このドキュメントでは、Premiere Pro v. 14.x 以前のキャプションツールについて説明しています。新規プロジェクトの場合は、Premiere Pro 15.0 以降で新しいキャプションのワークフローを使用することをお勧めします。
Premiere Pro 14.x 以前のバージョンには、ビデオのキャプションの作成、編集、書き出しを可能にするキャプションツールが含まれています。
クローズドキャプションを読み込んで表示することができます。また、テキスト、カラー、背景、タイミングを編集することもできます。編集が完了すると、クローズドキャプションファイルを「サイドカー」ファイルとして書き出したり、QuickTime ムービーや MXF ファイルに埋め込んだり、キャプションをビデオに書き込んだりできます。
また、Premiere Pro では、オープンキャプションファイルを読み込み、字幕として書き込むことができます。

A. キャプションの内容をフィルター B. 書式設定ツールバー C. 編集可能なテキストブロック D. キャプションブロックの追加、削除 E. 読み込み設定と書き出し設定
Premiere Pro ではキャプションを作成できます。テキストを追加し、書式設定を適用し、位置とカラーを指定できます。詳細については、字幕とキャプションの追加および編集を参照してください。
Premiere Pro では、クローズドキャプションが埋め込まれたファイルや、クローズドキャプションの「サイドカー」ファイルを読み込むことができます。次のいずれかの操作をおこなって、プロジェクトにファイルを読み込むことができます。
- ファイル/読み込みを選択して、埋め込まれたキャプションファイルやキャプションの「サイドカー」ファイルを読み込みます。
- ファイルのコンテキストメニューを使用してメディアブラウザーから読み込みます。
キャプションクリップをプロジェクトに読み込む際、キャプションがキャプションパネルにキャプションブロックとして表示されます。
ソースモニターおよびプログラムモニターでキャプションを表示するには、次のいずれかの操作をおこないます。

重要事項
- キャプションの表示のオンとオフを切り替えることができます。
- ソースモニターに読み込まれたキャプションクリップのキャプション方式を選択できます。ソースモニターまたはプログラムモニターで、レンチのアイコン
をクリックし、クローズドキャプションの表示/設定を選択します。たとえば、CEA-608 または CEA-708 のクローズドキャプション標準を選択して、表示するストリームを設定することができます。
- ビデオにリンクされている場合、キャプションクリップはリンクされたオーディオチャンネルクリップと同様に動作します。テキストクリップはタイムラインのソースインジケーターで表され、有効化/無効化したり、他のビデオクリップと同様にビデオトラックにリンクしたりすることができます。
- キャプションクリップのキャプションブロックの開始と終了場所を示す End Of Caption(EOC)インジケーターとともに、キャプションブロックがキャプションクリップに表示されます。
プログラムにクローズドキャプションがすでに含まれているというシナリオを考えてみましょう。短い時間デュレーションの、異なるバージョンのプログラムを作成するとします。
キャプションファイルを編集するには、次の操作をおこないます。
キャプションファイルの作成や編集が完了すると、Premiere Pro または Adobe Media Encoder から書き出し設定ダイアログボックスを使用して、キャプションが含まれるシーケンスを書き出すことができます。または、クローズドキャプションのエンコーディングをサポートするサードパーティ製ハードウェアを使用して、キャプションが含まれるシーケンスをテープに書き出すこともできます。
キャプションを書き出す前にキャプションの設定をカスタマイズすることで、書き出しのデフォルト設定を定義できます。この設定は、書き出し設定ダイアログボックスの「キャプション」タブの「サイドカーファイルの作成」オプションで、デフォルトとして使用されます。必要に応じて書き出し時に設定を上書きすることもできます。
キャプションファイルのデフォルトの書き出し設定をおこなうには、次の手順に従います。
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ファイル形式
クローズドキャプションデータを書き出すには、次のファイル形式から 1 つを選択します。
- Scenarist クローズドキャプションファイル(.scc)
- MacCaption VANC ファイル(.mcc)
- SMPTE タイム付きテキストファイル(.xml)
- EBU N19 字幕ファイル(.stl)
また、クローズドキャプションデータをオープンキャプションファイル(SRT ファイル形式)に書き出すこともできます。この形式は、YouTube にキャプションを書き出す際に広く使用されています。
- SubRip 字幕形式(.srt)
注意:
NTSC 領域のデフォルトオプションは SMPTE タイム付きテキスト、PAL 領域のデフォルトオプションは EBU N19 です。
ファイル/読み込みを選択するか、またはメディアブラウザーから読み込むことによって、他のメディアの読み込みと同様に、キャプションが埋め込まれたメディアを読み込むことができます。Premiere Pro では、埋め込まれたクローズドキャプションデータが自動的にプロジェクトに読み込まれます。
例えば、埋め込まれたキャプションが含まれる QuickTime クリップを読み込む場合、キャプションは自動的に読み込まれます。QuickTime クリップに「サイドカー」キャプションファイルが含まれている場合、他の「サイドカー」ファイルを読み込む場合と同様に「サイドカー」ファイルを読み込みます。
メディアファイルに埋め込まれたキャプションデータを検出して自動的に読み込むには、環境設定ダイアログボックスの「メディア」セクションにある「読み込みにキャプションを含める」チェックボックスをオンにします。

