Adobe Acrobat は、アクセシビリティ機能に対応しています。
アクセシビリティ機能は、視覚障害や運動障害など、身体に障害のある方や高齢者の方が、簡単に PDF 文書の情報やメニューにアクセスできるようにするツール、およびリソースです。
アクセシビリティ (accecibility) とは、「受け入れられやすさ、アクセスのしやすさ」 という意味の英単語で、一般的には、情報やサービス、ソフトウェアなどが、高齢者や障害者などハンディを持つ人にとって、どの程度利用しやすいかという意味で使われています。
例えば、障害のためにマウスが使えない人には、キーボードだけで利用可能にする必要があり、視覚に障害をもつ人には読み上げソフトに適した文書や Web ページの作成が必要になります。
アクセシビリティ設定アシスタント
「アクセシビリティ設定アシスタント」では、ウィザードに従って設定するだけで簡単に Acrobat のアクセシビリティの設定を行うことができます。
Acrobat Reader の場合:編集/アクセシビリティ/設定アシスタント を選択します。
Acrobat の場合:ツール/アクセシビリティ/設定アシスタント を選択します。
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ウィザードでは、主にスクリーンリーダーと拡大鏡などの支援テクノロジを使用するユーザーを対象としたアクセシビリティオプションを設定できます。その他の設定は、「環境設定」ダイアログボックスで手動で設定可能です。
アクセシビリティの確認(Acrobat Pro)
作成した PDF 文書は、配布する前に必ず事前にアクセシビリティを確認することをお勧めします。チェック機能を使用して PDF 文書を調べることで、アクセシブルな文書として必要な情報が含まれているかどうかを確認できます。
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チェック対象となるのは、図の代替テキスト、テキストの言語指定、適正な文字エンコーディング、および文書の内容すべてを参照する論理構造ツリーです。
読み上げ機能
Acrobat に用意されている読み上げ機能を使用して、PDF 文書内の必要な部分 (1 ページ、あるいは文書全体) を読み上げることができます。環境設定で、読み上げ順序を指定することも可能です。
※ 読み上げ機能では、PDF ファイルのテキストを読み上げることができますが、スクリーンリーダーではありません。システムによっては、この機能をサポートしていない場合もあります。
※ 日本語の文書を読み上げるには、ご利用の環境によって日本語の音声読み上げエンジンを追加インストールする必要があります。
スクリーンリーダーへの対応
Acrobat は、視覚障害者によるコンピューターアプリケーションの対話操作を可能にする、スクリーンリーダーアプリケーションとその他の補助テクノロジーをサポートしています。対応アプリケーションおよびデバイスのインストール方法、Acrobat との連係方法について詳しくは、実際の製品に付属するマニュアルを参照してください。
環境設定ダイアログボックスでは、スクリーンリーダーと PDF ファイルとの具体的な連係方法を設定できます。文書を読み上げる順序やボリューム、速度などを設定することができます。
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表示の強調
画面に表示された PDF 文書を見やすく、読みやすくするためのさまざまなオプションが用意されています。小さな文字を拡大し、テキストと背景の色を調整することができます。
ページの背景色やテキストの色は、「環境設定」ダイアログボックスで設定することができます。これらの環境設定はすべての PDF 文書の表示に適用されますが、印刷には適用されません。また、同じ文書を他のユーザが別のコンピュータで開くときの表示には影響しません。
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自動スクロール
自動スクロール機能を使用すると、長い文書を簡単に読み進むことができます。キーボードやマウスでの操作を行わずに、ページ間をスクロールできます。キーボードから、スクロール速度やスクロール方向の変更、スクロールの停止を行うことができます。
ショートカットキー
大部分のナビゲーション機能は、マウスではなくキーボードから制御することができます。
Mac OS では、システムレベルの環境設定によって、Acrobat 作業エリア内および PDF 文書内で、キーボードによるナビゲーションと操作が可能です。
Windows の場合、Acrobat で使用するショートカットキーは、他の Windows アプリケーションで使用するショートカットキーと一部異なります。
Google Chrome のウィンドウ内でも、キーボードを使用した Acrobat の操作が可能です。