内容 (What's Covered)
この文書では、Adobe Acrobat Distiller および Adobe PDF プリンターを使用して、既存の PDF ファイルを再変換する際の制限事項について説明しています。弊社では、以下の方法で PDF ファイルを再変換することを推奨していません。
- Adobe PDF プリンターを使用して PDF ファイルをプリントする
- PDF ファイルを PostScript ファイルに変換し、その後 Distiller で PDF ファイルに変換する
フォントの埋め込みやファイルサイズの縮小が目的の場合は、上記の手順ではなく、Adobe Acrobat の機能を使用して既存のファイルを変更してください。上記の手順で再変換を行うことにより、検索機能や文書構造など、多くの機能が失われます。
A. ファイルサイズの縮小機能
Acrobat には、PDF ファイルのファイルサイズを縮小する機能が用意されています。PDF の互換性を指定することにより、ファイルサイズを軽減します。新しいバージョンを選択することにより効果が得られます。
ファイルサイズを縮小する方法は、Acrobat のバージョンによって異なります。
- Acorbat DC の場合: ファイル/その他の形式で保存/サイズが縮小された PDF を選択します。
- Acrobat XI の場合 : ファイル/その他の形式で保存/サイズが縮小された PDF を選択します。
- Acrobat X の場合 : ファイル/名前を付けて保存/サイズが縮小された PDF を選択します。
- Acrobat 9 の場合 : 文書/ファイルサイズを縮小を選択します。
上記の操作を行うと、ファイルサイズの縮小ダイアログボックスが表示されます。対象バージョンを指定して、オリジナルの PDF とは別のファイル名または別の場所に保存してください。
B. PDF の最適化機能
注意 : この機能は、Standard 版では使用できません。
Acrobat の PDF 最適化機能を使用することにより、以下の設定を細かく指定して、PDF ファイルを最適化することができます。最適化を行うことにより、多くの場合はファイルサイズが軽減されます。
- 互換性
- 画像のダウンサンプル
- フォントの埋め込み
- 透明の処理
- 特定のオブジェクトを指定して破棄
- 特定のユーザーデータを指定して破棄
- 最適化の詳細設定
PDF を最適化する方法は、Acrobat のバージョンにより異なります。
- Adobat DC の場合:ファイル/その他の形式で保存/最適化された PDF を選択します。
- Acrobat XI の場合:ファイル/その他の形式で保存/最適化された PDF を選択します。
- Acrobat X の場合:ファイル/名前を付けて保存/最適化された PDF を選択します。
- Acrobat 9 の場合:アドバンスト/PDF の最適化を選択します。
C. PDF の再変換に関する制限事項
Distiller および Adobe PDF プリンターを使用した既存の PDF ファイル変換には、以下のような制限事項があります。
- フォントを使用したテキストは検索の対象外になる可能性があります。
- 透明は統合され、ファイルサイズが増加する可能性があります。
- 色合いが維持されず、予期しないノイズが発生する可能性があります。
- PDF ファイルを PostScript ファイルに変換すると、リンク、ブックマーク、フォームデータ、構造化 PDF およびタグ付き PDF の機能、概要の情報が失われます。
- 注釈は削除されますが、注釈の印刷オプションが有効になっている場合、外観は PDF タグに統合されます。
- セキュリティやデジタル署名によって暗号化された PDF ファイルは再変換できません。
- PDF ファイルの ICC カラースペースが PostScript CSAs(Color Space Arrays)に変換され、その後、再度 ICC プロファイルに変換されます。ICC カラースペースから Color Space Arrays への変換は非可逆変換であるため、特に キャリブレートされた CMYK の ICC プロファイルでは画質が損なわれます。
- JPEG 圧縮の画像を一度解凍され、その後再度圧縮されます。その結果、画質は低下します。
- 圧縮またはダウンサンプルのオプションが有効になっている場合、画質は低下します。
やむを得ず既存の PDF ファイルを Distiller や Adobe PDF プリンターで再変換する場合は、オリジナルの PDF ファイルを上書きせず、別の場所や別のファイル名で保存することを推奨します。