この記事では、Adobe Muse でのレイヤーの追加、設定、および修正方法について説明します。
Adobe Muse は、新しい機能が追加されなくなり、2020 年 3 月 26 日にサポートが中止される予定です。詳細な情報とサポートについては、Adobe Muse のサービス終了の FAQ を参照してください。
Muse でのレイヤーパネルの使用
Muse には、ページエレメントの構築およびサイトデザインの構成に使用できるレイヤーパネルがあります。この記事では、レイヤーパネルおよびプロジェクトを簡単に更新する方法について説明します。
レイヤーについて
Muse サイトの各ページには、デフォルトで少なくとも 1 つの名前付きのレイヤーがあります。複数のレイヤーを使用する場合、ページの他の領域に影響を与えたり、誤って他のコンテンツを変更したりすることなく、特定の領域またはコンテンツの種類の作成と編集ができます。例えば、レイヤーを使用して、同じ Web デザイン内でメインページのコンテンツとサイドバーの情報を表示できます。または、稀にしか更新しないコンテンツを 1 つのレイヤーに配置して、頻繁に更新するコンテンツを同じページの別のレイヤーに保持することができます。
レイヤーは、重なり合った透明なシートのようなものです。レイヤーにオブジェクトがない場合は、そのレイヤーを透して背面にあるレイヤーのオブジェクトを見ることができます。
ここでは、レイヤーパネルを確認して、レイヤーの重なり順がどのように機能するかを検討します。
上の例では、レイヤー 1 には 1 を表示するテキストフィールド、レイヤー 2 には 2 を表示するテキストフィールド、レイヤー 3 には 3 を表示するテキストフィールドがあります。
レイヤー 3 (最前面レイヤー)に配置したエレメントはすべて、レイヤー 1 およびレイヤー 2 のエレメントの上に表示されます。このビヘイビアーは、オブジェクトを選択して重ね順/最前面へを選択した場合と同様の重なり順になります。特定のレイヤーにエレメントを配置する場合を除いて、エレメントグループの重なり順をコントロールできるように構成されます。
重なり順を変更するには、レイヤーを選択してドラッグし、レイヤーパネルの順序内の位置を移動します。この例では、レイヤー 1 がレイヤーパネルの最前面にドラッグされ、レイヤー 3 は重なりの最背面に位置が変更されています。
各レイヤーには複数のエレメントを設定でき、各レイヤーのエレメントの重なり順は、そのページでどのアイテムがどのアイテムの前面または背面に表示されるかも決定します。
レイヤーを使用することで、Muse サイトプロジェクトのページエレメントの配置を今までにない方法でコントロールできます。
Muse サイトでのレイヤーの使用
イメージエディターなどの他のツールでレイヤーパネルを使用した経験がある場合も、Muse のレイヤー機能を理解するのは重要です。
レイヤーの展開と折りたたみ。各レイヤーにはレイヤー名の左側に三角形があります。レイヤーが折りたたまれている場合は、この三角形をクリックして、レイヤーのコンテンツを展開し、オブジェクトのリストとアクティブなページのレイヤー上の重なり順を確認できます。グループ、ウィジェット、および特定のウィジェットの一部にも三角形があり、これをクリックして展開し、含まれるオブジェクトを表示できます。それらのオブジェクトに対しては、順序の変更、ロック解除、グループへの追加またはグループからの除外などの操作を実行できます。現在のページにオブジェクトが含まれないレイヤーは、既に展開されているため三角形は表示されません。
マスターページ上のオブジェクトは、各レイヤーで最背面に表示されます。マスターアイテムは、マスターページのオブジェクトが前面のレイヤーに配置された場合は、ドキュメントページのオブジェクトの最前面に表示することは可能ですが、デフォルトでは重なり順の最背面に配置されます。
レイヤーに対する操作は、マスターを含むサイトのすべてのページに適用されます。例えば、ドキュメントのホームページを編集しているときにレイヤー 1 を非表示にすると、再び表示するよう操作しない限り、レイヤー 1 のコンテンツはすべてのページで非表示になります。
レイヤーパネルの確認
レイヤーパネルは非常に強力で役に立つ機能が多数用意されており、より効率的に作業することができます。ここでは主要な機能を確認します。
- 新規レイヤーの作成
- レイヤーのオプションを設定
- レイヤーへのオブジェクトの追加
- レイヤー上でのオブジェクトの選択、移動、コピー
- 別のレイヤーへのオブジェクトのペースト
