問題が発生するアプリケーションが起動している場合は終了します。
Windows 8/10/11 で Adobe アプリケーションを使用中に、特定のユーザーアカウントで予期しない問題が発生する場合の対処方法について説明します。
新規作成したユーザーアカウントでは問題が発生せず、特定のユーザーアカウントでのみ、以下のような問題が発生する場合はこの文書のトラブルシューティングを行ってください。
- アプリケーションが起動しない
- 不正なコマンドが実行される
- エラーメッセージが表示される
以下のトラブルシューティングを行う前に、起動ディスク内の個人用データのバックアップを作成します。この文書で紹介するいくつかの手順では、ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログボックスが表示されて、操作を続行するための許可を求められることがあります。ダイアログボックスの内容を確認し、続行するかどうかを判断してください。ダイアログボックスで「キャンセル」を選択すると、トラブルシューティングの手順を続行することはできません。アカウントに特化した問題は、多くの原因が考えられます。
この文書では、もっとも一般的な原因の対処方法について説明しています。より詳細なアカウントのトラブルシューティングについては、Microsoft 社テクニカルサポートにお問い合わせください。
特定のユーザーアカウントで予期しない問題が発生する場合のトラブルシューティング
問題が発生するユーザーアカウントでコンピューターにログインし、以下の操作を順番に行います。
一部の操作では隠しファイルやフォルダーを見つけ、その拡張子(例えば「filename.ini」ファイルの「*.ini」)をもとにファイルを特定する必要があります。Windows の初期設定では隠しファイルや隠しフォルダー、ファイル名の拡張子は非表示になっています。隠しファイルや隠しフォルダー、ファイル名の拡張子を表示する方法は、以下の文書を参照してください。
A. 環境設定ファイルの再作成
Adobe アプリケーションは、カスタマイズした設定をユーザーアカウントごとの環境設定ファイルに保存します。特定のユーザーアカウントのみで問題が発生する場合、ユーザーの環境設定ファイルが破損している可能性があります。既存の環境設定ファイル、または環境設定ファイルが格納されているフォルダーの名前を変更してアプリケーションを再起動し、環境設定ファイルを再作成します。
以下の操作を行います。
以下の操作を行うと、アプリケーションの設定が初期化されます。
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以下のいずれか、または両方のフォルダーを開き、環境設定ファイルまたは環境設定フォルダーの名前を変更します。
- C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Adobe
- C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Adobe
たとえば、Adobe Acrobat DC は「C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Adobe\Acrobat」フォルダーに「DC」という名前で環境設定フォルダーが保存されています。この場合、「DC」フォルダーの名前を「DC Old」に変更します。
※ 各アプリケーションの環境設定ファイル名およびフォルダー名については、弊社サポートデータベースで、「<アプリケーション名> 環境設定 再作成」などのキーワードを入力し、使用しているアプリケーションの情報を検索します。サポートデータベース URL : http://www.adobe.com/go/support_faq_jp
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アプリケーションを起動して問題を再現します。
- 問題が再現する場合 :
環境設定ファイルを再作成後も問題が発生する場合、問題の原因は環境設定ファイルの破損ではありません。カスタマイズした設定を復元するには、再作成された環境設定ファイルおよびフォルダーを削除し、手順 2. で変更したファイルおよびフォルダー名を元の名前に戻します。 - 問題が再現しない場合 :
問題が再現しない場合、環境設定ファイルの破損が問題の原因となっていた可能性があります。
- 問題が再現する場合 :
環境設定の保存場所について
いくつかのアプリケーションは、フォルダーと個別のファイルに環境設定を保存します。
たとえば、After Effects CC 2015 の場合は、上記以外に「User Libraries」、「User Presets」、「Video Libraries」という名前のフォルダーで追加の環境設定を保存します。これらのフォルダーは以下の場所に保存されます。
C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Adobe\Premiere Elements\15.0
B. 一時ファイルの削除
Windows およびアプリケーションは、作業データを一時ファイル(*.tmp)としてハードディスク上に保存します。サイズの大きいファイルや古いファイル、破損したファイルは、Adobe アプリケーションの動作に影響を及ぼすことがあります。一時ファイルを削除するには、Windows のディスククリーンアップユーティリティを使用します。
ディスククリーンアップを起動するには以下の操作を行います。
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スタートボタンを右クリックし、「エクスプローラー」をクリックします。
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左側のメニューから「PC」をクリックします。
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ローカルディスク(C:)を右クリックして、表示されるメニューから「プロパティ」を選択します。
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ローカルディスク(C:)のプロパティダイアログボックスが表示されたら、「ディスクのクリーンアップ」をクリックします。
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ディスクの空き領域をどのくらい作成できるか計算が開始されるので、待ちます。
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ディスククリーンアップダイアログボックスが表示されたら、「削除するファイル(F):」で「インターネット一時ファイル」が選択されていることを確認し、「OK」をクリックします。
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「これらのファイルを完全に削除しますか?」のメッセージが表示されたら、「ファイルの削除」をクリックします。
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ファイルの削除が開始されます。完了後、ディスククリーンアップユーティリティは自動的に終了します。
※ ディスククリーンアップの詳細については Windows ヘルプを参照してください。
ディスククリーンアップの初期設定では、ユーザーの「Temp」フォルダーで 7 日以内にアクセスされているファイルは削除されません。「Temp」フォルダー内の項目を手動で削除し、一時ファイルを完全に削除することもできます。
