リリースノート | Flash Player 11、AIR 3 |

2011 年 10 月 4 日Adobe® Flash® Player 11 および Adobe® AIR® 3 をご利用いただきありがとうございます。このリリースには、新機能と共に、セキュリティ、安定性、パフォーマンスおよびデバイスの互換性に関連する機能強化やバグ修正が含まれています。このドキュメントの情報は、定期的に最新情報に更新されます。 

ランタイムバージョン

  • Flash Player Desktop:11.0.1.152
  • Flash Player Android:11.0.1.153
  • AIR Desktop および Android:3.0.0.408
  • AIR SDK(AIR for iOS を含む):3.0.0.4080

Flash Player 11 および AIR 3 の新機能

Stage 3D のグラフィックレンダリングの高速化(Player & AIR デスクトップ + テレビ用 AIR)— Stage 3D は、ハードウェアによって高速化されるグラフィックレンダリング用に開発された新しいアーキテクチャであり、一連の低レベルの API により、スクリーンやデバイス(デスクトップ、モバイルおよびテレビ)をまたがって高度な 2D および 3D のレンダリングを実現します。アプリケーションおよびフレームワークの開発者は、Stage 3D を使用して、高パフォーマンスの GPU ハードウェアアクセラレーションにアクセスし、充実したインタラクティブな操作を実現する新しいクラスを作成できるようになりました。注意:モバイルバージョンの Flash Player および AIR 用の Stage 3D は、今後のリリースで有効になる予定です。

Flash Access コンテンツ保護の機能強化 — Flash Access の新しいコンテンツ保護機能には、キーローテーションのサポート、V3 ライセンスチェーン、ドメインサポートが含まれ、出力の保護とデバイスフィルタリングが強化されています。

Protected HTTP Dynamic Streaming(HDS) — Protected HTTP Dynamic Streaming(HDS)により、スクリーンをまたがってビデオをストリームするための保護が提供され、ライセンスサーバーの複雑なデプロイは不要になります。

NetStream.dispose() — NetStream.close() と似ていますが、ビデオオブジェクトに表示される予定の NetStream によって保留にされている最後のフレームもクリアされる点が異なります。NetStream を後から他のストリームで再利用する場合は、NetStream.close() ではなく、これを使用します。ビデオフレームおよび関連するデコンプレッサーオブジェクトのガベージコレクションが強制的に行われます。このメソッドを使用後は、ビデオオブジェクトには空のフレームが表示されます。

H.264/AVC カメラ用ソフトウェアエンコード(デスクトップ) — 圧縮効率が高く業界標準のサポート対象となっている高品質のビデオを、ユーザーのコンピューターのカメラからストリームします。これにより、ビデオチャットなどのその場にいるようなリアルタイムの通信と、会議やライブビデオのブロードキャストの両方が可能になります

JPEG-XR のサポート — Flash Player および AIR に、高度な画像圧縮規格である JPEG-XR のサポートが含まれました(国際規格 ISO/IEC 29199-2)。計算の負荷の小さい JPEG-XR 形式では、JPEG より効率的な圧縮が可能で、非可逆圧縮と可逆圧縮の両方をサポートでき、アルファチャンネル透明度のサポートも追加されます。

高解像度ビットマップのサポートの強化 — BitmapData オブジェクトの最大解像度の制限であった 16 メガピクセル(16,777,215 ピクセル)が廃止され、ビットマップの幅と高さに関しても 8,191 ピクセルまでという制限が廃止されたため、大容量のビットマップを利用したアプリケーションの開発が可能になりました。

高効率の SWF 圧縮サポート — 開発者は、LZMA 圧縮を SWF ファイルに利用できるようになりました。LZMA 圧縮では SWF のサイズを最大で 40 %縮小できるため、ユーザーは、より短いダウンロード時間と低い帯域幅使用率で、より充実した機能を利用できます。

電話通信用の G.711 オーディオ圧縮 — Flash Media Gateway(FMG)およびその他のサードパーティクライアント(オープン RTMP プロトコルを使用)経由で、トランスコーディングの必要なく、従来の電話システムとの相互運用性をサポートします。

ネイティブ JSON(JavaScript Object Notation)のサポート — ActionScript 開発者は、高性能のネイティブ解析を利用し、JSON 形式のデータを生成できます。

ガベージコレクションに関する情報 — ガベージコレクションのスケジュール設定を最適化するためのヒントを開発者が提供できるようにすることにより、よりスムーズで応答性の高いユーザーエクスペリエンスを提供します。

三次ベジェ曲線 — cubicCurveTo 描画 API により、開発者は、カスタム ActionScript コードなしで複雑な三次ベジェを簡単に作成できます。

