世界におけるほとんどの高等教育は、反転学習と呼ぶ最新のトレンドへ向けて進んでいます。反転学習では、講義中心の教育モデルから学習者中心の教育モデルに移行することができるようになります。つまりグループに基づいた学習から個人に焦点を当てた学習へ移行することができます。教育者はコースカリキュラムを、教室、オフラインコンテンツ、復習、オンラインディスカッションに渡って広げることができ、生徒の成績をよりよく理解できるようになります。コースを教室だけに限定しなければ、教育者はより多くのスペースを獲得し、効率的に時間を使って、個々の生徒のニーズに従って一対一の対応をとって復習、討議、教育することができます。

生徒も、オフライン自習を行っているときに先に進めなくなったら、オフラインコースコンテンツで戻ることができるので、コンセプトをより良く把握することができます。生徒はスキルを練習し、学習の進度についてのフィ-ドバックを受け取り、コースをより良く実行することができます。

Adobe Presenter を使用して指導用コンテンツをモジュール/コースとして作成し、オンラインビデオとしてパブリッシュします。ビデオには分析サポートがタグ付けされています。分析を使用すると、教育者は相対的な生徒の成績や、ディスカッションを通した生徒の参加度に関するレポートを表示できます。生徒はこのダッシュボードを使用して、クラスメートとディスカッションして共同学習することもできます。

コース、コンセプト、モジュール、および学習者分析の概要

モジュールとは、Microsoft PowerPoint で作成された 1 つのプロジェクトで、追跡が有効にされた後に Adobe Presenter でパブリッシュされます。 分析とコラボレーション画面を表示した時に追跡が有効である場合、分析、コラボレーション、または両方を有効にして Adobe ID 資格情報を使ってサインインします。

モジュールには、スライド、スライド(ビデオ有/無)またはスライド(クイズ有/無)が含まれます。 このようなモジュールはスライドベースモジュールと呼ばれます。 ビデオモジュールには、ビデオまたはビデオ(クイズ有)が含まれます。

教師は、コースのすべてのコンセプトに関して質問付きのモジュールを追加できます。このタイプのモジュールをクイズモジュールと呼びます。クイズモジュールは、1 つ以上のクイズを含むユニークなモジュールです。説明スライドや結果スライドをこのモジュールに含めることはできますが、クイズ以外のスライドは使用できません。

Adobe Presenter 9 以降では、モジュールに 1 つのビデオ(クイズ有/無)が含まれている場合のみ、ビデオアナリティクス(セグメントの観点での使用内容の分割)が使用できます。 モジュールに複数のビデオが含まれている場合、Adobe Presenter にはスライドベースモジュールとしてのモジュールとみなされ、関連する分析を提供します。 

コースは、1 つ以上のコンセプトを含みます。

コンセプトは、1 つ以上のモジュールを含むコーストピックです。

スライドベースのモジュールとビデオモジュールの組み合わせを含むこともできます。

モジュールの分析を表示するには、モジュールを学習ダッシュボードのコースに追加する必要があります。

モジュールに含まれるものビデオアナリティクススライドベースアナリティクス
スライド(ビデオ/クイズ有) X
1 つのビデオ(クイズ有/無)X 
複数のビデオ(クイズ有/無) X

作成者として、パブリッシュされているすべてのコースを表示したり、複数のモジュールを 1 つのコースにグループ化したり、学習者分析ダッシュボードを使って学習者の進度を追跡したりできます。Adobe Presenter 10 では、コンセプト、ディスカッション、クイズなどの新しい機能がダッシュボードに追加されています。 

Adobe Presenter 10 以降のバージョンでは、コンセプト機能が導入されており、作成者は各コンセプト(コーストピックともいう)ごとに、複数の小さなモジュールを作成できます。各モジュールを特定のコンセプトにタグ付けできます。次のスナップショットでは、C1 と C2 は、別々のモジュールが割り当てられた 2 つのコンセプトです。

作成者は、クイズやピア同士のディスカッションにおける学習者の成績を分析できます。ディスカッションにおける学習者の参加レベルに基づいて、作成者は、アクティビティをデザインし学習者の能力に応じてそれらをカテゴリー化できます。教師は、共通コア標準に従って標準を実行できます。

学習者分析ダッシュボード

分析は、学習者がコースをどのように使用しているかを深く分析する手段を提供します。例えば、コースを完了した学習者数、完了のレベル、比較スコア、および各モジュール / コンセプト / ディスカッションフォーラムとのユーザーの関与などを分析できます。

