InDesign が起動している場合は終了します。
この文書では、製品の調子が悪いときに最初に行っていただきたい簡単な対処方法をご紹介します。Adobe InDesign が遅くなったと感じたときにもお試し下さい。下記の対処方法で解決しない場合や、特定のエラーメッセージが表示される場合は別の解決方法の文書が用意され ていることがあります。
A. 必要システム構成
InDesign 2021 年 8 月 (16.4) リリースの必要システム構成については、以下の文書を確認してください。
旧バージョンの InDesign CC の必要システム構成については、以下の文書を確認してください。
参考情報 : 必要システム構成を満たしているか確認する方法
B. 環境設定ファイルの再作成
環境設定ファイルを再作成することによって、環境設定ファイルの破損による問題を解決することができます。環境設定ファイルを再作成するには、以下の操作を行います。
環境設定ファイルを再作成すると、アプリケーションの設定が初期状態に戻ります。
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InDesign を起動し、すぐに Ctrl + Alt + Shift キーを押したままの状態にします。
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「InDesign 環境設定ファイルを削除しますか?」というメッセージが表示されたら、「はい」をクリックします。
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InDesign が起動し、環境設定が自動的に再作成されます。
環境設定の手動削除
環境設定削除のダイアログボックスが表示されない場合やショートカットを利用した削除で改善されない場合、または環境設定のバックアップが必要な場合は、環境設定ファイルを直接削除して手動で初期化することもできます。
以下の手順では、Windows の隠しフォルダーにアクセスする必要があります。詳細については、 隠しファイルおよび隠しフォルダーを表示する方法(Windows)を参照してください。
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InDesign が起動している場合は終了します。
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使用している InDesign のバージョンの以下のパスをそれぞれ開きます。
C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Adobe\InDesign\Version <バージョン>-J
C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Adobe\InDesign\Version <バージョン>-J\ja_JP\Caches
各バージョン用のフォルダー
- InDesign 2021 の場合 : 「Version 16.0-J」フォルダー
- InDesign 2020 の場合 : 「Version 15.0-J」フォルダー
- InDesign CC(2019)の場合 : 「Version 14.0-J」フォルダー
- InDesign CC(2018)の場合 : 「Version 13.0-J」フォルダー
- InDesign CC(2017)の場合 : 「Version 12.0-J」フォルダー
- InDesign CC(2015)の場合 : 「Version 11.0-J」フォルダー
- InDesign CC(2014)の場合 : 「Version 10.0-J」フォルダー
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Version <バージョン>-J フォルダーと Caches フォルダーのフォルダー名を変更します。
例 : 「Version 16.0-J-old」、「Caches-old」など
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InDesign を再起動します。
問題が再現する場合、環境設定ファイルは問題の原因ではありません。InDesign を終了して新しく作成されたフォルダを削除し、上記手順 2. で変更したフォルダ名を元に戻します。
C. フォントリストファイルの再作成
システムに多数のフォントがインストールされている場合、あるいはフォントに関する問題が発生している場合は、フォントユーティリティを使用するか、手動で使用しないフォントを無効にし、フォントリストファイル「AdobeFnt*.lst」を再作成します。「AdobeFnt*.lst」ファイルは、Adobe アプリケーションが利用可能なフォントのタイプや保存場所の情報を得るために使用するフォントキャッシュファイルです。
フォントリストファイルを再作成するには、以下の操作を行います。
Windows 10 の場合
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スタート/Windows システムツール/PC を選択します。
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画面右上部の「コンピューターの検索」テキストボックスに「AdobeFnt*.lst」と入力します。
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検索結果から「AdobeFnt10.lst」や「AdobeFnt15.lst」などのファイルをすべて削除します。ファイル名に含まれる数字は環境によって異なります。
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InDesign を起動します。InDesign は起動時にフォントリストファイルを再作成します。
注意:InDesign 以外の Adobe アプリケーション用フォントキャッシュを削除した場合も、各アプリケーションの次回起動時にフォントリストファイルが再作成されます。
Windows 8.x の場合
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以下のいずれかの操作を行います。
- Windows 8.1 : スタート画面左下の、下向き矢印をクリックします。
※ 下向き矢印が表示されない場合はマウスを動かします。 - Windows 8 : スタート画面の何も無いところを右クリックし、「すべてのアプリ」をクリックします。
- Windows 8.1 : スタート画面左下の、下向き矢印をクリックします。
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「コンピューター」をクリックします。
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画面右上部の「コンピューターの検索」テキストボックスに「AdobeFnt*.lst」と入力します。
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検索結果から「AdobeFnt10.lst」や「AdobeFnt15.lst」などのファイルをすべて削除します。ファイル名に含まれる数字は環境によって異なります。
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InDesign を起動します。InDesign は起動時にフォントリストファイルを再作成します。
注意:InDesign 以外の Adobe アプリケーション用フォントキャッシュを削除した場合も、各アプリケーションの次回起動時にフォントリストファイルが再作成されます。