一時ファイルを手動で削除すると、サードパーティ製アプリケーションの動作に影響を及ぼす場合がありますのでご注意ください。弊社ではサービスの一環としてこの手順を紹介しています。一時ファイルを手動で削除したことにより生じた問題について責任を負いかねます。
一時ファイルを手動で削除するには、以下の操作を行います。
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すべてのアプリケーションを終了します。
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使用している OS に応じて以下のいずれかの操作を行います。
- Windows 10/11 の場合
スタートボタンをクリックし、検索欄に「cmd」と入力します。検索結果に表示された「コマンドプロンプト」をクリックします。
- Windows 8 の場合
スタートボタンを右クリックし、メニューから「検索」を選択します。検索欄が表示されたら「cmd」と入力し、検索結果に表示された「コマンドプロンプト」をクリックします。
- Windows 10/11 の場合
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以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
del %temp%\*.* /s /q
※ 「del」はファイルを削除するためのコマンドです。「%temp%\*.*」は、ユーザーの「Temp」フォルダーの場所を示す環境変数と、すべてのファイルを対象とするワイルドカード文字の組み合わせです。「/s」はサブフォルダー内のファイルもすべて含める、「/q」は削除時の確認メッセージを表示しないためのオプションです。
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一時ファイルの削除完了後、「exit」と入力して Enter キーを押します。
※ コマンドプロンプトには、削除されたファイルが表示されます。削除できないファイルに「アクセスが拒否されました。」および「別のプロセスが使用中です。」というメッセージが付随する場合がありますが、これは通常の動作です。
C. スタートアップ項目のトラブルシューティング
コンピューターへのログオン時に自動的に実行されるアプリケーションやサービスが正しく動作していないか、破損、またはAdobe アプリケーションとの互換性がない場合、予期しない問題が発生することがあります。スタートアップ項目を一時的に無効にして原因を特定します。
以下の操作を行います。
※ 以下の操作は、ユーザー固有のスタートアップ項目のみを無効にする方法です。ウイルス対策ソフトウェアなど、すべてのユーザーアカウントに共通するスタートアップ項目は実行されます。
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すべてのアプリケーションを終了します。
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Windows エクスプローラーで以下のフォルダーを開きます。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
※ 「Startup」フォルダーが存在しない、またはフォルダーが空の場合は D. 「AppData」フォルダーのアクセス許可を初期化 に進みます。
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デスクトップに「Holding Folder」という名前の新規フォルダーを作成します。
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手順 2. で開いた「Startup」フォルダー内のファイルを「Holding Folder」フォルダーに移動します。
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スタートボタンを右クリックし、「シャットダウンまたはサインアウト」から「サインアウト」を選択します。
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ログオン画面が表示されたら、同じユーザーアカウントで再度ログオンして問題を再現します。
- 問題が再現する場合 :
問題の原因はスタートアップ項目ではありません。手順 4. で「Holding Folder」フォルダーに移動したファイルを元の場所に戻します。 - 問題が再現しない場合 :
無効にした項目のいずれかが問題の原因となっている可能性があります。手順 4. で「Holding Folder」フォルダーに移動したファイルを 1 つずつ元の場所に戻し、手順 5. ~ 6. の操作を行って問題が再現するか確認します。原因となっている項目が特定できた場合は、アプリケーションまたはサービスのアップデートについて開発元にお問い合わせください。
- 問題が再現する場合 :
D. 「AppData」フォルダーのアクセス許可を初期化
以下の操作は、ドメインネットワーク以外のアカウントを使用している場合にのみ行ってください。
Adobe アプリケーションの環境設定ファイルおよびユーザー固有のデータファイルが保存されているフォルダーで、読み取り/書き込みのアクセス許可が設定されていない場合、問題が発生することがあります。icacls コマンドを使用してアクセス許可を再設定します。
以下の操作を行います。
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Adobe アプリケーションを終了します。
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使用している OS に応じて以下のいずれかの操作を行います。
- Windows 10/11 の場合
スタートボタンをクリックし、検索欄に「cmd」と入力します。検索結果に「コマンドプロンプト」と表示されたら、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- Windows 8 の場合
スタートボタンを右クリックし、メニューから「検索」を選択します。検索欄が表示されたら「cmd」と入力し、検索結果に「コマンドプロンプト」と表示されたら、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- Windows 10/11 の場合
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以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
icacls "%userprofile%\AppData\Local" /T /C /grant "%username%":F
注意:/T および /C の間に半角スペースを入れてください。
コマンド入力後にエラーメッセージが表示される場合は、入力したコマンドを確認して再入力してください。
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以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
icacls "%userprofile%\AppData\Roaming" /T /C /grant "%username%":F
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以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
