After Effects を終了します。
この文書では、Windows 版 Adobe After Effects CC を使用する際に発生するシステムエラーまたはフリーズの対処方法について説明しています。
システムエラーは、デバイスドライバー、ソフトウェア、およびハードウェア間でのコンフリクト、特定ファイルの破損など、さまざまな要因で発生しま す。After Effects での作業中にシステムエラーが発生した場合も、必ずしも After Effects が原因であるとは限りません。After Effects では多くのメモリやプロセッサパワーを消費するため、潜在的なシステムの問題が表面化する場合もあります。
この文書を最大限に活用するために、以下の作業を順序どおり行ってください。また、行った作業とその結果を、エラーやその他トラブルなども含めて記録しておくことにより、弊社テクニカルサポートにお問い合わせの際、担当者がより適切なサポートを提供できるようになります。
A. 基本的なトラブルシューティング
このセクションの作業は、一般的なシステムエラーの解決に役立ちます。これらの作業を実行する前に、すべての個人用ファイル(作成した After Effects ファイルなど)のバックアップを作成してください。また、システムエラーが発生した場合は、必ずコンピュータを再起動してメモリをリフレッシュしてください。再起動せずに作業を続行すると、別の問題が発生する可能性があります。
以下の一部の作業では、Windows の初期設定で非表示になっている隠しファイルや隠しフォルダーにアクセスする手順が含まれています。隠しファイルおよび隠しフォルダー、ファイルの拡張子を表示する方法については、隠しファイルおよび隠しフォルダーを表示する方法(Windows)を参照してください。
A-1. 必要システム構成
コンピューターが After Effects の必要システムを満たしていない場合、正しく動作しない可能性があります。ご使用のコンピューターが以下のページの必要システム構成を満たしているかご確認ください。
※ コンピューターのシステム情報を確認する方法については、こちらをご確認ください。
A-2. アプリケーションのアップデート
Adobe アプリケーションをアップデートすることによって、オペレーティングシステムやデバイスドライバーとの互換性およびアプリケーションのパフォーマンスなどの問題が改善する場合があります。
アップデートを行うには、ヘルプ/アップデートを選択するか、Creative Cloud デスクトップアプリケーションで Apps タブを開き、After Effects の横に表示される「アップデート」ボタンをクリックします。
A-3. 環境設定ファイルの再作成
After Effects の環境設定ファイルを再作成することによって、環境設定ファイルの破損によるエラーを改善することができます。
環境設定ファイルを再作成すると、アプリケーションの設定が初期状態に戻ります。
環境設定ファイルを再作成するには、以下の操作を行います。
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以下のフォルダー内に保存されている環境設定ファイル「Adobe After Effects <バージョン> 環境設定.txt」のファイル名を変更します。(変更例:Adobe After Effects 15.1 環境設定.old など)
- C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Adobe\After Effects\<バージョン>
注意:After Effects CC では、アップデートバージョンごとに環境設定フォルダーが生成されます。(例:15.0、15.0.1、15.1 ・・・)インストールされている最新バージョンのフォルダーを選択してください。
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After Effects を再起動します。
上記の操作を行っても問題が改善されない場合、問題の原因は環境設定ファイルの破損ではありません。再作成された環境設定ファイルを削除し、手順 2. で変更したファイル名を元に戻すことで、カスタマイズ設定を復元することができます。
A-4. Windows Aero の無効化(Windows 7)
Windows Aero が有効な場合、After Effects の動作に影響を及ぼすことがあります。以下の操作を行い、Windows Aero を無効にして下さい。
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スタート/コントロールパネル を選択します。
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表示方法が「カテゴリ」になっていることを確認し、「テーマの変更」をクリックします。
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「個人設定」が表示されたら、「ベーシックテーマとハイコントラストテーマ」欄から任意のテーマを選択します。
A-5. スタートアップ項目とサービスを無効にして After Effects を起動
アンチウイルスソフトウェア、ファイアウォールソフトウェア、またはその他のアプリケーションや Windows の起動時に読み込まれるサービスなど、After Effects と同時に実行されているアプリケーションがシステムエラーまたはフリーズの原因となる場合があります。Windows の「システム構成ユーティリティ」を使用して一時的に最小限のスタートアップ項目とサービスだけを有効にして After Effects を起動し、コンフリクトの原因を特定します。
