この記事では、Animate CC 2014.2 を使用して、Animate プラグインを作成し、カスタムプラットフォームをサポートする方法について、プラグイン開発者にガイドを提供します。Animate CC 2014.1(2014 年 10 月アップデート)を使用している場合は、前のバージョンのドキュメントを参照してください。
カスタムプラットフォームサポートプラグインを構築するには、開発者は次の場所からカスタムプラットフォームサポート開発キットをダウンロードする必要があります。
ダウンロード
次の場所からサンプルプラグインをダウンロードし、カスタムプラットフォームサポートプラグインを構築するための参考として使用します。
ダウンロード
プラグインは次の要素で構成されます。
- DocType:Animate にカスタムプラットフォーム向けの新しいドキュメントタイプを追加し、オーサリング機能を制御します。
- Publisher:パブリッシュ設定を構成し、カスタムプラットフォームにドキュメントをパブリッシュできるようにします。
カスタムプラットフォームサポート機能の概要については、カスタムプラットフォームサポートを参照してください。
Animate CC 2015 の新機能:
- ライブラリシンボルの型のクエリー機能:シンボルの場合に、ILibraryItem::GetProperties() に kLibProp_SymbolType_DictKey のキーを持つ追加のエントリが含まれます。キーの値は、kLibProp_SymbolType_Button、kLibProp_SymbolType_MovieClip または kLibProp_SymbolType_Graphic です。
- ボタンと MovieClip を区別する機能:前リリースまでは、ボタンインスタンスは、DOM および IFrameCommandGenerator サービスによって MovieClip として扱われていました。Animate CC 2015 より、ボタンインスタンスをサポートするインターフェイスが追加されました。IMovieClip インスタンスが IButton インターフェイスも実装する場合は、ボタンインスタンスとして扱われます。ボタンの 4 つの状態(Up、Over、Down および Hit)は、それぞれ 0、1、2 および 3 のフレームに常にマッピングされます。ボタンインスタンスについて詳しくは、IButton.h ファイルを参照してください。
- IClassicText オブジェクトの境界を取得するための新規 API:ITimelineBuilder インターフェイスの AddClassicText 関数が、(CLASSIC_TEXT_INFO ではなく)CLASSIC_TEXT_INFO_2 のオブジェクトを返すようになりました。このオブジェクトには、IClassicText オブジェクトの境界を表す「bounds」という新しいフィールドが含まれます。
- シェイプの塗りに使用されるビットマップを再利用するようにサンプルプラグインが変更されました。
- Mongoose Web サーバーがサンプルプラグインに統合されました。
注意:Animate CC 2015 リリースで利用できる新しい IK ボーンツールは、カスタムプラットフォームドキュメントタイプでは無効になります。IK コンテンツをカスタムプラットフォームドキュメントにペーストした場合、その IK コンテンツはフレームアニメーションに変換されます。
2015 年 2 月アップデート:IFrameCommandGenerator サービスでの「マスク」のサポート -- このリリースでは、IFrameCommandGenerator サービスでマスクをサポートします。既存の ITimelineBuilder インターフェイスから継承された ITimelineBuilder2 という新しいインターフェイスに、この機能の動作のためにプラグインで実装する必要のある関数が含まれています。この新しい ITimelineBuilder2 インターフェイスについて詳しくは、カスタムプラットフォームサポート API ドキュメントを参照してください。
Animate カスタムプラットフォームサポートプラグインの構築
次のいずれかの方法を使用して、カスタムサポートプラットフォームプラグインを開発できます。
- カスタムプラットフォームサポート開発キット内の API を使用してプラグインを作成します。
- 開発キットに含まれているサンプルプラグインの設定を、独自のニーズに合わせてカスタマイズします。
カスタムプラットフォームサポートプラグインは、Animate によりインストール可能な .zxp ファイルとしてパッケージ化されます。Adobe Add-ons ページでプラグインをホストすれば、ユーザーがそのプラグインをダウンロードし、Creative Cloud アプリケーションを使用してインストールできます。また、Adobe Extensions Manager を使用してインストールできるように、プラグインを .zxp パッケージとして配布することも可能です。
ソフトウェア構成
開発者がカスタムプラットフォームサポート開発キットを使用してプラグインを構築するには、次のソフトウェアが必要です。
- Microsoft Windows 7 または Apple Mac OS 10.8 以降
- Microsoft Visual Studio 2012(Windows の場合)または XCode 4.5.2 以降のバージョン(Mac の場合)
- Animate CC 2014.1 以上
- Eclipse IDE for C/C++ Developers
