編集/環境設定/メディア&ディスクキャッシュ(Windows)または After Effects/環境設定/メディア&ディスクキャッシュ(Mac OS)を選択して、「ディスクキャッシュを有効にする」を選択または選択解除します。
After Effects CS6 以降を使用している場合は、メモリとディスク | CC、CS6 を参照してください。
64 ビット版 After Effects のメモリ(RAM)使用について
64 ビットアプリケーションと 64 ビットアドレススペースの長所
32 ビットアプリケーションで使用可能な RAM の最大容量は 4 GB であり、最近のコンピューターに搭載できる、64 ビットオペレーティングシステムでアドレス可能な RAM の容量よりもかなり少ない容量です。After Effects CS4 は 32 ビットアプリケーションであり、複数のフレームを同時にレンダリングするための After Effects CS4 アプリケーションの別個のインスタンス(プロセス)を開始する場合に、4 GB を超える RAM を使用することができませんでした。After Effects CS5 は 64 ビットアプリケーションです。したがって、各プロセスは、64 ビット版の Windows Vista、Windows 7 および Mac OS オペレーティングシステムでアドレス可能な RAM 全体を使用できます。
プロセスごとに大容量の RAM を使用できるため、次のような利点があります。
フレームのサイズが大きくソースファイルが大きい大型のコンポジションを、プレビュー用にも最終出力用にもレンダリングできます。
より長い RAM プレビューが可能になります。
メモリの制約を受けることなく、色深度を高くして処理できます。
After Effects のキャッシュ可能なアイテム数が増えるため、フレームとフレームのコンポーネントが再レンダリングされる頻度が減ります。
メモリとマルチプロセッサーの環境設定
編集/環境設定/メモリ&マルチプロセッサー(Windows)または After Effects/環境設定/メモリ&マルチプロセッサー(Mac OS)を選択することにより、メモリとマルチプロセッサーの環境設定を指定できます。
メモリ&マルチプロセッサーダイアログボックスで設定を変更すると、ダイアログボックス内に表示されているメモリと CPU の割り当て方法と使用方法が動的に更新されます。
「他のアプリケーション用に確保する RAM」環境設定は、「複数のフレームを同時にレンダリング」を選択しているかどうかと関係しています。After Effects マルチプロセッサーカテゴリの設定は、「複数のフレームを同時にレンダリング」が選択されている場合にのみ適用されます。
Todd Kopriva が、アドビ システムズ社の Web サイトで、メモリとプロセッサーの最適な設定に関する情報を公開しています。
他のアプリケーション用に確保する RAM
オペレーティングシステム、After Effects 以外のアプリケーションおよびメモリプールを共有するアプリケーション用の RAM の空き容量を多く確保する場合は、この値を大きくします(After Effects、Premiere Pro、Encore および Adobe Media Encoder との間で共有するメモリプールを参照)。After Effects と同時に特定のアプリケーションを使用することがわかっている場合は、そのアプリケーションのシステム要件を確認し、そのアプリケーションに最低限必要な RAM 容量にこの値を設定します。オペレーティングシステム用に十分なメモリが確保されているときに処理速度が最大になるため、この値を最低限の基準値よりも低く設定することはできません。
複数のフレームを同時にレンダリング
After Effects での「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能の使用に関するビデオチュートリアルについては、video2brain の Web サイトを参照してください。
After Effects は、メインであるフォアグラウンドアプリケーションで RAM プレビューや最終出力用のフレームをレンダリングするときに、バックグラウンドで追加のプロセスを起動してレンダリングをサポートさせることができます。これらのバックグラウンドプロセスは、AfterFX.exe (Windows)または aeselflink (Mac OS)と表示されています。
このマルチプロセッサー方式では、個々のプロセッサーコア(CPU)上で、それぞれのバックグラウンドプロセスが個別のフレームをレンダリングします。この、複数フレームを同時にレンダリングするためのプロセス数は、搭載されている CPU 数より多くなることはありません。
After Effects CS5 は、「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能など、様々な方式のマルチプロセスのハイパースレッディングによって作成される仮想的(論理的)なプロセッサーコアを多くのコンピューターシステム上で使用できます。After Effects CS4 以前のバージョンでは、「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能は物理的なコアでのみ使用可能でした。
