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この記事では、Premiere Pro と Adobe Media Encoder での Mercury Playback Engine(GPU アクセラレーション)とハードウェアによるデコード/エンコードについて説明します。
Mercury Playback Engine(GPU アクセラレーション)レンダラー
Adobe Premiere Pro と Adobe Media Encoder では、システムの GPU を利用して CPU と GPU の間で負荷を分散し、パフォーマンスを改善することができます。現在、ほとんどの処理は CPU で行われ、GPU は特定のタスクと機能で使用されています。
ハードウェアアクセラレーションによるデコードおよびエンコード
Premiere Pro は、ハードウェアアクセラレーションによるエンコードに対応し、エンコード(書き出し)性能を高速化し、H.264 および H.265(HEVC)形式の書き出しにかかる時間を短縮します。 また、Premiere Pro は、H.264 および H.265 形式のハードウェアアクセラレーションによるデコードのサポートにより、タイムラインの再生パフォーマンスを改善します。
これらの機能を利用するためには、ハードウェアアクセラレーションによるデコードおよびエンコードの機能を持つ GPU が必要です。
お使いの GPU がハードウェアアクセラレーションによるデコードおよびエンコードをサポートしているかどうか、次の情報から確認してください。
Apple シリコン(M1 以上)は、10 ビット 4:2:2 デコードサポートを含む、H.264 および H.265 形式に対してのハードウェアアクセラレーションによるデコードおよびエンコードをサポートしています。 HEVC HLG 4:2:0 10 ビットエンコードでもソフトウェアを使ってエンコードします。
ハードウェアアクセラレーションによるデコードおよびエンコードを使用するための必要システム構成については、こちらを参照してください。
ハードウェアアクセラレーションによるエンコードのサポート
書き出し設定の下にある形式のドロップダウンからH.264/HEVCを選択して、このオプションを有効にします。 「ビデオ」タブで、エンコード設定に移動し、パフォーマンスをハードウェアエンコーディングに設定します。
サポートされるコーデックプラットフォーム
エンコード: H.264/AVC(8 ビット)、HEVC 4:2:0(8 ビットおよび 10 ビット)、最大 4096 x 4096。 第 10 世代以降の Intel® Core™ プロセッサーを使用している場合、HEVC エンコードは 8192 x 8192 までサポートされます。
ハードウェアアクセラレーションによるデコードのサポート
ハードウェアアクセラレーションによるエンコードと同様に、Adobe Premiere Pro はハードウェアアクセラレーションによるデコードに対応しています。これにより、タイムラインでの H.264/AVC メディアや HEVC メディアの再生パフォーマンスを改善できます。
ハードウェアアクセラレーションによるデコードを有効にするには:
-
-
「ハードウェアによる高速処理のデコードを有効にする(再起動が必要)」を選択します。
-
Adobe Premiere Pro を再起動します。
サポートされるコーデックプラットフォーム
この機能は、MP4 メディアで使用できます。特に、H.264/AVC コーデックと HEVC コーデックに対応しています。Premiere Pro、Adobe Media Encoder、After Effects バージョン 22.0 以降は、Intel プラットフォームで HEVC 4:2 10 ビットハードウェアアクセラレーションによるデコードをサポートしています。
M2TS(MPEG-2 Transport Stream)はサポートされていません。4K M2TS メディアを使用している場合、サポート対象の MP4 コーデックに変換すると、再生パフォーマンスが向上する可能性があります。変換後の MP4 メディアは、ハードウェアアクセラレーションによるデコードを利用できます(HD M2TS メディアの場合、パフォーマンスが改善されない可能性があります)。
システムに搭載されている RAM が 8GB 以下の場合、統合 GPU は共有 GPU メモリーとして RAM を使用します。このため、統合 Intel® GPU でハードウェアアクセラレーションによるデコードが制限され、結果的に処理が CPU に引き継がれる可能性があります。パフォーマンスを改善するには、16GB 以上の RAM の使用をおすすめします。
ハードウェアアクセラレーションによるデコード、Mercury Playback Engine(GPU アクセラレーション)、ハードウェアアクセラレーションによるエンコードの違い
- Mercury Playback Engine(GPU アクセラレーション)は、GPU で高速処理されたエフェクトをレンダリングし、再生処理を改善するために使用されるレンダラーです。
- ハードウェアアクセラレーションによるエンコードは、H.264/AVC と HEVC コーデックでタイムラインを書き出すときに、エンコード処理を高速化するために使用されます。
- ハードウェアアクセラレーションによるデコードは、タイムラインを再生しながら H.264/AVC と HEVC メディアの高速でデコードするためのプロセスです。