- Adobe Extension Builder 3.0
- Adobe Extension Manager 7.2.1.6
プラグイン開発者向け API リファレンスドキュメント
カスタムプラットフォームサポート開発キットには次の要素が含まれます。
- FCM(Flash Component Model):開発キットに含まれるヘッダーファイルには、プラグイン管理のための FCM と呼ばれるフレームワークが定義されています。
- DocType:Animate スタートページに新しいドキュメントタイプを追加して、カスタムドキュメントタイプの機能を有効または無効にするための一連のインターフェイスが含まれます。
- DOM(Document Object Model):Animate ドキュメントの内容に DOM 形式でアクセスするための一連のインターフェイスが含まれます。
- Publisher:発行ワークフローへのフックとなる一連のインターフェイスが含まれます。
カスタムプラットフォームサポート内の API の詳細情報および API を使用したプラグイン構築例については、カスタムプラットフォームサポート API リファレンスを参照してください。
カスタムプラットフォームサポートプラグインの作成
カスタムプラットフォームサポートプラグインは次の方法で作成できます。
- カスタムプラットフォームサポート開発キットをダウンロードします。
- 開発キットの内容を解凍し、コンピューターに保存します。
- VisualStudio または Xcode で新規プロジェクトを開き、ソフトウェア開発プロジェクトに開発キット内のヘッダーファイルをインクルードします。カスタムプラットフォームサポートプラグインの作成をすぐに始めるために、SampleCreateJSPlatform ディレクトリにある次のサンプルプラグインを、プラグインプロジェクトのベースコードとして使用できます。
- ターゲットプラットフォーム向けの必要な変更を加えます。
- コードをコンパイルしてプラグイン(.dll または .plug-in)を生成します。
例えば、SampleCreateJS プラグインファイルは次の場所にあります。 SampleCreateJSPlatform\Plugin\SampleCreateJS\project\
カスタムプラットフォームサポートプラグインのパッケージ化
カスタムプラットフォームサポートプラグインの配布可能パッケージを次の方法で生成できます。
- サンプルの Eclipse ファイルを開くか、Eclipse の New Project(新規プロジェクト)ウィザードで、新規 Application Extension Project(アプリケーション拡張機能プロジェクト)を作成します。プロジェクトの名前を入力して、「Next(次へ)」をクリックします。
- New Adobe Application Extension Project(新規 Adobe アプリケーション拡張機能プロジェクト)パネルで、ターゲットアプリケーションとして「Adobe Animate」を選択し、「Next(次へ)」をクリックします。
- 作成したプラグインファイルの拡張子を、Windows の場合は .dll から .fcm に変更し、Mac の場合は .plug-in から .fcm.plug-in に変更します。次に、そのプラグインファイルをプロジェクト(Windows の場合は ExtensionContent/plugins/lib/win、Mac の場合は ExtensionContent/plugins/lib/mac)に追加します。
- manifest.xml を変更して拡張機能を設定します。マニフェストファイルを開くには、プロジェクトエクスプローラーで拡張機能を右クリックして、Adobe Extension Builder 3/Bundle Manifest Editor を選択し、EclipseProject\.staged-extension\CSXS に表示される Bundle Manifest Editor のマニフェストタブを選択します。
- manifest.xml を編集できるようにするには、ウィンドウ内で右クリックして、ツールを指定して開く/XML エディターを選択します。注目する必要のある 2 つのタグは、ExtensionList と DispatchInfoList です。
一般的な ExtensionList タグは以下のようになっています。
<ExtensionList> <Extension Id="PluginID" Version="1.0" /> <Extension Id="PublishSettingsID" Version-"1.0" /> </ExtensionList>
このタグには、最終の ZXP パッケージの拡張機能のリストが含まれます。各拡張機能は、ID として固有のストリングを持ちます。この場合、前のセクションで作成された .dll または .plugin ファイルには拡張機能が含まれます。そして、発行者のパブリッシュ設定 UI を設定するには、他の拡張機能が使用されます。このサンプルでは、ExtensionList タグは拡張 ID PluginID を持つ拡張機能で、.dll/.plugin ファイルを含みます。ID PublishSettingsID を持つ拡張機能は、発行者のパブリッシュ設定 UI を設定します。
- DispatchInfoList タグは、ExtensionList に含まれる各拡張機能についての詳細情報を含みます。以下は DispatchInfoList の例です。
