードを開始していなくても、選択中のアクティブな編集ポイントがある場合にトリミングを実行します。すべての長さでトリミングを実行できない場合は、可能な長さでのトリミングが実行されます。その際、ツールヒントに、メディアのデュレーションや最小デュレーションによってトリミングがブロックまたは制限されたことが示されます。
「1 フレームマイナストリミング」と「1 フレームプラストリミング」
指定した方向に、編集ポイントを 1 フレーム分だけ(順方向の場合は右に、逆方向の場合は左に)移動します。
「指定した値でマイナストリミング」と「指定した値でプラストリミング」
編集ポイントを 5 フレーム分、または環境設定のトリムオフセット値で設定したフレーム分だけ移動します。トリムオフセット値を変更するには、編集/環境設定/トリミング(Windows)またはPremiere Pro/環境設定/トリミング(Mac OS)を選択し、トリムオフセット値の新しいフレーム数を入力します。
選択した編集点を再生ヘッドまで変更
再生ヘッドに最も近い編集ポイントを選択し、それを再生ヘッドの位置に移動します。ローリング編集とほぼ同様です。
「前の編集ポイントを再生ヘッドまで変更」と「次の編集ポイントを再生ヘッドまで変更」は引き続き使用できます。これらは、ターゲットトラック上のクリップに対して実行され、アクティブな編集ポイントが選択されている必要はありません。
「前の編集ポイントを再生ヘッドまでリップルトリミング」と「次の編集ポイントを再生ヘッドまでリップルトリミング」
前の編集ポイントまたは次の編集ポイントを再生ヘッドまでリップルトリミングします。再生ヘッドまでリップルトリミングする場合、編集ポイントを選択する必要はありません。「抽出」コマンドと同様、再生ヘッドまでリップルトリミングしても、他のロックされているトラックや同期ロックされていないトラックのクリップには影響はありませんが、それ以外のトラックの領域ではリップルが削除されます。シーケンスのインポイントとアウトポイントに影響はありません。
クリップの最初または最後で再生ヘッドへのリップルトリミングは、編集用語で「天地」とも呼ばれます。
テンキーパッド項目を使用したトリミング
トリミングモードを開始していなくても、選択中のアクティブな編集ポイントがある場合に、テンキーパッドを使用して数値オフセットを指定できます。タイムラインがアクティブの場合、左側にある現在のタイムコードインジケーターがテキストボックスとなり、テンキーパッドで入力した数値が示されます。「+」キーは、トリミングを右に移動します(時間を進めます)。「+」キーを省略して数値を入力することもできます。「‐」キーは、トリミングを左に移動します(時間を戻します)。数値オフセットは通常、少ないフレーム数を示すので、1 ~ 99 の数値はフレームとして扱われます。タイムコードを指定する場合は、テンキーパッドのピリオドキー(「.」キー)でタイムコード入力の「分:秒:フレーム」の各部分を区切ります。テンキーパッドの Enter キーを押すと、現在選択中のすべての編集ポイントでトリミングを実行します。
プログラムモニターがトリミングモードのときには、テンキーパッドを使用して、プログラムモニターがアクティブの場合にトリミングを実行できます。
選択ツールを使用したトリミング
クリップのインポイントまたはアウトポイントを変更するには、タイムパネルで選択ツールを使用して編集ポイントをドラッグします。クリップの端をドラッグすると、プログラムモニターにそのクリップのインポイントとアウトポイントが表示されます。また、トリミングするフレーム数がツールヒントに表示されます。表示される値は、端をシーケンスの先頭に向かってドラッグしているときには負の値に、シーケンスの最後に向かってドラッグしているときには正の値になります。ソースフッテージのオリジナルのインポイントとアウトポイントを超えてトリミングすることはできません。
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選択ツールをクリックして、次のいずれかの操作を行います。
- クリップの先頭(左端)にポインターを合わせて、トリムアイコン に変わったら、ドラッグ操作でクリップのインポイントを設定します。
- クリップの最後部(右端)にポインターを合わせて、トリムアイコン に変わったら、ドラッグ操作でクリップのアウトポイントを設定します。
- この方法でトリミングをおこなった場合、1 つのクリップの編集ポイントだけが変更され、隣接するクリップには影響しません。選択ツールでトリミングすると、タイムライン内にギャップが残ります。複数の編集ポイントを一度にトリミングする方法や、隣接するクリップを移動する方法について詳しくは、タイムラインでのリップル編集とローリング編集およびスリップ編集とスライド編集を参照してください。
