特定のユーザーアカウントで発生する不測のビヘイビアーのトラブルシューティング | Windows 7、Vista

問題

Windows 7 または Vista を実行しているコンピューターで、特定のユーザーアカウントにログインするとき、Adobe のアプリケーションは不測のビヘイビアーを示します。 例えば、アプリケーションが起動しない、コマンドを誤って実行する、エラーを返す、突然終了する、などです。新規のユーザーアカウントや異なるユーザーアカウントでログインすると、この問題は生じません。

開始する前に

本文書に記載のタスクの実行を開始する前に、システムドライブのバックアップを作成してください。

これらのタスクはユーザーアカウントのコントロールダイアログボックスを初期化することがあり、その場合、続行する許可を求められます。 ダイアログに表示される説明をよく読み、続行するかどうかを決定してください。 ダイアログボックスで取り消しを選択すると、そのタスクは続行できません。

本ドキュメントのタスクの中には、非表示のフォルダについて言及しているものがあります。 デフォルトでは、Windows エクスプローラーは非表示のフォルダは表示しません。 非表示のフォルダーを表示するには、「非表示のファイル、フォルダー、ファイル名拡張子を表示 | Windows 8、7、Vista、XP」を参照してください。

アカウントに固有な不測のビヘイビアーには、さまざまな原因があります。 本文書では最も一般的な原因のみを取り上げています。 ユーザーアカウントのトラブルシューティングについてさらに援助が必要な場合は、ご使用のコンピューターの製造元に連絡するか、または Microsoft のサポート Web サイト(https://support.microsoft.com)を参照してください。

解決策

Adobe アプリケーションが不測のビヘイビアーを起こすユーザーアカウントにログインします。 次に、以下のタスクを順に実行します。

1. 所定のフォルダーに読み取り/書き込みアクセス許可を付与します。

ユーザーアカウントに、以下のフォルダーに対する読み取り/書き込みアクセス許可があることを確認します。

  • C:\Program Files\Adobe
  • C:\Program Files\Common Files\Adobe
  • C:\Program Files (x86)\Adobe
  • C:\Program Files (x86)\Common Files\Adobe
  • C:\ProgramData\Adobe
  • C:\Users\<user_name>\AppData\Roaming\Adobe
  • C:\Users\<user_name>\AppData\Roaming\com.adobe.
  • C:\Users\<user_name>\AppData\Local\Adobe
  • C:\Users\<user_name>\AppData\LocalLow\Adobe
  • C:\Users\<user_name>\AppData\Local\VirtualStore\Program Files\Common Files\Adobe

2. Adobe アプリケーションのアカウント固有の環境設定ファイルを再作成します。

Adobe アプリケーションでは、ユーザーのカスタム設定は環境設定ファイルに保管されます。 ユーザーアカウントごとに独自の環境設定ファイルがあります。

Adobe アプリケーションが特定のユーザーアカウントでだけ不測のビヘイビアーを示す場合、そのアプリケーションの環境設定ファイルの 1 つが破損していることが考えられます。 Adobe アプリケーションで破損していない環境設定ファイルを作成するには、その環境設定ファイルが入っているフォルダの名称を変更します。

たとえば、Adobe Premiere Pro CS4 では、環境設定ファイルは「4.0」という名称のフォルダに保存されます。このフォルダは、C:\Users\[ユーザー]\AppData\Roaming\Adobe\Premiere Pro にあります。 Adobe Premiere Pro CS4 で環境設定ファイルを再作成するには、「4.0」フォルダの名前を変更します(「Old 4.0」など)。

通常、Adobe のアプリケーションでは、環境設定ファイルとフォルダは次のいずれか、または両方に保存されます。

  • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Adobe
  • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Adobe

Adobe アプリケーションの中には、追加の環境設定ファイルを他の場所に保存するものもあります。 たとえば、Adobe Premiere Pro CS4 では、追加の環境設定ファイルは「Styles and Layouts」という名前のフォルダに格納されます。このフォルダは、C:\Users\[ユーザー]\Documents\Adobe\Premiere Pro\4.0 にあります。

トラブルシューティングしている Adobe アプリケーションの環境設定ファイルが入るフォルダの正確な名称と場所は、www.adobe.com/support で確認します。「環境設定」という用語に該当するアプリケーションの名前とバージョンを付け加えて、サポートナレッジベースを検索します。 このとき、検索結果としてリストされる「System Errors or Freezes」ドキュメント、またはその他のドキュメントに注目します。

Adobe アプリケーションの環境設定ファイルを再作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Adobe アプリケーションを閉じます。
  2. Adobe アプリケーションの環境設定フォルダーの名前を変更します。
  3. Adobe アプリケーションを開始します。 アプリケーションは破損していない環境設定ファイルを作成します。

環境設定ファイルを再作成したら、問題の再現を試みます。

問題が再現すれば、環境設定ファイルの破損が原因ではありません。 該当する Adobe アプリケーションに対する、ユーザーアカウントのカスタム設定を復旧するには、新しい環境設定フォルダーを削除します。 次に、名称を変更したフォルダーを元の名前に戻します。