注意:
Premiere Pro では、ファイルを最初に開くときに、メディアでキャプションデータのみをスキャンすることによって、パフォーマンスが最適化されます。2 回目以降にファイルを開く場合には、キャプションデータの再スキャンを行いません。
Premiere Pro で埋め込まれたキャプションファイルを編集するには、個別のキャプションファイルを作成するのと同じ手順に従います。埋め込まれたキャプションファイルを編集する場合、編集内容はプロジェクト内のみに適用され、ソースファイルは変更されません。
書き出し中に、埋め込まれたキャプションを維持するか、またはキャプションを個別のサイドカーファイルに分割するかを選択できます。
- キャプションを個別のサイドカーファイルのみとして書き出す場合、プロジェクトパネルでキャプションファイルを選択し、ファイル/書き出し/キャプションを選択します。
- キャプションが埋め込まれたメディアを書き出すには、タイムラインで選択されているターゲットシーケンスを選択し、ファイル/書き出し/メディアを選択します。Premiere Pro で書き出し設定ダイアログボックスが開きます。
- 書き出し設定ダイアログボックスで、「形式」として「QuickTime」または「MXF」を選択します。「キャプション」タブで、「書き出しオプション」として「出力ファイルへの埋め込み」を選択します。
注意:
「ワイヤード」ムービーでは、ビデオにハイパーリンクが埋め込まれています。Premiere Pro で「ワイヤード」ムービーを作成することはできません。
Premiere Pro では、恒常的なキャプションをビデオに焼き込むことができます。Premiere Pro では、ビデオの書き出し中に、クローズドキャプションとオープンキャプションの両方の焼き込みがサポートされます。キャプションの焼き込みは、ストリーミングデバイスでクローズドオプションが有効になっているかどうかに関係なく、常に表示されます。
オープンキャプションデータが含まれている SRT ファイルおよび XML ファイルを書き出す場合、Premiere Pro ではファイルが自動的に CEA-708 CC1 クローズドキャプションファイルに変換されます。Premiere Pro または Adobe Media Encoder を使用して書き込み中に、これらのファイルを編集してキャプションを字幕として焼き込むことができます。
注意:
ビデオに焼き込まれるキャプションは編集できません。
手順 1:シーケンスをサードパーティ製のキャプションアプリケーションに書き出す
Premiere Pro でビデオとオーディオの編集が完了したら、シーケンスを参照ムービーとしてサードパーティ製のキャプションアプリケーションに書き出します。
このムービーはキャプションサービスの事務局またはキャプションの専門家に送信されます。このムービーは最初からクローズドキャプショントラックを作成するための基準として使用されます。CPC 社の MacCaption などのサードパーティ製のキャプションアプリケーションを使用すると、クローズドキャプショントラックを最初から作成し、クローズドキャプションデータを必要な形式でエンコードすることができます。
手順 2:クローズドキャプションファイルを Premiere Pro に読み込む
クローズドキャプションファイルをサードパーティ製のキャプションアプリケーションから受信すると、そのファイルを Premiere Pro のプロジェクトに読み込むことができます。Premiere Pro は .mcc、.scc、.xml、および .stl 形式のクローズドキャプションファイルをサポートしています。
クローズドキャプションサイドカーファイルをプロジェクトに読み込むと、クローズドキャプションテキストブロックが含まれるビデオのみのクリップが作成されます。必要に応じて、メディアとの同期を維持するためにテキストブロックに対してさらに調整を行うことができます。
クローズドキャプションサイドカーファイルには複数のキャプションストリーム、例えば、CC1、CC2 が含まれます。このような複数のキャプションストリームが含まれるクリップがシーケンスに追加されると、タイムラインに各ストリームの個々のトラック項目が表示されます。複数のキャプションストリーム間を切り替えるには、「キャプション」タブで、キャプションストリームポップアップメニューからストリームを選択します。
手順 3:編集したビデオを書き出す
クローズドキャプションをメディアと同期したら、クローズドキャプションファイルと一緒に編集済みのビデオを書き出すことができます。Premiere Pro および Adobe Media Encoder を使用してクローズドキャプションサイドカーファイルと埋め込まれた QuickTime ムービー(QuickTime 608 キャプション)を書き出すことができます。
注意:
XML ファイルの場合、キャプションパネルでキャプションを表示できるだけでなく、テキストエディターで表示することもできます。
Premiere Pro では、オープンキャプション(字幕)を作成できます。これは、ビデオストリームに直接焼き込まれるキャプションです(一方、クローズドキャプションは、ビューアによって表示/非表示を切り替えられます)。ユーザーは、オープンキャプションを作成することも、キャプション形式の XML ファイルおよび SRT ファイルを読み込むこともできます。キャプションパネルでキャプションブロックを作成し、テキストを追加したり、テキストの書式設定(カラー、サイズ、位置および背景色)を変更したりできます。
単一ストリームのサイドカーファイルや埋め込まれた単一ストリームのファイルを Premiere Pro のオープンキャプションに変換できます。これには、埋め込みの MOV および MXF キャプションファイルなどが含まれます。「サイズ」の横の値領域で左/右マウスダウン操作または数値入力をすることで、設定を変更できます。
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キャプションを作成するには、ポップアップリストから新規項目アイコン
をクリックし、「キャプション」を選択します。詳しくは、キャプションの書き出しを参照してください。