- レイヤーの複製
- レイヤーの順序の変更
- レイヤーとオブジェクトの表示と非表示
- レイヤーのロックの切り替え
- レイヤーの削除
- ドキュメントのレイヤーの結合
これらの機能の詳細を以降の節で説明します。次の図ではレイヤーパネルの主要なエレメントがハイライトされています。

A. ターゲットレイヤー B. レイヤーの削除 C. 新規レイヤー D. 検索 E. レイヤーについてのヘルプ F. ロック済みレイヤー G. 非表示のレイヤー H. 表示されるレイヤー
新規レイヤーの作成
レイヤーパネルの下部にある新規レイヤーボタンをクリックすることで、いつでもレイヤーを追加できます。ドキュメントに含むことができるレイヤーの数は、Muse で使用できる RAM 容量によって異なります。作成する新規レイヤーは、常にレイヤーパネルの最前面に表示されますが、これらをドラッグして位置を変更することができます。
新規レイヤーを作成するには、次の手順に従います。
- 「レイヤー」タブをクリックしてレイヤーパネルをアクティブにします。またはレイヤーパネルが閉じている場合はウィンドウ/レイヤーを選択して開きます。
- レイヤーパネルの下部にある新規レイヤーボタンをクリックします。
注:新規レイヤーの作成時にレイヤーオプションダイアログボックスを開くには、新規レイヤーボタンをクリックするときに、Alt/Option を押します。
レイヤーのオプションを設定
レイヤーパネルのレイヤー属性を更新して、レイヤーに関連付けられたカラーコードの変更、レイヤーの表示と非表示、ガイドの表示と非表示、レイヤーが誤って選択および編集されるのを防止するためのレイヤーのロックを行うことができます。レイヤーオプションを更新するには、次の手順に従います。
- 既存のレイヤーを右クリックまたはダブルクリックします(または新規レイヤーボタンをクリックするときに、Alt/Option を押します)。
- 表示されたレイヤーオプションダイアログボックスで、レイヤーオプションを指定して「OK」をクリックします。
更新できる設定項目は次のとおりです。
- レイヤー名:ページコンテンツを容易に整理できるように、レイヤーを説明する名前を入力します。
- カラー:レイヤー上のオブジェクトを識別するカラーを割り当てます。レイヤーにカラーを割り当てると、選択されているオブジェクトが含まれているレイヤーを容易に区別できます。各オブジェクトをページで選択すると、バウンディングボックス、シェイプ選択ハンドル、テキストフレーム、画像フレームの端に、そのレイヤーのカラーが表示されます。オブジェクトが非選択の場合は、レイヤーのカラーは表示されません。
- レイヤーを表示:このオプションを選択すると、レイヤーの表示を切り替えることができます。このオプションを選択すると、レイヤーパネルで目のアイコンをクリックしてレイヤーを表示した場合と同じ動作が行われます。
- レイヤーをロック:このオプションを選択すると、レイヤー上のすべてのオブジェクトを変更できなくなります。
レイヤーへのオブジェクトの追加
レイヤーパネルのレイヤーの右上隅にある三角形を表示する太字ラベルのレイヤー、ターゲットレイヤーに新しいオブジェクトを配置します。特定のレイヤーをクリックしてターゲットレイヤーとします。
ターゲットレイヤーにオブジェクトを追加するには、次の操作のいずれかを実行します。
- 文字ツールまたは長方形ツールを使用して、新しいオブジェクトを作成します。
- テキストやグラフィックの読み込み、配置またはペーストを行います。
- 他のレイヤー上にあるオブジェクトを選択して、新しいレイヤーに移動します。
非表示のレイヤーまたはロックされているレイヤーには、オブジェクトを作成したり配置したりすることはできません。ターゲットレイヤーが非表示またはロックされている場合、描画ツールや文字ツールを選択したり、ファイルを配置したりすると、デザインビューのページ内に置いたポインターには斜線付きの鉛筆アイコンが表示されます。オブジェクトを作成または配置するためには、ターゲットレイヤーを表示かつロック解除の状態にしてください。
ターゲットレイヤーが非表示またはロックされているときに編集/ペーストを選択すると、ターゲットレイヤーを表示またはロック解除するように警告するメッセージが表示されます。
レイヤーパネルでターゲットとするレイヤーをクリックすると、クリックしたレイヤーの右上に三角形が表示され、レイヤーラベルは太字になり、レイヤーはハイライトされターゲットレイヤーであることを示します。
レイヤー上でのオブジェクトの選択、移動、コピー