安全な乱数生成 — 開発者は、暗号による安全な乱数生成を利用して、より安全なアルゴリズムおよびプロトコルを構築できるようになりました。

ソケット進捗イベント — Socket クラスを使用して、書き込みバッファーに残っているバイト数を特定する新しいプロパティと、データがネットワークレイヤーに送信されているときの新しいイベントを特定することにより、データ転送の管理を改善します。これらの新しい API を使用すると、開発者はファイル転送ユーティリティなどソケットの進捗を監視するアプリケーションを構築し、応答性の高いフィードバックを提供することができます。

DisplayObjectContainer.removeChildren と MovieClip.isPlaying — DisplayObjectContainer で removeChildren API が実装され、開発者は 1 回の API 呼び出しでコンテナのすべての子をすぐに削除できます。新しい MovieClip.isPlaying プロパティでは、MovieClip の現在の再生状態が返されます。

Sound.loadCompressedDataFromByteArray と Sound.loadPCMFromByteArray  - 開発者は、サウンドを再生するために、圧縮された PCM サウンドデータまたは生の PCM サウンドデータを Sound オブジェクトに組み込むことができるようになりました。

Flash Player 11 の新機能



64 bit のネイティブサポート(Flash Player デスクトップ)
— Linux、Mac OS および Windows で、64 bit のオペレーティングシステムと 64 bit のブラウザーのサポートを利用します。

非同期のビットマップのデコード(Flash Player の新機能) — オンデマンドではなく最初の読み込みで画像をデコードすることにより、アプリケーションの応答性を向上し、アニメーションをより滑らかにします。画像は必要に応じてキャッシュされます。

TLS セキュアソケットサポート(Flash Player の新機能) — クライアント/サーバーアプリケーションの安全な通信が可能になります。

AIR 3 の新機能


ネイティブ拡張
— ネイティブ拡張ライブラリにより、開発者は ActionScript を使用して呼び出すことのできるネイティブライブラリを作成および使用できます。これらのライブラリにより、ActionScript の開発者は、同じプラットフォームおよびデバイスに固有のネイティブ機能と、ネイティブアプリケーションで使用できる API を利用でき、AIR アプリケーションに簡単に統合することができます。さらに、パフォーマンスに重要な影響を与えるコードや、AIR アプリケーション内で使用する画像デコーダーのような既存のネイティブライブラリのポーティングにも、ネイティブ拡張を使用できます。

AIR Mobile 用の Flash Access コンテンツ保護サポート — Android を搭載したスマートフォンやタブレットを含むモバイルデバイスで、Flash Access コンテンツ保護サポートが利用可能になりました。コンテンツ保護は、BlackBerry® Tablet OS を搭載したタブレットデバイスでもサポートされるようになりました。注意:Flash Access for iOS は、現時点ではサポートされていません。また、Flash Access for Flash Player Android も現時点ではサポートされていません。

モバイル用の暗号化されたローカル記憶領域 — 暗号化されたローカル記憶領域がモバイルデバイス上でサポートされるようになりました。アプリケーションでは、パスワード、証明書、監査情報などの機密データの保存のサポートを可能にすることで、機密データをより安全に保存できます。

キャプティブランタイムのサポート — AIR for iOS で評判の高いこの機能が、デスクトップ、Android およびテレビ用の AIR でも使用できるようになりました。AIR ランタイムを Windows、Mac、Android およびテレビ上のアプリケーションと共にパッケージすることにより、アプリケーションを効率よくインストールし、テストや証明のコストを削減できます。 

ステージビデオハードウェアアクセラレーション(AIR Mobile)— ビデオパイプライン全体のハードウェアアクセラレーションを活用して、効率性の高い、クラス最高の、高精細(HD)ビデオ再生を実現します。プロセッサ使用率が低減され、ビデオがより滑らかになり、メモリ使用率が低下し、モバイル(Android 3.1、BlackBerry Tablet OS および iOS でサポート)デバイスやテレビデバイスでの再現性が向上します。

H.264 および AAC の再生サポート(AIR for iOS) — ステージビデオハードウェアアクセラレーションを使用しているときに、iOS で H.264 および AAC の再生が可能です。この機能を使用するには、ビデオをプログレッシブダウンロードまたは HLS で配信する必要があります。プラットフォームの制限により、RTMP はサポートされていません。

前面カメラのサポート(AIR for Android) — AIR for iOS および BlackBerry Tablet OS で提供されている前面カメラが、Android デバイスでもサポートされるようになりました。前面カメラを利用すると、スマートフォンやタブレットでビデオ会議やチャットに接続して充実した機能を利用できます。

バックグラウンドオーディオ再生サポート(AIR for iOS)— 開発者は、バックグラウンドでオーディオを再生できるマルチタスク iOS アプリケーションを作成できます。例えば、音楽アプリケーションや、マルチタスクサポート付きの信頼性の高い音声会議アプリケーションなどです。

