機能の概要 | Premiere Pro(2021年10月リリース)

Premiere Pro の 2021年10月リリース(バージョン 22.0)の新しい洗練されたワークフローを使用すると、ビデオストーリー制作をスムーズに進めることができます。具体的には、「音声テキスト変換」の機能向上、新しい「シーケンスを簡易化」、H.264 および HEVC 形式対応のカラーマネジメント、Lumetri カラーツールの機能向上などが盛り込まれているほか、ハードウェアアクセラレーションによる再生も刷新され、要件の厳しい 10 ビット 4:2:2 HEVC フッテージにも対応しています。

統合バージョン番号

このリリースでは、アドビのビデオアプリケーションとオーディオアプリケーションは、バージョン番号 22.0 にそろえられています。メジャーバージョンでは、アドビアプリケーション(Dynamic Link などの機能用)間での上位および下位の相互運用性が確保されるので、バージョン 22.x を使用しているユーザーは、他のすべてのバージョン 22.x と連携できます。バージョン番号が一貫していると、アップデートと共同作業が容易になります。

「スピーチからテキストへ」の機能向上

録音から最終的な書き起こしまで可能な Premiere Pro の「スピーチからテキストへ」機能は業界最高水準であり、キャプションを作成およびカスタマイズするための高度に統合化かつ自動化されたワークフローを使用できます。 このリリースでは、次のように「スピーチからテキストへ」機能が強化されています。

「スピーチからテキストへ」の機能向上は、業界最高水準の統合化かつ自動化されたワークフローに基づいており、キャプションの追加やカスタマイズが可能です。

  • 流行語の認識精度や、日付と数字の形式変換精度が向上しました。
  • キャプションをサイドカーファイルとしてのみ書き出すための新しいオプション。

詳しくは、音声テキスト変換を参照してください。

シーケンスを簡易化

シーケンスを簡易化
シーケンスを簡易化

他の編集者との共有、アーカイブ、または EDL、XML、AAF として書き出しを行うために、現在のシーケンスのクリーンなコピーを作成します。

タイムラインが乱雑になっているときに、「シーケンスを簡易化」を使用することで、空のトラックの削除、特定のラベルが付いたクリップの無効化、マーカーやその他のユーザー指定の要素を削除したりできます。

詳しくは、シーケンスの簡易化を参照してください。

H.264 および HEVC のカラーマネジメント

H.264 および HEVC 形式に対応した新しいカラーマネジメントを使用すると、Premiere Pro は、10 ビットファイルや HDR ファイルをはじめとしたこれらの形式を読み込んだときに、適切なカラースペースを解釈します。書き出す場合、Premiere Pro は、正しいカラースペースメタデータを出力ファイルに組み込みます。これにより、お使いのカラーが出力先プラットフォームに正しく表示されるようになります。 新しいシーケンスを作成する際には、使用するメディアに応じて、「ソースに合わせる」を選択するか、使用するカラースペースを適用するかを選択できます。 

10 ビット HEVC の再生機能の向上

10 ビット 4:2:2 HEVC ファイルに対するハードウェアの高速処理によるデコードが刷新され、再生機能が向上しました。また、M1 搭載 Mac や Intel 搭載 Windows コンピューターをはじめとするサポート対象ハードウェアでの編集がさらにスムーズになりました。

詳しくは、次を参照してください。

M1 搭載 Mac での 10 ビット H.264 の再生機能の向上

10 ビット 4:2:2 H.264 に対するハードウェアの高速処理によるデコードが刷新され、M1 搭載 Mac での編集操作が向上しました。 

詳しくは、次を参照してください。

Sony XAVC-L-HDR のカラーマネジメント

Sony XAVC-HDR を新たにサポートしたことで、放送および制作チームは、HDR コンテンツを扱う際の選択肢が増え、XAVC Intra よりもサーバーと記憶領域が少なくて済みます。 

色付きベクトルスコープ

新しい色付きベクトルスコープでは、画像内のカラーコンポーネントがより豊かなカラーで表現されています。 グレーディング調整を適用したときのカラー変化がわかりやすくなっています。

2 倍ズームに対応した新しいベクトルスコープをダブルクリックして、例えば、ホワイトバランスや肌のトーンなどの細かい調整を行えます。

ベクトルスコープの新しい肌のトーンラインは、カラー等級を微調整するときの基準として役立ちます。

詳しくは、Lumetri スコープを参照してください。

Premiere Pro(ベータ版)の色付きベクトルスコープ
Premiere Pro の色付きベクトルスコープ

機能が向上したヒストグラム

ヒストグラムが向上したことにより、表示がさらに明るく鮮明になり、カラー分布をより正確に分析できるようになりました。このヒストグラムは、他の Lumetri スコープと同様に、SDR コンテンツと HDR コンテンツの両方をサポートしています。

詳しくは、Lumetri スコープを参照してください。

Lumetri 曲線の改良

ルミナンスと RGB 曲線上の調整ポイントの簡単な選択
ルミナンスと RGB 曲線上の調整ポイントの簡単な選択

Lumetri 曲線の改良により、大きな正方形ウィンドウでも効率的に調整できます。また、ルミナンスおよび RGB 曲線上の調整ポイントも容易に選択できます。

詳しくは、RBG および色相/彩度カーブを使用したカラーの調整を参照してください。

トリミング選択を復元

誤って選択を解除した編集ポイントをリセットできるようになりました。この便利なオプションにより、間違った場所をクリックした場合に、タイムライン上の複雑な編集ポイントグループを手動で設定し直す手間が省けます。 