コンピューターで実行できるバックグラウンドプロセスの数は、システムの合計 RAM 容量と After Effects アプリケーションに割り当てられている RAM 容量によっても制限されます。
各バックグラウンドプロセスに必要な RAM の容量は、システム設定やシステム構成に応じて異なります。
RAM キャッシュ(RAM プレビューフレーム保存用の RAM)の空き容量がほとんどなくなると、バックグラウンドプロセスはレンダリングを停止して、低メモリ消費状態に移行し、フォアグランドプロセスがレンダリングを開始します。これは、「複数のフレームを同時にレンダリング」がオフになっている状態と同じです。このため、RAM プレビューのレンダリングは最初は高速で処理されますが、レンダリングに使用されるプロセッサーコア数が 1 つになると速度が低下します。
「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能を使用しても、すべてのコンポジションのレンダリング時間が短縮されるわけではありません。例えば、幅や高さが数千ピクセルの非常に大きなサイズの背景プレートを使用して作業している場合は、コンポジションのレンダリング時に多くのメモリを必要とします。あるいは、専用の高速なローカルディスクドライブ以外の場所に保管されているソースファイルを多数使用して作業をしている場合は、コンポジションのレンダリング時に広バンド幅を必要とします(ファイルアクセスが集中的に行われます)。「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能は、グローやブラーなど、プロセッサーリソースを大量に消費するエフェクトが適用されている場合など、コンポジションで最も多く使用されるリソースが CPU 処理能力である場合に最適に機能し、パフォーマンスを向上させます。
ウィルス対策ソフトウェアはすべての読み込みおよび書き込み処理を監視するため、「複数のフレームを同時にレンダリング」が選択されている場合は特に、これらのソフトウェアによってレンダリング速度が低下します。
また、複数のスレッドを使用して、1 つのフレームのレンダリングを高速化します。この方式のマルチプロセスは、「複数のフレームを同時にレンダリング」環境設定には依存しません。
バックグラウンド CPU ごとの RAM 割り当て
各バックグラウンドプロセスに割り当てる最小 RAM 容量を指定します。各プロセスはそれぞれ別個の CPU(プロセッサーコア)で実行されます。この値を小さくすると、同時に使用できる CPU 数が増えますが、各 CPU の RAM 容量が限られます。レンダリングするフレームの種類に対してこの値が小さすぎると、バックグラウンドプロセスでフレームをレンダリングできず、フォアグラウンドプロセスだけでフレームがレンダリングされます。例えば、高精細(HD)テレビまたはデジタルシネマのピクセルサイズでフレームをレンダリングする場合は、この値を 0.75 GB のような低い値に設定しないでください。
各バックグラウンドプロセスに割り当てられる最適な RAM 容量は、プロジェクト設定(カラー(ビット)深度など)、コンポジション設定(コンポジションフレームのピクセルサイズなど)および適用されているエフェクトによって異なります。一般的な標準精細形式のテレビプロジェクトの場合は、少なくとも 1 バックグラウンドプロセスあたり 1 GB を確保することをお勧めします。HDTV 用のコンポジションを含む通常の プロジェクトの場合は、最適なパフォーマンスのために少なくとも 1 バックグラウンドプロセスあたり 2 GB を確保することをお勧めします。使用しているコンピューターシステムとプロジェクトでいくつかテストを実行し、特定のニーズにあった最適な設定を決定してから、この設定を開始してください。デジタルシネマプロジェクトやフレームサイズの大きいプロジェクトの場合は、最適なパフォーマンスのために 1 バックグラウンドプロセスあたりさらに多くの RAM が必要です。
他のアプリケーション用に確保する CPU 数
コンピューターシステム内の CPU(プロセッサーコア)を After Effects だけで独占しないようにするには、この値を 0 以外の数値に設定します。例えば、CPU を 8 個搭載したコンピューターの場合、この値を 2 に設定すると、CPU 6 個を After Effects で使用できます。
