作成したデータを入稿する際、文字化けや画像のリンク切れなど印刷事故が起きないようトラブルを未然に防ぐことは重要なポイントです。多くの印刷会社では、PhotoshopやIllustrator、InDesignといったアプリケーションのネイティブ形式はもとより、PDFでの入稿も増えています。 Creative Cloud環境で安心、安全な印刷データ運用を実現するために、PDFの書き出し方法について押さえておきましょう。

入稿用PDFとは?

PDFとは、元々出力用にPostScriptで書かれたオブジェクトを画面で確認するためのものとしてアドビが開発したファイル形式です。現在はオープンソースとなり、OSや環境に関わらず、PCで作成したデータのやりとりが可能な汎用性の高いファイル形式として、多くの企業やアプリケーションに採用されています。

PDFにはデータをやり取りする用途に合わせ、国際標準化機構(ISO) にて定められた規格があります。その中で印刷用途として定められているものがPDF/Xです。

PDF/X とは?

PDF/X は、出力上の問題を引き起こす原因となるカラー、フォントおよびトラップ値の多くを除去するためのグラフィックコンテンツ交換用のISO標準規格(ISO32000)です。出力のためのデータ制作において、合理的なワークフローを実現することができます。

PDF/X にもいくつかの種類があります。現在日本の印刷業界で主流なのはPDF/X-1a です。従来のEPS ファイルと同様にCPSI 系のRIP からの出力を行なうため、多くの印刷会社が採用しています。

PDF/X-3 はベースはPDF/X-1a と同じですが、RGB カラーに対応しています。

PDF/X-4 は、透明効果が使用されたRGB ワークフローや文字の品質向上を主な目的として、透明効果を保持したままのPDF 運用を前提としています。PDF/X-1a やPDF/X-3 の後継の規格として生まれました。

PDF/X-4とAdobe PDF Print Engine

最新のRIP技術がAdobe PDF Print Engineです。従来のCPSI 系のRIPがPostScriptを処理するのに対して、Adobe PDF Print EngineはPDF をダイレクトに処理することができます。PDFをダイレクトに処理する事で、透明効果の分割処理やRGB 画像のCMYK変換などデバイスに依存した処理もRIP内部で行うことができるようになります。

これは、あらかじめ透明の分割処理やCMYK変換が必要なPDF/X-1aとは全く異なり、デバイス依存のない(Device Independent)PDFを運用することになります。デバイス依存のないPDF を運用することで、POD(Print On-Demand)運用などの、柔軟な印刷形態に対応でき、デバイスごとに最適化したPDF を作成する事なく、一つのPDFであらゆるデバイスに最適な処理を行うことができます。

要は印刷会社に渡す前に透明分割やCMYKの処理を行わず、ネイティブデータ同様に印刷会社のRIPにあわせてダイレクトで出力ができるようになります。そのため、従来のフローに比べると圧倒的に処理時間が短縮できます。

このような処理が可能になる技術がAdobe PDF Print Engineであり、デバイス依存のないPDFを規格化したPDF/X-4を運用することで、そのメリットを活かすことができます。

PDF/X-4運用

今や、ハイエンドな印刷はPDF作成を基準としての運用が標準になっていますし、デザイナーの多くはよりデザイン性の高いデータ作成にドロップシャドウや乗算といった透明効果を利用しています。

信頼できるPDF印刷出版ワークフローには、前述のように最適なPDFファイル形式として PDF/X-4を使用することをお勧めします。EPS などのPostScriptを介するものではなくPDFのダイレクト出力が推奨運用となります。ダイレクト出力で安定した高速な運用をCreative Cloud提供のアプリケーションがお手伝いします。

PDF書き出しプリセットとは?

PDFに書き出せばなんでも印刷に適しているわけではありません。デザインや出力先のRIPの対応により最適な設定を選ぶ必要があります。そのために、アドビのアプリケーションでは、あらかじめ用途に応じたPDFが書き出せるようにプリセットを用意しています。

PDFプリセットとは、カラーやフォント、画像の解像度など、PDF作成処理に影響を与える設定をまとめたものです。これらの設定は、PDFの使用方法に従って、ファイルサイズと品質とのバランスをとるように設計されています。定義済みのプリセットのほとんどは、Illustrator、InDesign、PhotoshopなどのCreative Cloudアプリケーション間で共有されます。

また、独自の出力要件に合わせてカスタムプリセットを作成および共有することもできます。保存される PDFプリセットファイルには、拡張子.joboptionsが付いています。PDF文書を作成するときに選択するPDFプリセットは、ドキュメントの用途によって異なります。

Creative Cloudに付属のデフォルトでインストールされるPDFプリセットには、「最小ファイルサイズ」、「高品質印刷」「プレス品質」、「雑誌広告送稿用」、「PDF/X-1a:2001(日本)」、「PDF/X-3:2002(日本)」、「PDF/X-4:2008(日本)( 規格はPDF/X4:2010)」があります。

 

プリセットの詳細設定について

PDF&出力の手引き(PDF) をご参照ください。PDF、Illustrator、InDesign、Photoshopの最新環境において正しく出力できることを目的に、気をつけたいポイントを解説しています。

 


推奨するPDF書き出しプリセット設定

第2回印刷業界意見交換会より要望のあった、安定したPDF書き出しのためのプリセットを、主要なRIPメーカーの一つである株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ( 以下 、SCREEN) にご協力いただき用意しました。下記のリンクからダウンロードし、Illusrator、InDesign、Photoshopで読み込みご使用ください。

SCREEN 「出力の手引きWeb」よりPDFプリセットをダウンロード

※なお、この設定が100% 完全な出力を保証するというものではありません。

 


 


[最適なプランをお選びください]

Illustratorなど単体製品とサービスのみ使用できる単体プランから、PhotoshopとLightroomのバンドル、すべての製品・サービスが利用可能なコンプリートプランまで、ニーズに合わせてお選びいただけます。Creative Cloudプラン一覧 ›

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