テキストは、入力、ペーストまたは別のファイルから読み込むことで追加することができます。通常、InCopy では標準的なワープロ操作でテキストを編集します。ツールパネルで文字ツール を選択し、以下の方法を使用します。これらの操作は、コンテンツが Adobe InDesign® にリンクされているかどうかにかかわらず、ゲラビュー、ストーリービュー、レイアウトビューのいずれでも同じように機能します。
ペースト
テキストをコピーまたはカットし、ペーストしたい場所をクリックしてから編集/ペーストを選択します。ペーストするテキストのフォーマットを削除するには、編集/フォーマットなしでペーストを選択します。欧文で作業する際に、文字間に自動的に間隔を追加または削除するには、環境設定ダイアログボックスの「テキスト」セクションで「欧文単語をカット&ペーストするときに自動的に間隔を調整」を選択します。このオプションは文字パネルの言語ポップアップメニューで欧文言語を選択している場合に有効になります。
また、編集/グリッドフォーマットを適用せずにペーストを使用してテキストをフレームグリッドにペーストできるため、ペーストしたテキストにはコピーしたテキストのフォント、フォントサイズ、文字間隔が適用されます。
他の InCopy ストーリー、Microsoft® Word、Microsoft Excel および RTF 形式またはテキスト形式でテキストを書き出すことができるアプリケーションからテキストを読み込むことができます。読み込み可能なファイル形式のリストは、InCopy の配置ダイアログボックスに表示されます(Windows® の場合は「ファイルの種類」、Mac OS の場合は右側のリストウィンドウ)。
ファイルを読み込むとき、そのフォーマットも読み込むかどうか選択することができます。ファイルをフォーマットが適用されたまま読み込む場合、InCopy では、テキストファイルからほとんどの文字と段落の属性を読み込むことができますが、改ページ、マージン、段組の設定などのページレイアウト情報はほとんどが無視されます(これらは InDesign で設定できます)。一般的に、InCopy では、InCopy で使用できないフォーマットを除き、ワープロソフトで指定されているすべてのフォーマット情報を読み込むことができます。
アプリケーションに対応する読み込みフィルターが InCopy にあれば、名前に矛盾がある場合にどちらのスタイルを読み込むか、またどちらのフォーマットを使用するかを決定することができます。
注意:
InDesign にリンクされている InCopy ストーリーのスタイルは、InDesign で制御されます。InCopy ストーリーを InDesign に配置したときに、スタイル名に矛盾があると、読み込まれた InCopy ドキュメントのスタイルは InDesign で上書きされます。
使用しているワープロソフトが複数のファイル形式でファイルを保存できる場合は、フォーマットを最大限保持できる形式(アプリケーションのネイティブファイル形式か RTF などの互換形式)を使用するようにしてください。
旧バージョンの Microsoft Word で作成されたファイルを読み込むことができます。他のワープロソフトや、Word 95 for Windows または Word 6 などのような以前のバージョンからファイルを配置する場合は、オリジナルのアプリケーションでファイルを開いて、互換性のある Word 形式や、ほとんどのフォーマットデータを維持できる RTF 形式で保存することをお勧めします。
テキストが大量にある場合、「配置」コマンドを使用することで、簡単にテキストを配置することができます。InCopy では、様々なワープロソフト、表計算ソフト、テキストファイル形式をサポートしているので、読み込み元のオリジナルのフォーマットを維持したまま、ファイルを読み込むことも可能です。読み込み元のどのフォーマットが維持されるかは、ファイルの種類に対応する読み込みフィルターとファイルを配置するときに選択するオプションにより異なります。Word ファイル、テキストファイル、RTF(リッチテキスト形式)ファイルを InCopy で直接開くこともできます。
注意:
ドキュメントに配置したテキストがピンク色や緑色などで表示される場合は、ハイライト表示オプションが設定されている可能性があります。環境設定ダイアログボックスを開き、「組版」セクションにあるハイライト表示オプションのいくつかがオンになっていることを確認してください。例えば、配置したテキストに InCopy では使用できないフォントが適用されている場合は、テキストはピンク色でハイライト表示されます。
脚注
Word の脚注を読み込みます。脚注と参照は保持されますが、ドキュメントの脚注の設定に基づいて番号が再割り当てされます。Word の脚注が正しく読み込まれない場合は、Word ドキュメントを RTF 形式で保存し、この RTF ファイルを読み込んでみてください。
テキストと表からスタイルおよびフォーマットを削除
読み込んだテキスト(表内のテキストを含む)から、フォント、フォントの色、フォントスタイルなどのフォーマットを削除します。このオプションが選択されていると、段落スタイルとインライングラフィックは読み込まれません。
ローカルオーバーライドを保持
テキストおよび表からスタイルとフォーマットを削除するとき、「ローカルオーバーライドを保持」を選択して、段落の一部に適用されている太字や斜体などの文字フォーマットを保持することができます。すべてのフォーマットを削除する場合は、このオプションの選択を解除します。
テーブルを変換
「テキストと表からスタイルおよびフォーマットを削除」を選択した場合に、表に対してフォーマットのない表組みとして変換するか、フォーマットのないタブ区切りテキストとして変換するかを選択できます。
フォーマットされていないテキストとフォーマットされている表を読み込みたい場合は、テキストをフォーマットなしで読み込んでから、表を Word ドキュメントから InCopy ドキュメントにペーストします。
テキストと表のスタイルおよびフォーマットを保持
Word ドキュメントのフォーマットを InDesign ドキュメントまたは InCopy ドキュメントで保持します。「フォーマット」セクションの他のオプションを使用して、スタイルとフォーマットがどのように保持されるかを指定することができます。
自動改ページ
Word ファイルから読み込んだ改ページのフォーマットを指定します。Word で使用されていたものと同じ改ページを使用する場合には「改ページを保持」を選択します。必要に応じて「改段に変換」、「分割禁止」を選択します。