ほとんどの場合、すべてのプロセッサーに十分な RAM を割り当てた状態でも、「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセスが使用するプロセッサー最大数よりも値を低くすれば、処理速度が改善されます。After Effects はマルチスレッド型のアプリケーションであるため、「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス以外の高度な方式のマルチプロセスも使用できますが、これらのスレッドが「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセスでレンダリングに使用されるバックグラウンドプロセスと同じリソースで競合した場合は、プロセッサーが「オーバースケジュール」になる可能性があります。したがって、「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセスで使用されるプロセッサー数を最初は少なくする方法が最善です。プロセッサーの数を増やしながら、コンピューターシステムとコンポジションに適した数を決めます。
After Effects が「複数のフレームを同時にレンダリング」によるマルチプロセスを一時的に無効にする場合
バックグラウンドプロセスによって複数のフレームを同時にレンダリングできない場合、情報パネルにメッセージが表示され、メインのフォアグラウンドプロセスだけですべてのフレームがレンダリングされます。以下のメッセージが表示されます。
「RAM が不足しています。マルチプロセッサーはオフです。」
「互換性のないエフェクトまたはエクスプレッションです。マルチプロセッサーはオフです。」
「互換性のないプレビューモードです。マルチプロセッサーはオフです。」
「互換性のないコンポジションです。マルチプロセッサーはオフです。」
一般的に、次の場合に「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセスが一時的に無効になります。
1 つのフレームのレンダリングに必要な RAM 容量が、個別のバックグラウンドプロセスで利用可能な RAM 容量より大きい。
プロジェクトが OpenGL を使用して RAM プレビューまたは最終出力をレンダリングしている。「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能は、複数の CPU プロセッサーコア上でバックグラウンドプロセスによってフレームをレンダリングします。それに対して、OpenGL を使用したレンダリングでは、処理が GPU に移行されます(OpenGL でレンダリングするを参照)。
コンポジションで GPU 処理を必要とするエフェクトが使用されている。これらのエフェクトは、多くの場合 Pixel Bender で実装されたエフェクトです。
コンポジションに、ライブ Photoshop 3D レイヤーが含まれている(Photoshop の 3D オブジェクトレイヤーを参照)。
コンポジションで、レンダリング処理が以前のフレームのキャッシュにアクセスできる場合に迅速にレンダリングされる時間コンポーネントのあるエフェクトが使用されている。これらのエフェクトには、「時間軸方向のスムージング」オプションのあるいくつかのエフェクトが含まれます。
コンポジションで、順序に厳密に従ってフレームをレンダリングしなければならない時間コンポーネントのあるエフェクトが使用されている。
コンポジションで次のいずれかのエフェクトが使用されている場合、コンポジションは「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能でレンダリングされません。
自動カラー補正
自動コントラスト
自動レベル補正
カートゥーン
ブラー(レンズ)
パーティクルプレイグラウンド
シャドウ・ハイライト
CC Time Blend や RE:Vision Effects Video Gogh などの一部のサードパーティ製エフェクトも「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセス機能と互換性がありません。
After Effects、Premiere Pro、Encore および Adobe Media Encoder との間で共有するメモリプール
After Effects は、Adobe Media Encoder、Premiere Pro および Encore とメモリプールを共有します。これは、メモリ&マルチプロセッサー環境設定パネルの上部に表示されているそれぞれのアプリケーションのアイコンで示されます。実行していないアプリケーションのアイコンはグレー表示になります。
メモリバランサーにより、各アプリケーションに割り当てるメモリを動的に管理できるため、RAM がディスクにスワップするのを回避できます。各アプリケーションは、数種類の基本的な情報(必要な最低メモリ量、使用可能な最大メモリ量、現在使用中のメモリ量、優先度)をメモリバランサーに登録します。優先順位には、「低」、「標準」および「高」の 3 つの設定があります。「高」は、現在 After Effects と Premiere Pro がアクティブなときに割り当てられます。「標準」は、バックグラウンド処理の After Effects とフォアグラウンドで起動する Adobe Media Encoder に割り当てられます。「低」は、Premiere Pro のバックグラウンドサーバーとバックグラウンドの Adobe Media Encoder に割り当てられます。