Windows 7 の場合
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スタート/コンピューターを選択します
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ウインドウ右上部の「検索」テキストボックスに「AdobeFnt*.lst」と入力します。
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検索結果から「AdobeFnt10.lst」や「AdobeFnt15.lst」などのファイルをすべて削除します。ファイル名に含まれる数字は環境によって異なります。
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InDesign を起動します。InDesign は起動時にフォントリストファイルを再作成します。
注意:InDesign 以外の Adobe アプリケーション用フォントキャッシュを削除した場合も、各アプリケーションの次回起動時にフォントリストファイルが再作成されます。
追加情報
フォントリストは以下の場所にあります。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Adobe\TypeSupport
削除するファイル
- AdobeFnt_OSFonts.lst :
OS にインストールされているフォントのリストです。 - AdobeFnt_CommonFonts.lst :
common フォルダにインストールされているフォントのリストです。 - AdobeFnt_CMaps.lst :
OS にインストールさあれている CMaps ファイルのリストです。
D. InDesign を単独で起動
InDesign と同時に起動しているアプリケーションやサービスおよびセキュリティソフトウェアが、システムエラーまたはフリーズの原因となる場合があります。
サービスとは、他のプログラムをサポートするための処理を行うことに特化したプログラムです。問題の切り分けのため、以下の弊社技術文書を参照し、Windows の起動時に自動的に読み込まれるスタートアップ項目を含め、他のアプリケーションを一時的にすべて無効にした状態で InDesign を起動し、問題が改善されるかどうか確認します。
ご利用中のセキュリティソフトウェアの一時停止の手順につきましては、当該セキュリティソフトウェアのベンダー様へご確認ください。
ご利用の環境によっては、無効にすることでコンピューターの動作に大きな影響を及ぼすサービスもあります。
企業や団体でご利用の場合は IT 管理のご担当者様、個人でご利用の場合はパソコンの製造・販売元へあらかじめ問い合わせの上、お試しください。
E. 新規ユーザーアカウントの作成
ユーザアカウントの権限が不足している場合やアカウントの破損によって、必要なファイルおよびフォルダへのアクセスが妨げられることがあります。管理者権限のある新規ユーザアカウントを作成し、作成したアカウントでアプリケーションを実行します。ドメインネットワークなどで作業している場合はローカルに管理者アカウントを作成してコンピュータにログインし、問題を再現します。
ローカルの新規ユーザアカウントを作成する方法については、以下の文書を参照するか、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
F. ユーザーアカウント制御(UAC)の無効化
ユーザーアカウント制御(UAC)機能を無効にして問題が解決するか確認します。ユーザーアカウント制御機能に関する詳細については、Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
このセクションの手順を行うことによってユーザーアカウント制御(UAC)が無効になります。ユーザーアカウント制御は、システムに影響を及ぼす可能性のある予期しない動作が実行されるのを防ぐための機能です。ユーザーアカウント制御を無効にすることによって、これらの通知は無効にされます。ユーザーアカウント制御(UAC)に関する詳細については、Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
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以下のいずれかの操作を行います。
Windows 10 の場合
スタート/Windows システムツール/コントロールパネル を選択します。
Windows 8 の場合
- 以下のいずれかの操作を行います。
Windows 8.1 : スタート画面左下の、下向き矢印をクリックします。
※ 下向き矢印が表示されない場合はマウスを動かします。
Windows 8 : スタート画面の何も無いところを右クリックし、「すべてのアプリ」をクリックします。 - 「コントロールパネル」をクリックします。
Windows 7 の場合
スタート/コントロールパネルを選択します。
- 以下のいずれかの操作を行います。
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「ユーザーアカウント」(Windows 10)/「ユーザーアカウントとファミリーセーフティ」(Windows 8)/「ユーザーアカウントと家族のための安全設定」(Windows 7)をクリックします。
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「ユーザーアカウント」をクリックします。
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「ユーザーアカウントの変更」画面が表示されたら、「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックします。
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「コンピューターに対する変更の通知を受け取るタイミングの選択」画面が表示されたら、スライダを下にドラッグして「通知しない」に設定します。
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「OK」をクリックします。
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ユーザーアカウント制御ダイアログボックスが表示されたら「はい」をクリックします。
G. Windows Aero の無効化(Windows 7)
Windows Aero は Windows Vista から搭載されているハードウェアベースの新しいグラフィカルユーザインターフェースです。Aero を有効にすることにより、通常のインターフェースでは使用できない、透過やアニメーションなどの新機能を含む、より多くの機能が使用できるようになります。しかし、Aero は多くのハードウェアリソースを消費するため、パフォーマンス低下の原因となったり、集中的にグラフィック操作を行うアプリケーションで問題が発生する可能性があります。
Windows Aero を無効にするには、以下の操作を行います。
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デスクトップ上で右クリックし「個人設定」を選択します。
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「ベーシックテーマとハイコントラストテーマ」セクションの「Windows 7 ベーシック」をクリックします。