以下の文書を参照し、スタートアップ項目を無効にします。
問題が再現しない場合
After Effects と無効にしたスタートアップ項目のうちいずれかが、コンフリクトの原因となっている可能性があります。スタートアップ項目を 1 つずつ有効にして、どの項目とコンフリクトを起こしているか特定し、アプリケーション、またはサービスをアップデートします。アップデートの詳細について は、各製造元へお問い合わせください。
問題が再現する場合
スタートアップ項目が問題の原因ではありません。スタートアップ項目を再び有効にして、次のトラブルシューティングへ進みます。
A-6. 新規ユーザーアカウント
問題が発生する際にログインしているユーザーアカウントと同等の権限を持った新規ユーザーアカウントを作成します。新規ユーザーアカウントでログインして問題が解決した場合、既存のユーザーアカウントが破損している可能性があります。
アカウントの作成方法については、以下の文書を参照してください。
A-7. Windows Update
Windows のアップデートを行うことにより、アプリケーションのパフォーマンスや互換性の問題が改善される場合があります。以下の Microsoft 社 Web サイトから Service Pack およびその他のアップデーターを入手することができます。インストール方法などの詳細については、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
A-8. ビデオカードドライバーのアップデート
ビデオカードの製造元の多くはソフトウェアドライバーを頻繁に更新しています。ビデオカードドライバーのアップデートを行っていない場合は、ビデオカード の製造元へドライバーの更新について問い合わせるか、製造元の Web サイトからアップデータをダウンロードしてください。ビデオカードの製造元を確認するには、デバイスマネージャで「ディスプレイアダプター」の項目を展開し、表示されるビデオカードのプロパティを参照してください。
A-9. After Effects の再インストール
After Effects が正常に動作しない場合、一旦アンインストールしてから再インストールことで問題が改善される可能性があります。以下の文書を参照し、After Effects CC をアンインストールしてから、再インストールを実行してください。
B. システムに関するトラブルシューティング
上記セクションの手順を行っても問題が改善しない場合は、以下の操作を行います。
B-1. 問題の原因となるファイルを特定
エラーメッセージの内容から問題の原因となっているファイルが特定できる場合、問題となるファイルが含まれているアプリケーション、または関連するアプリ ケーションを再インストールすることで問題を解決できる可能性があります。プロジェクトに含まれるファイルが原因でエラーが表示される場合は、ファイルを ハードディスクに再度コピーするか、ファイルを作成したアプリケーションでファイルを再作成、または再キャプチャします。システムファイルが原因でエラー が表示される場合は、Microsoft 社へお問い合わせください。
B-2. サードパーティ製プラグイン
インストールされているプラグインが After Effects の動作に影響を与え、システムエラーやフリーズなどの原因となることがあります。After Effects の「Plug-ins」フォルダから、サードパーティ製のプラグインをデスクトップなどに移動して動作を確認します。
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After Effects を終了します。
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以下のフォルダーから、サードパーティ製プラグインをデスクトップなどの別の場所へ移動します。
C:\Program Files\Adobe\Adobe After Effects <バージョン>\Support Files\Plug-ins
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After Effects を起動し、問題を再現します。
問題が再現しない場合
1 つまたは複数のプラグインが After Effects とコンフリクトを起こしていることが考えられます。After Effects を終了し、1 つずつプラグインを元の場所に戻して問題を再現します。問題の原因となるプラグインが特定できた場合は、プラグインのアップデートについて製造元へお問い合わせください。
問題が再現する場合
サードパーティ製プラグインは正常に動作しています。移動したプラグインを元のフォルダーに戻してください。
B-3. フォントのトラブルシューティング
フォントファイルが破損することにより、アプリケーションの動作に影響を及ぼす可能性があります。以下の文書を参照し、フォントの問題を確認してください。
B-4. コーデックのトラブルシューティング
起動時に発生する問題やアプリケーションがフリーズする問題の多くは、コーデックの不具合、または互換性のないコーデックによって発生します。最近 インストールしたビデオコーデックあるいはオーディオコーデックを削除することによって、問題の原因を特定することができます。また、その他のコーデック を一時的に無効にすることで、インストールされているコーデックの互換性についてテストすることができます。