メモリプール共有の結果の実例を 1 つ挙げます。例えば、Premiere Pro を起動すると、RAM プレビュー用に After Effects が使用できる RAM 容量が減り、Premiere Pro が終了すると、すぐに After Effects 用に RAM が解放され、RAM プレビューのデュレーションが長くなります。
メモリ&マルチプロセッサーの詳細ダイアログボックス
メモリ&マルチプロセッサーの詳細ダイアログボックスには、搭載されている RAM、現在の RAM 使用量および許容 RAM 使用量に関する情報が表示されます。また、Adobe Media Encoder、After Effects、Premiere Pro および Encore に関連するプロセスの一覧が、複数の列で構成される表に表示されます。この表の内容は、プロセスID、アプリケーション名、最小必要メモリ、最大使用可能メモリ、最大許容メモリ、現在のメモリ、現在の優先度など、各プロセスに関する情報です。
このダイアログボックスを開くには、編集/環境設定/メモリ&マルチプロセッサー(Windows)または After Effects/環境設定/メモリ&マルチプロセッサー(Mac OS)を選択し、環境設定ダイアログボックスの下部にある「詳細」ボタンをクリックします。
「コピー」ボタンを使用して、情報をクリップボードにコピーすることもできます。
レンダリングのメモリ(RAM)要件
フレームのレンダリングのメモリ要件(プレビューまたは最終出力用)は、コンポジション内のレイヤーのうち、メモリ消費量が一番多いもののメモリ要件に伴って大きくなります。
After Effects では、コンポジションの各フレームは一度に 1 レイヤーずつレンダリングされます。したがって、使用可能なメモリで特定フレームをレンダリングできるどうかを判断する際は、コンポジションのデュレーションやコンポジション内のレイヤー数よりも、各レイヤーのメモリ要件の方が大きな要因になります。コンポジションのメモリ必要量は、コンポジション内でメモリを最も大量に消費する単独のレイヤーのメモリ必要量に相当します。
次のような条件では、レイヤーのメモリ要件が増加します。
プロジェクトの色深度を大きくしている
コンポジションの解像度を高くしている
大きいサイズのソースイメージを使用する
カラーマネジメントを有効にする
マスクを追加する
文字単位の 3D 化を使用する
コラップストランスフォームなしでプリコンポーズする
複数のレイヤーに関連する、特定の描画モード、レイヤースタイルまたはエフェクトを使用する
3:2 プルダウン、クロップ、サイズ変更などの出力オプションを適用する
3D レイヤーの使用時に「シャドウ」エフェクトや「被写界深度」エフェクトを追加する
After Effects では、個々のフレームを保存するために連続するメモリブロックが必要です。個々のフレームを別々に断片的なメモリに保存することはできません。非圧縮フレームの保存に必要な RAM の量については、「出力ファイルの保存要件」を参照してください。
必要なメモリを減らし、パフォーマンスを向上するヒントについては、プロジェクトの簡略化による処理速度の改善を参照してください。
メモリ(RAM)の消去
After Effects では、コンポジションの表示やレンダリングに必要なメモリが不足している場合、警告メッセージが表示されることがあります。メモリ不足の警告が表示された場合は、メモリを解放するか、メモリを最も大量に消費するレイヤーに必要なメモリを減らしてからやり直してください。
メモリは、編集/キャッシュの消去メニューにあるいくつかのコマンドで直ちに解放できます。
メモリの問題に関するトラブルシューティング
エラー:「現在のフレームをレンダリングするために必要なメモリを割り当てることができません。」
このフレームのレンダリングのメモリ要件を小さくするか、RAM を増設します。
エラー:「[n] MB のメモリを割り当てることができません。」
このフレームのレンダリングのメモリ要件を小さくするか、RAM を増設します。
エラー:「イメージバッファーのサイズ [幅] x [高さ] @ [色深度] bpc([n] GB)が内部制限を超えています。」
このフレームのレンダリングのメモリ要件を小さくします。
1 つのフレームが占有可能なメモリの最大容量は 2 GB です。
エラー:「メモリの割り当て量 [n] GB が内部制限を越えています。」
このフレームのレンダリングのメモリ要件を小さくします。
1 回のメモリ割り当ての最大サイズは 2 GB です。
メモリとマルチプロセッサーに関するオンラインリソース
64 bit After Effects アプリケーションの長所と、After Effects やその他のアプリケーションにメモリを割り当てる方法を示すビデオについては、次のアドビ システムズ社の Web サイトを参照してください。アドビ システムズ社の Web サイト
出力ファイルの保存要件
圧縮されていない 1 つのフレームをフル解像度で保存するのに必要なメガバイト数は、次の計算式を使用して求めます。
高さ(pixel)x 幅(pixel)x チャンネル当たりのビット数 / 2,097,152
2,097,152 という値は、1 メガバイト当たりのバイト数(220)、1 バイト当たりのビット数(8)および 1 ピクセル当たりのチャンネル数(4)による換算率です。