詳しくは、トリミング選択を復元を参照してください。

チームプロジェクトのメディア再リンク機能の強化

これにより、メディアをチームプロジェクトに再リンクする操作が容易になりました。スタンドアロンの Premiere Pro と同様に、チームプロジェクトで同じ再リンクワークフローを実行できるようになりました。チームプロジェクトは、メディア管理ダイアログを直接使用する場合と同じように、必要なメディアマッピングを生成して、ローカルメディアと共有チームプロジェクトファイルを追跡します。

詳しくは、Premiere Pro のメディアとチームプロジェクトの再リンクを参照してください。

カラーバー&トーンの改良

Premiere Pro のカラーバー&トーンジェネレーターは、HDR(ハイダイナミックレンジ)と従来の SDR(標準ダイナミックレンジ)の両方に対してテストパターンを作成できるようになりました。オーディオパラメーターが 1 つの統合ダイアログにまとめられるようになりました。初期設定では、カラースペース、解像度やフレームレートなどの技術的な詳細が、現在アクティブなシーケンスと一致するように設定されます。これらのパラメーターは、手動で指定することも、UHD Rec.2100 HLG のようないずれかのプリセットを使用することもできます。

カラーバーを使用して、ディスプレイの調整やトラブルシューティングを行うことができます。また、イメージやオーディオの精度を確保するために、コンテンツ配信要件の一部としてカラーバー&トーンを含めることもできます。

Premiere Pro でのカラーバー&トーンの改良
Premiere Pro でのカラーバー&トーンの改良

エフェクトの新しい GPU アクセラレーション

Premiere Pro では、さらに次の 4 つのエフェクトが GPU で高速に処理されるようになりました。アルファグロー、ミラー、インターレースのちらつき削減およびストロボ が GPU で高速に処理されるので、再生パフォーマンスが大幅に向上し、書き出しのレンダリング時間が短縮されるようになりました。これら 4 つの追加により、Premiere Pro では、合計 69 のエフェクトとトランジションが GPU で高速に処理されるようになりました。

詳しくは、Premiere Pro のエフェクトの種類を参照してください。

現在は Premiere Pro(ベータ版)で提供

リミックス

Adobe Sensei を搭載

Premiere Pro(ベータ版)のリミックス
Premiere Pro(ベータ版)のリミックス

リミックスを使用すると、楽曲とビデオが調和するように曲をインテリジェントに並べ替えることができます。 手間のかかるレザーカットやクロスフェードといった処理にリミックスを使用すれば、長時間を要する音楽編集タスクを数分で完了できます。 

Adobe Sensei を搭載したリミックスは、Adobe Audition の実績あるテクノロジーであり、高い評価を得ています。さらに、リミックスは Premiere Pro にも加わりました。

Premiere Pro(ベータ版)でリミックスを使用するには、オーディオのセクションに新しいクリップツールを適用します。リミックスは、曲のパターンとダイナミクスを分析して、必要な時間に合う新しいアレンジを作成します。音色と倍音の変更や編集の長さをコントロールできるので、ほぼ無限の組み合わせの曲を作成できます。

Premiere Pro(ベータ版)でリミックスを今すぐ試し、感想をお聞かせください。機能セットの向上に役立てさせていただきます。 

自動補正

自動補正は新しいテクノロジーを使用して、Lumetri カラーパネルにインテリジェントカラー補正を適用します。

自動トーン調整は Lumetri スライダーに反映されるので、Lumetri ツールに慣れるにつれて、ユーザーはその結果を微調整したり、自動補正を使用してカラー処理をおこなったりすることができます。

リリースの際、「自動補正」ボタンが現在の自動調整ボタンに取って代わります。これにより、ワンクリックで。洗練されたカラー補正を適用して優れた結果を得ることができます。

Premiere Pro(ベータ版)で自動補正をお試しください。

Lumetri カラーパネルでの自動補正
Lumetri カラーパネルでの自動補正

デバイス上の音声テキスト変換

「デバイス上の音声テキスト変換」を使用すると、編集者およびクリエーターはインターネットに接続していなくても、音声テキスト変換による文字起こしができ、文字起こしの速度も速くなります。

オンデバイス音声テキスト変換を Premiere Pro(ベータ版)でテストするには、650 MB の言語パックをオプトインし、ダウンロードする必要があります。初期状態では、言語パックは英語版のみです。

最初のダウンロードが完了すると、ベータ版ビルドを更新するたびに言語パックが更新されます。

オンデバイスの認識機能をオフにすることもできます。

新しい読み込みモードの向上

新しい読み込みモードの機能強化には、並び替えオプション、メディアを選択するための囲んだ部分の選択、キーボードナビゲーション、サムネールをスクラブする再生ヘッド、読み込み時にファイルをコピーする機能、クリップとフォルダー全体の両方を読み込むオプションがあります。ファイルを読み込むビン(フォルダー)を指定することもできます。

プロジェクト名は、読み込みパネルの最上部に配置されます。これにより、新規プロジェクトの開始点がわかりやすくなります。タイトルバーにプロジェクト名を入力して Return キーを押すと、プロジェクトが新規作成されます。ここでは、新しい読み込みモードでプロジェクトのファイルやフォルダーを選択するか、直接「編集」モードに移動して既存のメディアブラウザーワークフローを使用してアセットを整理することができます。

詳しくは、Premiere Pro(ベータ版)での新しい読み込みと書き出しを参照してください。

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