注意:リンククリップの片方のトラックだけをトリミングするには、ポインターをトリミングアイコンに変えて、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらクリックします。1 つのクリップが選択されます。トリミング操作を開始した後は、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押し続ける必要はありません。
再生ヘッドを使用したトリミング
シーケンス内のクリップを、再生ヘッドの位置までトリミングすることができます。ただし、そのためにはまず、次のキーボードショートカットを設定する必要があります。
- インポイントから再生ヘッドまでトリミング
- アウトポイントから再生ヘッドまでトリミング
- 最も近い編集ポイントをトリミングインとして選択
- 最も近い編集ポイントをトリミングアウトとして選択
トリミングのキーボードショートカットを設定するには、キーボードショートカットのカスタマイズと読み込みを参照してください。
Premiere Pro では、リップル編集とローリング編集は、タイムラインのトラックに対して直接おこなうか、トリミングモードを使用しておこなうことができます。
リップル編集とローリング編集について
2 つのクリップ間の編集ポイント(カット)を調整する場合は、トリミング操作の応用機能であるリップル編集とローリング編集を使用します。これらの編集ツールを使用することで、通常のツールでは複数の手順が必要となる調整も 1 つの操作でおこなうことができます。トリミングツールを使用したリップル編集とローリング編集では、影響を受けるフレームがプログラムモニターに左右に並んで表示されます。リップル編集またはローリング編集で編集ポイントを選択して、クリップをトリミングします。
ローリング編集
ローリング編集ツールは、2 つのクリップの合計デュレーションを変更せずに、一方のクリップのインポイントともう一方のクリップのアウトポイントをトリミングします。ローリングツールで編集ポイントをクリックすると、編集ポイントの両方の側が選択されます。
リンクしたクリップの 1 トラックのみをトリミングするには、スプリット編集(L カットまたは J カット)を実行するときに、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押します。
リップル編集
リップル編集ツールは、編集によって生じたギャップを埋め、トリミングしたクリップの左側または右側のすべての編集を保持します。リップル編集ツールで編集ポイントをクリックすると、クリックした編集ポイントの側に応じて、リップルインまたはリップルアウトの編集ポイントが選択されます。リップル編集ツールで Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押しながら編集ポイントをクリックすると、カーソルにローリング編集ツールが表示されます。
リンククリップの 1 トラックのみトリミングするには、スプリット編集(L カットまたは J カット)を実行するときに、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押します。
ローリングツールを使用したローリング編集
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ローリング編集ツールを選択します。
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タイムラインパネルで、変更するクリップの端を左または右にドラッグします。クリップに追加したのと同じ数のフレームが隣接するクリップから削除されます。リンクしているビデオクリップとオーディオクリップのどちらか一方だけを操作する場合は、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。
再生ヘッドを使用したローリング編集(編集の拡張)
シーケンスにギャップを残さずに、シーケンス内のクリップのインポイントまたはアウトポイントを再生ヘッドの位置へ移動することができます。このような編集のことを、「編集を拡張する」または「拡張編集コマンドを使用する」ともいいます。
再生ヘッドへのローリング編集(編集の拡張)
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トリミングするクリップを含むトラックを指しているトラックヘッダーをクリックします。
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シーケンス内で再生ヘッドをドラッグして、クリップのインポイントまたはアウトポイントを移動させたい位置に配置します。
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ローリングツールをクリックし、編集ポイントを選択します。