以下にフレームサイズとメモリ要件の関係を何例か示します。ここでは 1 フレームあたりのメガバイト(MB)数で表しています。
8 bpc プロジェクトにおける DV NTSC(720 x 480)フレーム:1.3 MB
8 bpc プロジェクトにおける D1/DV PAL(720 x 576)フレーム:1.6 MB
16 bpc プロジェクトにおける HDTV(1920 x 1080)フレーム:16 MB
32 bpc プロジェクトにおける 4K デジタルカメラ(4096 x 2304)フレーム:144 MB
ビデオは通常、最終出力へのレンダリング時に、エンコード処理により圧縮されます。そのため、1 つのフレームに必要なメモリ量をフレームレートとコンポジションのデュレーションで単純に掛け合わせることでは、最終出力ムービーを保存するのに必要なディスク容量を判断することはできません。ただし、このような計算によって、必要な最大ディスク容量を大まかに知ることができます。例えば、1 秒間(約 30 フレーム)の圧縮されていない標準精細形式の 8 bpc ビデオには約 40 MB のディスク容量が必要です。このデータレートの長編ムービーを保存するには、200 GB 以上のディスク容量が必要です。ビデオのファイルサイズを 1 秒あたり 3.6 MB まで縮小する DV 圧縮を使用した場合でも、典型的な長編ムービーには 20 GB 以上のディスク容量が必要です。
色深度が高くフレームサイズが大きく圧縮率がかなり低い長編フィルムでは、フッテージとレンダリングした出力ムービーにテラバイト単位のディスク容量が必要なこともあります。
キャッシュ:RAM キャッシュ、ディスクキャッシュ、メディアキャッシュ
After Effects では、コンポジションで作業中には、レンダリングされたフレームとソースイメージの一部を一時的に RAM に格納し、プレビューと編集の速度を上げています。レンダリングにほとんど時間がかからないフレームの場合はキャッシュされません。フレームは圧縮されないままでイメージキャッシュに保持されます。
After Effects ではフッテージレベルおよびレイヤーレベルでキャッシュが行われるため、より高速なプレビューが可能です。変更されたレイヤーはプレビュー中にレンダリングされ、変更されていないレイヤーはキャッシュから合成されます。
RAM キャッシュがいっぱいになると、RAM キャッシュ内の古いフレームが、新たに追加されたフレームで置き換えられます。RAM プレビューのためにフレームがレンダリングされるとき、キャッシュがいっぱいになると、イメージキャッシュへのフレームの追加が中止され、RAM キャッシュに格納できたフレームのみを再生し始めます。
タイムライン、レイヤーおよびフッテージの各パネルの時間スケールの緑色のバーは、RAM にキャッシュされているフレームを示しています。タイムラインパネルの青いバーは、ディスクにキャッシュされているフレームを示しています。
レイヤーキャッシュインジケーター(CS5.5 以降)
レイヤーキャッシュインジケーターを使用すると、キャッシュされたフレームをレイヤーごとに表示することができます。これは、どのレイヤーがコンポジションにキャッシュされたかを判断するのに役立ちます。
「レイヤーキャッシュインジケーター」オプションを有効にするには、タイムラインパネルメニューで「キャッシュインジケーターを表示」オプションを有効にする必要があります。
レイヤーキャッシュインジケーターを有効にすると、コンポジション内の各レイヤーの下に表示されます。各レイヤーの幅は、インジケーターの分だけ狭まります。タイムライン、レイヤーおよびフッテージの各パネルと同様、キャッシュインジケーターは、次のいずれかの色で表示されます。
緑:フレームは RAM にキャッシュされます。
青:フレームはディスクにキャッシュされます。
キャッシュインジケーターを表示すると、パフォーマンスがわずかに下がります。
ディスクキャッシュ
スタンダードプレビュー中に RAM キャッシュがいっぱいになると、レンダリングされたアイテムをハードディスクに保存できます。タイムライン、レイヤーおよびフッテージの各パネルの時間スケールにある青色のバーは、ディスクにキャッシュされているフレームを示しています。
RAM プレビューにはディスクキャッシュは使用されません。スタンダードプレビューのみに使用されます(スタンダードプレビューを使用してビデオを再生するを参照)。
After Effects CS5.5 以降では、ディスクキャッシュは初期設定で有効になっています。
ディスクキャッシュの環境設定について、およびディスクキャッシュを有効または無効にするには、次の操作を行います。
ディスクキャッシュ環境設定では、キャッシュを格納するフォルダーを選択できます。
-
「フォルダー選択」ボタンをクリックし、「OK」(Windows)または「選択」(Mac OS)をクリックします。
ディスクキャッシュを空にするには
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「ディスクキャッシュを空にする」ボタンをクリックします。