モバイル用デバイススピーカー制御(AIR for iOS および AIR for Android)— 開発者は、電話のスピーカー、外部スピーカーのどちらからオーディオを出力するかを選択できます。

16 bit および 32 bit の色深度 — 開発者のために、renderMode=cpu/auto の Android上のグラフィックの色深度(16 bit および 32 bit)を制御するためのアプリケーション記述子の設定を提供します。AIR 2.7 以前の名前空間はデフォルトで 16 bit 色となり、AIR 3.0 以降の名前空間はデフォルトで 32 bit となります。

ゲームコントローラー API(AIR TV) — 開発者は、ゲームパッドやコントローラーなど、接続されているゲーム入力デバイスと通信できるテレビアプリケーションを構築できます。注意:この機能は、デスクトップやモバイル用の AIR ではまだ使用できません。

既知の問題

Stage 3D

  • Mac:Mac OS X では、ハードウェアによって高速化されるレンダリングは、Intel GMA、ATI Radeon x1600 および ATI Radeon 2400 の各カードではサポートされていません。
  • Intel i7 または i5 プロセッサーを搭載した MacBook Pro では、Stage3D は統合 GPU を使用します(2943979)。
  • ハードウェアによって高速化されるレンダリングは、VIA チップセットではサポートされていません。

セキュアソケット(TLS)およびセキュアソケットポリシーファイル:

  • Linux には、Mac と Windows の両方のプラットフォームに共通のブラウザー証明書は含まれていません。セキュアポリシーファイルと TLS をシームレスに動作させるには、この証明書が必要です(2827902)。
  • DER 形式の CRL は MAC でサポートされていますが、PEM 形式の CRL はサポートされていません。

Flash Player for Android

  • ns.bufferTime プロパティがゼロ以外の値に設定されている Speex ストリームで、開始時に 4 ~ 5 秒の遅延が発生します(2884740)。
  • Samsung Infuse および Epic 4G 上のハードウェア AAC デコーダーに関連するバグにより、オーディオの再生速度が、意図した速度より大幅に遅くなります(2884721)。

AIR for iOS

  • カメラからのライブストリームと再生を同時に行っているアプリケーションを、画面ロック後に再起動すると、電話がロックした時点のフレームでフリーズしたままになります(2875954)。

Flash Access

  • Flash Access クライアントおよびサーバー SDK の既知の問題については、http://help.adobe.com/ja_JP/flashaccess/3.0/releasenotes.html を参照してください。

その他

 

Flash Player 11 のオーサリング

新しい Flash Player を使用するには、追加のコンパイラー引数(-swf-version=13)を Flex コンパイラーに渡すことにより、SWF バージョン 13 をターゲットとする必要があります。手順は以下のとおりです。
Adobe Flex SDK を使用している場合は以下の手順に従います。

  • Flash Player 11 に対応する新しい playerglobal.swc をダウンロードします。
  • Flex 4.5 SDK の表から Flex 4.5 SDK(4.5.0.20967)をダウンロードします。
  • 開発環境にビルドをインストールします。
    • Flash Builder で、新しい ActionScript プロジェクトを作成します(ファイル/新規/ActionScript プロジェクト)。
    • プロジェクトのプロパティパネルを開きます(右クリックして「プロパティ」を選択)。左側のリストから「ActionScript コンパイラー」を選択します。
    • 右上隅の「Flex SDK を設定」オプションを使用して、プロジェクトを Flex ビルド 20967 に関連付けます。「OK」をクリックします。
  • SWF バージョン 13 をターゲットとするようにプロジェクトを設定します。
    • プロジェクトのプロパティパネルを開きます(右クリックして「プロパティ」を選択)。左側のリストから「ActionScript コンパイラー」を選択します。
    • 追加のコンパイラー引数に追加して、-swf-version=13 と入力します。これにより、出力される SWF のターゲットは SWF バージョン 13 となります。Flash Builder ではなくコマンドラインでコンパイルする場合も、同じコンパイラー引数を追加する必要があります。
    • Flash Player 11 の新しいビルドをブラウザーにインストールしたことを確認します。

AIR 3 のオーサリング

Update to the AIR 3.0 名前空間に更新します。AIR 3.0 の新しい API や動作を利用するには、3.0 名前空間を使用するようアプリケーション記述ファイルに変更を加える必要があります。AIR 3.0 の新しい API や動作を必要としないアプリケーションについては、名前空間の変更は必須ではありませんが、今のところ新機能が不要であっても、AIR 3.0 名前空間に移行することをお勧めします。新しい名前空間を使用するには、アプリケーション記述子内の xmlns 属性を次のように変更します。