問題が発生しなくなれば、破損した環境設定ファイルがその原因でした (ユーザーアカウントには、前の環境設定ファイルに関連するカスタム設定はありmせん)。

3. アカウント固有の一時ファイルを削除します。

Adobe アプリケーションの中には、一時ファイルにデータを保管するものがあります。 Adobe アプリケーションは、アカウント固有の一時ファイルが大きくなり過ぎたり、古くなったり、破損したりすると予測できないビヘイビアーを示すことがあります。

一時ファイルを削除するには、 「ディスククリーンアップ」ユーティリティを使用します。 ディスククリーンアップユーティリティを使用して一時ファイルを削除する(Windows 7 および Vista)を参照してください。

デフォルトでは、 「ディスククリーンアップ」ユーティリティは直近の 7 日間以内にアクセスされたことのある、アカウント固有の一時ファイルは削除しません。 一時ファイルを徹底的に削除するには、一時フォルダの内容を手動で削除します。



免責事項:
一時フォルダーの内容を手動で削除した場合、Adobe 以外によるアプリケーションに悪影響が出ることがあります。 この追加タスクを実行することを選択した場合には注意してください。 Adobe では、一時フォルダー内のファイルを手動で削除したことによって生じる問題には対応していません。

アカウントの一時フォルダーの内容を手動で削除するには、以下の手順を実行します。

  1. すべてのアプリケーションを閉じます。
  2. 「スタート/すべてのプログラム/アクセサリ」を選択し、「コマンドプロンプト」を右クリックします。表示されたメニューから「管理者として実行」を選択します。
  3. コマンドプロンプトウィンドウで、以下のコマンドを下に表示されるとおり正確に入力します。入力したら Enter キーを押します



    del %temp%\*。* /s /q



    メモ:del
    はファイルの削除コマンドです。 %temp%\*.*
    は、アカウントの一時フォルダーに、すべてのファイルを表すワイルドカード文字を加えた「環境変数」の組み合わせです。 /s は、任意のサブフォルダ内のすべてのファイルを含めるようにコマンドを拡張します。 /q は、削除するファイルごとに表示される確認のプロンプトを省略します。

     


  4. 削除されたファイルのリストは、コマンドプロンプトウィンドウに表示されます (リストには削除できなかったファイルも含めることができます。 「Access is denied(アクセスが拒否されました)」または「The process cannot access the file because it is being used by another process.(プロセスはファイルにアクセスできません。他のプロセスが使用しています。)」というメッセージが表示されることもあります。 このビヘイビアーは正常です)。
  5. コマンドプロンプトウィンドウを閉じます。

一時ファイルを削除した後、該当の Adobe アプリケーションを開き、問題の再現を試みます。

依然として問題が起こる場合は、次のタスクに進みます。

4. アカウント固有のスタートアップ項目のトラブルシューティングを行います。

スタートアップ項目とは、ユーザーアカウントにログインしたとき自動的に開くアプリケーションまたはドキュメントのことです。 Adobe アプリケーションがあるアカウントで不測のビヘイビアーを示すとき、そのアカウントのスタートアップ項目が正しく機能していない、破損している、またはそのアプリケーションと互換性がないといったことが考えられます。

ユーザーアカウントのスタートアップ項目のどれかがその Adobe アプリケーションで問題を起こしているかどうか確認するためには次の手順を実行します。

  1. Windows のエクスプローラーで、C:\Users\[ユーザー]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup に移動します。
  2. 次のいずれかの操作を実行します。

    • スタートアップフォルダが空、またはスタートアップフォルダがない場合、このアカウントにはアカウント固有のスタートアップ項目はありません。 この手順の残りの部分は飛ばして、タスク 4に進みます。
    • スタートアップフォルダーに少なくとも 1 項目ある場合、デスクトップにフォルダーを作成します。 新しいフォルダーに「Holding Folder」という名前を付けます。
  3. スタートアップフォルダーの全項目を、作成した Holding Folder に移動します。
  4. スタート/ログオフを選択します。
  5. 同じアカウントにログオンします。
  6. Adobe アプリケーションを開いて問題の再現を試みます。

依然として問題が発生する場合は、アカウント固有のスタートアップ項目が原因ではありません。 Holding Folder のすべての項目を C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup に戻すことができます。 タスク 4 に進みます。

問題が発生しなくなった場合は、アカウント固有のスタートアップ項目が原因です。 問題を起こしているスタートアップ項目を正確に識別するには、次の手順を実行します。

  1. Adobe アプリケーションを閉じます。
  2. 1 つの項目を Holding Folder から C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup に戻します。
  3. 「スタート/ログオフ」を選択します。
  4. 同じアカウントにログオンします。
  5. Adobe アプリケーションを開いて問題の再現を試みます。 次のいずれかの操作を実行します。