ディスクキャッシュが有効になっている場合でも、連続したブロックの RAM に各フレームが格納できる状態になっている必要があります。ディスクキャッシュを有効にしても、コンポジションの単一フレームの格納またはレンダリングに対して RAM が不足している場合の助けにはなりません。
ディスクキャッシュで最高の処理速度を得るには、ソースフッテージとは別の物理ハードディスクにあるフォルダーを選択してください。可能であれば、ソースフッテージが保存されているディスクとは異なるドライブコントローラを使用しているハードディスク上のフォルダーを指定してください。ディスクキャッシュフォルダーには、可能な限り多くの領域を割り当てた高速なハードドライブまたは SSD をお勧めします。ディスクキャッシュのフォルダーをハードディスクのルートフォルダーにすることはできません。
RAM キャッシュと同様に、ディスクキャッシュには、フレームをキャッシュから取得した方がフレームを再レンダリングするよりも高速である場合にのみフレームが格納されます。
「最大ディスクキャッシュサイズ」の設定では、使用するハードディスク容量(ギガバイト単位)を指定します。After Effects CS6 では、デフォルトのディスクキャッシュサイズがボリュームの合計サイズの 10%、最大 100 GB までに設定されます。After Effects CS5.5 では、この容量はデフォルトで 20 GB です。これにより、ディスクキャッシュの対象になるフレーム数は従来バージョンより増えています。
After Effects CS5.5 では、環境設定/メディア&ディスクキャッシュに設定されているサイズに 10 GB 加えた値以上の空き容量があることが確認されます。ディスクキャッシュ用の空き容量が不足している場合には警告が表示されます。
ロトブラシフレームは永続的にキャッシュされません。
メディアキャッシュ
ある形式のビデオやオーディオを読み込むと、After Effects ではこれらを処理してキャッシュを作成し、プレビューを作成するときにすばやくアクセスできるようにします。読み込んだオーディオファイルはそれぞれ調整されて新しい .cfa ファイルになり、MPEG ファイルにはインデックスが追加されて新しい .mpgindex ファイルになります。ビデオアイテムやオーディオアイテムはプレビューのたびに処理されないので、メディアキャッシュにより、プレビューのパフォーマンスが大幅に向上します。
ファイルを最初に読み込んだ場合、メディアが処理されキャッシュが実行される間、速度が遅く感じる場合があります。
データベースには、キャッシュされたメディアファイルへのリンクが保持されます。このメディアキャッシュデータベースは、Adobe Media Encoder、Premiere Pro、 Encore および Soundbooth で共有されるので、これらのどのアプリケーションも同じキャッシュファイルを読み書きすることができます(注意:Adobe Audition CS5.5 はメディアキャッシュデータベースを共有しません)。いずれかのアプリケーションでデータベースの場所を変更すると、他のアプリケーションでの場所情報も更新されます。どのアプリケーションにも固有のキャッシュフォルダーがありますが、それらすべてを同一のデータベースが追跡します。
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編集/環境設定/メディア&ディスクキャッシュ(Windows)または After Effects/環境設定/メディア&ディスクキャッシュ(Mac OS)を選択し、次のいずれかの操作を行います。
- 該当する「フォルダーを選択」ボタンをクリックして、メディアキャッシュデータベースまたはメディアキャッシュ自体の場所を変更します。
- 「データベースとキャッシュをクリーン」をクリックして調整およびインデックス済みのファイルをキャッシュから消去し、データベースからそれらのエントリを消去します。このコマンドでは、ソースファイルがないフッテージアイテムに関連するファイルだけが削除されます。
注意:「データベースとキャッシュをクリーン」ボタンをクリックする前に、現在使用しているソースメディアを含むストレージデバイスがコンピューターに接続されていることを確認してください。フッテージがあるストレージデバイスが接続されていなかったため、フッテージがないと見なされた場合、メディアキャッシュ内の関連するファイルが削除されます。その結果、後でこのフッテージを使用するときに、フッテージの再確認またはインデックスの再作成が必要になります。
「データベースとキャッシュをクリーン」ボタンを使用してデータベースとキャッシュをクリーンしても、ソースファイルがあるフッテージアイテムに関連するファイルは削除されません。最適化されたファイルとインデックスファイルを手動で削除するには、メディアキャッシュフォルダーに移動してファイルを削除します。メディアキャッシュフォルダーの場所は最適化されたメディアキャッシュの環境設定に表示されます。パスが途中で切れている場合は、「フォルダーを選択」ボタンをクリックするとパスが表示されます。