学習者分析では、教師は生徒の成績を次の方法で評価できます。

  • モジュールレベルのデータを分析
    • 生徒の合格 / 不合格率
    • 低、中、高成績データ付きの総合参加スコア
    • スライド / モジュール毎のアクセス数
    • スライド / モジュール毎の使用時間数
    • クイズ質問のアクセス
  • コンセプトレベルのデータを分析
    • コンセプト内のすべてのモジュールに対する低、中、高成績データ付きの総合参加スコア
    • 各コンセプト別のクイズデータ
  • 生徒のディスカッションを仲介
    • ディスカッションボード内のすべての質問 / 応答にアクセス
    • データまたは人気度(質問に取り組んだ生徒数)に基づいて質問を分類する
    • 質問を生徒に与えるまたは質問に答える
    • 不適切または無関係な質問を削除する
    • 最良の回答へ追加点を与える

Presenter から学習ダッシュボードにアクセスする

コラボレーション/学習ダッシュボードを選択します。次の URL、http://als.adobe.com/Pn10/collaboration/dashboard に移動します。 Presenter 10 バージョンで作成されたコースでは、URL に Pn10 が追加されています。ダッシュボードにログインするには、Adobe ID 資格情報を使用してください。

注意:

バージョン 9 までの Presenter で作成されたすべてのコースに対しては、作成者は引き続き次の URL、http://als.adobe.com/collaboration/dashboard

を使用できます。

はじめに画面が表示されます。「はじめに」をクリックし、Adobe ID でログインします。Presenter を使ってコースに登録したときにコラボレーションと分析を有効にするために使用した ID を使用してください。

ログイン後に、次の学習者分析ダッシュボードが表示されます。

コースの作成

複数のモジュールを組み合わせてコースリストを作成できます。

「新しいコース」タブをクリックすると、新しいコースを追加できます。

  1. 名前、開始日と終了日、およびこのコースをとる生徒数を入力します。
  2. デフォルト値を編集して、パラメーターに基づく学習者アクションのためのスコア要素を提供します。
  3. 「次へ」をクリックします。
新しいコースの入力画面

    4. 分析ベースの登録モジュールのリストから、コースに含めるモジュールを選択します。

    5. 各モジュールを、それを含めることによって対応コンセプトに割り当てます。コンセプトフィールドにコンセプト名を入力し、ドロップダウンリストからコンセプトを選択します。

    6. 「作成」をクリックします。

コースが作成されます。
学習者分析ダッシュボードホームページ

の左ペインにあるドロップダウンリストからコースを表示できます。

コースにクイズを追加

デフォルトでは、ダッシュボードはクイズの質問に関する情報を持っていません。各モジュールにクイズの質問を含めるには、コースの作成時に「XML をアップロード」をクリックし、質問表 xml ファイル(viewer.xml)をアップロードします。viewer.xml ファイルは、モジュールのパブリッシュ済み出力の中にあります。

注意:

一般的なクイズモジュールはクイズの質問のみで構成されます。その他のコンテンツはありません。

ローカルコンピューターを参照し、クイズモジュール出力 > データフォルダーから viewer.xml ファイルを選択します。

viewer.xml ファイルがクイズ専用モジュールに属していることを確認します。ファイルのアップロード後に、質問がコースモジュールに表示されます。クイズモジュールの各質問をコンセプトにマッピングすることにより、ユーザーは結果をより良く評価できます。以下の手順に従って、各コンセプトに対して質問をマッピングできます。

  1. ウィンドウの右上隅にある設定アイコンをクリックし、「コース設定」を選択します。

  2. 使用可能なコースのリストからコースを選択し、「編集」をクリックします。

  3. コース詳細ウィンドウで、必要な変更を行い、「次へ」をクリックします。

    コース概要ウィンドウが表示され、コース内のすべてのモジュールのリストが表示されます。

  4. 以下のスナップショットに示すように、クイズ専用モジュールの横の強調表示された領域をクリックします。

    注意:

    クイズモジュールがまだアップロードされていない場合は、「XML をアップロード」をクリックできます。

  5. 以下のスナップショットに示すように、各質問に対してコンセプトの名前を指定することにより、各質問をコンセプトにマッピングできます。

設定の変更

設定アイコンをクリックして、自分の個人設定を表示および管理します。

コース設定ドロップダウンオプションを使用すると、コースを追加、変更、削除できます。

コース設定

ステータスバー表示

ステータスバーは、ダッシュボードで選択したものに基づいてステータスを動的に表示します。 概要、生徒、およびモジュールのステータスを表示したり、グラフ表示選択に基づいて表示されるさまざまなミクロレベルダッシュボードビューからのステータスも表示できます。