コーデックを一時的に無効にするには、以下の操作を行います。
警告:Windows レジストリには、コンピューターとアプリケーションのための重要な情報が含まれています。レジストリの編集については、弊社ではサポートを行っておりませ ん。変更する前には、必ずレジストリのバックアップを作成してください。レジストリの詳細は、Windows ヘルプを参照するか、Microsoft 社にお問い合わせください。
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Windows キーを押しながら R キーを押します。
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ファイル名を指定して実行 ダイアログボックスが表示されたら、「名前」テキストボックスに「regedit」と入力し、「OK」をクリックします。
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ユーザーアカウント制御ダイアログボックスが表示された場合は「はい」をクリックします。
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レジストリエディター左側のツリーから以下のパスを展開して選択します。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows NT¥CurrentVersion¥Drivers32
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無効にするコーデックをダブルクリックします。
注意:ビデオコーデックは通常「vidc」で始まり、オーディオコーデックは通常「.acm」という拡張子で終了します。また、ファイル名は、常に コーデックの通称名と一致しているわけではありません。例えば、Cinepak は vidc.cvid のように表示されます。
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文字列の編集ダイアログボックスで、「値のデータ」内のデータの最初にセミコロン(;)を追加してエントリを無効にします。
例:「;iyuv_32.dll」
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「OK」をクリックします。
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手順 5. ~ 7. を繰り返し、互換性をテストするすべてのコーデックを無効にします。
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After Effects を起動します。
問題が再現しない場合
コーデックが問題の原因です。コーデックを再インストールするか、アップデートおよび互換性について製造元へお問い合わせください。プロジェクトで使用しているファイルが問題の原因となるコーデックを使用している場合は、別のコーデックを使用します。
問題が再現する場合
コーデックは問題の原因ではありません。コーデックを再度有効にします。コーデックを再び有効にするには、上記手順 6. で追加したセミコロン(;)を削除します。
B-5. ユーザーアカウント制御(UAC)の無効化
ユーザーアカウント制御を無効にして問題が解決するか確認します。
ユーザーアカウント制御を無効にする方法については、以下の Microsoft 社 Web サイトを参考にしてください。
重要:ユーザーアカウント制御は、システムに影響を及ぼす可能性のある予期しない動作が実行されるのを防ぐための機能です。ユーザーアカウント制御を無効にすることによって、これらの通知は無効にされます。
B-6. メモリ(RAM)の最適化
After Effects では、各バックグラウンドプロセスにコンポジションのレンダリングとプレビューの際に使用可能な RAM 容量を設定することができます。設定を確認、変更するには、編集/環境設定/メモリ&マルチプロセッサを選択します。
RAM 使用量を過剰に割り当てることによって、メモリエラー、フリーズ、クラッシュなどの問題が発生することがあります。RAM 使用量を少なくすることで、パフォーマンスが低下しますがメモリに関する問題を回避できる場合があります。メモリ環境設定を最適化する方法についての詳細は、After Effects ヘルプ「メモリとディスク」を参照してください。
B-7. ディスクキャッシュの最適化
レンダリングしたフレームを格納する際に使用可能なメモリが不足している場合、After Effects の設定を変更することでディスクキャッシュファイル(一時的なディスク領域)の使用が可能になります。ディスクキャッシュを有効にする場合は、レンダリン グされたコンポジションのために十分に空き容量のあるハードディスクを指定する必要があります。必要に応じて、ディスクキャッシュに指定するハードディス クから不要なファイルを削除します。
ディスクキャッシュを有効にするには、編集/環境設定/メディア&ディスクキャッシュを選択します。設定の詳細については、After Effects ヘルプ「メモリとディスク」を参照してください。
B-8. マルチプロセス機能の無効化(Ver.13.5 未満)
複数のプロセッサー(CPU)、またはマルチコアプロセッサーを搭載しているコンピューターを使用している場合、After Effects は複数のフレームを同時にレンダリングすることができます。マルチプロセス機能を有効にしている状態でレンダリング中にフリーズまたはクラッシュなどの問 題が発生する場合、ハードウェアまたはメモリに関連した問題が発生している可能性があります。