<application  xmlns="http://ns.adobe.com/air/application/3.0"> 



必要システム構成

現在の Flash Player の必要システム構成については、http://www.adobe.com/jp/products/flashplayer/systemreqs/ を参照してください。

現在の AIR の必要システム構成については、http://www.adobe.com/jp/products/air/systemreqs/ を参照してください。

Flash Access の必要システム構成(クライアントおよびサーバー)については、http://www.adobe.com/jp/products/flashaccess/systemreqs/ を参照してください。

Flash Player 11 の最小必要システム構成は次のとおりです。

Windows

Mac OS  

Linux

Solaris

Android

プロセッサー

2.33 GHz 以上の x86 互換プロセッサー、ネットブッククラスのデバイスの場合は Intel® Atom™ 1.6 GHz 以上のプロセッサー

Intel® Core™ Duo 1.83 GHz 以上のプロセッサー

2.33 GHz 以上の x86 互換プロセッサー、ネットブッククラスのデバイスの場合は Intel Atom™ 1.6 GHz 以上のプロセッサー

1600 MHz Sun™ UltraSPARC® IIIi 以上のプロセッサー

ARMv7 プロセッサー(ベクトル FPU 搭載)550 MHz 以上、OpenGL ES2.0、H.264 および AAC ハードウェアデコーダー

オペレーティングシステム 

Microsoft® Windows® XP(32 bit)、Windows Server® 2003(32 bit)、Windows Server 2008(32 bit)、Windows Vista®(32 bit)、Windows 7(32 bit および 64 bit)

Mac OS® X 10.6 および Mac OS X 10.7

Red Hat® Enterprise Linux(RHEL)5.6 以降(32 bit および 64 bit)、openSUSE® 11.3 以降(32 bit および 64 bit)、Ubuntu 10.04 以降(32 bit および 64 bit)

Solaris™ 10

Android 2.2、2.3、3.0、3.1 および 3.2

ブラウザー

Internet Explorer 7.0 以上、Mozilla Firefox 4.0 以上、Google Chrome、Safari 5.0 以上、Opera 11

Safari 5.0 以上、Mozilla Firefox 4.0 以上、Google Chrome、Opera 11

Mozilla Firefox 4.0 以上、Google Chrome

Mozilla Firefox 4 以上

Android Web ブラウザー

メモリー

128 MB の RAM(ネットブッククラスのデバイスの場合は 1 GB の RAM を推奨)、128 MB のグラフィックメモリ

512 MB の RAM、128 MB のグラフィックメモリ

512 MB の RAM、128 MB のグラフィックメモリ

2 GB のRAM

256 MB の RAM

AIR 3 の最小必要システム構成は以下のとおりです。

 

Windows

Mac OS  

Android

iOS

プロセッサー/デバイスハードウェア

2.33 GHz 以上の x86 互換プロセッサー、ネットブッククラスのデバイスの場合は Intel Atom™ 1.6 GHz 以上のプロセッサー

Intel® Core™ Duo 1.83 GHz 以上のプロセッサー

ARMv7 プロセッサー(ベクトル FPU 搭載)550 MHz 以上、OpenGL ES2.0、H.264 および AAC ハードウェアデコーダー

iPod touch(第 3 世代)の 32 GB および 64 GB モデル、iPod touch 4、iPhone 3GS、iPhone 4、iPad、iPad 2

オペレーティングシステム 

Microsoft® Windows® XP、Windows Server® 2003、Windows Server® 2008、Service Pack 2 を適用した Windows Vista® Home Premium、Business、Ultimate または Enterprise(64 bit 版を含む)、Windows 7

Mac OS® X 10.6 および 10.7

Android 2.2、2.3、3.0、3.1 および 3.2

iOS 4 以上

RAM

512 MB の RAM (1 GB を推奨)

512 MB の RAM (1 GB を推奨)

256 MB の RAM

 -

問題の報告

バグを発見された場合は、Flash Player および Adobe AIR のバグデータベースにバグを送信してください。

Flash Player および AIR では、お客様のグラフィックハードウェアを利用して H.264 ビデオをデコードし、再生する場合があります。また、ビデオの問題の中には、特定のグラフィックハードウェアおよびドライバーでのみ再現するものがあります。ビデオに関する問題を報告する際は、アドビで問題を再現および解決できるように、ご使用のグラフィックハードウェアとドライバー、およびオペレーティングシステムとブラウザー(Flash Player を使用している場合)を必ずお知らせください。この情報は、ビデオの再生問題の報告手順に従って記載してください。注意:大量の電子メールが寄せられるため、個々の要望への返答はいたしかねます。

Adobe Flash Player および AIR をご利用いただきありがとうございます。貴重なご意見、ご要望をお寄せくださり、ありがとうございます。

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