モジュールダッシュボードビューにいる場合、別のモジュールを選択するには、左側のペインでモジュール名をクリックします。

ステータスバー

コースの分析

「生徒」タブ

「生徒」タブをクリックします。 クイズ、参加スコア、コースレベルの使用時間数によって、生徒全員の進度を表示できます。コース内のモジュールに対してコンセプトタグがあるので、コンセプトという新しい考え方に基づいて分析を行うことができるようになりました。この機能は、以前のモジュールに追加されたものです。このコンセプトの次元に沿って分析を行えるようにするために、生徒の参加スコアおよびクイズ結果に基づいて各生徒ごとに成績を評価します。ここをクリックすると、成績の評価状態が表示されます。

クラスサマリグラフ

左側のペインにあるコースビューから任意のモジュールを選択します。

x 軸が生徒の参加スコア、y 軸が生徒のクイズスコアの 3 行 3 列のグラフが表示されます。このグラフは、選択したモジュールにおける総合クラス成績を示しています。各円は、クイズスコアと参加スコアに基づいた生徒の状態を表しています。

すべての生徒に対して、クイズスコアは、低(30% 未満)、中(30% から 70%)、または
高(70% 超)です。

同様に、参加スコアは、低(30% 未満)、中(30% から 70%)、または
高(70% 超)です。

X 軸で、原点に近い値は、低い参加スコアおよび低いクイズスコアの状態を表しています。グラフ内の円のサイズは、その中に表示されている値に対応しています。例えば以下のグラフで、最大の円は 4 に対応し、最高値です。ここで 4 の値は、この状態にいる生徒数は 4 人であることを示しています。

グラフ内の各値の意味は次の通りです。

  • 低いクイズスコアと低い参加スコアの状態の生徒が 4 人います。
  • 値 1 は、中の参加スコアと中のクイズスコアを持つ生徒数を表しています。
  • 値 2 は、クイズスコアは高いが参加スコアが低い生徒数を表しています。
クラスサマリグラフ

グラフ内の各円をクリックすると、円の値に対応している生徒のリストが表示されます。上記のグラフで、選択した円は赤色で強調表示され、対応の生徒名が下に表示されます。

生徒の進度

以下のスナップショットに示すように、各生徒の名前をクリックして進度状況をコンセプト別またはモジュール別に表示できます。

コンセプトのサンプル生徒アクティビティ画面

コンセプトまたはモジュールでの生徒の進度は、次に基づいてグラフとして表示されます。

  • そのコンセプト / モジュールに費やした日数
  • 複数のコンセプト / モジュールでの総合進度
  • コンセプト / モジュール内のクイズまたはその他の知識アクティビティの完了
  • クラス平均スコアに対する生徒個別スコアとして計算した参加スコア

アクティビティチャートは、開始日から学習者がモジュール / 日に費やした時間(分数)を表しています。表示されている要素の上にマウスを置くと、特定のデータが表示されます。

知識チェックグラフ

各モジュールにおけるスコアに基づく複数モジュールに対する生徒の進度が表示されます。 対応するグラフ要素の上にマウスを置くと、生徒のスコアと平均スコアの値も表示されます。

ステータスは、グラフの下にも凡例として表示されます。

知識チェックグラフ

グラフ要素のどこかをクリックすると、特定の生徒の詳細なクイズ結果が表示されます。以下のグラフは、クイズモジュール M5 内の 8 つの質問を示しています。

  • 各棒の長さは、正解した生徒数を示しています。
  • 質問 1、3、5 は 1 人の生徒だけが回答しています。質問 2 は 7 人の生徒が回答しています。以下同様です。
  • 棒グラフ要素の色は、選択した生徒の回答を示しています。緑色は正解、赤色は不正解を表しています。
  • 別の生徒の結果を表示するには、以下のスナップショットに示すように、生徒名 alpi の横のドロップダウンをクリックし、別の生徒名を選択します。

参加スコアグラフ

参加スコアは、ディスカッションボードでの生徒の質問と回答に基づいて得られます。さらに、ディスカッションボードにおける生徒の回答の有用度と参加全体に対する教師のフィードバックに基づいて、得点が生徒に与えられます。

生徒のスコアとクラス平均がグラフで表示できます。 グラフの上にマウスを置くと、平均、合格スコア、およびアクティブ生徒のデータ(モジュールごと)に表示されます。

参加グラフの要素は、参加スコアが 30% より高い場合にのみ表示されます。

参加スコアグラフ

「モジュール」タブ

「モジュール」タブをクリックします。 生徒のモジュールの進度をグラフで表示できます。

各モジュール番号の下に表示されているモジュールタブをクリックすると、モジュールごとの情報を表示できます。「すべてのモジュール」をクリックすると、すべてのモジュールに関する生徒進度情報が表示されます。