変更をトラック
このオプションを選択すると、Word ドキュメントの「変更をトラック」マークアップが InCopy ドキュメントに表示されます。InDesign では、ストーリーエディターで変更をトラックして確認できます。
スタイルを自動的に読み込む
Word ドキュメントのスタイルを InDesign ドキュメントまたは InCopy ドキュメントに読み込みます。「スタイル名の競合」の横に黄色い三角形が表示されたら、Word ドキュメントの段落または文字のスタイル名と同じスタイル名が InCopy にあることを意味します。
このようなスタイル名の矛盾を解決する方法を指定するには、段落スタイルの競合メニューおよび文字スタイルの競合メニューからオプションを選択します。「InCopy スタイルの定義を使用」を選択すると、読み込んだテキストは InCopy のスタイルに基づいてフォーマットされます。「InCopy スタイルを再定義」を選択すると、読み込んだスタイルテキストは Word のスタイルに基づいてフォーマットされ、Word スタイルでフォーマットされている InCopy の既存のテキストは変更されます。「自動名称変更」を選択すると、読み込まれた Word のスタイル名が変更されます。 例えば、InCopy と Word に Subheading スタイルがある場合、「自動名称変更」を選択すると、読み込まれた Word のスタイル名が Subheading_wrd_1 に変更されます。
注意:
InCopy は、段落スタイルと文字スタイルを変換しますが、箇条書きリストと自動番号リストのスタイルは変換しません。
プリセットを保存
後で再利用できるよう、現在の Microsoft Word 読み込みオプションの設定を保存します。読み込みオプションを指定し、「プリセットを保存」をクリックしてプリセットの名前を入力し、「OK」をクリックします。次回 Word のスタイルを読み込むとき、プリセットメニューから作成したプリセットを選択することができます。次回以降 Word ドキュメントを読み込むときに、選択したプリセットをデフォルトとして使用したい場合は、「デフォルトに設定」をクリックします。
テキストファイルを配置するときに、「読み込みオプションを表示」を選択するか、Shift キーを押しながらファイル名をダブルクリックすると、テキスト読み込みオプションダイアログボックスが表示され、次のオプションを設定することができます。
文字セット
ANSI、ユニコード UTF8、Windows CE など、テキストファイルの作成に使用したコンピューター言語の文字セットを指定します。デフォルトでは、InDesign または InCopy のデフォルトの言語とプラットフォームに対応する文字セットが選択されます。
ANSI、ユニコード UTF8、Shift JIS、繁体中国語(Big5)など、テキストファイルの作成に使用したコンピューター言語の文字セットを指定します。デフォルトでは、InDesign または InCopy のデフォルトの言語とプラットフォームに対応する文字セットが選択されます。
セル範囲
コロン(:)を使用して、読み込むセル範囲を指定します(A1:G15 など)。ワークシート内に名前が定義されているセル範囲がある場合は、ポップアップメニューからその名前を選択することができます。
InCopy のフォーマット機能を利用できるテキストファイルの読み込み(または書き出し)を、タグ付きテキスト形式で行うことができます。タグ付きテキスト形式とは、InCopy が適用するすべてのフォーマット情報を含むテキストファイルです。正確にタグが付いたテキストには、段落属性、文字属性、制御文字を含めた、InCopy のストーリーに表示されるほとんどすべてのフォーマットが再現されます。
タグの指定詳しくは、「タグ付きテキストユーザーガイド(PDF)」(www.adobe.com/go/learn_id_taggedtext_cs5_jp)を参照してください。
タグ付きテキストファイルを配置するときに、配置ダイアログボックスで「読み込みオプションを表示」を選択すると、InDesign タグ付きテキスト読み込みオプションダイアログボックスが表示され、次のオプションを設定できるようになります。
テキストスタイルの競合を修正
読み込むテキストファイルのスタイルと InDesign ドキュメントのスタイルとの間に矛盾がある場合に、どちらのスタイルを適用するかを指定します。InDesign ドキュメントに含まれている既存のスタイル定義を使用するには、「パブリケーションの定義」を選択します。「タグ付きファイルの定義」を選択すると、タグ付きテキストで定義されたスタイルが使用されます。
割り付け前に問題タグのリストを表示する
判別できないタグのリストを表示します。リストが表示されたら、読み込みをキャンセルしたり、続行したりできます。続行した場合は、ファイルが期待通りのレイアウトで読み込まれないことがあります。
Buzzword は、Web ベースのテキストエディターです。これにより、ユーザーはテキストファイルを作成して Web サーバーに保存できます。InCopy CS5 では、Buzzword ドキュメントのテキストの読み込みおよび書き出しが可能です。
Buzzword ドキュメントを読み込むと、サーバーの Buzzword ドキュメントに対して URL ベースのリンクが作成されます。Buzzword ドキュメントを InCopy 外で更新した場合は、リンクパネルを使用して InDesign の読み込まれたバージョンを更新できます。ただし、その場合は InCopy で Buzzword テキストに加えた変更は削除されます。
注意:
Acrobat.com の Buzzword アプリケーションは英語、フランス語、ドイツ語でのみ提供されています。
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「読み込みオプションを表示」を選択した場合は、Buzzword 読み込みオプションダイアログボックスでオプションを指定します。
このダイアログボックスのオプションは、RTF 読み込みオプションダイアログボックスのオプションとほぼ同じです。詳しくは、Microsoft Word および RTF の読み込みオプションを参照してください。Buzzword には現在スタイル機能がありません。したがって、現時点で有効なスタイルオプションはありません。