ボーカルやインストゥルメンタル部分を抽出する方法 (Audition CC2015)

この文書では、Adobe Audition CC2015 で、ボーカルや特定の楽器(インストゥルメンタル)の音のみを抽出する方法について説明しています。

Audition CC2015 のセンターチャンネルエクストラクターエフェクトを使用して、オーディオファイルからボーカルや特定の楽器(インストゥルメンタル)のみを抽出することができます。

A. ボーカルやインストゥルメンタル部分を抽出する

センターチャンネルエクストラクターエフェクトを使えば、ステレオのまま、ボーカルやインストゥルメンタルの部分を抽出して、アカペラやカラオケのトラックを作成することができます。

  1. Audition を起動し、ファイル/開く から、オーディオファイルを読み込みます。
  2. エフェクト/ステレオイメージ/センターチャンネルエクストラクターを選択します。
    ※センターチャンネルエクストラクターエフェクトについて詳しくは、下記の「B. センターチャンネルエクストラクターエフェクトについて」をご確認ください。

  3. エフェクトウィンドウが表示されます。

  4. プリセットから、ボーカルを抽出する場合は「アカペラ」、インストゥルメンタル部分を抽出する場合は「ボーカル削除」を選択します。

  5. ウィンドウ下部の再生ボタンでエフェクトの効果をプレビュー再生することができます。
    ※ 再生ボタンの左にある パワー状態を切り替え ボタン をクリックすると、デフォルト状態のオーディオも確認できます。

  6. 必要に応じて、周波数範囲を変更するなど、調整を行います。
    ※センターチャンネルエクストラクターエフェクトで行える調整について詳しくは、下記の「B. センターチャンネルエクストラクターエフェクトについて」をご確認ください。

  7. 手順 5. および手順 6. を何度か繰り返して調整が終了したら、「適用」ボタンをクリックします。

  8. エフェクトが適用され、ボーカルやインストゥルメンタル部分が抽出されたオーディオが作成されます。

B. センターチャンネルエクストラクターエフェクトについて

センターチャンネルエクストラクターエフェクトでは、L/R 両方のチャンネルに共通する周波数 (センターにパンされるサウンド) を維持または削除します。このエフェクトを使用すると、ボーカル、ベース、キックドラムなどのボリュームを上げることや、それらのいずれかを削除して、ボーカルやインストゥルメンタル部分を抽出することができます。
 注意 :センターチャンネルエクストラクターエフェクトは、ステレオファイルに対してのみ有効です。

センターチャンネルエクストラクターエフェクトのオプション

  • 抽出
    対象とするオーディオに応じて、「センター」、「L」、「R」、「サラウンド」のいずれかのチャンネルを選択するか、「カスタム」を選択して、抽出または削除するオーディオのフェーズ角度、パンの比率、ディレイ時間を指定します(「サラウンド」オプションは、L および R チャンネル間でフェーズが完全にずれているオーディオを対象とします)。
  • 周波数範囲
    抽出または削除する範囲を設定します。 定義済みの範囲として、「男性の声」、「女性の声」、「バス」および「フルスペクトル」があります。 周波数範囲を独自に定義する場合は、「カスタム」に設定します。
  • センターチャンネルレベル / サイドチャンネルレベル
    選択した信号を抽出または削除する程度を指定します。マテリアルを追加するには、スライダーを上に動かします。
  • クロスオーバーの拡散
    拡散をどれだけ許可するかをコントロールします。 スライダを左へ動かすとオーディオが拡散し、人工的な効果は薄れます。 スライダを右へ動かすと、センターチャンネルマテリアルとミックスとの分離がさらに強調されます。
  • フェーズの識別
    一般的には、センターチャンネルを抽出する場合は高い値、センターチャンネルを削除する場合は低い値が適しています。 値を低くすると拡散が大きくなり、ミックスからボーカルを分離するには効果的でない可能性がありますが、すべてのセンターマテリアルをキャプチャする場合には効果的です。 通常は 2 ~ 7 に設定します。
  • 振幅の識別 / 振幅の帯域幅
    L/R チャンネルの混合をとり、完全にフェーズのずれた第 3 のチャンネルを作成します。このチャンネルは同じような周波数を削除するために使用されます。各周波数の振幅が同じくらいである場合は、両チャンネル間に共通するオーディオも考慮されます。「振幅の識別」と「振幅の帯域幅」の設定値を小さくすると、より多くのマテリアルをミックスからカットできますが、ボーカルもカットしてしまう可能性があります。値を大きくすると、抽出
    処理がマテリアルのフェーズに依存する度合いが大きく、チャンネル振幅に依存する度合いが小さくなります。通常、「振幅の識別」は 0.5 ~ 10 に設定し、「振幅の帯域幅」は 1 ~ 20 に設定します。
  • スペクトルディケイレート
    高速に処理する場合は、0 %に設定しておきます。 バックグラウンドのディストーションをスムージングするには、80 ~ 98 %に設定します。
  • FFT サイズ
    高速フーリエ変換のサイズを指定します。値を小さくすると処理速度が増し、値を大きくすると品質が向上します。通常、4096 ~ 8192 に設定します。
  • オーバーレイ
    オーバーラップする FFT ウィンドウの数を設定します。オーバーレイを多くすると、スムーズさが増し、コーラスのようなエフェクトが得られますが、処理時間がかかります。オーバーレイを少なくすると、泡のような音のバックグラウンドノイズが入ります。3 ~ 9 の値が適切です。
  • ウィンドウ幅
    各 FFT ウィンドウの幅をパーセントで指定します。30 ~ 100 %の値が適切です。

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