情報は、次に基づいて表示されます。

  • 生徒がスライドごとに費やした時間。 ドロップダウンの値を選択することで、生徒が費やした最大時間の上位 5 スライドまたは下位 5 スライドを表示できます。
  • 最大生徒数を惹き付けた上位 5 スライドまたは下位 5 スライド。 ドロップダウンリストから適当な値を選択します。
  • ビデオ*の各セグメントで費やされた時間。 ビデオの 30 秒間が 1 つのセグメントと定義されます。
  • ビデオ*の各セグメントへのアクセス数の合計
  • 合否または未実行のパラメーターに基づいた全生徒の知識レベルチェック。
  • 高、中、低の参加率に基づいて区分けされた参加スコア。
*ビデオモジュールにのみ適用できます。
モジュールタブサンプルコンテンツ

ディスカッションタブ

ディスカッションタブを使用すると、教師(作成者)はコース内のコラボレーションアクティビティを監視、評価、管理することができます。すべてのコースでディスカッションがあるとは限りません。コラボレーションを有効にしたモジュールでコースを作成すると、生徒間のすべてのディスカッションを表示できます。

以下のスクリーンショットは、ディスカッションタブで使用できるさまざまな機能を示しています。

A. これらのフィルターを使用して、日付、人気度、およびモジュールに基づいてディスカッションを分類できます。ドロップダウンリストからコース名を変更できます。  B. 質問に応答したり、不適切な質問を削除したり、質問を評価したりします。  C. 各質問の回答を表示します。ここをクリックすると、回答が表示されます。 D. 質問を追加して、新しいディスカッションスレッドを開始します。 

以下のスクリーンショットは、1 つのディスカッションスレッドの様子を示しています。

PS、PI、およびクイズ標準化スコアの計算

標準化成績スコア

作成者は、ユーザーがモジュールに合格するために必要な参加スコアの最低目標値を設定します。この設定は、Presenter から「分析とコラボレーション」ウィンドウで実行できます。指定できるスコアの範囲は 0 から 100 です。

作成者が最低合格値として x 点を設定したとします。合格スコア を 30%、生徒のスコアを y 点とします。この場合、30% を得るには x 点が必要になります。

したがって、標準化された成績スコアは (y/x)*30 となります。

最高参加スコアが 100 を超えないことを確認してください。100 を超えるスコアは 100 に切り下げられます。

標準化された PI およびクイズのスコア

次のような一般的なコースの例を考えてみます。コース X は、以下の表に示すように、5 つのモジュールで構成され 2 つのコンセプトを持っています。

モジュールコンセプト最高クイズスコアPI スコア
M11C15020
M12C13030
M13C12010
M21C22520
M22C22530

このコースの一部の学習者は、クイズおよびコラボレーションで次のスコアを持っています。

学習者

モジュール

クイズスコア

PI スコア

ジャック

M11

30

20

ジャック

M12

30

0

ジャック

M13

0

20

ジャック

M21

15

50

ジャック

M22

20

10

ジル

M11

10

10

ジル

M12

10

5

ジル

M13

0

10

ジル

M21

25

60

ジル

M22

20

40

各モジュールはそれぞれ別々の最高スコアスコアとパフォーマンスインデックス(PI)スコアを持っているので、それらを 0~100 のスケールに標準化することにします。各生徒の標準化されたモジュールスコアは、次のように計算されます。

標準化クイズスコア = (生徒のクイズスコア / モジュールの最高クイズスコア) * 100

標準化 PI スコア = (生徒の PI スコア * 30 / モジュールの PI スコア) を上限 100 にしたもの

コンセプトの標準化スコアは、そのコンセプトの平均標準化スコアとして計算します。

生徒の成績は、PI とクイズのスコアに基づいて、高、中、低として分類します。

これらの計算値を 2 人の生徒、ジャックとジルに適用すると、次の表のようになります。

学習者

モジュール/コンセプト

クイズスコア

PI スコア

標準化クイズスコア

標準化 PI スコア

ジャック

M11

30

20

60

30

ジャック

M12

30

0

100

0

ジャック

M13

0

20

0

60

ジャック

C1

 

 

160/3 = 53.3

90/3 = 30

ジャック

M21

15

50

60

75

ジャック

M22

20

10

80

10

ジャック

C2

 

 

140/2 = 70

85/2 = 42.5

ジル

M11

10

10

20

15

ジル

M12

10

5

33.3

7.5

ジル

M13

0

10

0

30

ジル

C1

 

 

53.3/3 = 17.8

52.5/3=17.5

ジル

M21

25

60

100

90

ジル

M22

20

40

80

40

ジル

C2

 

 

180/2 = 90

130/2=65

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