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シーケンス/選択した編集点を再生ヘッドまで変更を選択するか、E キーを押します。
再生ヘッドの位置まで拡張するのに十分なメディアがない場合、Premiere Pro は使用できるメディアの最後までクリップを拡張します。
リップル編集ツールを使用したリップル編集
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リップル編集ツールを選択します。
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タイムラインパネルで、変更するクリップのインポイントまたはアウトポイントにポインターを移動し、ポインターがリップルインアイコン またはリップルアウトアイコン に変わるまで待ちます。左または右にドラッグします。トラック内の後続のクリップはドラッグした分だけ移動しますが、各クリップのデュレーションは変わりません。
注意:選択ツール使用時、Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押すと、 トリムインまたはトリムアウトのアイコンからリップル編集のアイコンに切り替わります。 Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を放すと、選択ツールに戻ります。
リップル編集とローリング編集を使用して 2 つクリップ間の編集ポイント(カット)を調整できるのと同様に、スリップ編集とスライド編集を使用して、3 つのクリップで構成されているシーケンスの 2 つの編集ポイントを調整できます。スリップツールまたはスライドツールを使用すると、プログラムモニターには編集対象の 4 つのフレームが表示されます。ただし、オーディオクリップだけを編集している場合は、このようには表示されません。
スリップツールとスライドツールは通常、隣接する 3 つのクリップの中央に使用されますが、 各ツールは、クリップが一方のクリップに隣接し、 もう一方のクリップに空白がある場合でも正常に機能します。
スリップ編集
スリップ編集では、1 回の動作でクリップのインポイントとアウトポイントが同じフレーム数だけ前後に移動します。スリップツールでドラッグすることで、クリップのデュレーションを維持しながら、隣接するクリップに影響を与えずにクリップの開始フレームと終了フレームを変更できます。
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スリップツール を選択します。
-
調整するクリップにポインターを移動します。 クリップのインポイントとアウトポイントを後ろに移動するには、左にドラッグします。 反対に、前に移動するには、右にドラッグします。
クリップのソースのインポイントとアウトポイントが更新され、 結果がプログラムモニターに表示されます。 クリップとシーケンスのデュレーションは維持されます。
クリップをスリップするキーボードショートカット
キーボードショートカットを使用して、タイムラインでクリップをスリップできます。クリップをスリップするには、1 つのクリップ(または複数のクリップ)を選択し、次のキーボードショートカットのいずれかを使用します。
アクション |
キーボードショートカット |
---|---|
選択したクリップを左に 5 フレームスリップ |
Windows:Ctrl + Alt + Shift + 左向き矢印 Mac:Option + Shift + Command + 左向き矢印 |
選択したクリップを左に 1 フレームスリップ |
Windows:Alt + Shift + 左向き矢印 Mac:Option + Command + 左向き矢印 |
選択したクリップを右に 5 フレームスリップ |
Windows:Ctrl + Alt + Shift + 右向き矢印 Mac:Option + Shift + Command + 右向き矢印 |
選択したクリップを右に 1 フレームスリップ |
Windows:Alt + Shift + 右向き矢印 Mac:Option + Command + 右向き矢印 |
キーボードショートカットを使用してスリップ編集をおこなうときは、スリップするクリップに再生ヘッドを置いて、スリップ編集の実行がわかるようにすると便利です。この方法を使用すると、ビデオアクションとオーディオキューを揃えることができます。
スライド編集
スライド編集では、クリップの時間を移動すると、 移動した分だけ隣接するクリップがトリミングされます。スライドツールでクリップを左または 右にドラッグすると、前のクリップのアウトポイントと 後続のクリップのインポイントは、移動したフレーム数だけ それぞれ左右に移動します。クリップのインポイントとアウトポイント(つまり、 クリップのデュレーション)は変わりません。
