この文書では、デザイナーやDTPオペレーター様を対象に、Adobe Fonts を利用してフォントを指定して文書(版下原稿・データを含む)を作成して印刷会社に入稿する場合や、その文書ファイルを共有する場合の注意点を説明します。

個別のフォントは一般的にフォントメニュー名によって識別されています。そのため、文書中であるフォントが指定されている場合、どのフォントを利用してその文書を表示または印刷するかの判定は、その文書中で指定されているフォントメニュー名と、システム上で利用可能なフォントのフォントメニュー名を比較することによってなされます。フォントメニュー名が同じであれば、フォントのバージョンを含むフォントの他の属性が 2 つの個別フォントファイルの間で異なっていたとしても、両者は同じものとみなされます。ある書体に複数のフォントのバージョンが存在していたとしても、それらに同一のフォントメニュー名が用いられている場合には、それらのバージョンを区別することは不可能です。

このことは、Adobe Fonts のサービスを通してデスクトップに同期されたフォントについても同様です。ある文書の中でフォントが指定されている場合、そのフォントメニュー名が既に同期されているフォントのフォントメニュー名に一致する場合には、そのフォントを利用して文書が表示または印字されます。このフォントメニュー名によるフォントの同定方法は、Adobe Fonts のサービスに固有のものではなく、2018年現在のコンピュータ上及び web 上でのフォント利用において、もっとも一般的に受け入れられている方法です。

ただし、この方法には技術的な制約があることをご理解いただく必要があります。それは、デスクトップ上のフォントとAdobe Fonts のサーバー上のフォントが、同一のフォントメニュー名をもつ場合でも、フォントファイルのバージョンが異なっていて、フォントが対応している符号化文字の種類、符号化文字に対応するグリフ(文字の具体的な形)及び/または、グリフの字幅等の寸法情報(オルタネートメトリクスやカーニングを含む)が、異なっている場合が発生しうることです。そのことは、デスクトップ上のフォントをAdobe Fonts上のフォントで同期した場合には、デスクトップ上でそれまで使用されていたフォントとは異なる文字やグリフ、グリフの字幅等の寸法情報が用いられ、それが予期しない、いわゆる文字化けや字体・字形の変化、改行位置の変化、ページ数の変化などを引き起こして文書の再現性を劣化させる可能性があることを意味します。

しかし、たとえ Adobe Fonts のフォントサーバー上のフォントのバージョンの方が、既にユーザがデスクトップに同期した同一フォントメニュー名のフォントのバージョンよりも新しい場合でも、Adobe Fonts の web サイトにある、ユーザ自身のアカウントのページの「同期フォント」を選択して、そのページで既に同期されているフォントを「同期解除」した後で、再びその同じフォントを同期するまでは、既に同期されているフォントのバージョンが新しいバージョンに置き換わることはありません。ただし、この場合については、下記のページ中の詳細を参照してください。

https://helpx.adobe.com/jp/fonts/kb/font-activation-errors.html

現時点では一般的にフォントの同定と参照がフォントメニュー名を用いて行われること、それは Adobe Fonts が提供するサービスにおいても同じ方法でなされていること、同一フォントメニュー名をもつ異なるバージョンのフォント間にありうる種々の差異のために、文書の互換性と再現性が劣化するリスクが存在していること、について述べてきました。

しかし、Adobe Fonts フォントを利用される際に、上記の潜在的なリスクについてよく理解し、適切に対処していただくことで、そのリスクを回避することができます。

特に、高精度の文書の制作と再現が必要とされるプリプレスの工程などでフォントを利用される場合には、必要とされる特定バージョンのフォントを使用して文書を制作し、そのフォントをPDFファイルに埋め込み、適切な PDF ワークフローにおいて処理されることを強く推奨します。

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