<DispatchInfoList> <Extension Id="PluginID"> <DispatchInfo > <Resources> <MainPath>./plugin/fcm.xml</MainPath> </Resources> <Lifecycle> <AutoVisible>true</AutoVisible> </Lifecycle> <UI> <Type>ModalDialog</Type> <Menu>CreateJS</Menu> <Geometry> <Size> <Height>200</Height> <Width>200</Width> </Size> </Geometry> </UI> </DispatchInfo> </Extension> <Extension Id="PublishSettingsID"> <DispatchInfo > <Resources> <MainPath>./index.html</MainPath> </Resources> <Lifecycle> <AutoVisible>true</AutoVisible> </Lifecycle> <UI> <Type>ModalDialog</Type> <Menu>Publish Settings</Menu> <Geometry> <Size> <Height>170</Height> <Width>486</Width> </Size> </Geometry> </UI> </DispatchInfo> </Extension> </DispatchInfoList>
- 拡張機能に .dll または .plugin ファイルが含まれている場合、MainPath タグを除くすべてのタグを無視できます。MainPath タグは、ExtensionContent フォルダーを基準として相対的な fcm.xml ファイルへのパスを含みます。.dll ファイルの名前を .fcm に変更し、fcm.xml のそばの win フォルダーの中に置きます。同様に、Mac 環境を使用している場合も、.plugin ファイルの名前を .fcm.plugin に変更し、fcm.xml のそばの mac フォルダーの中に置きます。
- パブリッシュ設定のユーザーインターフェイスを設定するための HTML 拡張機能が、Animate の HTML 拡張機能です。Animate の HTML 拡張機能について詳しくは、HTML 拡張機能の作成を参照してください。
- Host タグのバージョン属性の低い方の値が 14.1 であることを確認してください。これは、カスタムプラットフォームサポートに対応する Animate の最低(内部)バージョンです。
<ExecutionEnvironment> <HostList> <Host Name="FLPR" Version="15.0" /> </HostList>. . . </ExecutionEnvironment>
- Script Explorer(スクリプトエクスプローラー)ビューに切り替えてプロジェクトを右クリックし、Export(書き出し)/Adobe Extension Builder 3/Application Extension(アプリケーション拡張機能)を選択します。Export Wizard(書き出しウィザード)が表示されます。
- 拡張機能パッケージを署名するための証明書が必要になります。既存の証明書を参照するか、「Create(作成)」をクリックして新しい証明書を作成します。
- 「Finish(終了)」をクリックしてプロジェクトをコンパイルします。拡張子が .zxp のプラグインファイルが生成され、Adobe Add-ons サイトでホストできるようになります。
カスタムプラットフォームサポートプラグインの配布
カスタムプラットフォームサポートプラグインは、Adobe Add-ons ページでホストして配布し、収益化することができます。プラグインパッケージはアドビのレビューおよび承認プロセスを経て、ページに表示されるようになります。プラグインは次の方法でホストできます。
- 自分の Adobe ユーザー ID とパスワードを使用して、Adobe Add-ons ページにログインします。
- 左側のパネルの「プロデューサーになる」で、プロデューサーポータルにアクセスのリンクをクリックします。
- プロデューサーとしてサインアップしていない場合は、「Sign-up」ボタンをクリックします。
- プロデューサーとして新規登録してプラグインをホストする方法について詳しくは、プロデューサーポータル入門を参照してください。
- この入門ページに記載されたとおりに、プロデューサーポータルワークフローの次の手順を実行します。
- 製品を 1 つのファイルにパッケージ化します。
- 製品に関する情報を入力して、ファイルをアップロードします。
- マーケティングアセットを追加します。
- 製品のプレビューを確認します。
- 承認を得るために製品を送信します。
- 承認後、プラグインが Add-ons ページの Animate 製品カテゴリに表示されるようになります。
- プラグインをインストールし、カスタムプラットフォームドキュメントを作成し、Animate を使用してパブリッシュしたいユーザーは、カスタムプラットフォームサポートプラグインの操作を参照してください。
- Adobe 拡張機能の管理について詳しくは、拡張機能のダウンロードとインストールを参照してください。
機能要求とバグレポート
ご質問、懸念事項、製品のバグまたは機能に関するご要望がありましたら、以下のフォームにご記入いただき Animate 製品チームまでお送りください。