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スライドツール を選択します。
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調整するクリップにポインターを移動します。 左にドラッグすると、 前のクリップのアウトポイントと後ろのクリップのインポイントが早い時間に移動します。右にドラッグすると、 前のクリップのアウトポイントと後ろのクリップのインポイントが遅い時間に移動します。
マウスを放すと、クリップとシーケンスのデュレーションがそのまま維持された状態で、クリップのソースのインポイントとアウトポイントが更新されます。編集の結果はプログラムモニターに表示されます。移動したクリップは、シーケンスでの位置以外は変更されません。
クリップをスライドするキーボードショートカット
キーボードショートカットを使用して、タイムラインでクリップをスライドできます。キーボードショートカットを使用してクリップをスライドするには、1 つのクリップ(または複数のクリップ)を選択し、次のキーボードショートカットのいずれかを使用します。
アクション |
キーボードショートカット |
---|---|
選択したクリップを左に 5 フレームスライド |
Windows:Alt + Shift + コンマ(,) Mac:Option + Shift + コンマ(,) |
選択したクリップを左に 1 フレームスライド |
Windows:Alt + コンマ(,) Mac:Option + コンマ(,) |
選択したクリップを右に 5 フレームスライド |
Windows:Alt + Shift + ピリオド(.) Mac:Option + Shift + ピリオド(.) |
選択したクリップを右に 1 フレームスライド |
Windows:Alt + ピリオド(.) Mac:Option + ピリオド(.) |
クリップの移動
クリップをタイムラインで一度に 1 フレーム、または大きいフレームオフセットで前後に移動できます。このコマンドは、「移動」と呼ばれます。クリップを移動すると、そのクリップをタイムラインで前後に移動することになります。移動しているクリップが別のクリップの隣にある場合は、移動すると移動しただけクリップが上書きされます。
クリップを移動するには、1 つのクリップまたは複数のクリップを選択し、次のキーボードショートカットのいずれかを使用します。
アクション |
キーボードショートカット |
---|---|
選択したクリップを左に 5 フレーム移動 |
Alt+Shift+左向き矢印キー(Windows) |
選択したクリップを左に 1 フレーム移動 |
Alt+左向き矢印キー(Windows) |
選択したクリップを右に 5 フレーム移動 |
Alt+Shift+右向き矢印キー(Windows) |
選択したクリップを右に 1 フレーム移動 |
Alt+右向き矢印キー(Windows) |
スプリット編集
スプリット編集をおこなうには、シーケンス内で連続するクリップのビデオとオーディオのリンクを解除して、ビデオとは別にそれぞれのオーディオをトリミングして、一方のビデオがもう一方のオーディオと重なるように配置します。通常、ローリング編集(編集の拡張)はこの操作のために使用します。
リンククリップの 1 トラックのみトリミングするには、スプリット編集(L カットまたは J カット)を実行するときに、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押します。
トリミングモードは、プログラムモニターが特殊なトリミングモード設定中にある状態です。特定のキーボードショートカット、ボタンのクリックおよび J、K、L キーを使用した再生で、リップル編集やローリング編集などのトリミングを実行します。これらの動作が、動的トリミングのすべてです。トリミングモードは編集の微調整に最適です。トリミングモードを使用するときは、編集をループ再生しながら編集ポイントからフレームを加減して、動的な方法でトリミングします。
編集を調整するためにトリミングモードでループ再生する必要はありません。再生を一時停止してボタンをクリックし(またはキーボードショートカット J、K、L を使用し)、その後ループ処理を再開することもできます。トリミングモードは、会話の調整や追いかけるシーンの速度変更、スプリット編集などの操作のために使用します。
トリミングモードのインターフェイス
プログラムモニターでは、トリミングモードを開始すると一部のボタンやユーザーインターフェイスが切り替わって、シンプルな 2 段画面が表示されます。トリミングモードを終了すると、標準のプログラムモニター設定に戻ります。