マルチプロセス機能を無効にするには、以下の操作を行います。
After Effects CC 2015 (13.5)以降のバージョンでは、「複数のフレームを同時にレンダリング(マルチプロセッシング)」機能は削除され、新しいアーキテクチャに移行しました。「複数のフレームを同時にレンダリング」機能に関連するオプションは環境設定から削除され、「メモリ&マルチプロセッサー」は「環境設定/メモリ」になっています。
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編集/環境設定/メモリ&マルチプロセッサーを選択します。
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「複数のフレームを同時にレンダリング」からチェックをはずします。
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「OK」をクリックします。
マルチプロセス機能についての詳細は、After Effects ヘルプ「メモリとディスク」、「「複数のフレームを同時にレンダリング」マルチプロセッサー」を参照してください。
B-9. 一時ファイルの最適化
Windows およびアプリケーションは、作業データーを一時ファイル *.tmp としてハードディスク上に保存します。サイズの大きいファイルや古いファイルは Windows またはアプリケーションのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。Windows に付属のディスククリーンアップユーティリティを使用するか、手動で一時ファイルを削除し、一時ファイルが保存されるハードディスク上に空き容量を確保し ます。ディスククリーンアップに関する詳細は、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
B-10. 仮想メモリの設定
仮想メモリによって、システムがメモリ(RAM)に保管する情報をハードディスクへ保存することが可能となります。Windows Vista ではページングファイルを使って仮想メモリを管理していますが、最小と最大のサイズを任意の値で設定することもできます。設定したページングファイルのサ イズが Windows の初期設定と異なっている場合、アプリケーションがエラーを返すことがあります。ただし、いくつかのアプリケーションは、Windows のデフォルトサイズと異なるページングファイルサイズを要求する場合もあるため、他のアプリケーションに悪影響を与えない場合にのみページングファイルのサイズを以下のように変更してください。
- 初期サイズ : 搭載メモリ容量の 1.5 倍
- 最大サイズ : 初期サイズに入力した数値の 2 倍
ページングファイルのサイズを変更する方法については、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
B-11. ハードディスクの修復とデフラグ
ハードディスクに不良セクタや断片化したファイルがあると、システムエラーが発生する場合があります。Windows に付属のエラーチェックツールおよびディスクデフラグユーティリティ、または Symantec 社 Norton Utilities などのサードパーティ製のディスクユーティリティを使用して、ハードディスクを修復し断片化を解消します。これらのユーティリティは、それぞれのハード ディスクまたはパーティションごとに実行する必要があります。Windows 付属のエラーチェックツールおよびディスクデフラグユーティリティの詳細については、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
B-12. システムのウイルススキャン
Norton AntiVirus、McAfee AntiVirus など、最新のウイルス対策ソフトウェアを使って、システムのウイルスをチェックします。ウイルスに感染すると、ソフトウェアが破壊され、システムエラーが 発生することがあります。詳細は、ウイルス対策ソフトウェアのヘルプやマニュアルを参照してください。
B-13. Administrator アカウントでのログイン
初期設定の管理者アカウントである「Administrator」アカウントは、一般的なローカルの管理者アカウントよりも高いアクセス権が設定されています。初期設定では、「Administrator」アカウントは無効に設定されています。
「Administrator」アカウントを有効にしてログインする方法については、システム管理者に問い合わせるか、以下の Microsoft 社 Web サイトを参照してください。
C. 問題が解決しない場合
上記すべての操作を行っても問題が解決しない場合は、既知の問題として弊社サポートデータベースで文書が公開されていないか検索します。
URL:http://www.adobe.com/go/support_faq_jp
ま た、以下の弊社ユーザーフォーラムにおいて、弊社製品を使用しているユーザーから同じような問題が報告されているかを参照することができます。別のコン ピュータでも同じ問題が確認できた場合、弊社テクニカルサポートにおいても、問題を再現し検証を行える可能性があります。
URL:https://forums.adobe.com/community/international_forums/japanese/after_effects