デフォルトでは、レイヤー上にあるすべてのオブジェクトを選択することができます。レイヤーパネルでは、右端にある色付きの四角形によって、選択したオブジェクトが含まれるレイヤーはマークされます。小さな四角形はそのレイヤーで少なくとも 1 つのオブジェクトが選択されていることを示し、大きな四角形はそのレイヤーですべてのオブジェクトが現在選択されていることを示します。オブジェクトがどのレイヤーに含まれているかは、レイヤーカラーによって区別することができます。特定のレイヤーのオブジェクトが選択されないようにするには、そのレイヤーをロック(または非表示に)します。
- レイヤーで個別のオブジェクトを選択するには、レイヤー名の左側にある三角形のアイコンをクリックしてレイヤーを展開し、リストからターゲットエレメントを選択します。また、直接選択しなくても目的のオブジェクトをドラッグして別の場所に移動することができます。
- 特定のレイヤーのオブジェクトをすべて選択するには、レイヤー名の右側にある四角形をクリックします。
- オブジェクトを他のレイヤーに移動またはコピーするには、選択ツールを使用して、ページまたはマスターページ上のオブジェクトを 1 つまたは複数選択します。次にレイヤーパネルで、レイヤーリストの右側にある色付きの四角形をドラッグして、選択したオブジェクトを他のレイヤーに移動します。
別のレイヤーへのオブジェクトのペースト
「レイヤーを記憶してペースト」オプションを使用すると、他の場所からペーストされたオブジェクトに、元のレイヤーの情報を保持させることができます。
「レイヤーを記憶してペースト」オプションが選択されていると、別のレイヤーからカットまたはコピーされたオブジェクトは、コピー元のレイヤー情報を保持したままペーストされます。コピー元のページと同じレイヤーがないページにオブジェクトをペーストする場合は、Muse では 2 番目のドキュメントのレイヤーパネルにオブジェクトのレイヤー名が追加され、そのレイヤーにオブジェクトがペーストされます。
「レイヤーを記憶してペースト」オプションの選択が解除されている場合は、別のレイヤーからカットまたはコピーされたオブジェクトは、現在のターゲットレイヤーにペーストされます。
- パネル内の任意の場所を右クリックして表示される、レイヤーのコンテキストメニューで「レイヤーを記憶してペースト」の選択が解除されていることを確認します。
- オブジェクトを選択し、編集/コピーまたは編集/カットを選択します。
- レイヤーパネルで別のレイヤーをクリックし、ターゲットレイヤーを変更します。
- 編集/ペーストを選択します。
レイヤーの複製
レイヤーを複製すると、レイヤーの内容と設定もコピーされます。複製されたレイヤーは、レイヤーパネルのリストで元のレイヤーのすぐ上に配置されます。
レイヤーパネルで、次のいずれかの操作を行います。
- レイヤー名を選択し、1 つのレイヤー(または選択した複数のレイヤー)上を右クリック(コンテキストクリック)して表示される、レイヤーのコンテキストメニューで「レイヤーを複製」を選択します。
- レイヤー名を新規レイヤーボタンにドラッグします。
レイヤーの順序の変更
レイヤーパネルでレイヤーを並べ替えて、ドキュメントでのレイヤーの重なり順を変更できます。レイヤーを並べ替えると、デザインビューの現在のページだけではなく、そのサイトのすべてのページにおけるレイヤーの重なり順が変更されます。
また、レイヤー内のオブジェクトを並べ替えると、そのレイヤーにおけるオブジェクト同士の重なり順を変更できます。
レイヤーパネルのリストで、レイヤーをドラッグして上下に移動します。複数のレイヤーを選択してドラッグすることもできます。
レイヤーとオブジェクトの表示と非表示
任意のレイヤーの表示と非表示をいつでも切り替えることができます。また、レイヤー上のオブジェクトの表示と非表示も切り替えできます。非表示のレイヤーとオブジェクトは編集することができず、デザインビュー、プレビュー、パブリッシュ、またはサイトの書き出し後には画面に表示されません。次のような場合は、レイヤーを非表示にすると便利です。
- レスポンシブレイアウトを使用して、サイトをデザインするときにオブジェクトを非表示にします。1 つのカンバスでさまざまなデバイスのページをデザインするときは、オプションでオブジェクトを非表示にできます。例えば、モバイル用のサイトをレイアウトしているときに、アコーディオンを選択する代わりに、従来のメニューを非表示にできます。レスポンシブレイアウトでオブジェクトを非表示にする方法について詳しくは、「レスポンシブレイアウトでオブジェクトを表示または非表示にする」を参照してください。