プログラムモニター内では、ビデオが 2 段構成の画面で表示され、一時的に 1 つのビデオ表示で左右の両側が拡張されます。トリミングボタンと移動カウンターがビデオのすぐ下に配置されます。シーケンスのすべてのビデオトラックが合成され、再生中に聞こえるオーディオは、シーケンスのオーディオトラックをすべてミックスしたものになります。再生中は再生ヘッドがタイムライン内をループするので、再生中の時間範囲を確認することができます。
A. 先行編集ポイント B. 後続編集ポイント C. トリミングタイプインジケーター D. アウト移動カウンター E. 5 フレームマイナストリミング F. 1 フレームマイナストリミング G. 選択項目にディフォルトのトランジションを適用 H. 1 フレームプラストリミング I. 5 フレームプラストリミング J. イン移動カウンター
トリミングモードの開始
トリミングモードに入る前に、タイムラインでトリミングツールを使用して編集ポイントを 1 つまたは複数選択しておくことをお勧めします。トリミングモードに入っても、これらの選択した編集ポイントはそのままです。事前に編集ポイントを選択しておかなくてもトリミングモードに入ることもできます。
トリミングモードを開始するには、次のいずれかの操作をおこないます。
- シーケンス/トリミング編集を選択します(または Shift + T キーを押します)。
選択中のアクティブな編集ポイントがある場合、再生ヘッドは選択中の最も近い編集ポイントの位置に移動します。編集ポイントが選択されていない場合、再生ヘッドは自動的に、ターゲットトラック上の最も近い編集ポイントの位置に移動します。現在アクティブなツールにかかわらず、ターゲットトラック上にある、トリミングタイプが「ローリング編集」に設定されている編集ポイントが選択されます。プログラムモニターで既にトリミングモードを開始している場合、Shift + T キーを押すと、トリミングモードが切り替えられて終了します。
- ツールパネルに表示される選択ツール、リップルツールまたはローリングツールで、編集ポイントをダブルクリックします。
- リップルツールまたはローリングツールで 1 つまたは複数の編集ポイントをドラッグして選択または Shift キーを押しながら選択すると、再生ヘッドが選択中の最も近い編集ポイントの位置に移動し、プログラムモニターがそのツールと同じトリミングタイプのトリミングモードに設定されます。
これで、トリミングモードでクリップをトリミングできるようになりました。トリミングを開始する方法には、トリミングの確認を参照してください。
既に選択されている編集ポイントをダブルクリックするときは、必ず、最初にその編集ポイントを選択したものと同じツールと同じ修飾キーを使用してください。最初のクリックによって、標準の選択ルールに基づいて編集ポイントが再選択されるからです。プログラムモニターが自動的にトリミングモードで表示されます。
タイムライン内で、同じシーケンス内の他の編集ポイントを追加で選択する場合は、トリミングモードが続きます。また、タイムラインでズームインやズームアウト、スクロール、トラックの高さの変更などの変更をおこない、そのままトリミングモードを継続することもできます。既にトリミングモードである場合、「次の編集ポイントへ移動」および「前の編集ポイントへ移動」のキーボードショートカットを使用して新しい編集ポイントを選択し、そのままトリミングモードを継続することができます。トリミングモードでない場合、これらのショートカットを使用すると編集ポイントは選択されず、再生ヘッドが移動します。
トリミングモードを終了する方法については、トリミングモードの終了を参照してください。
編集ポイントの選択がアクティブなままでありトリミングモードを開始している状態で、現在適用されているトリミングを確認するには、再生ボタンまたはスペースバーを押します。現在選択中の編集ポイントでのループ再生が実行されます。最初の編集ポイントよりも指定したプリロール時間だけ前の位置から再生し、最後の編集ポイントよりも指定したポストロール時間分だけ後の位置で終了します。プリローリングおよびポストローリング設定は、編集/環境設定/再生(Windows)または Premiere Pro/環境設定/再生(Mac OS)で設定します。
再生を停止するには、もう一度再生ボタンまたはキーボードショートカットを押します。選択中の編集ポイントのうち、停止位置に最も近いところに再生ヘッドが移動します。
編集ポイント全体を選択するのではなく、再生ヘッドの位置を中心にループ再生するには、編集/環境設定/トリミング (Windows)、または Premiere Pro/環境設定/トリミング (macOS)で、トリミングモニターのループ再生を再生ヘッドの位置に決めるを有効にします。
J、K、L キーを使用した動的トリミング