    • 依然として問題が発生する場合は、手順 1 ~ 5 を繰り返します。
    • 問題が発生しなくなった場合は、最後に再度有効にしたスタートアップ項目が原因です。 その項目をスタートアップフォルダから取り除き、そのスタートアップ項目の発行元に連絡して、更新したバージョンが利用できるかどうか確認します。 残りのすべての項目を Holding Folder から C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup に戻します。

5. アカウント固有のアプリケーションデータフォルダのアクセス設定をリセットします。

トラブルシューティングを行っているアカウントが管理者アカウントでネットワークドメイン上にない場合のみ、このタスクを完了します。

Adobe アプリケーションの環境設定ファイルおよびアカウント固有のデータファイルがあるフォルダに対して、アカウントが完全な読み/書きアクセスを持っていない場合、アカウント固有のエラーが起こる可能性があります。icacls コマンドを使用してアクセス設定をリセットできます。 次のいずれかの操作を行います。

  1. すべてのアプリケーションを閉じます。
  2. 「スタート/すべてのプログラム/アクセサリ」を選択し、「コマンドプロンプト」を右クリックします。表示されたメニューから「管理者として実行」を選択します。 コマンドラインウィンドウが開きます。
  3. コマンドラインウィンドウで、次の各コマンドを表示どおりそのまま入力します。 各コマンドの後に Enter キーを押します。

    重要: 各コマンドで、それぞれのスイッチ -- /T、/C、および /grant -- の前後にスペースを入力します。



    icacls "%userprofile%\AppData\Local" /T /C /grant "%username%":F



    icacls "%userprofile%\AppData\Roaming" /T /C /grant "%username%":F



    icacls "%userprofile%\AppData\Local" /T /C /grant system:F




    icacls "%userprofile%\AppData\Roaming" /T /C /grant system:F

     








  4. コマンドラインウィンドウを閉じます。
  5. Adobe アプリケーションを開いて問題の再現を試みます。

依然として問題が起こる場合は、次のタスクに進みます。

6. アカウントに固有な Adobe キーを Winodws のレジストリに作成します。

免責事項:このタスクでは、Windows レジストリを変更する必要があります。 レジストリには、コンピューターまたはアプリケーションにとって重要なシステム関連情報が格納されています。 レジストリを変更する前に、バックアップコピーを作成します。 アドビ システムズ社は、不適切なレジストリの変更が原因となって生じる問題のサポートを提供しません。 Windows のレジストリやレジストリ エディタの詳細は、Microsoft のサポート Web サイト(https://support.microsoft.com)を参照してください。

  1. すべてのアプリケーションを閉じます。
  2. 「開始」をクリックします。 「検索の開始」ボックスに regedit と入力して、Enter を押します。 レジストリエディタが表示されます。
  3. レジストリ エディタの左のペインで、以下のレジストリキーを探して選択します。

    HKEY_CURRENT_USER\Software\Adobe。
  4. 「ファイル/書き出し」を選択します。
  5. レジストリ ファイルのエクスポートダイアログボックスで、「エクスポート範囲」の下の「選択された部分」を選択します。 バックアップレジストリキーの名前と場所を入力し、「保存」をクリックします。
  6. Adobe キーを右クリックして「削除」を選択します。
  7. キーの削除の確認ダイアログで、「OK」をクリックします。
  8. レジストリ エディタを閉じます。
  9. Adobe アプリケーションを開いて問題の再現を試みます。

問題が依然として再現するのであれば、レジストリキーの破損が原因ではありません。 Adobe キーのバックアップコピーを復元するには、以下の手順を実行します。

  1. すべてのアプリケーションを閉じます。
  2. 「開始」をクリックします。 「検索の開始」ボックスに regedit と入力して、Enter を押します。 レジストリエディタが表示されます。
  3. レジストリエディタで、ファイル/インポートを選択します。
  4. レジストリ ファイルのインポートダイアログで、前の手順で保存したバックアップキーの場所に移動します。 ファイルを選択して、「開く」をクリックします。

7. システムのハードドライブを修復します。

特定のユーザーアカウントのみに影響するディスクの破損により、そのアカウントで Adobe アプリケーションが動作しなくなることがあります。

システムのハードドライブを修復するには、ハードディスクの修理とデフラグ(Windows 7 および Vista) を参照してください。

ドライブを修復した後、該当の Adobe アプリケーションを開き、問題の再現を試みます。 依然として問題が起こる場合は、次のタスクに進みます。

8. 新規のユーザーアカウントを使用します。

依然として特定のアカウントでアプリケーションが不測のビヘイビアーをする場合は、不測のビヘイビアーが発生しないアカウントにすべての個人ファイルをコピー(または移動)します。 この新規アカウントを通常のアカウントとして使用します。

個人ファイルを新規のユーザーアカウントにコピーすることについて援助が必要なときは、コンピューターの製造元に連絡してください。 または、Microsoft のサポート Web サイト(https://support.microsoft.com)に移動してください。

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