- 最終ドキュメントに表示しないドキュメントの一部を非表示にする。
- ドキュメントの代替バージョンを非表示にする。
- 複雑に入り組んだドキュメントで、ドキュメントの一部を非表示にし、編集するレイヤーだけを表示することによって作業の効率をよくする。
- 特定のレイヤーが書き出しされないようにする。
- 表示に時間がかかるグラフィックがレイヤーに含まれている場合に、非表示にして画面の再描画を速くする。
注:非表示のレイヤーおよび非表示のページアイテムは書き出されません。しかし、ページはアイテムが存在するかのように、デザインビューで表示されます。例えば、非表示のテキストフレームは、その配下にあるアイテムをページにプッシュします。これにより、レイヤーが表示/非表示になった場合に、ページがコンテンツを移動することを防止します。
レイヤーを表示または非表示にするには、次のオプションのいずれかを実行します。
- 一度に 1 つのレイヤーの表示と非表示を切り替えるには、レイヤーパネルでレイヤー名の一番左にある四角形をクリックして、そのレイヤーの目のアイコンを表示または非表示にします。
- レイヤー上にある個別オブジェクトの表示と非表示を切り替えるには、レイヤー名の左側にある渦巻き三角形をクリックして、レイヤー上のオブジェクトをすべて表示し、オブジェクトの目のアイコンをクリックします。
レイヤーのロックの切り替え
レイヤーをロックすると、不用意にレイヤーが変更されることを防げます。レイヤーパネルでは、ロックされているレイヤーには斜線付きの鉛筆型アイコンが表示されます。ロックされているレイヤーのオブジェクトは、選択したり直接編集したりすることはできなくなります。ただし、そのオブジェクトが間接的に編集できる属性を持っている場合は、変更することができます。例えば、濃淡スウォッチを編集すると、ロックされているレイヤーにある濃淡スウォッチを使用しているオブジェクトも変化します。
レイヤーパネルを使用して、1 つのレイヤー上にあるオブジェクトをロックまたはロック解除することもできます。レイヤーをロックまたはロック解除するには、次を実行します。
- 1 つのレイヤーのロックを切り替えるには、レイヤーパネルで左から 2 番目の四角形をクリックして、レイヤーを表示(ロック)または非表示(ロック解除)にします。
レイヤーの削除
各レイヤーの領域はサイト全体にわたっており、サイト内のすべてのページで共有されます。そのため、1 つのレイヤーを削除すると、サイト上のすべてのページのレイヤーが削除されます。レイヤーを削除する前に、他のレイヤーをすべて非表示にしてサイトの各ページを調べ、削除するレイヤーに必要なオブジェクトが配置されていないことを確認してください。レイヤーを削除することを確定したら、次の手順を実行します。
- レイヤーを削除するには、レイヤーをレイヤーパネルの右下にある削除アイコンにドラッグするか、右クリックしてコンテキストメニューから「レイヤーを削除」を選択します。
- 複数のレイヤーを削除するには、Control/Command を押したまま、選択するレイヤーをクリックします。次に、それらのレイヤーをレイヤーパネルの削除アイコンにドラッグするか、右クリックしてコンテキストメニューから「レイヤーを削除」を選択します。
- レイヤー上のオブジェクトを 1 つ削除するには、レイヤーパネルでそのオブジェクトを選択し、削除アイコンをクリックします。
ドキュメントのレイヤーの結合
オブジェクトを削除することなく、サイトのレイヤー数を減らすには、レイヤーを結合します。レイヤーを結合すると、選択されているすべてのレイヤーのオブジェクトがターゲットレイヤーに移動します。結合するために選択したレイヤーのうちターゲットレイヤーだけがドキュメントに残り、他のレイヤーは削除されます。また、すべてのレイヤーを結合すると、サイトを統合する(レイヤーを 1 つにする)ことができます。
注:ページオブジェクトとマスターページアイテムが混在しているレイヤーを結合すると、マスターアイテムは結合されたレイヤーの背面に移動します。
- レイヤーパネルで、任意のレイヤーを複数選択します。結合するレイヤーとしてターゲットレイヤーを必ず含めるようにします。サイトを統合して 1 つのレイヤーにする場合は、パネルのすべてのレイヤーを選択します。
- レイヤーパネルを右クリックしてコンテキストメニューから「レイヤーの結合」を選択します。
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