トリミングモードでは、シャトル用の 3 つのキーボードショートカット(J、K、L キー)を組み合わせて使用して、クリップを再生し、再生の停止時に再生ヘッドの位置に基づいたトリミングを実行することができます。キーボードショートカットを使用したシャトルについて詳しくは、J、K、L キーを使用したビデオのシャトルを参照してください。
再生ヘッドの位置にある編集ポイントのタイプによって、どちら側が再生されるかが決まります。リップルアウトまたはトリミングアウトの場合は、左側のビューが再生されます。リップルインおよびトリミングインの場合は、右側のビューが再生されます。ローリング編集では、両側が再生されます。
トリミングについてのメディアの限界に達した場合(最初または最後の部分がそれ以上ない場合)、再生は一時停止しますが、再生を明示的に停止するまでは、トリミングが実行されません。この手法によって、トリミングの対象とするフレームが見つかるまで、反対方向への再生、1 ステップ再生またはシャトルを実行できます。
J、K、L キーのショートカットを使用して、一度に 1 フレームずつフッテージを動的にトリミングできます。まず編集ポイントを選択し、K キーを押し、次に J キーまたは L キーを押します。
トリミングモードでのトリムの調整
再生ボタン(ループ再生を開始するボタン)を使用してトリミングモードで再生中に、ボタンやキーボードショートカットを使用して、選択中の編集ポイントをさらに調整することができます。フッテージがループ再生されるたびに、ボタンをクリックするかショートカットを押してトリミングを変更できます。トリミングを実行するたびに、すぐにシーケンスに反映されます。編集ポイントはタイムラインで更新されますが、その結果の変更内容は、次のループでのプログラムモニターのみに表示されます。トリミングの結果に満足できるまで調整を続け、編集内容を確認します。
「次の編集ポイントへ移動」または「前の編集ポイントへ移動」ショートカット(上向き矢印および下向き矢印キー)を使用して、次の編集ポイントのトリミングに移動するか、完了した場合は再生を停止します。
トリミングの調整は次の方法でおこないます。
- 1 フレームプラストリミングボタンと 1 フレームマイナストリミングボタンを使用して、一度に 1 フレーム分だけトリミングします。1 フレームプラストリミングまたはマイナストリミングするキーボードショートカットは次のとおりです。
- Ctrl + 左向き矢印を押すと、マイナストリミングします。Ctrl + 右矢印を押すと、プラストリミングします(Windows)。
- Option + 左矢印を押すと、マイナストリミングします。Option + 右向き矢印を押すと、プラストリミングします(Mac OS)。
- 指定した値でプラストリミングボタンと指定した値でマイナストリミングボタンを使用して、一度に指定したフレーム分だけトリミングします。複数フレームプラストリミングまたはマイナストリミングするキーボードショートカットは次のとおりです。
- Ctrl + Shift + 左向き矢印を押すと、マイナストリミングします。Ctrl + Shift + 右矢印を押すと、プラストリミングします(Windows)。
- Option + Shift + 左矢印を押すと、マイナストリミングします。Option + Shift + 右矢印を押すと、プラストリミングします(Mac OS)。
- テンキーパッドの「+」キーまたは「‐」キーのオフセット項目を使用して、指定した数値オフセット分だけトリミングします。
- 選択項目にデフォルトのトランジションを適用ボタンを使用して、デフォルトのオーディオおよびビデオのトランジションを編集ポイントに追加します。
- 編集/取り消しおよびやり直しの各メニューコマンドまたはショートカットを使用して、再生中にトリミングを変更することもできます。
通常の編集ワークフローでは、最初にインサート編集と上書き編集を使用してシーケンスを組み立てます。次に、トリミングモードでショートカットを使用して、ある編集ポイントから次の編集ポイントに移動してトリミングを調整します。
トリミングモードでのトリミングツール
トリミングモードのインターフェイス内で、再生が一時停止しているときに、選択ツールなどのトリミングツールを使用してクリップの範囲をドラッグし、トリミングを実行します。いずれかのクリップの上にドラッグすると、リップルトリミングが実行されます。2 つのクリップの間にドラッグすると、ローリングトリミングが実行されます。先行クリップで Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押しながら選択ツールでドラッグすると、編集ポイントのその側で通常トリミングが実行されます。後続クリップで同じ修飾キーを押しながらドラッグすると、編集ポイントのその側で通常トリミングが実行されます。