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ウインドウを閉じます。Windows Aero を再度有効にする場合は、上記手順 3. で「Aero テーマ」セクションから任意のテーマを選択します
H. フォントのトラブルシューティング
フォントが問題の原因となっているかどうかを特定するために、アクティブなフォントを別の場所へ移動して動作を確認します。
Windows によってインストールされたフォントは移動させないでください。Windows でインストールされるフォントについては、以下の弊社技術文書を参照してください。
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デスクトップなど、任意の場所に新規フォルダーを作成します。
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C:\Windows\Fonts フォルダーを開きます。
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Windows によってインストールされているもの以外のフォントを選択します。
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選択したフォントを手順 1. で作成したフォルダにコピーします。
注意:Fonts フォルダーにフォントのショートカットファイルが含まれている場合は、ショートカットファイルを除いて、コピーを実行してください。ショートカットファイルはコピーおよび移動ができません。
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Fonts フォルダー内の Windows によってインストールされているもの以外のフォントを選択して、右クリックし 「削除」をクリックします。
注意:Fonts フォルダーにフォントのショートカットファイルが含まれている場合は、ショートカットファイルを除いて削除を実行してください。
フォントは別の場所に移動することができません。フォントを移動するには、別の場所へコピーした後、Fonts フォルダーから削除する必要があります。
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Windows を再起動します。
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手順 4. でコピーしたフォントのいくつかを元のフォルダーに戻します。
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Windows を再起動します。
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問題を再現します。
問題が再現しない場合
手順 7. ~ 9. を別のフォントに対して繰り返し行います。
問題が再現する場合
手順 7. で Fonts フォルダーに戻したフォントのいずれかが原因となっています。これらのフォントを C:\Windows\Fonts フォルダーから移動し、手順 7. ~ 9. を繰り返します。
ただしこの場合は、一度に 1 つずつフォントを移動させます。問題が再現された際には、以下のいずれか、もしくは複数の操作を行ってください。
- FontMaster などのサードパーティ製フォント管理ユーティリティを使用している場合は、ユーティリティを使用してフォントを削除します。操作方法についての詳細は、フォント管理ユーティリティに付属のマニュアルを参照してください。
- フォントを削除し、オリジナルのメディアからフォントを再インストールします。
- フォントのアップデートについて、フォントメーカーへお問い合わせください。
I. Administrator アカウントでのログイン
初期設定の管理者アカウントである「Administrator」アカウントは、一般的なローカルの管理者アカウントよりも高いアクセス権が設定されています。初期設定では、「Administrator」アカウントは無効にされています。
「Administrator」アカウントを有効にしてログインする方法については、システム管理者に問い合わせるか、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
J. テキストや文字組みの問題
文字組みや段落スタイル、文字スタイルなどを適用しても期待通りに動作しない時には「全ストーリーの再計算」を行います。全ストーリーの再計算とは、現在の InDesign の文字や段落の設定をもとに書類上の全ストーリーを再計算する機能です。以下のような場合に利用してください。
- 旧バージョンの InDesign 文書を開いた場合
(バージョン間では問題の修正や品質の向上により文字組が異なっています。) - PageMaker ファイルや QuarkXpress ファイルなど、他の書類を開いたとき
(ファイルを変換中にもストーリーの再計算は行っていますが、設定の細部までを利用した再計算には「全ストーリーの再計算」が必要です。) - 設定を変更しながら文章を作成した場合
(文書中に複数の設定遍歴が存在する場合には「全ストーリーの再計算」コマンドで正しい文字組みを確認します。) - 作成した環境とは別の環境で開いた場合
- テキストフレームをインライングラフィックとして使用するなど、ドキュメントが複雑な構造を持っている場合
- 印刷前の最終確認
OS やフォントが異なる環境で作成された書類、または 旧バージョンの文書を開いた場合は、はじめに「全ストーリーの再計算」コマンドを実行します。「全ストーリーの再計算」コマンドを実行すると、InDesign は書式情報を再読み込みし、画面を再描画します。
以下の操作を行います。
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InDesign を起動し、文書を開きます。
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Ctrl + Alt + / キーを押します。
K. 特定のファイルで問題が発生する場合
文書を InDesign マークアップ形式(*.idml)で書き出すことによって文書内のデータが再構築されます。
以下の操作を行います。
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InDesign で文書を開きます。
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ファイル/書き出し を選択します。
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「ファイルの種類」プルダウンリストから「InDesign Markup(IDML)」を選択します。
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ファイル名と保存先を指定し、「保存」をクリックします。
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手順 4. で書き出したファイルを InDesign で開きます。
L. 問題が解決しない場合
上記すべての操作を行っても問題が解決しない場合は、既知の問題として弊社サポートデータベースで文書が公開されていないか検索します。
サポートデータベース URL : https://helpx.adobe.com/jp/support.html#/top_products
また、以下の弊社ユーザーフォーラムにおいて、弊社製品を使用しているユーザーから同じような問題が報告されているかを参照することができます。別のコンピューターでも同じ問題が確認できた場合、弊社テクニカルサポートにおいても、問題を再現し検証を行える可能性があります。