icacls "%userprofile%\AppData\Local" /T /C /grant system:F
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以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
icacls "%userprofile%\AppData\Roaming" /T /C /grant system:F
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コマンドプロンプトを終了します。
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問題を再現します。
E. レジストリキーの再作成
以下の操作では、Windows レジストリを編集します。Windows レジストリには、コンピューターとアプリケーションのための重要な情報が含まれています。レジストリの編集については、弊社ではサポートを行っておりません。変更する前には、必ずレジストリのバックアップを作成してください。レジストリの詳細は、Windows のマニュアルを参照するか、Microsoft 社にお問い合わせください。
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すべてのアプリケーションを終了します。
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使用している OS に応じて以下のいずれかの操作を行います。
- Windows 10/11 の場合
スタートボタンをクリックし、検索欄に「regedit」と入力します。検索結果に表示された「regedit」をクリックします。
- Windows 8 の場合
スタートボタンを右クリックし、メニューから「検索」を選択します。検索欄が表示されたら「regedit」と入力し、検索結果に表示された「regedit」をクリックします。
注意:ユーザーアカウント制御ダイアログボックスが表示された場合は、「はい」または「続行」をクリックします。
- Windows 10/11 の場合
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レジストリエディターが起動したら、以下の 1. ~ 3. の操作を行い、レジストリのバックアップを作成します。
- ファイル/エクスポート を選択します。
- 「エクスポート範囲」セクションで「すべて」を選択します。
- ファイル名と保存先を指定して、「保存」をクリックします。
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左側のリストに表示されているフォルダーを展開し、以下のキーを選択します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Adobe
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編集/修正 を選択し、キー名を「Adobe OLD」に変更します。
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レジストリエディターを終了し、問題を再現します。
問題が再現する場合 :
レジストリキーの破損が原因ではありません。新しく作成された「Adobe」キーを削除し、手順 5. で変更したキー名を元に戻します。
F. ハードディスクの修復とデフラグ
ハードディスクに不良セクタや断片化したファイルがあると、特定のユーザーアカウントでのみ問題が発生することがあります。Windows に付属のエラーチェックツールとディスクデフラグユーティリティ、または Symantec 社の Norton Utilities などのサードパーティ製のディスクユーティリティを使用して、ハードディスクを修復し断片化を解消します。エラーチェックツールやディスクデフラグはそれぞれのハードディスクまたはパーティションに対して個別に実行する必要があります。エラーチェックツールとディスクデフラグツールの詳細については、以下を参照してください。
サードパーティ製ディスクユーティリティの詳細については、ユーティリティに付属のヘルプやマニュアルを参照してください。
エラーチェックツールは、不良セクタ、リンクの切れたアロケーションユニット、ファイルの断片、相互リンクされたファイル、および無効なファイル名を修復します。
ディスクデフラグツールがディスク上の問題のあるセクタにファイルを移動しないように、ディスクデフラグツールを使用する前にエラーチェックツールを実行してください。
エラーチェックツールを使用するには、以下の操作を行います。
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スタートボタンを右クリックして、「エクスプローラー」を選択します。
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左側のメニューから「PC」をクリックします。
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エラーチェックを行うハードディスクを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
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<ディスク名>のプロパティダイアログボックスで 、「ツール」タブをクリックします。
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「エラーチェック」セクションの「チェック」ボタンをクリックします。
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ディスクのチェック - <ディスク名>ダイアログボックスが表示されたら、「開始」ボタンをクリックします。
ディスクデフラグユーティリティは、コンピューター内のファイルと空き領域を再配置して、ファイルが連続した単位に保存されるようにし、空き領域を 1 つの連続したブロックにまとめます。
ディスクデフラグツールを使用するには、以下の操作を行います。
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上記手順の 1. ~ 4. まで行います。
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「ドライブの最適化とデフラグ」セクションの「最適化」ボタンをクリックします。
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「状態」セクションでハードディスクを選択し、「分析」ボタンをクリックします。
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分析完了後、必要に応じて「最適化」ボタンをクリックし、ディスクデフラグを実行します。
G. 新規ユーザーアカウントの作成
上記手順で問題が解決しない場合、新規ユーザーアカウントを作成し、個人用のファイルをコピーまたは移動して使用することを推奨します。新規ユーザーアカウントの作成方法については、以下の文書を参照してください。
新規ユーザーアカウントの作成方法 (Windows XP/7/Vista/8/8.1/10/Mac OS)
作成した新規アカウントに個人用ファイルをコピーする方法については、Microsoft 社サポートにお問い合わせください。
アカウントにログイン