編集ポイントでトリミングモードでのクリップのドラッグ操作は、タイムラインでのトリミングツールによるドラッグ操作と同様です。左へドラッグするとマイナストリミング、右へドラッグするとプラストリミングが行われます。
トリミングモードでは、少なくとも 1 つの編集ポイントが選択され、かつ、再生ヘッドが選択中の編集ポイントのいずれかの位置にある必要があります。編集ポイントの選択を消去する操作や、再生ヘッドを編集ポイントから離す操作を実行すると、トリミングモードが終了します。
トリミングモードを終了するには、次のいずれかの操作をおこないます。
- タイムラインをクリックします。
- シーケンス/トリミング編集メニューコマンドを使用するか、Shift + T キーを押します。
- メニュー項目、キーボードショートカットまたはワークスペースのパネル操作でプログラムモニターを閉じます。
- 再生ヘッドをスクラブするか、タイムラインまたはプログラムモニターに用意されているその他のナビゲーションコマンド(「次のフレーム」や「前のフレーム」などの選択中の編集ポイントから移動するもの)を使用します。
- タイムラインでクリップを選択するかドラッグします。または、その他のオブジェクトを選択するか変更します。
- 他のシーケンスにフォーカスを切り替えます。
トリミングモードのキーボードショートカット
- 「再生 / 停止」キーボードショートカットは、再生を開始または停止します。このショートカットは、トリミングモードで使用でき、デフォルト値はスペースバーです。
- 「1 フレームプラストリミング」と「1 フレームマイナストリミング」のショートカットは、一度に 1 フレーム分だけトリミングする目的で使用します。
- 「指定した値でプラストリミング」と「指定した値でマイナストリミング」のショートカットは、一度に「トリムオフセット値」(デフォルトは 5 フレーム)のフレーム分だけトリミングする目的で使用します。「トリムオフセット値」の値は、編集/環境設定/トリミング(Windows)、または Premiere Pro/環境設定/トリミング(Mac OS)で変更できます。
トリミングとヒストリーパネル
ヒストリーパネルは、キーボードの使用、ボタンのクリック、J、K、L キーのショートカットの使用などの、それぞれのトリミング調整作業を個別のエントリとして表示するものです。トリミングモードを開始または終了してもヒストリーパネル内のエントリは変化しません。そのため、どのトリミングモードのセッションでおこなったトリミングの調整でも、1 回以上取り消すことができます。
トリミングモードでのスリップおよびスライド編集
1 つのトラック上で 2 つ以上のトリミング編集ポイントを選択できるので、同じトラック上にある相対する 2 つのリップル編集ポイントを選択してスリップ編集とスライド編集を設定することが可能です。編集ポイントの設定後、キーボードショートカットを使用して、タイムラインまたはトリミングモードでトリミングを実行できます。編集ポイントを Shift キーを押しながら選択して、同時に複数のクリップをスリップおよびスライドすることもできます。
トリミングモードでのスリップ編集
スリップツールを使用したスリップ編集について詳しくは、スリップ編集を参照してください。
キーボードショートカットでスリップ編集をおこなうには、次の操作をおこないます。
-
リップルツールを選択します。
-
クリップのインポイントおよびアウトポイントにある編集ポイントをクリックします。「リップルイン」を選択し、次に Shift キーを押しながら「リップルアウト」を選択します。
-
Shift + T キーを押してトリミングモードを開始します。
-
ループ再生中にスリップ編集を実行します。
このテクニックはタイムラインでも使用できます。「1 フレームプラストリミング」または「1 フレームマイナストリミング」のキーボードショートカットを押すか、テンキーパッドを使用します。
トリミングモードでのスライド編集
スライドツールを使用したスライド編集について詳しくは、スライド編集を参照してください。
トリミングモードで編集をスライドするには、次の操作をおこないます。
-
リップルツールを選択します。
-
クリップのインポイントおよびアウトポイントにある編集ポイントをクリックします。インポイントを「リップルアウト」、次に Shift キーを押しながらアウトポイントを「リップルイン」で選択します。
-
Shift + T キーを押してトリミングモードを開始します。
-
ループ再生中にスライド編集を実行します。
このテクニックはタイムラインでも使用できます。「1 フレームプラストリミング」または「1 フレームマイナストリミング」のキーボードショートカットを押すか、テンキーパッドを使用します。
非対称トリミング
タイムラインおよびトリミングモードの両方で、非対称トリミングを実行できます。異なるトラックにあるリップルインおよびリップルアウトの編集ポイントを組み合わせて選択し、1 トラックあたり 1 つの編集ポイントが選択されている場合に、非対称トリミングが実行されます。1 トラックあたり 2 つ以上の編集ポイントを選択している場合は、すべての編集ポイントが同じ方向に移動します。
非対称トリミング操作では、トリミングのデュレーションはすべてのトラック上で同じになりますが、編集ポイントでトリミングされる左右の方向は異なる場合があります。
- プライマリのトリミング方向によってプライマリ編集ポイントが決定されます。プライマリのトリミング方向によって、プライマリ編集ポイントの方向が定まります。プライマリのトリミング方向は、ツールをクリックするか、キーボードショートカットを使用するか、ボタンをクリックして選択します。プライマリのトリミングタイプと同じタイプの編集ポイントでは、プライマリのトリミング方向はすべてのトラック上で同じ方向になります。
- プライマリ編集ポイントとは異なるタイプの編集ポイントは、逆方向にトリミングされます。非対称トリミングのプライマリ編集ポイントを定める方法について詳しくは、タイムラインで非対称トリミングのプライマリ方向を指定を参照してください。
後続クリップの左右への移動方向はすべてのトラックで同じであり、すべてのトラックが同期状態に保たれます。このような移動になるのは、リップルインの編集ポイントとリップルアウトの編集ポイントでは、トリミングされるクリップの末尾が反対の方向に移動するからです。
例えば、リップルツールで編集ポイントを 10 フレーム右に移動すると、リップルアウトポイントとして設定された他の編集ポイントに 10 フレームが追加されます。逆に、リップルインポイントとして設定された編集ポイントからは 10 フレームが削除されます。
注意:これらの編集ポイントは実際に移動しませんが、クリップのヘッダー部分がより多く表示されます。すべてのトラック上の後続クリップが 10 フレーム分だけ右に移動します。
トリミングインとトリミングアウトの組み合わせは、編集ポイント側が異なる場合でも非対称とは見なされません。これは、編集ポイントが常に同じ方向に移動し、後続クリップは移動しないからです。
マウスを使用したタイムラインでの非対称トリミングでは、ドラッグする編集ポイントにプライマリ方向が適用されます。編集ポイントを選択してドラッグすると、その操作によって方向とプライマリのトリミングタイプが決まります。例えば、ビデオ 1 上をマウスでクリックしてリップルイントリミングを設定し、左にドラッグすると、すべてのトラック上で選択中のすべてのリップルイン編集ポイントが左にトリミングされます。また、すべてのリップルアウト編集ポイントが右にトリミングされます。
キーボードショートカットでタイムラインのトリミングを実行するときに、編集ポイントが選択されたままの場合は、前回のマウスでのドラッグかトリミングモードの操作に基づいて、プライマリのトリミングタイプが使用されます。編集ポイントの選択が解除されている場合(または、マウスやトリミングモードを使用してプライマリタイプによるトリミングをおこなったことがない場合)、選択した編集ポイントが含まれる最大の番号のビデオトラック上にある編集ポイントがプライマリタイプとして使用されます。ただし、オーディオトラックのみで編集ポイントが選択されている場合は、最小の番号のオーディオトラック上にある編集ポイントがプライマリタイプとして使用されます。方向は、特定のキーボードショートカットで指定します。
- 編集内容を一度プレビューするには、前後を再生ボタン をクリックします。
- 編集内容を繰り返しプレビューするには、ループボタン をオンにして、編集部分を再生ボタンをクリックします。
「トリミング選択を復元」を実行すると、最後に選択した編集ポイントが復元されます。
複数の編集ポイントを選択する方法については、以下を参照してください。
クリップをトリミングする際、複数の編集ポイントを選択してから編集を実行することができます。 選択範囲の外側を誤ってクリックしてしまうと、その選択内容が失われます。 選択内容を失った場合に備え、復元するためのキーボードショートカットを設定できます。 詳しくは、Premiere Pro のキーボードショートカットを参照してください。
キーボードショートカットの設定やカスタマイズを行う方法については、キーボードショートカットのカスタマイズまたは読み込みを参照してください。
注意事項:
- トリミング選択を復元を実行すると、最後に選択した編集ポイントが復元されます。
- トリミングモードの場合は、トリミング選択を復元を実行すると、編集ポイントが復元されて、トリミングモードに戻ります。詳しくは、トリミングモードの操作を参照してください。
トリミング選択を復元する操作は、取り消しスタックには含まれません。 これにより、最後に選択した編集ポイントのみが復元されます。トリミング選択を復元するショートカットキーを連続で押して、選択内容を順に戻すことはできません。